並行世界は魔法の世界でした 作:ホラータイム
趣味で小説を書いている者です。
モチベ維持のために、初投稿しました。
ゆるい気持ちで見ていただいたら幸いです。
…続きとクオリティには期待しないで♡
あの日、世界中のいくつかの国に、門が開いた。
それは、マーブル模様に光り輝いて、空間に面状に広がり、わずかながら不定形にうごめいていた。
各国政府はすぐさま、その現れた謎の物体を調査するように命じた。しかし、光学カメラ、赤外線センサー、音響ソナー、X線写真。どのような機器で観測しようにも、それは反応を示さず、像を結ぶことはなかった。それは目視でしか観測ができなかった。
その調査結果を聞いた各国上層部は、割れた。
得体の知れない物は直ちに破壊するべきだという意見。あらゆる機器で観測できないものに、物理的兵器がはたして効果があるのかという意見。引き続き、ありとあらゆる方法で調査するべきだという意見。
唐突に地球上に現れた、最も不可思議なものに、人類は混乱を極めていた。
そんな会議が紛糾し、無意味に時間が過ぎる中。ついに、とある国の調査員が、測定結果が何も得られないこと気持ちが逸り、なんとその得体のしれない物体に手を入れてみた。
するとどうだろう。その反対側からは、自分の手が出てこなかったのだ。
自分の手が消滅したと思った調査員は、慌てて手を引き抜いた。引き抜いた手は、何事もなかった。
これは、この謎の物体の正体解明のきっかけになるかもしれないと考えた調査員は、すぐに上司に報告をした。
報告を聞いた上司は、勝手なことをした部下を叱りながら悩んだ。
目視以外で観測不可能という未知の物体に、直接触れてもよいものだろうか。もしも、触れたことがきっかけで、連鎖的に反応が始まり、大規模の災害が始まったりしないだろうか。まるで核融合反応のように。
リスクを考えた上司だったが、部下が触れても大丈夫だったという前例がある。さらに、何でもいいから、未知の物体について何かデータを出せとせっつかれていた上司は、ひとまず、安全マージンをとって、最初は人ではなく、ドローンを門に突入させてみることにした。
ドローンは問題なく門に突入していき、門にドローンが消えた瞬間。ドローンからの信号が途切れた。
どうやら、「あちら側」と「こちら側」では、電波は遮断されているようだった。
ではと、長い柄の先にカメラを取り付け、手元でモニターできるようにしたものを、入れてみることにした。
そうすると、カメラが何かを映し出した。
そこに映し出されたものは、炎であった。
それが写ると同時に、持ち手に衝撃が走り、門に突っ込んでいた柄の先が飛び出してきた。
柄を持っていた調査員は、後ろに軽く吹き飛び、尻餅をついた。
痛みに悪態をつきながら、その柄の先を確認すると、カメラとその周辺部が破壊され、熱で煙を上げていた。
それに驚いた調査員と、伴に観測していた上司は、少しの間呆然とした後、慌てて後方に下がった。
「あちら側」で何が起こったのか具体的には分からなかったが、上司は門の向こうは危険であると判断。上層部に調査の結果と、警戒を促す報告をしようと、通信機を手に取った。
その瞬間、門の方で、怒声が聞こえた。上司がすぐさま振り返ると、門を警備していた警備員が、銃を門に向かって突きつけていた。
上司は先ほどの危険な一幕で、門を破壊しようと、警備員が先走ってしまったのかと思ったが、そうでないことはすぐに分かった。
その銃口の先は、人に向けられていたのだ。しかし、その男はあまりにも見慣れぬ恰好をしていた。
首から下を全て覆っている、黒いタイツのような服。しかし、ただの布ではないことは、その輝く光沢や、青く光っているラインの装飾から見て取れた。
上司は、奇抜な恰好をしている男がなぜ、蟻の子一匹通さぬような、警備網が敷かれているここにいるのか疑問に思った。すると、門の方を見ていた部下の調査員から報告が入る。
「あの人物は、門から現れた」
上司は非常に優秀な人物だった。優秀な大学を優秀な成績で卒業し、その能力をいかんなく発揮して、その組織において、その若さに似合わないくらいに大きく出世し、同世代の嫉妬を集めていた。
――あの男を拘束しろ!
しかし、ありとあらゆる事象が、これまでにないイレギュラーというこの状況。仕方なかったという意見が大多数だろうが。
上司は決定的に選択を誤ってしまった。
男を取り囲んでいた警備員が、近づいていき、男を取り押さえようとしたが。
――■■■■!
男が近づく警備員に向かって手を振るった。すると、武器など何も手に持っていないように見えたはずなのに。
警備員の胸部プロテクターが引き裂かれた。
傷は、その下に着ていた防弾チョッキにまで達し、その衝撃で警備員は、後ろに吹き飛ばされた。
――何だ!なににやられた!
――分かりません!突然破壊されました!
――くそ!おとなしくしろ!
傷つけられた警備員を後ろに下げ、その他のメンバーが一斉に男に迫る。
――■■■■■、■■!
銃底で殴って昏倒させようとする警備員の手が届く前に、男が、周りに1週するように手を振り払った。
すると、先ほどの再現のように、その手の先にいた警備員に裂傷がはしった。
――どうなってやがる!武器は何だ!
――どうしますか!うかつに近づけませんよ!
――仕方ない、遠距離から足を撃ち抜け!
命令を聞いた、警備員1人の銃から、銃声が鳴り響いた。
その銃口は間違いなく男の足を向いており、男の足が勢いよく弾かれ、打ち抜いたかのように思われたが。
――どういうことだ!足を打ち抜いたのにピンピンしてやがる!
――たしかに、弾は命中したはずです!
――弾が弾かれたのか…あのタイツ、どんな防御力してやがる!
銃弾が男に十分な効果をあげなかったことに、戸惑う警備員達。
近づけば男に反撃されることが分かったので、距離を数メートル開けて、男の様子を見ていると。
――■■
何か男が呟いたのを聞こえると同時に、男が急に踵を返し、門の方に走り始めた。
急な行動に、一瞬警備員が戸惑い、そして、すぐに再起する。
――野郎!逃げる気だぞ!
――どうせ銃弾はきかん!撃ちまくれ!
――やめろ!門に命中したら、なにが起こるかわからん!
そうしている間に、男は門へとたどり着き、「あちら側」へ消えていった。
周りでは、数十秒間、緊張感が漂い。そして、男が「こちら側」へ戻ってこないことが確認されると、皆がほっと息を吐きだした。
そんな中、緩みそうになる気持ちに鞭を打ち、上司は声を張り上げ、指示を出す。
――すぐに門の周りに防御壁を構築しろ!そして軍に連絡して、早急に最上級の警戒が必要と伝えて、人員派遣を要請しろ!
その声で再起動した、調査員達はあちらこちらに奔走し始め、指示を出し終えた上司は、
重い気持ちで上層部へと報告を行った。
これらが、この長い戦争の始めの一幕であり、すべてのきっかけである。
しかし、「こちら側」の世界にはあまり知られていない。