【本編完結】仄かな焔は璃月を舞う   作:サツキタロオ

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一旦璃月に帰ってきました。



第8幕:公子?ファデュイな執行官

 

〜玄鳥視点.

「やっほ。」

「あ…燕…さん。」

「…燕でいいわ。敬語はいらない。」

俺が往生堂の近くのベンチで空をボーッと見ていると、燕に話しかけられた。

いつ考えても別世界の自分だって言っても、体つきが…全然違う…すげー…

「…隣いい?」

「うん。」

燕が近くに座ってきた。懐からガムを取ってきた。

俺はガムを受け取って口に放り投げた。

「…封剣…後何本だっけ?」

「2本よ。岩と水。」

「…岩と水…?じゃあ、他の封剣って…」

「ええ。炎、草、氷、雷、風の5本よ。」

「それって、このテイワットに存在する元素と同じ…」

「そうよ。このテイワットに存在する7元素の力が宿ってる封剣…それが私がこの世界に来た理由。」

燕はガムを膨らましてそう言った。

「…それを集め終わったら…帰るのか?」

「………だといいわね。」

燕が少し物悲しそうな顔をする。

俺は何か事情があるのは分かり、それ以上は言及しない事にした。

暫く黙った後、俺の方から口を開いた。

「…ガム…美味いね。自作?」

「鋭いのね。」

そう言いながら彼女は笑った。

事情云々はさておき、何処に封剣があるのかが分からない…

 

「…見てみてフーセンガム。」

俺はガムを膨らまして燕に見せた。

「……ふふっ…あなたって可愛…」

燕が言いかけると、ベンチの足場が壊れてしまい、思わず倒れてしまった。

 

「「………」」

 

…思わず燕を押し倒した体制になってしまった…

恥ずかしくなってお互い顔が熱くなっているのを感じる。

「ご、ごめん!」

「い、いえ…いいのよ…偶然だもの…」

お互い変な感じになってしまったが、すぐに気持ちを切り替えて立ち上がる。

「…と、とりあえず…蛍に会いに行かないか?藍硯と胡桃は…どっか遊びに行ってるしな…」

「そ、そうね…」

燕も立ち上がってコホンと言って深く呼吸した。

そうして街を歩いて、骨董品店近くまで行くと、蛍とパイモン…それと少し大きな男が別れているのが見えた。

あの男…見たことない奴だな。蛍に近寄って話を聞いてみるか…

 

「蛍〜。何してたんだ?」

「…実は…」

すると蛍が懐から封剣を取り出した…しかも、岩の元素…。

「…あの男から貰ったのか?」

「うん。」

蛍は頷いて、あの男に目線を向ける。

「ファデュイ執行官の「公子」…助けてくれたお礼…って言ってこの封剣をもらったの。」

「…ファデュイって…スネージナヤの組織だっけ…」

ファデュイか…確か色んな所に潜んでいるって噂があるらしいけど…

「…封剣…これで後1本だな。」

「ええ。随分早く集まったわね。」

「ああ、後一つ…一体何処に…」

「…どうした、何か探し物か?」

誰かに声をかけられ、振り返ると、そこには紫髪に和風テイストな服を着た青年だった。

……あれ、コイツ……

「…あなた、この前封剣を持ってた人だよね?」

蛍がそう言えと、青年は頭を掻きながら頷いた。

「ああ。俺は玲瓏。千岩軍で、璃月七星の護衛……をやらされてる男だ。」

「…やらされてる…」

少し引っかかる言葉だけど、「やらされてる」と言っているから、おそらく強制なのかな?

「…なんだその目は…俺は刻晴に頼まれて…「頼まれて…何かしら?」…!その声は…」

玲瓏が振り返ると、そこには派手な服を着た少女が居た。

「…私は刻晴。璃月七星の「玉衡」よ。」

「…こ、刻晴…何故ここに…」

「さあ?サボり癖のある護衛を連れ戻すのは…いけない事かしら?」

刻晴がそう言うと玲瓏は黙り込んでしまった。その後、玲瓏は話をすぐに切り替えた。

「ところで、何か困り事か?」

「実は…」

 

玲瓏たちにことの事情を話した……

 

「封剣…水元素を纏った剣か…見てないな。」

「あの雷の封剣は?何処で手に入れなんだ?」

「ああ、あれか。拾った。」

「拾った?」

「ああ、俺の家の屋根に突き刺さっていた。」

想像してみると少し笑えてきた。

「…誰の落とし物かなと思って、使っていたんだが…お前たちが困ってるのを見た時に、手助けになると思ってな。お前らの所有物なら丁度よかったぜ。」

「あの時はありがとう。助かったぜ。」

「気にするな。当然の事だ。」

「…玲瓏。話は済んだ?」

「………刻晴、最近黄金屋の辺りで光を見たって言ってたよな。」

玲瓏は考えた顔でそう言うと、刻晴は少しキョトンとした後に頷いて話し始める。

「え、ええ…"夜"の時、黄金屋から水色の光が登ってたの。何かあるんじゃないかと思って、護衛を近くに置いているのだけれど…」

刻晴が考え事をしている隙に、玲瓏は何処かに去ってしまった。

「……あれ、玲瓏…また逃げたのね…悪いわね、それじゃ!」

そう言って刻晴も去っていった。

「……黄金屋…か…」

燕と蛍を見て頷く。

「でも、今行っても多分護衛がいるだろうし…」

「私もこの後、公子に呼ばれてて…」

燕と蛍は暫く思い悩んでいたから、黄金屋に行くのは蛍の予定が済んでから向かう事にした。

 

………1週間後。

 

 

……………………………

 

「よし、ここだな。」

俺、蛍、燕の3人で黄金屋の近くに向かう。

「ここに…蛍の言う公子が居るって事か?」

「おそらく。」

「じゃあ、行くわよ。警戒して。」

燕が扉を蹴飛ばして黄金屋の中に入る。

「すっげぇ〜…モラがいっぱいだぜ。」

「ここでモラを製造してるみたいね。」

辺りを見回すと、千岩軍の兵士が倒れている。

「ねえ、あれ!」

蛍が指差した方を見ると、封剣が刺さっているのが見えた。

「…よっしゃ、これが最後の封剣か。」

「ふう…7本揃った…」

燕は封剣が7本揃った事にホッと息を吐く。しかし、すぐに殺気を気配して振り返る。

 

「おや、旅人以外にも二人客人が居るようだね。」

「…コイツが…執行官の…」

「おっと、俺の事を知ってるのか…俺はタルタリヤ。ファデュイ執行官第十一位。」

「……ここに来たのは何の為だ?」

俺がタルタリヤに聞いてみる。

「そこにある、仙祖の亡骸から「神の心」を貰おうと思ってね。」

「ファデュイのボスの命令なのか?」

「…女皇の欲する物は必ず手に入れる。誰かの許しはいらない、本気なら俺を止めてみろ。」

「……ああ、あんたが俺の仲間を困らせるって言うんなら、倒すだけだ!」

俺は千岩軍の槍を公子に投擲する。公子はそれを軽々と回避した…やはり只者では無いらしい。

「折角のチャンスだ、君たちの実力を見せてくれ。」

そう言って奴は弓を持った。

「行くぞ!」

そうして戦いが始まった。

 

武器を持って3人で攻めていくが、公子はそれを軽々と避けていく。

 

弓による射撃を弾き、至近距離に近づくが、それを察知したかのように、水元素で形成された双剣で対処される。

「やるな。俺が今まで戦った中で、かなり強い。」

「それは光栄だな。だが!」

激しい鍔迫り合いで、双剣を弾き飛ばし、腹部に蹴りをお見舞いした。

公子は柱を壊して壁に叩きつけられた。

「…やるな…だがまだまだここからだ!」

すると、奴は雷元素を纏い仮面を付けて服装が変わった。

(雰囲気が変わった…)

大剣に持ち替え、奴の攻撃をガードする。

「このっ!」

 

雷元素の双剣と大剣がぶつかり合い、激しい衝撃波が起こりあう。

「重い…!」

「……はあっ!」

双剣を連結して両剣にして切り掛かってきた。

頬を斬られるが、構わず攻撃する。

「蛍、頼む!」

「うん!」

蛍に頼んで岩石を地面から生やして攻撃する。

燕が空から炎を纏った剣で斬りかかる。

「くっ…!」

公子は双剣を形成して俺たちの攻撃をガードした。

「やるね…だが…」

「どうかな?」

俺がそう言うと、地面が赤く染まっていき、大きな爆発が起きた。

蛍と燕は爆風に吹き飛ばされるが、何とか体勢を立て直し、俺は壁に張り付いて回避した。

爆風が消えると、その場に公子は居なかった。

 

……!まさか…

 

俺が仙祖の亡骸の方を見ると、公子はその場に立ち尽くしていた。

「この劣勢を利用するなんて…!」

「…悪いね。神の心は…貰った!」

亡骸に腕を突っ込む公子。……しかし、その手には何も握られていなかった。

「……予想外だ…」

中央部に向かう公子。すると、水を纏いながら、その姿を変えていった。

体に鎧を纏っていき、最後に大きな仮面を装着すると、水を弾き飛ばしてその姿を現した。

 

「…魔王武装…さあ、第3ラウンドと行こうか!」

公子はそう言うと同時に地面を殴って地面を崩落させた。

「…何!?」

俺は柱に刺さった槍を回収して崩落する地面と共に奴を追う。

 

「「玄鳥!」」

「後は任せろ!」

心配そうにそう叫ぶ二人に俺はそう言って地面に着地する。

「……やるな…この俺に魔王武装を使わせるなんて……」

 

「君は…一体何者なんだ?」

 

「……………」

 

「……心の火…心火だ。」

「俺は…この言葉が好きなんだ。」

俺は炎を纏って公子に近寄っていく。

 

「…?」

 

「俺の名は玄鳥(つばめ)。心火を燃やして…アンタをぶっ潰す!」

 

「……心火…か…面白い!さあ、相手になろう!玄鳥ッ!!」

 

お互い武器を構え、走り出した。




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次回もお楽しみに。

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