遠い銀河と透き通る世界   作:RBT E10

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長くなったので、二つに分けました。


それと、ここに書いておきますが、

この小説のブレーザーは「別れた」後のブレーザーです。


うへぇ~連邦生徒会長のエミュレートがダメダメだぁ…なんか面接っぽくなっちゃったよぉ~。


渦巻く想い 前編

初めに知った感情の名は「寂しい」だった。

 

真白くなった彼を見て

 

いやだと、いかないでくれと、離れたくないと、目から熱いものをボロボロとこぼして胸に宿るモノに突き動かされるまま声を張り上げて…

 

気づけばこんな風になっていた。

 

 

 

光がさして目が覚めた。目元をぬぐった。手に液体がついた。そのまま手をこすって乾かした。

 

透明な板…ガラスの窓から外を見て、朝を見た。

 

そこに映る変わり果てたオレを見てまた、「寂しい」を感じた。

 

 

 

 

柔らかい体を水で流してとろりとした液体で洗う。これはカスミに教わった。「君も女性なんだからケアぐらいはしっかりしないか」と言われた。

 

他にも「髪の拭き方はタオルを…」とか「風呂上りにはこの液体を…」だとかカスミ以外のいろんな人*1から教わった。

 

ぶっちゃけ体のやつ以外はよくわからないから全部アースガロンに任せている。アイツは正確なのだ。

 

「髪を拭いて乾かしますからじっとしててクダサイ。」

 

「ありがと。」「いえいえ」

 

この「ありがと」は数少ないまともに話せる言葉だ。ゲントやアースガロンと長くいたこととカスミが4日に一回の頻度で教えてくれるからある程度言葉に出せるようにはなったのだ。ただ、まだ違和感があったりうまく発音できてなかったりする。

 

早くみんなのようにすらすら話せるようになりたいものだ。

 

~1時間後~

 

髪を整え、朝ごはんを食べ終えたころにカスミから連絡が来た。

 

「ブレーザー、今日は連邦生徒会長が来る日だ。ある程度は丁寧に話すんだぞ。相手はこのキヴォトストップクラスの力を持っているからな。」

 

「ただ、きつかったら無理する必要はないし、何かひどいことを言われたのなら全力で怒っていいからな。」

 

…「ひどいこと」か、それが何か想像もつかない。…そもそもひどいことってなんだ?

 

いや、まず、オレは「連邦生徒会長」なる人物がどんな人かも知らないのだ。なんかものすごく偉い人で、「超人」って呼ばれていることしか知らない。彼女に何を言われるのかすら想像もつかない。一応、アースガロンが見せてくれた写真を見たときはなんだか普通の人にしか見えなかった。

 

どんな人だろうか。みんなに慕われているらしいし…優しい人だろうか?

 

「……………………ゲントみたい、だったら、いいナァ。」

 

…ハッ!そういえば、連邦生徒会長はこの島に来るという事だった。

 

つまり、「お客さん」。それすなわち

 

「オモテナシ、いる…!」

 

オモテナシが、いる!なんてことだ、ゲントとともに住んでいるサトコもやっていたではないか。お客さんが来るときに飲むものを出してたりしていたではないか!

 

まずい、何を用意すればいいんだ…。飲むものは水でいいんだろうか?

 

「ウロォィ…わから、ない。」

 

「アースガロン、わかる?」

 

「そう言うと思ってましたよ、ブレーザー。そうですね…飲み物は水でいいので、後は…フルーツの盛り合わせでもいいのではないでしょうか?」

 

「新鮮な果物がたくさんあるれば、きっと喜ぶでしょう。」と続けたアースガロンがオレには輝いて見えた。

 

「ありがとぉ…アースガロン。」

 

「いえいえ。さて、それでは果物を用意して、切り分けて盛り付けましょう。」

 

「ウン!」

 

~ここから少しダイジェスト~

 

 

「では、ひとまずここにあるモノはゴミですので…」

 

「わかった!ウロォイ!」(スパイラルブレードを取り出す音)

 

「ぶ、ブレーザー?何をしようとしているのd、燃やそうとしないでくださいブレーザー!

 

 

 

「皿はどれがいいでしょうか?」

 

「ウロォイ!」ヒョイッ(くそでかい何かの骨でできたやつ)

 

「…いくらなんでも大きすぎます、置いてきてください。」

 

「だめかぁ。」「だめです。」

 

 

 

「さてそれでは果物を、…何を持っているんですか?」

 

「うる?チルソナイドソード。」

 

「果物どころか家まで真っ二つになりますよ?!」

 

~ダイジェスト終了~

 

「何とかできましたね。」「ウン!これで、オモテナシ、できるな!」

 

いやぁ、アースガロンがいてよかった。おかげで連邦生徒会長が来る前には準備をすることができたぞ。これならばちゃんとオモテナシができる。

 

もしもゲントがここにいたのならば、きっと、ほめてくれるはずだ。

 

後は、連邦生徒会長が来るまで待つだけだ!

 

 

 

 

 

しばらくして足音が二つ聞こえてきた。

 

一つは聞きなれたカスミのもの。もう一つは聞きなれない足音だった。つまり、この足音の正体は…!

 

「入るよブレーザー。」ガチャリ

 

そうして入ってきたカスミの後ろに目を向ける。

 

空の青をとても薄くしたような髪色に、輪っかに星を差し込んだようなものが頭の上に浮いている。それでいてしっかりとしている服を着た女の子。

 

優しそうな雰囲気だけど…どこか、へん?

 

「初めまして、ブレーザー。私は連邦生徒会長。よろしくね。」

 

「ぁ、初め、まして。オレは、温センカイハツ部、の部員のブレーザー、だ、です。こちらこそ、よろしく。」

 

「会話が、苦手なのですね。」「これでも上手くなっているよ。」

 

二人が何か話しているけど、よく聞こえなかった。それよりも、机の上のこれ(フルーツ盛り合わせ)を見てもらいたい!そして食べてもらいたい!私とアースガロンの精一杯の「オモテナシ」なのだ。

 

「これ!おいしい!オレとアースガロン、頑張った、よ。」

 

「ほぅ!見事な盛り合わせだな。ふたりでやったのかい?偉いじゃないか。」

 

「ふふ、ありがとうブレーザー。…それに、アースガロンも。早速いただくわね。」

 

「ありがとぉ!」「ありがとうございます。」

 

やった!褒められたぞ!褒められるのはうれしいことだ。気持ちがよくなる。これはこの姿になってからもずっと変わらないものの一つだ。

 

…二人ともおいしそうに食べている。いけない、オレも食べたくなってきた。

 

でもこれはオレが食べるために用意したものではな「一緒に食べる?」…いいのだろうか。

 

「ブレーザー、君、すごく食べたそうな眼をしていたぞ。」

 

「一緒に食べたほうがおいしいと思うわよ。」

 

………………ヨシ、一緒に食べよう。うん、みんなで食べたほうがおいしいとむこうでもたくさん言われていたからな。うん。

 

「アースガロンも一緒にここにきて食べたらどうかしら?」

 

「申し訳ありません連邦生徒会長。私はAIであり、上から声を響かせるこれがデフォルトなのです。申し出は喜ばしいことですが、私はヒトや動物が食べるような食物を摂取することができないのです。」

 

「…ごめんなさい。気を悪くしてしまったわね。」

 

「いえいえ、問題ありませんよ。こうして幸せそうにしているのを見るだけでも『満たされる』という感覚があるのです。気にする必要はありませんよ。」

 

「ならよかったわ。」

 

~お食事中~

 

いやー果物はおいしかった。二人もおいしそうに食べていたし、オモテナシは上手くいったといってもいいだろう。

 

…あれ?何か忘れているような?

 

「では、私は席を外すとしよう。」

 

「案内ありがとう、カスミ。」

 

「くれぐれも変なことをするんじゃないぞ。」

 

「もちろんよ。」

 

「それでは、『またね』だ。ブレーザー。」

 

 

ああ!そうだった!今日はこの人と話すんだった。アブナイところだった。

 

「うん、またね、カスミ。」

 

そうして部屋の中にオレとアースガロン(声のみ)、連邦生徒会長が残された。

 

「それでは、改めまして。こんにちは、ブレーザー。いくつか聞きたいことがあるの。少し、お話してもいいかしら?」

 

さっきと雰囲気がすごくちがう。さっきは家にいる時のゲントみたいだったけど、今は仕事の時のゲントみたいだ。

 

ちょっぴり懐かしい。

 

「う、ん。いいよ。」

 

なにをきいてくるのかな。

 

「あなたは、なぜ温泉開発部に所属しているのですか?」

 

温泉開発部に所属している理由?

 

「この島、とても大きな生物いる。もっと大きな温泉ある。」

 

「その温泉の…えっと、「整備、ですよブレーザー。」そう整備してもらった。」

 

「あと、こうゆうのには所属しといたほうが後々楽だよって、カスミが言ってた。」

 

「だから、入った。」

 

「巨大生物…。やはり、姿を見せていないだけで存在するのね。」

 

「…つまり、この島にもともとあった温泉を整備してもらったから、所属することになった。ということですね?」

 

「うん。」

 

…答え方はこれでいいのだろうか?あと、管理の仕方が分からないというのもあったけど、そこはアースガロンがやっているから問題ない、はず。

 

「つぎに、

 

おっと,次の質問だ。

 

あなたのその力…キヴォトスのどこにもないその力について教えてくれないかしら。」

 

 

…なんでそんなことを聞くのだ?別にオレの力は減るモノでもないが…なにを、考えているんだろう?

 

 

「警戒するのもわかりますが、ただ、聞きたいだけです。あなたの、その、巨大な力について。」

 

「………これは、ハジメカラ、できたものを、頑張って、強くしたものだ。いち、ぶは、ミンナ、で生み出し、た。」

 

「みんなで?」

 

「うん。このチルソナイドソードとか。」

 

そういって取り出したところ、彼女はひどく驚いているようだった。

 

「剣?…いや、これは、…雷?」

 

驚いた。この剣の力を見せていないにも関わらず、剣の中の力を見抜くなんて。連邦生徒会長…「キヴォトスの超人」、その名に負けないほどすごい人だ。

 

「『みんな』…それは、あの壁のアルファベットの書かれたマークのものと何か関係があるのですか?」

 

ん?壁のマーク?マークも何もあれはSKaRDのものだけど…?

 

SKaRD(スカード)のこと?」

 

そういってオレはSKaRDのものを指さした。

 

「ええ、それです。」

 

「いい機会ですね。こんどはそのSKaRDについて…あなたがキヴォトス(ここ)に来るまでのことを、聞いてもいいですか?」

 

 

 

オレの、過去。今でも色あせないあの出会い、戦い、別れ、そして想いが、渦巻く。たくさんの感情が、衝動が、あふれ出しそうになる。

 

 

高ぶるモノを落ち着かせて、オレは、音を出した

 

「---------ー----…………………わかった。…話す。」

 

目の前の連邦生徒会長の瞳には、『いろんなものが混ざった顔』をした少女が写っていた。

 

 

 

 

*1
所属はみな温泉開発部である




次回は後編

再来週までには更新できるといいなぁ(遠い目)
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