また各々が好きなデザインにも作れるので個性に適応させるのも合わさり、割と特徴的な
(はてさて、あの子はどんなデザインで送ったのだか……)
だが上記のことはあくまでヒーローとして活動するならという話。便利屋として活動してる手前、この
そんな気持ちで更衣室でケースを開け、取り出した彼女の反応は困ったような笑みだった。しかし、それは困惑とかそういうのはなく気合い入れすぎでしょという部分が強く、だが悪くないんじゃないと言う感じで着替えることに。そして場面は集合場所であるグランドβに移る。
既に着替え終え、千差万別なデザインの
「あれ、レイミィちゃんまだ来てないん?」
「そう言えば、見てないね。手間取ってんのかな」
「もしや、なにかトラブルが?」
彼女の心配に響香と百も不安げに言葉を漏らす。因みに二人の衣装も中々に特徴的であり、響香は自身の音を利用できる個性を十分に活用できる装備をブーツなどに仕込みつつ、趣味の音楽をあしらったパンクでロックという感じの衣装。
百は【創造】と言う個性の都合上、肌の露出が多めの衣装であり、そこに発育の暴力の権限であるとある部分が合わさることで峰田が暴走一歩手前まで行くほどの色気を見せている。響香もあまりの戦力差に若干の絶望を感じたとかなんとか、だが昨日の時点でレイミィも自身とそこまで変わらないのを知っているので、まだ仲間がいるという気持ちの一点で持ち直している。
それはそれとして遅いとなると、やはり心配になり一度更衣室に見に行ってみたほうが良いのかと各々が思い始めた時に、向かう道中で合流したのかレイミィの隣には
「あら、もう殆ど集まってるじゃないの」
「皆、早い……!!」
「デクくん、レイミィちゃん、こっちこっち!」
遅刻したのではと焦る出久の隣で特に慌てる様子もなく、そこまで時間を掛けたつもりじゃなかったんだけどと自分たちが最後だったことに驚きつつ呼んでいる麗日達の元へと足を運ぶ。
ここで改めて二人の
一方、レイミィのものは黒を主体にした身体全体を覆いつつラインがハッキリ分かるストライプワンピースを下地に、その上からもしワンピースを来てなかったら百以上に過激な露出になってただろう、胸元あたりで留め具が施され、腰から背中を通り首に巻き付くように伸びている複数本のベルトで全体を留められた裾の部分は朱色で上に行くにつれて濃い黒に染められているマーメイドラインタイプのドレス。
そして最後に腰辺りまでの丈がある肩の部分にシルエットで描かれたチェイテ城の周りを複数匹のコウモリが飛び回り下部には【H.C】と書かれたエンブレムが刻まれたコートを着込み、靴は軽い材質でありつつも蹴りなどを活かしやすいように踵やつま先を軽量合金で覆われた黒のアーミーブーツ、手には相澤が捕縛布に使っている炭素繊維に特殊合金の鋼線で編まれた朱色のグローブとパット見た感じでは中々に重量感がある
けれど、デザインを夜なべしてまだ考えた被見子がその辺りを考えてないわけがなく、実際はかなり余裕を持った可動域が確保されつつ見た目ほどに重量もないと、彼女の主戦闘スタイルである格闘を阻害しない作りに仕上げられている。
「何ていうか、ヒーローって感じじゃないわね。こう、女社長とか、そっちな感じの雰囲気」
「便利屋やってる都合、ヒーローなんて口が裂けても言えないからその感想は寧ろ正しいわね」
Theカエルと言う感じの
にしてもとレイミィは他のクラスメイトの
「……葉隠?」
「そうだよ、イエーイ! レイミィちゃんの
「アウトロー、悪くないわね。で、聞こうと思ったのだけど、あんた服は?」
アウトロー、もはやヒーローとしての原型すら消えてなくなった感想ではあるが凄くしっくり来るのも事実。響香もあ~と言う納得できるという表情をし、レイミィ自身も確かにと思うところがあったらしく彼女の言葉に同意しつつ、気になったことを聞いてみれば
「これだけだよ?」
刹那、グランドβから喧騒が消えた。あっけらかんと言われた言葉の意味が理解できないという顔の者、理解した上で情報が処理できてない者、全てを理解した結果、動き出す前に女子に沈められた峰田と様々な反応こそあれど打撃音以外の音がこの場から消え去ったのだ。
レイミィは一番初めのグループに属する。確かに彼女の個性【透明】によって他者からは自分を見ることが出来る人間は存在しないとは聞いてはいたがまさか
「えっと、良いのそれ?」
「へ? あ、本気になったら手袋とブーツも脱ぐよ!」
「違う、そうじゃない。冬場や火災現場での活動時の装備とかあるんでしょって話をしてるのよ」
「……冬場? 火災現場……?」
嘘でしょ考えてなかったの!? 顔は見えないが間違いなくポカンと言う表情をしているであろう葉隠の反応にレイミィは割と強めの頭痛に襲われる。別に肌を晒すなとか全裸とか人としてどうなのかとかは言わない、便利屋をやっているとそういう人種もいるし個性的に仕方ないわよねとなるからだ、だが外気温などを考えてなかったというのはちょっと想定外だった。
過去に出会ったその手の人物たちも流石に冬場や夏場、火災現場や雪山での活動ではそれ相応の対策ないし装備の準備を怠らない。人間という生物である以上、気温や外傷などに気を付けなければならないからだ。
「え、まさか、それ以外に装備とか無いってこと?」
「う、うん。私ほら、透明だから、個性を活かすってなるとこれが一番かなって」
「間違ってるとは言わないけど、一応個性に合わせた物を作るのは難しくないはずよ? 最近だとそうね、Mt.レディだって巨大化しても
この世界の技術力は非常に高い。だからこそ個性に合わせた
「そう、かな。でも物体を透明には出来ないし……」
「そこは先生たちに相談するしか無いわね。けれど何かしら対策は考えないと、肌を晒すっていうのはそれ相応のリスクは有るものよ。特に現場ってのは想定外なことだらけなんだから」
「なんだかレイミィちゃんが言うと説得力が強いね。うん、今日の放課後に先生に相談してみるね!」
とりあえず一区切りがついたことにふぅと息を吐き出すレイミィ。と言うか、なんでこんな事私がしてるんだとそこで正気に戻ってしまったが、同年代のクラスメイトがそれでつまらない怪我をして今後に支障が出てしまうのは彼女自身も夢見が悪くなるのでそれを防ぐためかと一人納得しておく。
「お疲れ、バートリー。まさか本当にその、そうだとは思わなくてさ私も」
「あはは……お家でもお母さんたちは服着てないから、あまり考えたこと無くてさ」
「オイラちょっと葉隠の家に、すっごい冷たい視線ありがとうございます!!!」
思わず、本当に思わずという感じに見た目だけならどこかのマスコットキャラとも言える
普通であればドンビキされること間違い無しの反応。だが逆に、それがレイミィ・バートリーの何かに触れた。
「あら、これでお礼を言うなんて余程ね貴方……変態」
「うっ、ぐっふぉ……」
「駄目よ」
「モルスァ!!??」
「やめようバートリー。それ以上はなにか色々とやばい気がする」
ガシッと肩を掴んで止めに入った響香の表情は真に迫っていた。ここで止めないと絶対に手遅れなことになる、それはレイミィがと言うよりもそこで悶えている峰田のことを指しており、これが英断だったと未来で判明することになるのかもしれない、ならないほうが幸せではあるが。
なお、その直後に物理的なツッコミ役として定着し始めている梅雨に舌での鋭い一撃で峰田は正気に戻ったがアレのほうが危ない方向に向かわないとレイミィは思ったとかなんとか。
授業開始前から様々な波乱を生み出してしまったが、そこは雄英の生徒達。オールマイトがグランドβに現れれば彼の前に全員が整列し、それを確認した彼は頷いてから
「始めようか、有精卵共!」
「堂々とセクハラ宣言とは恐れ入ったわ」
「辛辣!? ンッンン! 皆、カッコいいぜ!」
この時のレイミィの声の質は割と本気で性犯罪者に対してものであったし、そのレベルだと気付いてしまったオールマイトの心に多大な打撃を与えてしまったがそこはプロヒーロー、顔には見せずに授業を続ける。
今回の戦闘訓練は屋内での対人戦闘訓練、曰く屋内の方が凶悪
(しかも決まって、屋内特化な個性持ちばかりだからマトモに相手すると苦労するのよねぇ)
なんだか生徒達から一斉に質問されて聖徳太子!! と叫んでいるNo.1ヒーローが居るが彼女が気にすることもなく、過去の事案を思い出して何とも言えない表情になったところで今回の演習の設定が話される。
内容はビル型のアジトに
「先生! その場合、一チームだけが三人となりますが!」
「よく気付いたね飯田少年! それに関しては一つだけ説明を加えよう。バートリー少女! 君には全員が演習を終えた後に
「理由は?」
「君がこの場で実戦経験が豊富だからさ! それを活かし君に『全力』で
ふぅんとレイミィは考える。なんでもあり、しかも全力でと注文がついたのならば彼女としても手を抜くつもりはなくなる。さっきからオールマイトがカンペを見ているので恐らくは彼が考えたのではなく、相澤辺りからの提案だろうと推測してから、一つだけ良いかしらと提案を付け足した。
「ヒーロー側は三人でいいわ。決め方は任せるけどと言うか最後ってことは全員の個性の情報が出尽くした後だけど、そこは良いの?」
「HAHAHAHA!! 君くらいの人間ならば情報収集なんてお手の物、ともすれば戦う前にヒーロー側の情報を握ってても不思議じゃないだろう? ともかくオーケー! ではその手筈で先ずは君たちのチーム分けと訓練を始めようか!!」
人の個性の能力の中でも最上級機密クラスのやつに掠めるような発言やめろNo.1ヒーローと鋭い視線で睨みつけるが相手はどこ吹く風という態度に切れてはいけない血管が切れそうになるのをぐっと抑え込む。
そして、初戦の組み合わせが決まる。決まったのだが組み合わせを見たレイミィは結果を見て笑いを堪えることになる、それはそうだろう、まさか……
「緑谷と爆豪、これは楽しい楽しい訓練になるわねぇ」
「ヒッ……」
「レイミィちゃん、レイミィちゃん、またあの笑顔になってるから。口田くんが本気で怯えてるから抑えて抑えて」
梅雨に指摘されたので見れば確かに怯えてる様子の『口田 甲司』の姿、グニグニと頬を手で揉み戻そうとする。が、結局は訓練開始から即座に戻るので虚しい努力になるのだが。
「いきなり、かっちゃんと……!」
「ぶっ潰してやるよ、クソナード!!」
こうして対人戦闘訓練、初めのカードにして最も注目される戦いの火蓋が切られた。
レイミィの
便利屋メモ
コスチュームに付けられたエンブレムは便利屋所属だと表すために被身子が一番悩んで書き上げたデザイン。
シルエットのチェイテ城は便利屋事務所を、複数匹のコウモリは彼女たちを表している。
実は今日までそういうのがなかったので今後はコレを使っていこうということになっている。