便利屋チェイテと愉快な仲間たち   作:鮪薙

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火曜日はもう本当に駄目ですね、ネタが浮かばないってのは本当に辛いんですね、悲しいですね……(ヒヨリ並感


No.106『また食堂で話を締めてるわね』

 轟家の一泊を超え、ラブラバたちに依頼を出し、日曜にはリカバリーガールに連絡を入れて検査をしてもらったりと結局、休日とは言えあちこちと行ってた月曜日、学校についてから朝のHR後に相澤先生に呼び出されたと思えばそんな話をされた。

 

 まさか、リカバリーガールがそこまで念を押して来るなんて思っても見なかった。確かに日曜に吸血したことによる変化を見てもらうために検査をしてもらった時になんか難しい顔をまたしてるとは思ったけど。

 

 え、そんなに酷い数値だったのかしら、でも上昇幅が大き過ぎていたって話だから悪いとかじゃないとは思うけど……

 

「数字は悪くなってない、リカバリーガールもそこは認めていた。それに前回の悪い部分も改善されてたともな」

 

「だったら問題ないって話じゃないわよね」

 

「その改善された数字がって話らしい。しかも現状のお前は次に戦闘すればどうなるかが分からないともなれば向こうの心配も当然とも言えるだろうな」

 

 そこまで言われると気になるから昼休みか、放課後に保健室に顔を出して見せてもらえるかしら。でも上がってるのは聞けてよかった、これなら赤霧を相手取れるくらいに吸血するっていうのもありだと分かったし。

 

 問題があるとすれば、その量の吸血をどう確保するかって辺りよね。いや、案がないわけじゃないんだけど……

 

「急に考え込んでどうした」

 

「少しね。まぁ、そんな深刻な話でもないわ」

 

「そうか。それと免除は演習だけだ、筆記は通常通り行うから落とすなよ」

 

 しっかりと釘を差してくる辺り流石よねと思うけど、筆記はさして心配してないのよね。だってあれって授業の内容覚えてれば、どうとでもなるやつだし。

 

「誰もがお前みたいな余裕を持てれば苦労はないがな」

 

「それはそうね」

 

 思えばクラスメイトには割と危ない奴も居たわね。ここで赤点出しましたとかなると物間とかが五月蝿そうだし、何度か勉強会を開くことも考えたほうが良さそうね。

 

 まぁその辺りは教室に戻ってからね、ここで考えてても仕方ないし。ていうことでもう戻っていいかしら、相澤先生。

 

「あぁ、話はそれだけだ。次の授業に遅れないようにしろよ」

 

「えぇ、一応気を付けておくわ。それじゃ、失礼します」

 

 そもそも遅れるほどここと教室の距離は離れてないんだけど、もし遅れるとしたら誰かと話し込んじゃったとかそんな場合よね。

 

 あ、塩崎じゃないの、久しぶり? えぇまぁちょっと相澤先生と話ししてたのよ。そんな風に部屋から出て偶々目の前を通り掛かった塩崎と話しながら戻ったのだけれど。

 

「バートリー、勉強教えてくれ!!」

 

「……まぁ、初めからそのつもりだったけど、どんだけ切羽詰まってるのよ上鳴」

 

「上鳴だけじゃないよレミィ、私もお願いできないかな!」

 

 戻って早々に上鳴と芦戸に物凄い勢いで勉強を教えてくれと頭を下げられた。上鳴に至っては土下座してるし、てかなんで急にそんな話になったのよと周りを見渡せば、耳郎が二人の様子に若干呆れながら。

 

「ほら、何時だったか食堂で私に勉強をって話をしたじゃん? それを話したらこうなったわけ」

 

「あ~、そういうことね。と言うかクラス全体でやっちゃうほうが良いんじゃない? その方が効率いいでしょ」

 

「確かにそうかも知れないけど、レイミィ一人では無理じゃない?」

 

 何で私一人って話になるのよ。流石に出来ないしやらないっての、ほらそこにも居るじゃないの、なんだったら場所すらも提供できそうなクラスメイトが。

 

「わ、私ですか?」

 

「そう言えば八百万も巻き込むとか言ってたっけ」

 

 そもそも一人で複数人見れるほど私も器用というか、教えるのが得意ってわけじゃないのよね。被身子が言うには私の教え方は段々と階段を飛ばし始める感じだって言ってたし。

 

 彼女からの評価に自覚がないわけじゃない、ここまでやれるなら行けるでしょで教えちゃうのよね。結果として上手くいくときは行くんだけど、噛み合わない時はところん駄目なのよね、何年にもわたって被身子で実験したからそこは身を以て理解してるわ。

 

「けどよ、クラス全員が一度に集まれてってなると何処でやるんだ? 教室だって何時までってわけじゃないだろうし」

 

「そこは考えがあるわ、八百万、場所ない? あと私にも古文あたりを教えてもらえると助かるわ」

 

「はい、勿論宜しいですわ!」

 

「……あれ、それオイラも混ざってるのか?」

 

 何を当然なことを、てか峰田は峰田で成績上位陣なのよね。人は見かけによらないとは言うけど、ここまで来ると素直に感動するしか無いわ、いや、本当に。

 

 それに上鳴も芦戸も決して勉強ができないとかじゃないと思ってるのよね。そもそも雄英高校は本気で頭が悪いやつが受かるほどに甘くはないし。

 

「だから今日から一気に詰め込んで理解できるようになれば今後も楽になると思うわよ」

 

「そ、そうかな? でもレミィにそこまで褒められると頑張らないとって気になるね、不思議と」

 

「分かる。うっし、じゃあお願いします、バートリーさん!」

 

 気合があってよろしい。とは言っても八百万とか皆の都合もあるでしょうから、自分で言ったけど全員ってのは難しいかしらね、その辺りどう? なんて軽い気持ちで聞いた私だったが数秒後に返ってきた真の令嬢の言葉でフリーズすることになる。

 

「では週末に私の家で勉強会、催しましょう」

 

「あら、良いじゃない」

 

「うんうん、ヤオモモん家楽しみ!」

 

 フフッ、計画通りだわ。もっともらしい理由を言ったけど本音で言えば八百万の家ってどんな感じなのか気になってたのよね。過去に向こうから依頼を受けた時も電話対応で直接あった時も凄くお高そうな喫茶店でって形だったから。

 

「そうなるとまず、お母様に報告をして講堂を開けていただかないと……!」

 

(講堂?)

 

 サラッと出してきたけど、簡単に出てきたいい言葉じゃないわよねそれ。家と言うか敷地内に講堂があると? え、こわ……いや、でも過去に八百万の両親から受けた依頼の報酬がちょっと桁が違いすぎて恐怖したのを考えるとあっても不思議じゃないわ。

 

 

 いや、不思議でしょ。日本よここ、そんだけデカい土地構えてますって分かれば、そりゃ娘にストーカーの一人や二人は生えるっての、でもその後は特にその手の依頼は来ないってのを考えると何か手を売ってるってことよね、何したんだろうか……

 

(まさか、ね)

 

「あの、バートリーさん、私の顔を見てどうかなさいましたか?」

 

「いえ、なんでもないわ。えぇ、なんでもないわ」

 

 なんだかプリプリして張り切っている八百万にありのままを伝えるのも悪いと思い誤魔化しつつ、隣りに居た耳郎に視線を送る。とりあえず、今は感情の共有がしたかったのだけれど、きちんと伝わったらしく。

 

「まぁ、嫌味をまるで感じないし、寧ろ頼りになるから良いんじゃないかな」

 

「確かにそうね、金持ちってだけで嫌味ったらしい人間が多いったりゃありゃしないし」

 

 だから八百万のような令嬢は見てて楽しいのよね。純粋っていうか、裏も表も無いから良い子だって感じることも出来てその辺りはないのかもね。

 

「ところで皆さん、お紅茶はどこかご贔屓はありまして? 我が家はいつも〝ハロッズ〟か〝ウェッジウッド〟なのでご希望がありましたら用意したしますわ!」

 

「なんて?」

 

「紅茶の銘柄ね。八百万、珈琲って駄目?」

 

 一応、ジェントルとの付き合いで銘柄もある程度は知ってるから知識にはあるけど、出てくるのは彼らが用意するのとは桁が違う物なんでしょうね。

 

 それはそれとして珈琲は無いのかと聞いたけど、聞いてから出てくるのは最上級の豆からだろうと自分の選択の失敗したかもとか思った。

 

「勿論ございますわ。〝マンデリン〟や〝ブルーマウンテン〟などございますが、ご贔屓の銘柄があるのなら言ってくださいませ」

 

「あ~、〝グアテマラ〟ってある? あれ好きなのよ」

 

 圧紘が色々と買っては試してるんだけど、あれが一番好みなのよね。まぁ基本的に向こうがその日に用意できたやつを飲んでるから絶対それじゃなくちゃってわけじゃないんだけど。

 

 因みに八百万は勿論ですわ! と活き活きしてるから出てくるのは多分彼女が用意できる中で一番質が良いのでしょうね、ふふっ、あとが怖いわこれ。

 

「あ、緑谷達も来るわよね? ていうかクラス全員だと私と八百万だけじゃ手が足りないから上位陣は来なさい、教える手が欲しいし」

 

「え、あ、うん、大丈夫、かな」

 

「あぁ? 何だって俺が行かなきゃなんねぇんだよ」

 

 チッ、ノリが悪いわねあいつ。緑谷との一件でその辺りが改善されたかもとか思ったけど彼らしいと言えば彼らしいか、それはそれとして巻き込むけど。

 

「はぁ、まぁそうよね、貴方って他人に教えるのは無理そうだもの」

 

「あぁ!? 教えるくらい出来るナメんな」

 

「お、じゃあ俺は爆豪に頼むか!」

 

 ふむ、切島が爆豪にって言うならそれもそれで構わないか。そんな感じに週末の予定をクラス全員ですり合わせ、結果として半数以上が集まることに、残りはまぁ大丈夫な子たちだから良いか。

 

 ていうかまた週末に予定を入れちゃったわね、帰ったらその辺りの確認をしておかないと。

 

「っていう事があったんだけど、普通科ってその辺りはどうなのかしら?」

 

「こっちも同じだけど、多分内容がそっちの方が難しいんじゃないかなとは思う」

 

 そんなこんなで今は昼食の食堂にていつもの面々とプラスαが沢山、と言う環境で心操に今朝のことを話してから聞いてみれば返答はそんな感じだった。

 

 雄英高校という事で簡単ということは無いだろうけど、確かにヒーロー科と普通科じゃ内容が違うから難易度が違うのも納得できる。でも、彼は将来的にヒーロー科に来るとすれば今から私達のレベルに慣れておくのも良いのかもしれないと思い、週末の勉強会に誘ってみたのだが。

 

「気持ちはありがたいんだが、それでテスト範囲外とかになると怖いからな……」

 

「確かにそうだな、俺達の範囲と彼の範囲が違う可能性は大いにある。もしそうならば彼の脚を逆に引っ張ってしまうかもしれないな」

 

「あ~、確かにそうだわ。ごめん、前の依頼のお礼にって思ったんだけどそこまで考えてなかったわ」

 

 やれやれ、どうにもお礼を遠慮する相手への距離感や返し方が分からないっていうのがこうも空回りっぱなしね。どうにかならないかしらこれ……

 

「前も言ったと思うけどさ、友人として手を貸したってことなんだし気にしなくてもいいんじゃないってなれば悩んでないか」

 

「うーん、なんかこうもうちょっと身近なものとかじゃ駄目なん?」

 

「身近なものって言うと?」

 

 思わず聞き返してみれば、麗日も悩み始める。どうやら思いついたけど具体的なものまでは浮かばなかったという感じらしい、けれど身近、身近って言うと、お金とかじゃないのは確かよね。

 

「あ、そうだレイミィちゃん! オムライス作ってみるとかどうかな!」

 

「確か轟ちゃんが言ってたわね。レイミィちゃんの作るオムライスは美味しいって」

 

 悩んでいると葉隠から提案が飛んできたけど、そんなものでいいのかしら? なんかこう依頼の報酬って感じじゃ全然しないんだけど。

 

 え、だから大げさなものじゃなくてこういう小さなものでもお礼になるんだって? ふぅん、そういうものなの。

 

「これは確かに耳郎ちゃんもお茶子ちゃんも苦労するっていうのは理解できるわね……レイミィちゃんの感性が大人寄り過ぎてお礼の規模もお仕事並になってしまってるのね」

 

「だからちょいちょい軌道修正してるんだけどね。まぁでも悪いとかじゃないんだよ、ただちょっと考えが大きいんだよ」

 

「もう、私達だけじゃ止めきれなくて、頼れるのは梅雨ちゃんしか……」

 

 何で麗日は梅雨ちゃんに土下座する勢いであんな事言ってるのかしら、いや、私のせいだってことはいい加減に理解してるんだけどさ。はぁ、まぁいいわ、それよりも心操はそれでいいの?

 

「へ、あ、まぁその、迷惑じゃないんだったら俺はそれが良い、うん」

 

「そう? ならそれで話を進めましょうか。期末前は色々とあれでしょうし、そうね、夏休みの林間合宿前にウチに来なさいよ、昼食として作ってあげるから」

 

「レイミィちゃん?」

 

「バートリーくん、君は本当に学習してるんだろうか?」

 

 どういう訳か、梅雨ちゃんと飯田に真顔で静かに説教された、内容的には私が過去に心操に一緒に貴方が欲しいものを見に行けばいいじゃないと行ったときと同じような気がするんだけど。

 

 実際そうだって? うーん、難しいわね本当に……なんて悩んでいるのを見て周りはただ一言。

 

「おかしい、何も難しいことは言ってるつもりはないのだが」

 

「レイミィちゃんって相当ズレてるよね、うん」

 

「あ、あはは」

 

「ズレてるっていう次元じゃないと思うけどねこれもう」

 

 因みに最終的には自分も気になるということでこの場の全員もということになり、だったらと夏休み中に学校の施設を借りてそこで作るということに決定っていう話になった。

 

 これで良いのかと心操に聞けば、寧ろ誰かがいないと緊張で味がわからなくなるから助かるという話だったと言うのを最後に加えておくわ。




前書きでも言ったのですがちょっとネタの浮かびが悪いんですよね……なので火曜日はちょっと暫くは安定しないかもしれません、ご了承ください。
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