闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜 作:アルピ交通事務局
「ねぇ、よかったの?トキワジムに挑まなくて」
「今はまだその時じゃねえんだ……トキワジムはカントーでも指折りのジム、トキワジムを制した証であるグリーンバッジは本物の強者の証だが今挑んでも負ける。負けが確定している勝負に挑んでも意味はねえ」
ケロマツとサンドを手にしてやって来たのはトキワの森。トキワシティじゃない、トキワの森だ。
アニポケには流れがある。
という感じの流れがアニポケだ。起承転結がなんだかんだで上手く出来ている。
そしてアドバンスジェネレーションまで同じことをしておりマンネリ化していた。そこでテコ入れして成功したのがダイヤモンド・パール編だがマンネリ化が脱出出来たが調子に乗ってさらなる1手を打って失敗したのがベストウィッシュ、反省して出来たのがXYとXY&Z、1話短編の話が全く進まないがギャグ要素がある日常回と島巡りやUB等の真面目な長編シリーズの両立が出来る例えるならばシリアス回を終えた後に全く関係無いギャグ回が出来る銀魂の様なサン・ムーン、今までの集大成の最終無印だ。
マサラタウンのサトシになった以上は覚悟をしている。オレが冒険をしている地方に悪の組織が世界征服だテロ行為の最後の段階に至っていたりしておりそいつを撃退しなきゃならねえ。それは別に構わねえ。その為に結構な値段がする警棒を持っている。だが、ロケット団。お前だけはダメだ。
「今日は満月……あ、明日が満月なのね」
「アレってよく分からねえな」
ロケット団だけはマサラタウンのサトシでも壊滅させることが出来なかった。
オレの持っているケロマツはマサラタウンのサトシが手に入れたケロマツと同じ個体だ。ケロマツ自身は頑張ればゲット出来るが、オレのケロマツは、サトシゲッコウガは世界に1匹とも言える。そんなのを持ってたら確実にロケット団に追い回されるオチが見える。
ロケット団の介入によってトラブルが解決する反面、逆にロケット団が事件の原因そのものの時もある。だからこそ、トキワシティのポケモンセンターに宿泊しなかった。マサラタウンのサトシがポケモンを貰った初日にポケモンセンターでピカチュウを回復させてピカチュウに力を与えて通常よりもスゴいピカチュウなんだと認識させ……追いかけ回される。ピカチュウの代わりにケロマツが狙われるオチだ。それだけはあってはならない。
「シゲルもヤヒコもアムも今は同じところか」
「まさか私達が一番最後なんて……なんでかしら?」
故にそのイベントは回避させてもらう。トキワシティを抜けてトキワの森にやって来た……だがまぁ、なんと言えばいいんだ?
オレ達がトキワシティに辿り着いたのはいいがジュンサーさんに職質されてポケモントレーナーの身分証明証であるポケモン図鑑を見せればシゲル達がトキワシティを通過したと言っていた。いや、確かに3時間ぐらい歩く距離でルートによっては簡単に辿り着くが早すぎねえか?確かサトシがバッジを集め終えてからマサラタウンに帰ったらポケモンリーグ開催まで2ヶ月の余裕があるって言われてるからサトシ大分どころかかなり余裕があったぞ。
「セレナは……結局やりたいことを見つけたのか?」
「……ママがポケモンレーサーにさせたいからサイホーンとかギャロップとか色々と乗らされて子供が出る大会に出たわ。1回優勝して何回か入賞したけど……コレがホントに自分がやりたい事なのかなって」
「嫌なら嫌ってハッキリと言えばいいじゃねえか」
「ううん、違うの。サイホーン達に乗って走って風を感じたりハラハラするデッドヒートは楽しいって思う時があるんだけど、周りの人と持っている熱が違うんじゃないのかなって……ママの言う通りにやってるけど、それは言われたからやってるだけで私自身の意思でやりたいなって思えることをやってるわけじゃないんじゃないかって」
親だから親には言えないではなく、自分の求めているものとはなにかが異なるのだと違和感を抱いている。
それこそが子供から大人に成長する自分を抱くということ、セレナは親の言うことを聞きたくないのでなく親の言うことじゃなく自分が自分だと言える物をやってみたい。まだなにがやりたいか分からないが、世界は広い。少なくとも原作知識じゃセレナはポケモンレーサーじゃないもので夢中になれるものを見つけることが出来る。
「うっ……美味しい」
「なんだよ、不満か?」
「いや……あんなに頑張ったのに、私の負けって……」
綺麗な満月……の前の日だからなんの日だ?
ともかく満月の前日を過ごして朝ご飯に握り飯を作るがセレナが軽くショックを受ける。
コレでも前職、料理人だぞ。下っ端でビュッフェ形式のホテルのレストランに配属されてた。調理師免許だって持っててやろうと思えばふぐや鰻を捌けるんだ。というか握り飯で負けを感じるのはおかしいだろう。
「トキワの森……だわ」
スマホより大きくタブレット端末よりは小さい端末のタウンマップ機能を使ってセレナは現在地を確認する。
現在地はトキワの森、なにか目印の様なものはあるのかと思ったのだがそういうものはなくホントに右見ても左見ても森、タウンマップもトキワの森とだけ出ておりトキワの森の西側とか南側とか……Googleマップ並に正確な位置取りをしてくれていない。こう、富士の樹海みたいに特殊な磁場が出ているとかじゃなくて普通にトキワの森となっている……アバウト過ぎるだろう。
「北へ向かえばニビシティに嫌でも辿り着く、コンパスは狂ってないんだろ?」
「うん……慌てないね」
「慌ててもなんも解決しねえんだよ……」
「カッコイイ……」
困ってはいるが慌ててはいねえんだ。コンパスは狂っていないので北を向いた。
セレナはオレがカッコイイと言ってくれるがこんなの歳食えば嫌でも身につく技能だ。
「ポケモンリーグに出るには最低でもポケモンが6体必要でドクターストップが掛かって出場することが出来ないって事が過去にあるから、ここでなにかゲットしないの?」
「最もな意見だが……オレは自分で扱い切れるポケモンしか扱わねえ主義なんだ。そういうセレナこそどうなんだ?」
ポケモン研究家は当然、ポケモンに関するあれやこれやを研究する。ポケモン博士ならば当然の事だろう。
だが問題は研究対象が居ないということ。オダマキ博士の様なフィールドワーク以外、例えばプラターヌ博士のメガシンカやククイ博士のポケモンの技に関する研究はポケモンその者が居なくちゃなんも始まらねえ。
だからポケモン研究家はトレーナーのポケモンを預かる代わりに研究対象にしていたりする。オレはオーキド博士、セレナはプラターヌ博士の研究所にポケモンが置かれる。そして研究対象になる……ポケモンの面倒を見るのとポケモンを預けるでWin−Winな関係性に見えるが6:4ぐらいの割合な感じもする。
「私は……………サトシと一緒に旅をしたいなって思ってたし1番欲しかったフォッコは貰えたし、サトシの邪魔はしたくないわ」
「邪魔って、別にそんな事は思ってねえが」
「例えば思い出作り感覚でジムに挑んだりするのは失礼じゃない。サトシは真剣に、本気で最強を目指してる横で中途半端な姿勢は見せたくないわ……でも、サトシの横に立てるぐらいには頑張るから!」
「……そうか」
女って強いな。セレナはピンと来るポケモンが居ない限りはゲットするつもりは無いみたいだ。
こういう感じのトレーナーが多々居る……オーキド博士は1匹でもポケモンを送ってこいと思ってるだろうが、そういうのはオレの管轄外だ。
「いけ、ケロマツ」
「ケォ!」
「どうしたの、急に?」
「ニビジムは『いわ』タイプのポケモンを使うジムだ、手持ちを増やさないからケロマツとサンドが出るのは確定でケロマツを鍛える」
「鍛えるって、トレーナーが居ないわよ?」
ケロマツを鍛える為にモンスターボールから出したが、辺りにはトレーナーが見当たらない。
この世界では野生のポケモンをゲットする以外で傷つけるとポケモン愛護団体が五月蝿い……害獣でもなんでもない奴等を攻撃するのはモラルに欠ける。言い方を変えれば野良犬や野良猫をボコっている。
「セレナ、手を繋いでくれ」
「?」
「一歩でも間違えればややこしい事になるだろう……ここはポケモンが多く生息する森だからな」
ケロマツで自主練習はしない。かと言ってセレナに相手になってもらうわけにもいかない。
セレナはフォッコしか持っていないんだから確実に勝つことが出来る。別にそれはそれでセレナがフォッコを鍛えるのにいいが、オレはケロマツを鍛えたいんだ。セレナの手を握れば一緒に歩いていき……何故か草が1本も生えていない場所に辿り着く。
「ピジョォ!」
「クククッ……やっぱりな。こういうところは探せば幾らでもあるもんだよ」
そこに辿り着けばピジョンが舞い降りる。突如のことでビクッとなっているセレナ。
「サトシ、ここはなんなの?」
「セレナ、ポケモンにも色々と性格がある。戦いを好む奴も居れば戦いを嫌がる奴も居る……此処は戦いを好む強くなりたいと思っている連中が集まってはバトルする場所だ」
サン・ムーン編でイワンコが野生のポケモン達とバトルをしていた。
もしかしたらと思って調べたりしてみたら強くなりたいと思っているポケモン達が互いにぶつかり合う事で強くなろうとしている場所があった。おそらくはポケモンが多く生息している土地には何処にでもある。そここそが唯一野生のゲットするつもりが無いポケモンと戦うことが出来る場所だ。
「ピジョピジョピージョ」
「チャレンジャーさ……負け抜けのぶつかり稽古方式だろ?」
なにをしに来たのだと聞いてくるピジョン。
オレ達はチャレンジャーとしてここに挑みにやって来たのだと言えばピジョンは飛び去った。アレは逃げたのでなく、ピジョンが現在のここの主を呼び出そうとしている。
「二ド!」
「ニドリーノ……この近隣じゃそうなるか」
ピジョンが呼び出したのはニドリーノだった。
トキワの森は虫ポケモンの巣窟で他に見かけるポケモンは『むし』タイプのポケモンが多いこの場所『つつく』を覚えれるニドリーノはこの土俵の上じゃ一番強いと言える状態になる。
「ケロマツ、初っ端からコケるなよ」
「ケロ!」
「ピジョォ!」
「ニド!」
「ケロマツ、真正面にケロムースを置け」
ピジョンがバトル開始の合図を告げてくれたので互いに動き出す。
ニドリーノはなんの迷いもなく突撃してくる。技の指示が無いから『たいあたり』か『つのでつく』か『つつく』か分からねえが真正面から突っ込んでくるのだけは簡単に分かる。直進で力自慢……ポケモンをやっていた人間からすれば笑うしかねえな。
ケロマツは首元のケロムースを投げた。ケロムースに触れたニドリーノは足を滑らせた。
「ケロマツ『みずてっぽう』だ」
「ケロ!」
足を滑らせたニドリーノに対して追撃する。ケロマツは口から水を吐いてニドリーノを押していく。
口から水を吐き終えれば立ち上がるニドリーノはもう1度真正面から突っ込んでくるかと思ったがジャンプした。
「『いあいぎり』で弾くんだ」
今度は『にどげり』を使ってきたんだろう。この状況で回避は無理だと両腕を伸ばして『いあいぎり』の状態に入るケロマツ。
ニドリーノの後ろ足を見ている。右腕で右足の蹴りを弾こうとするが『にどげり』なのでもう一撃が、左足の蹴りが入ってしまいバランスを崩した。
「二ド!」
「ケロ!」
「クククッ…………」
「サトシ、押されてるわよ?」
「コレだよ、コレ……オレはこういうのを待ってたんだ」
今まで自主トレだと鍛えてきたが実戦で鍛えたことは無い。技の精度を上げたりするぐらいしか使ってない。
『にどげり』を『いあいぎり』で弾くのを失敗したケロマツに追撃の『たいあたり』を決める。この予想外の部分があるからポケモンバトルは面白い。セレナは負けないかとヒヤヒヤしているがこれぐらいで負けるような柔なポケモンじゃない事ぐらい分かってる筈だ。
「ケロマツ、間合いは開いておけよ……『みずてっぽう』」
「ケロォ!」
「二ド!?」
「……」
タイプ相性云々では普通だからか、若干だが停滞している気もするが悪くはねえ。
ケロマツは『みずてっぽう』という飛び道具を持っている。ニドリーノは物理技しか覚えていない。だが『どくのトゲ』の可能性もあるので物理接触技は使えない。『みずてっぽう』だけで戦う。
「ニド!」
「飛んだ!また『にどげり』が来るわ!!」
「ケロマツ、地面に向かって『みずてっぽう』だ」
「ケォ!」
真正面から突撃すれば『みずてっぽう』に阻まれるのだと『にどげり』に切り替える。
『みずてっぽう』を撃ってからそれをやめての回避は普通に無理な事だがこの方法ならば可能だとケロマツは地面に『みずてっぽう』を吐いてほんの少し後ろに飛んでニドリーノの『にどげり』を回避した。
「『みずてっぽう』だ」
殆ど目の前にいるニドリーノに対して『みずてっぽう』をぶつける。
ニドリーノは吹き飛ばされるがそれでも立ち上がる……ニドリーノとケロマツの間に大きなレベル差がある感じじゃないな。純粋に負けたくないという思いからニドリーノは立ち上がる。伊達にトキワの森の土俵でチャレンジャー待ちしているポケモンじゃない。
「…………嫌な予感がするな……………『みずてっぽう』だ」
「ニドリーノはもう限界だからコレが決まれば」
「ニドォ!!」
「『みずてっぽう』を使った!?」
ったく、嫌な予感は的中するなよ。
『みずてっぽう』を後1発ぶつけるだけで勝てるところにまで追い詰めればここに来てニドリーノが『みずてっぽう』を撃った。
初代では普通に覚えていた技だからオレは驚かないが、この土壇場で『みずてっぽう』を撃った事と覚えれた事をセレナは驚いた。
「追い詰められたその時こそ真価を発揮する……こんな崖っぷちでも戦うのは中々の根性だ……だが、オレの勝ちだ。ケロマツ、ケロムースをニドリーノの周りに円になるように撒け」
「ケォウ!」
「そうか!ケロマツは『みず』タイプのポケモン、覚えたてのニドリーノの『みずてっぽう』に耐えながら行動は出来るわ!」
『みずてっぽう』を受けながらもケロムースを撒いた。ケロマツならばニドリーノの『みずてっぽう』を絶対に耐えながら動ける。
そう信じた上でケロムースを撒いてもらい盤面を揃えた。
「リーチだ、ニドリーノ」
「二、二ド……」
ニドリーノの周りにはケロムースがある。走れば滑る、歩かないと脱出する事が出来ないがそうすれば隙が生まれる。
『にどげり』をする要領でジャンプしたとしても『みずてっぽう』回避、いや、『みずてっぽう』そのものをぶつけるだけで終わる。
「……ニド!」
「……………そこが怪しかったんだよ。ケロマツ、『いあいぎり』だ」
「ケォ!!」
四方にケロムースが囲まれていることに気付けば『みずてっぽう』を使った。
ケロマツに当てる『みずてっぽう』ならばこちらも『みずてっぽう』で相殺すればいいがこの『みずてっぽう』はケロムースに対して放つ……ケロマツを見逃してケロムースを優先し、大きな隙を作った。ケロマツはニドリーノに対して『いあいぎり』で攻撃した。
「ピジョォ!!」
「よくやった……いい試合だったぜ」
ピジョンが戦闘不能になったのだと合図を告げる。するとオレンのみを持ったニドラン♀が現れる。
オレンのみをニドリーノに食べさせるニドラン♀、アフターケアはしっかりとしているんだな。
「プファ!」
「なにやってんだよ?」
「だ、だって危なかったから」
「何処がだよ……ケロマツは勝つべくして勝った、ただそれだけだ」
『にどげり』でバランスを崩されて『たいあたり』をくらい武器である『みずてっぽう』を真似された。これで予想外だとグニャッていてはポケモントレーナーとして永遠に3流だ。セレナが溜め込んでいた息を吐いたので少しだけ呆れるが、見る人が見れば熱い試合だった、そんなとこか。
「ニド」
「ケロマツ、食っとけ」
「ケロ」
ニドリーノにオレンのみを持ってきたニドラン♀がケロマツにもオレンのみを渡す。
ケロマツに食べるように言えばケロマツはパクリとオレンのみを食べてダメージを回復する。
「ケロマツ、オレはどうだった?」
「ケロ……」
オレはマサラタウンのサトシじゃない。だから、ケロマツが本来気に入る認める一緒に強くなろうと違う人間じゃない。
もしかすると心の何処かでオレに対して不満を抱いている可能性があるのかと聞いてみればケロマツは少しだけ考えた後に拳を突き出すのでオレも拳を突き出した。オレのことを認めたってわけか。
「ケロマツ、休憩が終われば次行くぞ……今のでギラギラと闘志を燃やしたのが何体か居る」
ニドリーノを倒したケロマツを倒したいという思いを持ったポケモンが視線を向けてきている。
この流れはいい……まだまだやる。倍プッシュだ