***改変・刀剣乱舞 あとがき***
刀剣乱舞はサービス開始年(2015年)の夏から原作ゲームを始めました。好きになったきっかけはピクシブで偶然読んだへしさに小説です。サーバが満員で入れなかったあの頃。しかも長谷部は初期刀じゃなかった……サーバに入れなかった間に色々調べて、長谷部を初期刀にしてゲームを開始する術はないと知り、愕然としたのを覚えています。
2023年4月、楽しみに待っていた大型アプデがあまりにも酷くて、落胆したし怒りました。納得いかないままズルズル続けていましたが、ゲームやコンテンツは楽しむためのもの。嫌になったら離れるべきです。合わなくなったらもう、私は客ではないのです。
けど、8年ずっと、それこそサーバに入れないときから二次創作書いてたくらい好きだったので、なかなかスッパリと切れなかったです。
落胆したのがきっかけで「この刀剣乱舞という物語は何かがおかしいぞ?」と疑い始め、そこから考察を重ねて、こう考えるようになりました。
「どうやら公式運営は、コストカットでユーザーの説得を怠って物語を進めている」
「ユーザーを悲しませるのを感動とはき違えている」
「それぞれの本丸と言ってユーザーを持ち上げておきながら、それぞれの本丸を大事にする気がない」
等々……どうか私の考えすぎであってほしいです。
刀剣乱舞の半分は、ファンの二次創作、つまりそれぞれの本丸でできていると思ってます。そのファンがただ「好きだ」という気持ちで作った二次創作は、今でも大好きです。そのそれぞれの本丸が、これ以上公式から壊されることのないようにと祈って、この『改変・刀剣乱舞』を書きました。
それと、自分が納得して刀剣男士たちとお別れするために。
あくまで私が二次創作している世界線での話でしかありませんが、円環マッチポンプによる敵つまり刀剣男士の存在意義の生産は、おしまい!
残っている遡行軍や検非違使の浄化救済はやりたい本丸だけがやればいい。もう戦いは終わりにして、のんびり暮らす本丸があってもいい。どの本丸も何らかの理由で審神者が死んだ後は、永久に寂しく帰りを待たなくていい。いつか本丸が終わっても、もう誰も時間遡行軍や検非違使になり果てなくていい。
それぞれの本丸が、審神者と刀剣男士たちの話し合いで、これからどうするか決めてくれたらいいなぁ。
円環は終わったので刀剣男士の役割と存在もいつか終わるけど、それまで穏やかに楽しく暮らしてほしいです。それが彼らにとっての“救い”でありますように。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
***おまけ・裏話***
◆クーデター◆
蛮族なので、ハッピーエンドにするにはクーデターしか思いつかなかった。
AIを停止させる場面は、キューブリック監督の映画『2001年宇宙の旅』のオマージュです。サンライズのアニメ『装甲騎兵ボトムズ』のイメージも混ざってます。
自分なりに原作ゲームを解釈し謎解きをしてから書いていますが、世界線は違います。
刀剣乱舞の二次創作ではかつて、ブラック本丸救済ものが流行しました。あのときみたいに時の政府にクーデター起こすネタが流行るといいのにな! 無理か!
◆大侵寇・防人作戦◆
大侵寇はイベント当時レイド戦が楽しくて、シナリオは「よう分からんが三日月が勝手に出てって、なんかわしの知らんうちに初期刀のむっちゃんと強い絆ができてたらしくて、むっちゃんが迎えに行ったら帰ってきた。ヨカタネ」で深く考えずに受け入れました。
だいぶ後で批判も多かったと知り、批判意見を見て「確かに、それぞれの本丸の物語を大事にするなら強制シナリオはダメだよな」とか「怒るユーザーがいるのも分かる」と思いました。
じゃあどうすれば正解だったのかは分かりませんが、強制シナリオではなく参加しない選択権くらいはユーザーにあっても良かったかも。
それと、イベント半年前に三日月を一斉配布するより、ゲーム開始三日目報酬の方が良かったのでは? 三日月が来た直後に初期刀との強い絆が0秒で生えてくるのはいくらなんでも乱暴じゃないかな。三日月が顕現してからある程度期間を経るか、大侵寇以外で初期刀との回想を通るかして関係を深める過程もほしい。
また、回想シナリオだけだとレイド戦についての説明や言及がなく、何が起きてそうなったかイベント終了後の新規の人には分かりにくく、不親切だなと思いました。こんのすけの台詞も順序よく回想に入れておかないと、大侵寇が何だったのか理解できない気がします。
そこで、対大侵寇「防人作戦」は台詞も出来事も大幅に改変しました。
混に対峙した際、太刀の姿で休んでいたはずの三日月がなぜか突然刀剣男士に戻って、同時に一瞬で全員の負傷が治ったのは、すごく納得いかないのでなかったことにしました。
実際の原作ゲームのイベントシナリオでは審神者は三日月を疑ったり怒ったりしてないし、こんのすけにつらく当たらないし、初期刀と喧嘩したりもしません。大侵寇イベントを経験していない方はその点ご了承ください。あくまで原作とは違う世界線での、どこかの本丸の物語です。
◆大侵寇・政府防衛作戦◆
刀剣乱舞なんだから、最終的には刀で敵を斬って大団円を迎えたいのですが、諸事情でラスボス登場は止めました。今後もし原作ゲームで政府に援軍を派遣するイベントがあれば、おそらく防人作戦の混に相当するラスボスが登場するだろうと考えています。
また、その前に天下五剣の童子切安綱が実装されてるんじゃないかな、などと予想。この物語は世界線が違うので、どの本丸にも童子切はまだいません。
◆クダ屋さん◆
防人作戦の冒頭で出没したのにその後さっぱり行方不明ではあんまりだな……と思って安直に顕現させちゃった。
とりあえず自称は「俺」にしました。刀匠つながりがあるらしい青江が「僕」で、数珠丸さんが「私」なので。
※20240822追記※
イベント『百鬼夜行』でクダ屋さんのお名前が『狐ヶ崎』で自称は『私』と判明しましたが、この作品は世界線が違うので現状そのままにします。
◆三日月宗近◆
この本丸の世界線では審神者就任3日目報酬で来ますが、現実の作者の本丸では、初期実装組の中で一番最後にやっと、鍛刀で来ました。1年以上難民だった。
原作ゲームの主人公というか物語全体の重要なキーマンであるなら、どの本丸にも開設初期に配布されるべきだと思うんですよね。しょっぱなからユーザーの共感や説得が軽視されている気がして残念。原作でそこを丁寧にやらないから、三日月に感情移入してないユーザーの反感を買うんじゃないかなぁと思う。
この作品では合戦場マップの「○○の記憶」は三日月の記憶だということにしました。「刀剣乱舞は三日月の記憶の中にあるんじゃないかな。だから三日月だけが色々と特別なことができるのかも」と考えました。
実際どういう設定になってるか、どうして三日月だけが原作でも多くのメディミでも色々と秘密を持ってる雰囲気なのか、原作で明かされるときは来るのだろうか。
◆加州清光◆
初期刀組のうち実際に見たことがあるのが加州でイメージがしやすかったので、この本丸の初期刀を加州にしました。
新選組の成り立ちや経緯が私には難しくてうまく把握できていないのですが、権力者たちの都合や時代の流れに翻弄され、逆賊として追われた点で、初期刀組のうち時間遡行軍に近い存在という気がします。
書いているうちに「時の政府にクーデター起こす本丸なら加州が初期刀として一番適任かも」と考えるようになりました。
原作ゲームの大侵寇シナリオでは、「始まりの一振り」に選ばれた初期刀組男士はどうやら、もうひとつの円環についてうっすらと気づいているようにも見えます。私は混を倒して円環を抜けたものと思い込んでいました。大型アプデに反発したのがきっかけで色々と考察を始め、やっと「もうひとつ円環あるやんけ」と気づきました。なのでこの本丸の加州も、謎解き役の審神者に指摘されるまで、円環は終わったと勘違いしています。
◆審神者◆
この本丸の審神者は怒りんぼでカッコ悪いです。
カッコいい理想的な審神者が刀剣男士たちを率いてクーデターを起こすよりも、欠点のある人間が刀剣男士たちに間違いを諭されたり導かれたりしながら進んでいってほしいと思いました。
私自身が公式運営に対して怒ってるのも投影してます。大型アプデ以降、運営に対して怒ってる人たちをお見掛けしては「そうだぞ」と共感していました。刀剣乱舞が好きだから、自分の本丸や育てた刀剣男士や、そこで思い描いてきた物語を大事にしてるから怒ってるんだよ。
◆本丸の座標◆
原作ゲームではどのように設定されているか分からないのですが、この作品では各本丸は2205年頃に存在していると考えて書いています。何年経ってもなぜかどの本丸も2205年の先へは進めない不思議な座標。でも、クーデター成立後は混沌の円環は解消したので、2205年の先へ進みます。
本丸が存在しているのは2205年ですが、審神者たちは主に、2015~2025年頃に生存している4歳以上の人間。それ以外の時間に生存していたり、動物や怪異など人外の場合もあります。
原作で水心子くんが「あなたは人」って断言しちゃってるのはこの作品では無視してます。
◆時空転移装置◆
時の政府にある中央の時空転移装置は壊したから過去へは行けなくなりました。
でも各本丸の時空転移装置は生きてるので、審神者が生存する場所や時間から本丸への行き来はできます。刀剣男士たちの現世へのお出かけも可能です。
新規参入本丸もOKです。各本丸用の時空転移装置のストックがまだ十分にある。(ご都合主義)
極修行については、この作品の世界線では、刀剣男士が過去ではなく自分の逸話や物語を深く掘ってくる修行なのでもともと時空転移装置は使ってないことにします。(ご都合主義)
◆時間遡行軍と検非違使◆
クーデター起こして歴史を守る戦いを止めさせるとはいっても、いきなりやること無くなったら寂しいよなぁ……と思ったので、敵に取り込まれているかつての仲間の救済にジョブチェンジしました。
絢爛図録によると歴史修正主義者を標榜する時間犯罪者がいるらしいのですが、原作ゲームではそれらしい存在が出てきたことないですよね。ステだと時間遡行軍にそそのかされて加担する武将たちがいますが、時間犯罪者ではないし。
この作品では時間犯罪者(歴史修正主義者)と第三勢力は、円環を作るために時の政府AI(設計者)がでっち上げた存在ということにしました。もし原作ゲームで本当に本丸閉鎖命令が出るのなら、時間犯罪者は「本丸閉鎖を受け入れなかった闇落ち本丸の審神者」なのかも。第三勢力がなんなのかは分かんないけど。
◆時の政府◆
時の政府に黒幕が存在すると、やっつけなきゃいけなくなるし、粛清してザマァ展開するのはこれまた胸くそ悪いので、時の政府はAIだということにしました。元凶は思想が偏った設計者たちだけど、2205年にはもう死んでいるし、生存中に罪や法を犯したわけでもないので、放置です。
設計者たちは、実在の組織や人物とは関係ありません。
書きながら
「時の政府が鬼畜すぎる」
「まさか、さすがに、こんな酷い展開はないだろ」
「サービス終了時に強制シナリオで大侵寇敗北からの本丸閉鎖命令(終わりの一振りだけ残して全刀解させる)とか、本当にやったら大炎上でコンテンツごと終わるが?」
とか思った。
まぁ公式が素人の二次創作と同じ展開をやるはずがないので、この作品に書いたことは絶対に起こらないでしょう。
もし本丸閉鎖命令限定刀解ボイスがあったら、長谷部は「またお会いしましょう」って言いそうだな。
◆終わらない物語◆
この『改変・刀剣乱舞』の世界線では、各時代の記憶の代わりに偽史が設置されることになりましたが、刀剣乱舞無双の偽史、歴史に擬態して刀剣男士を誘い込む罠からアイディアをお借りしました。
刀剣乱舞無双をプレイしてなかったら、『面影を迎えにいく話』を書いてなかったら、三日月を未来に連れて帰るこのお話は書けなかった。
三日月を本当に救って刀剣乱舞の物語を終えるにはどうしたらいいんだろう? と考え始めたのは大型アプデへの反発がきっかけです。
考え始めてから書き終わるまでに約1年かかりました。最初はついそれぞれの本丸の終焉のことばかり考えてしまってグルグルしていました。そんなとき、三日月に「終わらない物語を作ってほしい」と頼まれたような気がしました。もちろん妄想ですが。
創作の世界から現実の世界に帰るとき、読者が何らかの“希望”を持って帰れる物語。
それが「終わらない物語」ではないかと思います。
報われない悲劇に襲われて、それでも生き続ける悲壮な「生命賛歌」はいらない。そんなのは現実だけでお腹いっぱいです。誰も「気高く美しく尊い犠牲」なんかにならなくていい。てんやわんやが終わったらおうち(本丸)に帰って、安心して普段の日常を暮らそう。
日常の生活から始まって日常に戻って終わってほしいと思ったので、冒頭ではDIYと焼き肉をやりました。
ジビエBBQのために国広兄弟が狩ってきたのは鹿とかキョンとかです。2205年頃には科学技術で寄生虫は駆逐できてることにした。でも生で食べちゃダメなのでよく焼こう。
最後、三日月が加州の手を取ったら、この本丸は普段通りの生活に戻ります。裏山に時空転移装置の残骸を撒くついでに、こんどは熊か猪を狩ってきて味噌鍋にしようね。