TSネコ少女おじさんは百合の間に挟まらない(叶わぬ願い)   作:TSの聖地(性地)ハーメルン巡礼者N

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1-2 『転生した身体の確認』と『相棒と職業の判明』の間に挟まる話

 

 

 

 レディース&ジェントルメ!

 本日のイカしたプリティガールを紹介するぜ!

 

 見た目は小学生(子ども)、頭脳はおっさん(大人)。生まれたばかりのロリっ()キャッツ!

 

 ぱっつん前髪で両目を隠し、その艶やかな黒髪をネコのヘアゴムで両肩の前面にかかる程度のおさげにまとめた髪型がいじらしい!

 so cool!!

 

 髪と同色、猫人の証。ぴょこんと飛び出る大きな猫耳と忙しなく揺れる2本の尻尾が愛らしい!

 so cat!!

 

 かわいい女の子におしゃれアイテムは欠かせないよなぁ!

 

 首輪の代わりか謎の数字 “965” 付き黒チョーカー。だぼっとした黒パーカーには肉球ポケット、あざとい耳カバー付きフードは最高です! 右の尻尾に付けた黒い宝石の尻尾飾りも似合ってるゾ!

 so cute!!

 

 黒と赤のチェックミニスカートから覗く魔性の黒スパッツ。猫マーク付き黒ニーハイソックスとの絶対領域はロリコンを殺すアウターヘブン!

 オイオイオイ、死ぬわアイツ。

 

 健康的なロリ型もちぷに脚線美のその先へ。偉大な大地に肉球刻め、ぽきゅぽきゅ足踏み猫足シューズ!

 履き心地は包み込まれるようなふわふわ柔らか低反発、どんな衝撃も吸収だ。やったね子猫(kitty)ちゃん!

 

 

 

 

 

 ――以上、転生場所から見える位置にあった小さな……泉(?)を姿見代わりに得た情報だ。透明度高けーなオイ。

 

 

(『こ、こんにゃのがわたくしたちの主人格……。無口無表情にゃのに脳(にゃい)がうるさすぎるのでございますにゃん……』)

 

(『欲望を糧とする悪魔のオイラですらドン引きニャー。あと、性転換への適応力にもドン引きニャー』)

 

 

 ……ん? なんか今、直接脳内で罵倒されたような気がする。ファミ○キください。

 

 おっと、今は幻聴より現実と向き合わないとな。

 まず、TSしたことについて。相棒(意味深)消失の事実は俺に少なくない衝撃をもたらした。だが、それもそう長くは続かなかったのだ。

 考えてみれば、俺は全ての男が大なり小なり持つ夢――かわいい女の子になりたい――を実現したことになる。

 俺はその夢を強く夢見ていた方って自覚はあるし、思い出してみても男であって得をした、良かったと思ったこともほとんど無い人生を送っていた。事実、童貞のままおっ()んちんだわけだし。ち◯ぽこかわいそう。

 だから未練は少なくて済み、美少女に生まれ変わったことを前向きに捉えられたのだろうな。すべすべの肌にもちもちほっぺ、ばんじゃーい!

 

 じゃあ、次。俺の今の姿の基となったアバターは、どのゲームの誰なのかって問題だ。

 転生の間で天使様は確かに『最も思い入れの強いゲームのアバター(自キャラ)に転生する』と言った。だが、条件に当てはまるゲームのアバターに女の子はいないハズ。思い出せる限りはな。

 なんらかの手違いで自キャラじゃない可能性も考えたが、俺が候補に挙げたゲームはファンタジー世界が舞台のものばかりだ。こんな現代日本的な服装(肉球シューズは除く)のキャラはいないと思う。

 

 …………もしかして、前提条件が違うのか?

 

 俺は天使様の言葉を聞いて、『思い入れの強いゲーム』の『アバター』と解釈した。

 だが、可能性はもう1つあるじゃないか。それは、『思い入れの強い』が『ゲームのアバター』にかかってる場合だ。

 この場合だとアバターそのものに思い入れが強い、ということになる。つまり、ゲーム自体には思い入れが薄くてもいいことになるのか!

 

 

 

 ────カチッ

 

 

 

 ッ!! 今、確かにピースがはまったような…… “鍵” が開いた感覚があったぞ。これが天使様が言ってた記憶の救済措置か。

 ということは、あと何個か “鍵” となる情報があれば思い出せるハズ。なんか……なんかないか!

 

 俺は新たな情報を求め、天使様に言われた通りに様々な角度から泉に映る自分(女の子)を凝視する。それはもうジロジロと。

 あー、やれやれ。俺としてはこんなことしたくないんだけどなぁ。ロリっ娘を観察するとか犯罪だし、(はた)から見るとナルシストみたいじゃん。はー、やれやれジロジロ。

 

 

(『ぜってーそういう意味じゃニャかったよニャア!? こいつサイテーだニャ!』)

 

(『同じ天使として遺憾の意を表明するのでございますにゃ』)

 

 

 …………あれ、まさか幻聴じゃない感じ? 俺の嘔吐必至なオタ思考、誰かにダダ漏れになってたりする??

 

 ま、いいか。そんなことより重要なことがある。

 俺の新しい姿を改めて見てて気づいたんだが、なんだこの萌えの塊は! これには俺の第2人格である萌 鎌足(もえのかまたり)さんも『大儀である!』とニッコリだ。

 だってそうだろう?

 全身の至る所にまで散りばめられた萌え要素(パーツ)は、()()()()()()俺の性癖にクリティカルヒットしているし。

 細部にまで()()()()()()()()()ロリっ娘的愛らしさは、俺のリビドーを刺激してやまない。

 

 この娘を言語化するなら……そう、まさに『俺だけの、俺のための、理想的キャラクター』なんだよ!

 

 

 

 ────カチッ

 

 

 

 再び訪れる “鍵” が開く感覚。それと同時に扉が開き、記憶が流れ込んでくる……っ!

 

 ――ああ、思い出した。

 この娘は、伝説のクソゲーである “なりきりストーリーくえすと!” 、通称 “ナス食え!” でキャラメしたアバター “クロコ(黒子)” ちゃんじゃないか!

 

 記憶整理のついでだ。簡単にだが、“ナス食え!” についてまとめておこう。

 このゲームは『あなただけの理想のキャラクターで夢の世界を駆けめぐろう!』をキャッチコピーにリリースされた家庭用ゲームだ。

 だが、こんな御大層な文句を掲げた “ナス食え!” は……クソゲーだったのである。

 インターフェース、システム、グラフィック、BGM、パクリ、ユーザー対応に至るまでクソ。オマケにとある条件を満たすとゲーム機を強制終了させた挙げ句、他のゲームのデータを消し飛ばすというテロを起こすクソっぷり。

 ただしこのゲーム、言うだけあってキャラメイクだけは神だったのだ。

 選べる種族は多種多様。人間だけを例に挙げても、クロコちゃんより小さい幼女からヘラクレスのような偉丈夫まで作成可能。髪型のような個性を出しやすい部位のパターンは100以上というこだわりよう。

 それだけじゃない。なんと、グラフィックを直接イジることができるため、細部にまでこだわった調整を行うことまで可能なのだ。

 さらに、テキストでキャラの背景などの設定を盛りに盛ることもできるので、愛が重ければ重いほど時間が溶けていくというね。

 

 ……ここまでだとクソゲーは言い過ぎだと思うじゃん? 他が低クオリティでも理想のキャラで冒険できるだけで良ゲーだと思うじゃん?

 

 

 

 カスタムしまくると前述したテロが起きるけどなwww

 

 

 

 そう、件のテロが起きる “とある条件” とは、カスタムを繰り返したアバターでゲームを開始しようとする、だ。キャッチコピー詐欺にも程がある。

 

 ここからは実際に前世の俺の身に起こったことだ。

 キャッチコピーと事前情報に強く惹かれた俺は予約して発売日初日に手に入れた。それからはネタバレ防止にネット断ちをし、何十日もかけて理想のロリっ娘であるクロコちゃんを作り上げたのだ。

 

 

(『あれ? 他のゲームは男性のアバターにゃのに、どうしてこのゲームだけ己の欲望に忠実にゃのでございましょうか?』)

 

(『コイツ、オンライン要素があるゲームは無(ニャン)(ニャ)アバターしか選べニャいのニャ。完全1人用のゲームだけキッッモいのニャー、えんがちょニャン!』)

 

 

 ……つ、続けるよ?(涙目)

 

 クロコちゃんを完成させた俺は意気揚々と “冒険を開始する” のボタンを選択する。

 すると、ロード画面に表示される『あなたの理想のキャラクターで夢の世界を駆けめぐろう!』のキャッチコピー。

 キャラメイクに費やした時間が長ければ長いほど高まる期待感。それが頂点に達しようかという時、ついにロードが終わり――!

 

 

 

 ブツンッ

 

 

 

 ――ゲーム機の断末魔とともに訪れる静寂。

 “夢の世界” が映っているハズの画面には、うっすら映る死んだ目のキモオタとクソ(せま)自室という現実が。なにニヤけてんだテメェ。

 理想と現実のあまりの落差に風邪をひきかけるも再チャレンジ。だが、ダメ。

 少し落ちつこうと他のゲームに逃げようとするじゃん? そしたら画面に表示された『ゲームデータが破損しています(圧倒的現実)』。震える手、全身に湧き出る脂汗。

 そんな開発からの『現実から逃げるな』という熱いメッセージに応え、俺は気絶するように寝込んだ(現実逃避)

 

 で、起きたところで調べてみると “ナス食え!” は大炎上中だったんだよな。

 キャラメ以外は超低品質&バグ祭り。開発の出したパッチで何故かバグが増え、終いには雲隠れ。オイ、現実から逃げんじゃねぇ。

 

 そして、最終的な結末が……会社の倒産と、その年に出されたゲームの中からキングオブクソゲーを選ぶ祭典 “クソゲーオブザ(イヤ)ー(通称KOTI)” にて次点受賞。

 キャラメが神じゃなければ満場一致で大賞だったという伝説を残して幕引きとなったゲームだ。

 まあ、後日談としてキャラメイクに価値を見出した連中間でプレミアが付いたり、それを見た元開発会社役員(戦犯ども)がコッソリ在庫処分しようとして再炎上したりしたんだが……蛇足だわな。

 

 

(『アンタみたいに用意周到(ニャ)男がプレイ不可(失敗する)ニャんて~♡ オニウケるんですけどニャ~www』)

 

(『やっちゃえクソゲーム! (会社ごと)じぃぃばぁぁくぅぅ!! でございますにゃんwww』)

 

 

 はいはい、サ◯ゴちゃんサン◯゙ちゃん。ピッピ◯チュウー。

 ……そろそろ優しくしてくれないとガチ泣きゾ?

 

 閑話休題。

 勘違いしてたが、確かに俺にとっての『最も思い入れの強い』→『ゲームのアバター(自キャラ)』はクロコちゃんだわ。

 なんせ騒動後もちょこちょこ改良を続け、最終的にはキャラメイクだけで2000時間オーバーだったからな(設定厨)

 例えばこのニーハイソックスとスパッツに挟まれた絶対領域。ソックスに乗るもちっとした太ももに刮目せよ! どの距離・どの角度から見ても健康的、かつ下品でないように見えるもちぷに感を出すのに何時間かけたことか……!

 他にもこの “無っぱい” とか……あれ? なんか気分が落ちていく……? バカな、オタクが推しを語る時に沈むハズがないのにぃ……。

 

「────」

 

 ……というか、声どーすっぺ。

 前世の俺だったら周りに誰もいなければ思う存分声に出してクロコちゃんへの愛を語ってるシチュなんだがな。

 俺は確かに、無口無表情キャラはいいぞ勢である。だが、きっちりCVを推しの声優に設定していた以上はなんらかの発声方法を用意しているハズなのだが。

 

 

(『わ、わたくしたちの存在理由って、好きにゃ声優さまの声を聞きたいからだったのでございますのね……』)

 

(『あのゲーム声優いねーからタダの自己満だけどニャ! オラ、いい加減オイラたちをここから出すニャーー!!』)

 

 

 ……ん? 声のことを考えつつも無表情で()に映るネコミミ美少女のガン見を続けていた俺氏、ここで違和感を覚える。

 リビドーの赴くままに様々なポーズを取っていたのだが、特に手を強調するポーズを取ると何かが足りないような違和感があるのだ。

 その違和感と……そろそろ放置にも限界がある脳内に響く謎の声について考えようと、自然とパーカーのポケットに両手を入れる。これは前世から引き継いだ考え事をする時のクセだ。

 だが、次の瞬間――

 

「──────ッ」

 

 両手に何かが纏わりつくような感触を覚え、驚きと緊張で肩が跳ねて尻尾と耳がピンと伸びる。

 しかし、それも一瞬のこと。続けて負の感覚を塗りつぶすように広がったのは、温かく包み込まれるような感覚。そこに不快感や違和感は一切なく、まるで実家のトイレにいるような安心感すら覚える。

 そして、俺は当たり前のことのように理解したのだ。

 

 ――ああ、これで欠けていた最後のピースが揃ったのだ、と。

 

『ぷはーっ、やっと出られたのでございますにゃぁ』

 

『おっせーのニャ、チビジャリー! あと誰がトイレだニャ!? 余計ニャ単語付け加えんニャーー!!』

 

 なんか出てきた。

 

 俺の意思とは関係なく手が勝手に動き、ポケットから引き抜かれる。両手の先には……パペット? 2体のパペットが俺の手ごとワーキャー言いながら飛び回り、やがて俺の方を向く。

 ……う~ん、不思議。腕が操られているのにもかかわらず、なぜか拒否感とかが湧かないんですけど。

 

『あん? オイラたちのことまだ思い出せニャいのニャ? つっかえねーニャ、ざこざこニャン♡ 想像力が足り(ニャ)いよぉ♡ キシシッ♡』

 

 出てきて早々俺へのツッコミと、どこぞのドラゴンポケ◯ン使いの伝承者みたいな煽りに勤しむ左手側のパペット。その見た目は……悪魔っ娘コスプレのクロコちゃん?

 ベースは間違いなくデフォルメしたクロコちゃんだ。違うのは服装が小悪魔風なことと手が猫手なこと、コウモリみたいな羽が縫い付けられていること。あと若干だが髪色が違うか。

 それと、左目を出した片目隠れなことと表情があることだな……いや、なんでパペットの表情が変わるん? クロコちゃんが無表情な分をこの娘たちで、ってことか?

 

『まあ、かく言うわたくしたちも自分が(にゃに)者にゃのかを把握していにゃいのでございますが。とりあえず、わたくしたちを含めた姿を確認してみてはいかがですにゃん?』

 

 困ったような笑顔でそう提案してきたのは右手側のパペット。見た目は天使コスプレのクロコちゃんだな。こっちは金髪で右目を出した片目隠れか。

 

 もう何がなんやらって状況だが、言われるがままに水面に映る姿を凝視してみる。

 ポーズは自然と両手を曲げて軽く前に突き出す、猫のポーズに……ああそうか、こうして見ると()()()()()()()()()()()()()()()でもあるんだな。

 こうして、今後の俺がデフォルトで取ることになるポーズをしていると、いつの間にやら “鍵” が揃っていたのか記憶の扉が開かれてゆく。

 

 

 

 ────ふむ、なるほど

 

『そういうこと』

『だったのかニャ』

 

 

 

 クロコちゃんに関する一部の設定を思い出した俺は、手のひら(パペットの顔側)をこちらに向けて彼女たちを見つめる。

 今回思い出した “設定” は2つ。

 1つは、目の前の天使と悪魔のパペットのこと。

 そして、もう1つが────今後の俺の生命線となるであろう職業(ジョブ)、“魔人形操師” についてであったのだ。

 

 

 





『描写が下手すぎて容姿がわかんねーぞ!」って人は “ダブラスちゃん” で検索するとイメージしやすいかも。モデルの1人なので。
彼女から表情を消して前髪伸ばしてネコミミ生やせば、服装除いてだいたい主人公です。


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