彼女と僕しか知らない一日 ~妙に距離感の近い元気系ガイノイドと行く小旅行~ 作:さばてん@コピーライター
引き続き、好き勝手に書いてみました。
『大戦』
作中にて、直近の大戦であるとか、戦時中について言及されていたものです。
2000年より少し先のこと、冷戦終結から100年も経てば、新しい形の世界大戦があってもよかろうということで
この作品の前の時系列でも、経済や民族間の対立などを原因とした世界大戦が起きた、としてあります。
また、この終わりのつかない戦争の最中に、土地が広くて鉱物資源のよく埋まっている場所を塗りつぶすように
ますきゃっとの生産プラントが空から降ってきた、という訳です。
その後、いち早くますきゃっとを手に入れた勢力により、ターミネーターめいた制圧がなされ
作中のような、微妙な違和感のある平和が訪れることになります。
『トランスヒューマン』
近未来SFの側面として、大きな戦争をきっかけとして、諸技術が戦争に寄り添って発展したことは想像に難くないかと思いますが
そのひとつとして、本作では生命工学が程々に発達してしまっています。
画面のこちら側の世界では、宗教的思想などにより、人間の遺伝子操作を控える声明などが出されたこともありますが
折角なので、それらを引きちぎって貰う運びとなりました。
本作の語り部・主人公も、大型犬の体力・持久力・忍耐力・従順さを取り入れるべく作られた、技術実証のためのトランスヒューマン。人語を解する従順なイヌ、という訳です。
最も、彼の関わる計画は、上位互換のますきゃっと型アンドロイドが現れたことにより凍結されてしまうのですが…
あるいは、彼のような強靭な身体の持ち主でないと、ますきゃっとの本気の戯れには耐えられないのかもしれないというのは、大いに想像の余地を残すところでもあります。
たとえば、宿屋の床を破壊してしまうとか……
『ますきゃっとの"目的"』
ますきゃっとを遣わした"本社"は、営利的な思想を持った集団であるため、当然、地球人類にタダ同然でくれてやっているますきゃっとも大切な商品、ないし商材であり、より大きなリターンのための投資という訳です。
本社が吸い上げているものは2つ。ひとつはますきゃっと生産のための鉱物資源、もうひとつは人間から得られるデータです。
人間と触れ合って人格の形成パターンや必要な要素を回収し、人型ボディのコントロール方法を学び、本社へ吸い上げる。
もし、これ以上学ぶものがなくなったり、あるいはますきゃっと製造で地球上の資源を全て吸い尽くしてしまったならば
その時、彼女らは地球人類をどうかしてしまうのでしょうか。
脳シナプスの解析のために、全人類を高電圧スキャンに掛けてしまう、などということも、あるいは起こりうるのかもしれません。
『第二種哲学的ゾンビ』
執筆時点のひと昔前に流行した、哲学的ゾンビという単語。
人間が人間そっくりの心がない物体だったら…という条件を交えた、思考実験の際に用いる考え方だそうです。
第二種、としたのは、身体の内部構造に至るまで人間と変わらないものが真性の哲学的ゾンビとされるためであり、内部がロボットらしい機械になっているますきゃっとは、真性の哲学的ゾンビには至らないためなのですが
画面のこちら側においては、同等の意味を持つ「行動的ゾンビ」という単語が与えられているようです。
本作では、ゾンビという単語の持つ冷たさで、主人公がますきゃっとを心持つ存在と認識していない様を描写するために用いています。