便利屋チェイテと愉快な仲間たち   作:鮪薙

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ちょっとこのままだと雄英体育祭が洒落にならん話数になりそうなので詰めれる部分はダイジェストでお送りいたします、許してヒヤシンス。

私信
昨日の鯖落ちヤバかったですね……あ、昨日もキチンと予約投稿されてるのでよろしくお願いいたします。


No.48『ダイジェスト風味な試合展開』

 観客席に戻ってきたレイミィと芦戸、二人に健闘を称える声と同じくらいに来たのはやはりと言うべきだろうか。酸で負傷をしたレイミィを心配する声だった。

 

 どうやら大型モニターにははっきりと彼女の怪我の具合が写っていたらしく、それを見てしまったが故に全員が大丈夫なのかという気持ちで聞いてきていた。そのことにレイミィは大袈裟なと思いつつも、それが彼らの優しさだとは理解しているので羽根を動かしつつ

 

「リカバリーガールの所で完治したから大丈夫だってば、あの程度の怪我は現場ならしょっちゅうだし」

 

「そりゃそうだろうけど、心配にはなるんだって。まさかあれに突っ込むとは思ってなかったし」

 

「そうだよー、正直あれで個性使うの躊躇っちゃったし」

 

 そこもさっきの戦いのマイナス部分の一つよと指摘する。あの戦いで酸の幕を突破された芦戸だがその後は個性を使うのを明らかに躊躇う仕草を見せていたのを彼女は気付いていて、だからこそ少々長引かせてもいたと伝えるが芦戸うぐぅと言う表情をされしてから、目を泳がせたまま。

 

「いや、まぁ、レミィが言いたいことは分かるんだけどさぁ。それよりも最後の足払い? あれぜんっぜん気付けなかったというか分からなかったよ!」

 

「雑に話を逸らしたわね……」

 

 コレ以上の小言は避けたいというのが見え透いている芦戸の発言にレイミィも呆れながら、これ以上は血染と同じではと感じたのか溜息一つで終わらせて、何もあの足払いは芦戸だったら避けれても不思議ではなかったと伝える。

 

 とは言っても伝えられた本人はまさかそんなという反応になるし、上鳴も同じようにあの場面のレイミィのブレたとしか見えない足の動きを思い出して難しい顔のまま隣の勝己へ顔を向けて。

 

「いや、あれは気付けねぇだろ。なぁ爆豪」

 

「気付けるわアホ面、アイツは足払いまでに意識を上に持っていくように仕込みを入れてたってだけだわ」

 

 相変わらずの乱暴な物言いだが言ってる内容は的確であり、レイミィもへぇと感心してしまう。がその態度が彼には挑発的な何かに見えたのか露骨に舌打ちをしてから視線を逸らされてしまう。その反応に笑みが溢れてしまいそうになるのを堪えるが、若干抑えきれていないのであぁ、レイミィちゃん的にはあれも嬉しい反応なんだと周りは静かに気付くことに。

 

 因みに出久はこの手段はやられすぎて【理解】してるので同じような試合運びをされても反応できるようになっている、それが出来るようになるまで築き上げた屍はそれなりに多いが。

 

 なんて話で盛り上がっているが試合はまだ当然ながら続いており、次の戦いは轟焦凍対瀬呂範太。なのだがレイミィと芦戸の戦いで盛り上がっているので切島が次始まるんだが応援するべきではというニュアンスのセリフを言うがそれに対してレイミィは、確かにそうなんだけどと前置きをしてから。

 

「いや、この戦いは言っちゃなんだけど余程が起きなきゃ余裕で轟が勝つわよ」

 

「そこまで言い切れちまうのか……」

 

「考えても見なさいな、炎と氷が扱えるのよ? 瀬呂も強いには強いけど個性のテープなんて燃やされるか、それを起点に凍らされるかの二択にしかならないわ」

 

 とは言っても左で燃やしたら服ごとだから氷漬け一択かしらとステージの方を見ながら呟けば、尾白も納得だという声で。

 

「確かに言われるとそうだ、別に近接戦闘も不得手って訳じゃないとしたら、瀬呂の勝ち目は薄いな……」

 

〘相性がかなり悪いということか〙

 

 割と慈悲がない言われようだが現実的に相性が悪い。全く勝ちの目が無いとは言い切りはされてないのが最後の良心にも捉えられなくないが、世辞で言い切らなかったかもしれない。

 

 そんな観客席から勝敗予想をされているとは知らない二人はステージ上でプレゼント・マイクの実況と自身への割とあんまりなリングコールを聴きながら開始を待っていた瀬呂がグッグッと腕を頭の上で動かしつつ

 

「やっぱ、勝てる気しねぇわ」

 

 ニヒルな笑みを浮かべつつ、そんな事を言ってはいるが声には諦めが込められていないことに焦凍も気付いておりだからこそ油断なく構える。その様子にこれで油断してくれたら苦労はしないかとボヤきつつも集中を高めに高めて

 

《START!!》

 

「負ける気もしねぇんだけどな!!」

 

《場外狙いの早技(ふいうち)!! この選択はコレ最善じゃねぇか! 正直やっちまえええ瀬呂!!!》

 

 ゴングの合図と同時に両肘からテープを射出し焦凍に巻き付け、その勢いのままに場外へと運んでしまおうとするがカッと目を見開いた焦凍の右から瞬間冷凍と見紛う速度でテープから瀬呂の地面に凍結が走り、数秒と要らずに瀬呂を中心に障害物競走でレイミィを閉じ込めたのと同じ形の氷の檻が形成される。

 

 しかし、その時よりも頑丈に、また焦凍が常時再生させるため瀬呂が試しに蹴り壊そうとしてみてもびくともせず、引き攣った笑みで彼は脱出できるかしら? と聞いてきた審判のミッドナイトの方を向いて両手を上げて降参のポーズをしてから

 

「あー、その、脱出不可っすねコレ」

 

「瀬呂くん、行動不能!! 轟くん、二回戦進出!!」

 

《秒殺!! スタンドからはドンマイコールが何故か湧き上がるがまぁ分からんでもないなコレは、どんまい瀬呂!!》

 

 あまりの秒殺劇に観客席からは瀬呂に向けてどんまいコールが湧き上がる、割と自信満々での行動だったから尚の事その策があっさりと潰されてしまったことに対するどんまいだろうとは本人も思うが、それはそれとして虚しさを覚えていると焦凍が近寄り

 

「平気か? 一応、当てねぇように形成したんだが。それと離れてろ、直ぐに溶かす」

 

「ヘーキヘーキ、にしてもあの一瞬でこんな綺麗な檻を作れるってスゲーなお前やっぱ」

 

「本当なら適当に凍結で済ませるつもりだったけどな。その、母さんが来てるからあまり雑なことしたくなかった」

 

 へぇと焦凍の意外な一面を見たという感じに声を上げる瀬呂、因みに何処にいるか分かるのかと聞けば、あそこで騒いでる親父の隣の女性と言われるのだが【親父】と呼んだ時の声が地の底から響くようなそれだったのは触れなかった。彼だって怖い物知らずとは言え、命知らずではないのだ。

 

 因みに予想通りの結果に終わった観客席ではレイミィがだから言ったでしょとドヤ顔、何故そこまで自信満々で後方理解者面しているんだこの娘は思われていたとかなんとか。なお、戻ってきた焦凍と瀬呂がそのドヤ顔について聞かされれば、瀬呂はあぁうんという表情で、焦凍はそのくらいならバートリーは理解してても変じゃないから的な反応だった模様。

 

 そんな余談はおいておき、思ったよりも展開が速いとプレゼント・マイクが実況する中、続いて第一回戦の第六試合、八百万百対常闇踏陰の戦闘は開始から百に自由にさせないとばかりに猛攻を加えることで主導権を握った常闇のペースで進んでいくのを見て

 

「八百万が押し切られるわねコレ」

 

「どうしても道具が完成するまでの隙が常闇くん相手じゃ致命的だ」

 

 八百万の個性はたしかに万能ではあるのだが、道具の創造には物によるが出すまでに時間がかかり、その隙を常闇の黒影が許すわけもなく嵐のような連撃を叩き込まれ、それを凌ぐための道具を創造するのに手一杯になってしまい打開できないという負の循環が発生、場外まで残り数センチと言う位置まで押し込まれてしまっている。

 

《黒い影が容赦なく八百万に襲い掛かる!!! 八百万も凌いではいるが顔が段々と苦しくなってきているぞ!!》

 

「そのまま押し切るぞ、ダークシャドウ!!」

 

「オウヨ!!」

 

「しまっ、きゃ!?」

 

「八百万さん、場外!! 常闇くん、二回戦進出!!」

 

 あの状況から何とか打開しなければと焦りからか防御が疎かになったのを見逃さなかった常闇の黒影がダメ押しの一撃で場外に弾き飛ばされ試合終了、悔しそうな表情をしつつも常闇の手を取り立ち上がって賞賛を送る彼女を見て、レイミィがフォローするように、彼女のような個性持ちが一対一(サ シ)の形になること事態が負けなのよねと呟く。

 

「ヤオモモの個性なら基本的に誰かとペアが理想ってこと?」

 

「そうそう、確かに近接戦闘が出来たら良いとは思うけど、事前準備も出来てない状態でしかも単独で奇襲を受けるのは絶対に避けなきゃいけないのが大前提になるわね」

 

 もっともそれで百が納得するかというのは別問題である。彼女は常に上へと言う上昇志向の持ち主、ならばこの結果に自身の不甲斐なさを覚えてしまっているかもしれないとレイミィは脳内でどうにか彼女をフォロー出来ないかと考えておく。

 

 だがあの戦いは今までにないくらいの激闘だったのは確かであり、観客のボルテージは鰻登りの中、第一回戦、七試合目、切島鋭児郎対尾白猿夫の互いに格闘戦主体のカード。

 

「どっちが勝つと思う、レミィ。私は切島かなって思うんだけど」

 

「硬化の個性が尾白を相手取るにはコレ以上無いくらいに有効なのよね。上から打撃を通せれば話は変わるけど、それが出来なかったら尾白の敗北が濃厚ね」

 

「僕の5%でも難しいよな……でも投げに入れば、いや、切島くんがそれを考えてないわけがない、なら息切れするまで攻め続けるか? けど向こうはそれを分かってのカウンターを……」

 

 急にスイッチが入った出久をよそに、START! という今日だけで何度聞いたか分からない開始の合図がされ両者が一気に間合いを詰めるが速度という面では尾白の方が軍配が上がるようでステップを踏み撹乱からの自身の尻尾による一撃で叩きつけるが

 

「効かねぇ!!」

 

「やはり固いな!!」

 

 今の自身が出せる最大の一撃があっさりと防がれ、分かっていたと思いつつも渋い顔になる尾白に対して切島は勝ち気な表情で反撃だとばかりに硬化した拳でのパンチや脚での蹴りが炸裂、既で回避にこそ成功するが拳が掠った部分のジャージがビリっと破れたのを見て厄介だなと冷や汗をかく。

 

 それは観客席で見ていたレイミィも同じであり、今なお尾白からの攻撃を正面から受け反撃するという重戦車染みた攻め方をする切島に浮かんだ感情をそのまま口にしてしまう。

 

「でたらめに硬いのね、あれ」

 

「そうだよー、本人はまだまだ固くなるんだって言ってるからもっと凄くなるんじゃないかな」

 

「何が厄介って、あのギザギザ部分もだろ。俺のテープなんて一瞬でズタズタにされる未来しか見えねぇわ」

 

 仮に自分が切島と戦う場合はどう動くべきだろうか、そんな事をふいに考え始めたレイミィだったが出した結論はブラッドチェーンで巻き付けて投げるのが一番早いという脳筋だねと言われても仕方がない手段。だが迂闊に攻撃できない相手となればコレが最善の方法でしょと誰にでもなく言い訳を脳内で並べる。

 

 なんて考えている内に、遂に切島の一撃が尾白を捉え、そのまま一気呵成の攻撃が始まる。尾白も何とか仕切り直そうとするのだが攻撃が通らない、先程の一撃が響いて動きに繊細を欠け始めればどうにも出来なくなり、そして

 

《切島のアッパーが尾白を捉えた!! 立てるか、立てるのか尾白!!!》

 

「ぐっ、はぁ、はぁ」

 

「おう、来るか!? まだまだ行けるぜ俺は」

 

「い、いや、立てそうにない……降参だ」

 

「尾白くん、行動不能!! 切島くん、二回戦進出よ!!」

 

 何度か立ち上がろうと足に力を込めるが、やはり顎への一撃とその前からのダメージからか力が入らず降参。二人へ大歓声と拍手が送られる中、切島が尾白に肩を貸し、ステージから去っていき少ししてから切島だけが観客席に戻ってきた。

 

 どうやらリカバリーガールが少しだけ横になってから戻れと尾白に言ったらしく、それは思ったよりもダメージがあったからなのかと聞かれれば。

 

「らしい、確かにあれは結構いい感じに入ったって手応えがあったんだが、そこまでとは思わなかった」

 

「若干、宙に浮いてたものね。さて、第一回戦、ある意味で一番の戦いが始まるわね」

 

「そうね、次はもっとも不穏な組みね」

 

「ウチ、なんだか見たくないなー」

 

 楽しみであり、怖いものもある。そんな感じの言葉に全員が静かに頷いた、トーナメント表に書かれる第8試合の名前は爆豪勝己対麗日お茶子、はっきりと言えば

 

「絵面がやばいんよ。どう見てもヒーロー科の面じゃないやつと可愛い女の子が対峙してるって色々とあれよお前?」

 

「でも、かっちゃんは笑ってない……(頑張れ、麗日さん!)」

 

《中学からちょっとした有名人!! 堅気の顔じゃねぇ、ヒーロー科爆豪勝己!! (バーサス)俺こっち応援したい!! ヒーロー科麗日お茶子!》

 

 第一回戦、最後の戦いの火蓋が切られた。




詰める言ってたのにお茶子対爆豪でどうして区切られるんですか……?(電話猫

便利屋メモ
ラジオで雄英体育祭を聞いてる血染だが、最終種目で無事に一回戦目をレイミィが突破したと聞いた時は小さく拳を握ったとか。
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