闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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トウカジム 最初のバッジ

 

「よぉ」

 

「…………サトシ…………」

 

ハルカが何処に居るのかが分からないのだが何となくここに居るんじゃないのかと自分の直感に信じて水辺にやって来た。

ハルカは体育座りをしていて酷く落ち込んでおりどうすればいいのかが分からないのだと困惑していた。

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

「………な……なにか言ってよ!」

 

「なにを言ってほしい?」

 

「え?」

 

ハルカの隣に座って無言が数分間続いた。

ハルカはオレになにかを言ってほしいみたいなのか思わず声を荒げているのだが、オレは逆にハルカに問い掛ける。

 

「お前にとって都合の良い言葉を言おうと思えば幾らでも言える……だが、それがお前がホントに欲しいものか?」

 

「……」

 

「先ず……お前が負けた原因はラルトスの特性を理解していなかったこと。『トレース』で『なまけ』をコピーしちまった。そのせいで小刻みの『テレポート』からの『ねんりき』のヒットアンドアウェイが出来なかった……ハッキリと言えばアホだ」

 

「っ、そ…………」

 

「どうした?そこまで言わなくてもいいでしょ!って言葉は出さねえのか?」

 

「…………言えないわ…………」

 

自分でもそれなりに酷いことを言っている自覚はある。

ハルカはそこまで言わなくてもいいでしょ!と言い返そうと一瞬だけするがハルカは言葉を飲み込んだ。

その事について言わないのか聞くと言うことが出来ないとハッキリと返事する。

 

「サトシが真剣にやっていることは私は知ってるわ……だから私もいけるかもって思ったけど……私の真剣は全然だった……なにが一番悔しいって私のせいでアチャモ達を勝たせる事が出来なかった!!」

 

ポロポロとハルカは涙を流す。どうして自分が負けたのかを教えたからより自分のせいだと責める。

悔しいとポロポロと泣いているハルカにハンカチは出さない。最初の壁にぶち当たって涙を流すのは大抵の奴が通る道だ。

ハルカが泣き止むまで待っている。ハルカが地味にオレの服の裾を掴んでいるので無理矢理外すことはしない。

 

「それで、どうするんだ?もう二度とジム戦なんてしないって諦めるか?」

 

「…………それもいいかもって思ってた……けど……楽しかった……パパには勝つことが出来なかったしラルトスの事をなんにも分かってなかった。けど、ほんの少しの時間だったけど心の中がグッと熱くなって楽しかったかも」

 

「クククッ……悔しいって思えることはいいことだ……」

 

「……サトシは負けて悔しいって思わないの?」

 

「ん……ああ……どうもその辺の感情が欠けてるからな」

 

負けたらそこまでだと負けは割とすんなりと受け入れるタイプだ。

負けを引きずってしまえば余計な事を考えてしまう……だから、負けは負けだと受け入れる。

コレはオレの負けだなと認めれば素直に負けは認める……引き摺ることはしない……

 

「ハルカみたいに悔しいって思えるのは正直羨ましいよ……オレは悔しさをバネに出来ないタイプだ」

 

◯◯だから負けたという事実をあっさりと受け入れることが出来る。

戦う人としてそれを冷静に受け入れることが出来るのはよくないこと……かと言って負けを引き摺るタイプでもない。

負けよりも勝ちにこだわる。どんなに綺麗な言葉を並べても皆が求めているのは勝ったという事実……コレが辛い現実だろうが、その現実と向き合ってこそ挑戦者だろう。

 

「それで……どうする?センリさんは強い……3体目に潜んでいるのはナマケロやヤルキモノよりも遥かに強いケッキングだ。今回は所謂小手先の技術でなんとかヤルキモノと引き分けにまで持ち込めることが出来た……だが、最後のケッキングは今のお前じゃ小手先の技術で誤魔化してなんとか勝てるレベル」

 

「……え?なんとか勝てるレベルなの?」

 

「ああ……勝ち筋は確かに存在していた……だが、お前のトレーナーとしての技量が低かった…………それだけだ」

 

「……………」

 

「クククッ……今になって後悔しているか?……だが、それでいいんだ。後悔する事が出来たって言うならまだまだ変わる事が出来る証だ。お前はまだポケモンを貰ったばかりだ」

 

「うん…………私、もう少し頑張ってみるわ!次こそはパパを」

 

「今はやめておいた方がいい」

 

「え?」

 

「そもそもで『ノーマル』タイプのジムを最初に攻略しようってのが難しい事なんだ。『ノーマル』タイプのポケモンは『ノーマル』タイプの技以外にも色々と豊富な技を覚える。だから、色々なポケモンを育てて強くなったと自信をつけてからセンリさんに挑んだ方がいい」

 

「うん…………私、頑張るわ!!だからサトシも明日はファイトかも!!」

 

この悔しさをバネにするのだとハルカは燃える。いい意気込みだとハルカは両手で頬をパンパンと叩いて気持ちを切り替えた。

とりあえず前に進めるようになってなによりだなと思いながらもトウカジムに戻った。

 

「ハルカ……」

 

「パパ、ごめんなさい!悔しいからって勝手に飛び出しちゃって」

 

「いや、いいんだ……ハルカもポケモントレーナーになってきたんだなと成長を感じれた。でも、悔しいからと言ってポケモンに八つ当たりをしてはいけないよ」

 

「パパ、流石にそこまでしないわ……明日はサトシとのバトルよね?パパ、頑張ってね!」

 

「勿論だ……サトシくん、娘の手前絶対に負けるわけにはいかない!」

 

「センリさん、サトシが勝利するので問題無いです!」

 

「サトシ、ファイトかも!」

 

「お姉ちゃん、どっちの味方なの?……まぁ、パパならばサトシが相手でも余裕で勝てるけどね」

 

そんなこんなでハルカは持ち直してセンリさんに謝った。

翌日のこと、ポケモンセンターで宿泊をし……トウカジムのジム戦が行われる。

 

「コレよりトウカジムのジム戦を行います!使用ポケモンは3体のシングルバトル!交代はチャレンジャーのみ可能です!」

 

「一番手はお前だ!ガルーラ!」

 

「ガルッ!」

 

「クククッ……いきなり中々なのが来たか……んじゃまぁ、頼んだぞヨーギラス」

 

「ヨギ!」

 

「え?ヨーギラス?」

 

「どうしたの?」

 

「シロガネ大会であんなポケモン使ってなかったよ」

 

「ヨーギラスは大会が終わった後にゲットしたのよ……とっても強いわよ」

 

「試合開始!」

 

「ガルーラ『メガトンパンチ』だ!」

 

「ヨーギラス『てっぺき』だ!」

 

シロガネ大会で見なかったポケモンを出しているので意外だと言う声が出るが、シロガネ大会の後にゲットしたポケモンだからな。

ガルーラは『メガトンパンチ』で殴りかかるので『てっぺき』を使えばヨーギラスは僅かながら後退する。

 

「ふむ……」

 

「ヨーギラス『てっぺき』だ!」

 

ヨーギラスがガルーラの『メガトンパンチ』を耐えたのでなにかを考えるセンリさん。

次の手をどうするのかを考えているがそんな時間があるぐらいならばと『てっぺき』を再び積み上げる。

 

「ヨーギラスは回復する技を覚えてない!『てっぺき』は物理攻撃に強くなるけど特殊攻撃には弱い!」

 

「クククッ……それで上手くいかねえのがポケモンバトルだろう……」

 

「ガルーラ『ハイドロポンプ』だ!」

 

「ヨーギラス『すなあらし』だ」

 

マサトが次は特殊攻撃で攻めるんだと言うがそう上手くいくと思ったら大間違いだ。

ガルーラは『ハイドロポンプ』を撃ってくるが『すなあらし』を発生させる。砂嵐が巻き起こるのと同時に『ハイドロポンプ』の激流がぶつかり『すなあらし』によって『ハイドロポンプ』が相殺される。

 

「ヨーギラス『ストーンエッジ』で取り囲め」

 

「ヨギィ!」

 

ヨーギラスは地面から生えるタイプの『ストーンエッジ』を使う。

地面から生えるタイプの『ストーンエッジ』をガルーラには当てない、ガルーラを中心にガルーラが身動き出来なくなる様に取り囲む。

 

「ガッ、ガル!?」

 

「ガルーラ!?」

 

「ヨーギラス『りゅうのまい』だ!」

 

「サトシ、さっきから攻撃するチャンスがあるのにどうして攻撃しないの?」

 

「ヨーギラスで確実にガルーラを倒す為よ」

 

『ストーンエッジ』で取り囲みさえすれば上から下から攻撃することが出来る。

それなのにも関わらずまだ攻撃をしないのでハルカは疑問を抱くのだがヨーギラスのレベルはまだ低い。対するセンリさんのガルーラはかなりのレベルだから『ストーンエッジ』をただ単にぶつけても意味は無い。

 

「ガルーラ『メガトンパンチ』で岩を砕くんだ!」

 

「ヨーギラス『ストーンエッジ』を一列に並べて壁にしろ!」

 

『ストーンエッジ』の岩を『メガトンパンチ』でガルーラは砕く。

岩の破片が飛んでくるなと『ストーンエッジ』で岩を一列に並べて壁にして攻撃を防いだ。

 

「攻撃技を防御や妨害技に使うだなんて面白いことをするね」

 

「クククッ……他と同じじゃ意味無いんでな……」

 

「だが、コレ以上は君の好きにさせない!ガルーラ『ハイドロポンプ』だ!」

 

「ヨーギラス『ストーンエッジ』の壁を作れ」

 

「……」

 

「ガルーラは強い……だが、ただのガルーラの『ハイドロポンプ』は幾らでも防げる」

 

『ハイドロポンプ』をガルーラは撃ってくるのでボウリングのピンの様な並べ方の『ストーンエッジ』を使う。

ガルーラの『ハイドロポンプ』は『ストーンエッジ』に阻まれてしまいヨーギラスに届かない。攻撃そのものが中々に当たらない。

 

「パパ!ガンガン行っちゃって!サトシは攻めて来ないんだ!」

 

「こら、マサト!……パパのバトルの邪魔をしたらダメよ!」

 

「……ガルーラ『おんがえし』だ!」

 

「力技で来たか!『ストーンエッジ』を一列に並べろ!」

 

攻撃が中々に届かないのだとマサトはガンガン攻めるべきだと言う。

ヨーギラスに対して攻撃が全くと言って届かない、どれだけ強くても攻撃そのものを当てることが出来なければ意味は無い。

『ハイドロポンプ』は強い技だが『ハイドロポンプ』を撃つガルーラ自身が特殊攻撃が得意なポケモンじゃねえ。ガルーラが真に恐ろしいのはメガシンカしてからだ。とはいえ、メガシンカはしないか。

 

「ガルゥウウ!!」

 

「ヨギ!?」

 

「慌てるな!『ストーンエッジ』をタイミングよく使え!」

 

ガルーラは『ストーンエッジ』の岩を破壊しながら突撃してくる。

『おんがえし』の威力は最大だと計算しておいた方がいい。ガルーラは『ストーンエッジ』を破壊するが力技に身を任せているので大きな隙があると突撃してきて岩を破壊しながら徐々に遅くなっているガルーラに向かって『ストーンエッジ』を使えばガルーラは空中を舞い……そのまま地面に倒れた。

 

「ガルーラ、戦闘不能!ヨーギラスの勝ち!」

 

「戻れ……よく育てられているヨーギラスだ……次はお前だ!カクレオン!」

 

「レオーン」

 

ガルーラを戦闘不能にしてホッとする暇はない。

2体目に出てきたのはカクレオンだった。オレはそれを見ると『すなあらし』の効果が切れている事に気付いたのでモンスターボールを取り出してヨーギラスをボールに戻す。

 

「戻れ、ヨーギラス」

 

「え、ヨーギラス戻しちゃうの?折角『てっぺき』や『りゅうのまい』を使ったのに」

 

「カクレオンが相手なら戻すのが大事だ……頼んだぞ、マニューラ!」

 

「マニュ!」

 

カクレオンを相手にヨーギラスで挑むのは厳しい。

『てっぺき』や『りゅうのまい』で積んだ分を含めても難しい……カクレオンと言うポケモンが色々ややこしいから当然と言えば当然だ。ヨーギラスからマニューラに交代すればまた見たことがないポケモンだとマサトが騒ぐが気にせずにポケモンバトルを続ける。

 

「カクレオン『かえんほうしゃ』だ!」

 

「マニューラ『こおりのつぶて』」

 

「カァア」

 

「ニュラ!!」

 

「カァ!?」

 

「…………やっぱりそっちか……」

 

「ふっ、初見で見抜くとは流石だね」

 

『かえんほうしゃ』を撃とうとする前に『こおりのつぶて』をぶつけた。

『かえんほうしゃ』を撃つことが出来ずに失敗に終わったカクレオンだったが……全くと言ってダメージになっていない。

『こおりのつぶて』自体の威力が低いからではない。それなりにマニューラは鍛え上げているんだからダメージにならない原因はただ一つ

 

「『へんげんじざい』個体か」

 

「その通りだ」

 

センリさんのカクレオンは『へんげんじざい』の特性を持っている。

第9世代の仕様じゃなくて第8世代の仕様、技を使うたびにタイプが切り替わるという鬼の様な仕様になっている。

ゲッコウガとエースバーンはこの能力で猛威を振るった……エースバーンはクソリベロと言われるぐらいに嫌われていたか。

 

「『かえんほうしゃ』だ!」

 

「『こおりのつぶて』だ」

 

「む……」

 

「マニューラ、物凄く早いかも!パパのカクレオンが動く前に『こおりのつぶて』で対処するだなんて……」

 

「お姉ちゃん『こおりのつぶて』は『でんこうせっか』や『マッハパンチ』と同じで他の技よりも先に動ける先制技だよ」

 

『かえんほうしゃ』を撃とうとする前に『こおりのつぶて』を放ち妨害する。

大したダメージにはなっていないが『かえんほうしゃ』を撃とうとする前に攻撃出来ているので『かえんほうしゃ』を防げている。

『かえんほうしゃ』や『だいもんじ』を撃つ際の一瞬のタメを狙っての攻撃が今のところは上手く行っているが……そう長くは続かねえだろう。

 

「今度はこっちが攻める番だ!マニューラ『つじぎり』だ!」

 

「『かえんほうしゃ』だ!」

 

「炎を切り裂け!」

 

「なに!?」

 

マニューラで持久戦をするのはまずいと『つじぎり』に攻撃を切り替える。

『こおりのつぶて』で攻撃してきても大したダメージにならないのは分かっているのだと攻撃を切り替えるのを見抜かれていた。

だから『つじぎり』で攻めてきたのならば『かえんほうしゃ』で一気に焼き切るつもりだろう。だが、こっちだってなんにも無いわけじゃない。ゲッコウガが使う飛ぶ斬撃もとい『つじぎり』で『かえんほうしゃ』の炎を切り裂いてマニューラはカクレオンとの間合いを詰めて『つじぎり』を決める。

 

「この間合いならばいける!カクレオン『ばくれつパンチ』だ!」

 

「マニューラ『つじぎり』だ!」

 

『つじぎり』を決めても立ち上がってくるカクレオン。

近距離戦での間合いならば他にも色々な技を使うことが出来るのだと『ばくれつパンチ』を指示し殴り合うカクレオンと『つじぎり』で受けに回るマニューラ。

 

「マニューラ、もう片方の手で『つじぎり』だ!」

 

「マニュ!!」

 

「こっちも『ばくれつパンチ』だ!」

 

マニューラにもう片方の手で『つじぎり』を使わせようとするがセンリさんのカクレオンももう片方の手で『ばくれつパンチ』を使う。

素早さの上ではマニューラの方が上だがどう出てくるとマニューラは『つじぎり』を入れようとするのだがカクレオンの『ばくれつパンチ』が命中して殴り飛ばされる……が、カクレオンも膝をついた。

 

「カクレオン、マニューラ、両者共に戦闘不能!!」

 

「戻れ……ここでカクレオンを倒せたのはデカい。よくやった」

 

「戻れ……相討ちだった……コレで私は残り1体になったが果たしてコイツを倒せるか?いけ、ケッキング!」

 

「キーング!!」

 

「出たか……さて……センリさんには非常に申し訳無いが、コイツで決める。いけ、ゲンガー!」

 

「ゲンゲロ!」

 

3体目はラティアスじゃない……ラティアスで挑んでもいいが負ける可能性がある。

念の為に呼んでおいて正解だったなとゲンガーは不敵な笑みを浮かべる。

 

「『ゴースト』タイプのポケモンで来たか!だがケッキングはナマケロの最終進化系だ!当然この技も覚える!『シャドークロー』だ!」

 

「ゲンガー『どくどく』だ!」

 

『ゴースト』タイプの対策はちゃんとしてあると『シャドークロー』で攻めてくる。

前に戦ったケッキングとは比べ物にならないぐらいにしっかりとしているケッキングだなと思いながらも『どくどく』を使わせる。

ケッキングはもうどくを浴びた……ケッキングは回復系の技を覚えていないから時間との問題になる。

 

「時間稼ぎはさせない!ケッキング、連続で『シャドークロー』だ!」

 

「連続で使えるってマジでどうなってんだ……だが、詰みだ」

 

ゲンガーはケッキングの連続の『シャドークロー』を最初は回避に専念するがオレがやれと言えば攻撃を受けた。

どういうことかとゲンガーが吹き飛ばされて戦闘不能になるので審判が判定をくだそうとすると……ゲンガーから黒い靄が出て来てケッキングを包みケッキングを倒した。

 

「ゲンガー、ケッキング、両者共に戦闘不能!よって勝者、チャレンジャー、マサラタウンのサトシ!」

 

「っ……『どくどく』で『もうどく』状態にし勝負を早く着けなければならないと焦らせ攻撃をさせて『みちづれ』で強制的に引き分けにまで持ち込むか…………見事だよ」

 

「この戦法は割と通じるから……使い続ければ厄介だが……」

 

『みちづれ』戦法はあんまり使いたくないが便利すぎる。

特にゲンガーは『どくどく』と『みちづれ』と『くろいまなざし』と『ほろびのうた』の4つを使える。

相手を強制的に引き分けにまで持ち込む試合を泥沼化させることに関してはゲンガーが一番強いだろうな。

 

「嘘だ……………嘘だ!!」

 

「クククッ……オレの勝ちなんだよ」

 

「ズルいぞ!パパの手持ちがケッキングだけになったから『みちづれ』を使うだなんて!そんなの勝つことが出来ないじゃないか!!」

 

センリさんが負けたのだという事実をマサトは受け入れることが出来ていない。

『みちづれ』での勝利というなんとも言えない後味が悪い勝ち方をしたのだから認められないとマサトは叫ぶ。

 

「なにを言い出すかと思えば、オレはルール違反なんて一切してねえぞ。こっちに『みちづれ』があるって分かってるなら『アンコール』の1つでも使えばよかったんだ」

 

「『ほろびのうた』なんかも使うんでしょ!!そんなんで勝って嬉しいの!!」

 

「クククッ…………嬉しいね……少なくともオレはお前にとやかく言われる義理はねえはずだ」

 

オレはなに1つルール違反をしていないがズルいだ卑怯だなんだと言ってくる。

そんなんで勝って嬉しいのと言う人格的な批判をしてくるのでオレはハッキリと嬉しいのだと言い切る。

 

「パパ、こんな勝負無効だよ!最初から『みちづれ』狙いだなんてトレーナー失格だ!」

 

「マサト……残念だがサトシくんにパパは負けたんだ……『どくどく』を使って焦らせて『みちづれ』を狙う。実によく出来た戦術だ」

 

「そんな…………パパは悔しくないの!!負けちゃったんだよ!!」

 

「悔しいに決まっているだろう!」

 

「だったらなんで」

 

「だが、それ以上に強いトレーナーと戦えた事を喜ぶんだ!ジムリーダーはただ単にポケモンバトルに勝てばいいだけの存在ではない!サトシくん、コレがトウカジムを制した証、バランスバッジだ」

 

「ダメェ!」

 

「させるかよ」

 

トウカジムを制した証であるバランスバッジをセンリさんがくれる。

マサトが渡さないようにしようとするのでオレは颯爽とバランスバッジを受け取って回避する。

 

「…………ハルカ、次は何時センリさんに再戦する?」

 

「え?……えっと…………8個目のバッジをトウカジムにするわ!!」

 

「そうか……今度は成長したハルカとぶつかり合える……楽しみが1つ増えたな」

 

「マサト、それまでの間に今回自分がやろうとしたことをしっかりと考えろ……今度はハルカがセンリさんからバッジを手に入れる番だ。その時に同じことを言い同じことしようって言うならお前はトレーナーになる資格はねえよ」

 

「うぅ……」

 

マサトに言うだけ言っておいて失礼しますとトウカジムを後にする。

ポケモンセンターに向かってポケモン達を回復させているとハルカがやって来た。

 

「あの勝ち方は不服か?」

 

「…………パパとの最後の対決があっさりとしてたから……」

 

「勝負は熱いが、決着なんて一瞬なんだ……熱いバトルを繰り広げたいならお前がやってくれ」

 

「……ええ……あ、パパからバッジケースを……マサトがバッジを奪おうとしたお詫びだって」

 

「そうか……」

 

「1つ目のジムバッジ、ゲット出来たわね!」

 

ハルカからバッジケースを貰いバランスバッジをバッジケースに入れる。

セレナは1つ目のジムバッジをゲットすることが出来てよかったと頷いている。

 

「よし、ポケモンを鍛えて今度こそジムバッジをゲットするかも!!…………ところでトウカジム以外のジムって何処にあるの?」

 

「ああ、大丈夫だ。次のジムは決めてある……カナズミシティでそこではポケモンコンテストも開かれる」

 

「…………ポケモンコンテスト?」

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