闘携帯獣伝説 サトシ〜何故か憑依していた闇に舞い降りてない天才〜   作:アルピ交通事務局

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キモリと最後の樹

 

「あ、あっれぇ?」

 

トウカジムを制して次のジムがあるカナズミシティを目指す……んだが、迷子になった。

ハルカがセンリさんから餞別にと最新モデルのポケナビを貰ってハルカは気分上々、ついでだからとハルカが主導のもとでカナズミシティを目指そうとすれば……見事に迷子になった……。

 

「おかしいわね……カナズミシティに辿り着かないわ」

 

「カナズミシティにまでまだまだ遠いから早々に辿り着かねえよ……それよかコレは完全な迷子、でいいのか?」

 

「えっと……そうかも……ごめんなさい……」

 

「謝らなくていいわよ。旅をしてたらこんな事もあるから……ハルカもこういう時の対処方法を覚えたらいいわね」

 

ポケナビとにらめっこをするハルカ。

ポケナビ通りに来たと思えるがポケナビのタウンマップってGoogleのマップ並みに正確じゃないザックリとしたマップなんだよな。

道中の二手の分かれ道とかになればどっちに進んだらいいのかがわからないって時が多々ある。

 

「こういう時はポケモンに頼るのが一番なのよ。空を飛ぶことが出来るポケモンや話し合いが通じる野生のポケモンを探すの。空を飛ぶことが出来るポケモンなら空を飛んで現在地を理解する。話し合いが通じる野生のポケモンならポケモンフーズを使って何処になにがあるのかを尋ねるの」

 

「成る程……あ……でも、私空を飛べるポケモンを持ってないかも……ヨマワルは浮いてるけど飛んでるってわけじゃないし」

 

「クククッ……まぁ、何れは空を飛べるポケモンのゲットも視野に入れとけ。今回は野生のポケモンにものを尋ねる方でいくか」

 

道に迷った時の対処方法をセレナはハルカに教える……と言ってもその方法はオレが教えたやり方だがな。

とりあえずは何処かに野生のポケモンは居ないのかを探しているとキモリを見かけた。

 

「キャモ!」

 

「キ、キモリ!?」

 

「なんだ……まだ苦手意識があるのか?」

 

「ちょっと怖いかも……」

 

「キャアモ!」

 

「キャア!?」

 

キモリを見て怯えるハルカ。

まだキモリに対して苦手意識を持っているみたいでオレを盾にしようとするのだが、キモリは跳んだ。

ハルカは思わず尻もちを付きかけるのだがセレナが腕とお尻を掴んで転ばないようにした。

 

「大丈夫?」

 

「え、ええ……」

 

「キモリを追いかけるぞ」

 

「え、でも!」

 

「キモリは生息地不明のポケモンなんだ……ここでゲット出来なきゃ損だ」

 

ハルカを立たせた後にキモリを追いかける。

物凄く速いのだが追いかけることは可能だ、セレナとハルカが途中で遅れたがキモリは欲しいので追いかけると……バカでかい樹に遭遇する。

 

「ここは……」

 

「キャアモ!」

 

「っと、随分な挨拶だな」

 

この近隣で一番デカいであろう樹に辿り着いたが……樹は枯れ果てていた。

さっきのキモリは何処に居るんだと探していると樹の上からキモリは木の枝を吐いてきた。

随分な挨拶だなと思っていると挑発してくるキモリ、一先ずはとポケモン図鑑にキモリを登録した。

 

「サトシ……速すぎるかも……」

 

「なんとか追いついたわ……ここは木?……いえ、樹ね」

 

ハルカとセレナが追いついた。息を大きく乱しているが直ぐに樹に辿り着いた事に気付く。

2人もやって来た事だしキモリとバトルしてキモリをゲットするかとマニューラが入っているモンスターボールを構えれば……キモリの群れが現れた。

 

「も、もしかしてここキモリの巣なの」

 

「キャモ、キャモキャーモ」

 

右を見ても左を見てもキモリなこの状況にハルカは困惑している。

1体の年老いたキモリが首を横に振りここはキモリの巣じゃないのを伝えればオレが追いかけていたキモリとなにかを話し合う。

キモリの群れがオレが追いかけていたキモリになにかを言う。リーダーであるキモリの爺さんもなにかを言う。だが、それでもキモリは譲ることが出来ないのだと主張する。

 

「……なにを話してるのかしら?」

 

「状況から見て……この樹がキモリの巣だった。ただ、この感じからしてキモリの樹は限界を迎えている……いや、限界をとっくに過ぎているのが正しいか」

 

「キャモ!!キャーモ!!」

 

セレナがなにを話しているのか分からないので原作知識を引っ張り出しながらなんとなくで読み取る。

キモリの巣だった樹が枯れ果てた……だから他のキモリ達は新しい巣を探したりしているがそんな中でこのキモリだけは立ち退かなった。

 

「キャモキャーモキモ!」

 

「あ、何処かに行っちゃったわよ!」

 

「大丈夫だ……」

 

「……キャモ……」

 

オレが追いかけていたキモリが口論をした末に何処かに行った。

目当てのキモリが何処かに行ってしまったとセレナが言うが問題は無い。あのキモリはこの樹を捨てることが出来ねえんだ。

老人のキモリが説得することが出来なかったと落ち込んでいる……オレはと言えば呑気にセレナが作ったマカロンを食べている。

 

「あの中にいるキモリからゲットしないの?」

 

「オレが欲しいのはあのキモリだ……あのキモリ以外はゲットするつもりはねえ……」

 

サトシのキモリだからじゃなくてあいつがいいってオレが思った。

ハルカはこの近隣にいるキモリ達をゲットしないのかを聞くがゲットするつもりはねえ。

 

「あ、キモリが帰ってきたかも!」

 

「アレは……葉っぱに水を入れてるのね」

 

キモリ達の群れと一線を敷きつつも樹の前で待っているとキモリが帰ってきた。

巨大な葉の上に水を入れておりキモリは枯れ果てた樹に水を注ぎ込めば腐葉土を敷き詰める。

コレで良しとキモリは汗を拭うと葉っぱを持ってまた何処かに向かった。水を汲みに行ったのが分かるのでなにも言わずに待っているとキモリが再び現れ水を樹に与える。

 

「キャモ……」

 

「…………キモリ……………私」

 

「ダメだ」

 

「でも」

 

「コレはあのキモリの最初の大仕事だ」

 

キモリが必死になって頑張っているのでハルカは心を動かされた。

私達も手伝おうと言い出そうとするのだがオレはダメだとハッキリと言った。コレはキモリの最初の大仕事だ。

野生のキモリ達も見守っているがあのキモリに手を貸すことはしない。

 

「…………死ぬことは誰にも訪れる事だ」

 

「え?」

 

「ポケモンだろうがなんだろうが死ぬ時は死ぬんだ……死は誰にでも平等に訪れる。だから、それが怖いって言うのはよくわからねえな」

 

キモリが一生懸命腐葉土を敷き詰めているとオレは死ぬことについて語る。

死ぬ時は誰だって死ぬ……転生しているオレが言える義理じゃねえが、死は誰にでも平等に訪れる。それが怖いって言うのはよくわからない。

 

「分からないって……死んじゃうのよ!?なにもかもが消えちゃって」

 

「消えるってのは少し違う……もとに戻る、もしくはその意志を誰かが引き継ぐ……意志を引き継ぐ事は生きていた証になる……だから、死ぬのは怖くない……死は温かく受け入れるものだ」

 

誰にでも平等に訪れるというのならば、温かく受け入れる……死ぬことが怖くないって言えば嘘になる。

3,4%ぐらいは怖いという思いはある……だが、死ぬことを否定しちゃいけない。生きている以上、死ぬことだけは確定なんだ。

だから死ぬことを否定しちゃいけない。死んでしまったと悲しんじゃいけない。死は明日に繋がる道標でもある。

 

「……ハルカ……コレがサトシよ」

 

常人ならば死ぬのが惜しいだなんだ言うがオレは普通ってやつからズレている。

死ぬことを受け入れてやれと言えばハルカは困惑しているのでセレナがコレがマサラタウンのサトシだと教えてくれる。

 

「キモリ……この樹はとっくに寿命を迎えている……セレビィやシェイミの様な超常的な力を持つポケモンでも蘇らせる事は出来ねえ……だから、死んだという事実を悲観的じゃなくあたたかく受け入れる……」

 

少なくともオレは祖父母の葬式で涙を流したことはない。

悲しいという感情はあるが何時かはそういう日がやってくるのだと覚悟をしているから。死ねば塵になってそれが土になる……その土の上で新しい命が育つ。そう考えれば悲観することは無い。死ぬことが悲しいだなんだ考える事はしないな。

 

「あたたかく受け入れて……それでどうするの?死んじゃったらもうおしまいなのよ?」

 

「なにがおしまいなんだ?」

 

「え?」

 

「命は終わるが……生きていたって事実は誰がなんと言おうが消えることはねえんだ。意志を継ぐ者も現れるしそいつのおかげで生きてこれた奴が今度は自分の足で歩き出す……死ぬ事で始まることだってあるんだ……死んで終わりになるなんてのは悲観的過ぎる」

 

「…………………死ねば変わるのね………………」

 

バトンを繋ぐこともあれば意志を継ぐこともある。

死ぬことが決して悪いことじゃねえ……キモリは一生懸命水を与えては腐葉土を敷き詰めている。

他のキモリ達はどうすればいいのかが分からない。この樹はもう死んでいるという事実には変わりはないから。

 

「キャモ!?」

 

「あ、樹が!!」

 

「予想以上に限界を迎えてたみたいだな」

 

一昼夜ぶっ通しで水を与えては腐葉土を敷き詰める行為を繰り返すキモリ。

太陽が昇ったと思えば樹にピシリと亀裂が走り……樹が真っ二つに裂けたと思えばキモリ達とオレ達の頭の中に映像が流れ込んでくる。

この樹がまだ若葉だった頃からスクスクと成長し、巨大な樹になった後に野生のキモリ達を始めとする多くのポケモン達の巣になった。

雨の日も風の日も雪の日の嵐の日のこの樹は根付き……最後の役目を終えて最後まで頑張っているキモリに対してありがとうとお礼を言った。

 

「キャモ…………」

 

「この樹が最後にお前にお礼を言ったんだ……もうこの樹に縛られずに新しい一歩を踏み出してけって言ってるみたいだ」

 

キモリ達に今までありがとうとお礼を言って去っていった。

頭の中に映像が流れ込んでくるとは不思議な事もあるもんだなと思っていると老人のキモリが裂けた樹の中を探り……1つの種を見つける。

 

「キャァモ」

 

「キャモ……」

 

「次のバトンを託したみたいだな…………お前はどうする?」

 

巨木に成り変わる新しい樹の種が出現した。最後の力を振り絞って種を作り上げたとキモリに樹の種を渡す。

どうすればいいのかとキモリはジッと樹の種を見つめると爺さんのキモリに樹の種を渡し……キモリは樹の中を探れば……メガストーンが出てきた。

 

「コイツは……ジュカインナイト、なのか?」

 

メガストーンが出てくるだなんて原作に無い事だ。

キモリが長い間、根付いたことによりキモリの成分が結晶化してジュカインナイトが生まれた……そう考えるのがベストだろう。

キモリがジュカインナイトを手にしているのだが……キモリはなんなのか分かっていない。

 

「そいつはジュカインナイト……お前を更に強くすることが出来るメガストーンだ……お前のやりたい事はやったんだ……バトルさせてもらうぞ」

 

「マニュ!」

 

「キモ……キャアモ!!」

 

キモリがジュカインナイトを地面に置いた。

オレがキモリにバトルを申し込めばそのバトルを乗ったのだとキモリは木の枝を口にする。

マニューラと対峙しておりキモリは戦ってやるとオレとマニューラを挑発する。

 

「マニューラ『こおりのつぶて』だ」

 

「マニュ!」

 

「キャモ!?」

 

掛かってこいと挑発してくるキモリに対して『こおりのつぶて』をぶつける。

『こおりのつぶて』をぶつけられたキモリは怯んだが直ぐに立ち上がり『こうそくいどう』で撹乱してくる。

 

「キャアモ!!」

 

「マニューラ『つじぎり』で迎え撃て」

 

『でんこうせっか』で攻撃してくるキモリ。

マニューラに『つじぎり』で受けに回らせて『でんこうせっか』を捌き『つじぎり』で攻撃すればキモリは膝をついた。

 

「いけ、モンスターボール!」

 

キモリに確かなダメージを与えることが出来たのだとモンスターボールを投げる。

カチリと開閉スイッチが当たってモンスターボールの中にキモリが入り、モンスターボールが地面にコンコンと跳ねた後に右に左にと揺れて……カチリと音が鳴った。

 

「……まぁ、こんなもんか」

 

「キャモ?」

 

キモリを無事にゲットすることが出来たとポケモン図鑑でキモリのデータを確認する。

あんまり強い技を覚えていないがキモリ自体がレアなポケモンなのでこれからの鍛え方次第で化けるのだと先ずはキモリをモンスターボールから出して……ジュカインナイトをキモリの前に置いた。

 

「コイツはお前がジュカインにならなきゃ使い物にならねえもんだ……お前達の宝にするかそれともお前が使うのか、どっちだ?」

 

「……キャアモ……キャモ!!」

 

「お前が使うって事はお前はジュカインに進化する、そう認識していいんだな?」

 

「キャモ」

 

オレがゲットしたキモリがジュカインナイトを持っていくという。

ジュカインナイトを持っていく事に関して他のキモリ達は誰も異議を唱えない。ジュカインナイトをキモリは大事に抱え、キモリはジュカインになると決意した。

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