一旦璃月に帰ってきました。
〜玄鳥視点.
「やっほ。」
「あ…燕…さん。」
「…燕でいいわ。敬語はいらない。」
俺が往生堂の近くのベンチで空をボーッと見ていると、燕に話しかけられた。
いつ考えても別世界の自分だって言っても、体つきが…全然違う…すげー…
「…隣いい?」
「うん。」
燕が近くに座ってきた。懐からガムを取ってきた。
俺はガムを受け取って口に放り投げた。
「…封剣…後何本だっけ?」
「2本よ。岩と水。」
「…岩と水…?じゃあ、他の封剣って…」
「ええ。炎、草、氷、雷、風の5本よ。」
「それって、このテイワットに存在する元素と同じ…」
「そうよ。このテイワットに存在する7元素の力が宿ってる封剣…それが私がこの世界に来た理由。」
燕はガムを膨らましてそう言った。
「…それを集め終わったら…帰るのか?」
「………だといいわね。」
燕が少し物悲しそうな顔をする。
俺は何か事情があるのは分かり、それ以上は言及しない事にした。
暫く黙った後、俺の方から口を開いた。
「…ガム…美味いね。自作?」
「鋭いのね。」
そう言いながら彼女は笑った。
事情云々はさておき、何処に封剣があるのかが分からない…
「…見てみてフーセンガム。」
俺はガムを膨らまして燕に見せた。
「……ふふっ…あなたって可愛…」
燕が言いかけると、ベンチの足場が壊れてしまい、思わず倒れてしまった。
「「………」」
…思わず燕を押し倒した体制になってしまった…
恥ずかしくなってお互い顔が熱くなっているのを感じる。
「ご、ごめん!」
「い、いえ…いいのよ…偶然だもの…」
お互い変な感じになってしまったが、すぐに気持ちを切り替えて立ち上がる。
「…と、とりあえず…蛍に会いに行かないか?藍硯と胡桃は…どっか遊びに行ってるしな…」
「そ、そうね…」
燕も立ち上がってコホンと言って深く呼吸した。
そうして街を歩いて、骨董品店近くまで行くと、蛍とパイモン…それと少し大きな男が別れているのが見えた。
あの男…見たことない奴だな。蛍に近寄って話を聞いてみるか…
「蛍〜。何してたんだ?」
「…実は…」
すると蛍が懐から封剣を取り出した…しかも、岩の元素…。
「…あの男から貰ったのか?」
「うん。」
蛍は頷いて、あの男に目線を向ける。
「ファデュイ執行官の「公子」…助けてくれたお礼…って言ってこの封剣をもらったの。」
「…ファデュイって…スネージナヤの組織だっけ…」
ファデュイか…確か色んな所に潜んでいるって噂があるらしいけど…
「…封剣…これで後1本だな。」
「ええ。随分早く集まったわね。」
「ああ、後一つ…一体何処に…」
「…どうした、何か探し物か?」
誰かに声をかけられ、振り返ると、そこには紫髪に和風テイストな服を着た青年だった。
……あれ、コイツ……
「…あなた、この前封剣を持ってた人だよね?」
蛍がそう言えと、青年は頭を掻きながら頷いた。
「ああ。俺は玲瓏。千岩軍で、璃月七星の護衛……をやらされてる男だ。」
「…やらされてる…」
少し引っかかる言葉だけど、「やらされてる」と言っているから、おそらく強制なのかな?
「…なんだその目は…俺は刻晴に頼まれて…「頼まれて…何かしら?」…!その声は…」
玲瓏が振り返ると、そこには派手な服を着た少女が居た。
「…私は刻晴。璃月七星の「玉衡」よ。」
「…こ、刻晴…何故ここに…」
「さあ?サボり癖のある護衛を連れ戻すのは…いけない事かしら?」
刻晴がそう言うと玲瓏は黙り込んでしまった。その後、玲瓏は話をすぐに切り替えた。
「ところで、何か困り事か?」
「実は…」
玲瓏たちにことの事情を話した……
「封剣…水元素を纏った剣か…見てないな。」
「あの雷の封剣は?何処で手に入れなんだ?」
「ああ、あれか。拾った。」
「拾った?」
「ああ、俺の家の屋根に突き刺さっていた。」
想像してみると少し笑えてきた。
「…誰の落とし物かなと思って、使っていたんだが…お前たちが困ってるのを見た時に、手助けになると思ってな。お前らの所有物なら丁度よかったぜ。」
「あの時はありがとう。助かったぜ。」
「気にするな。当然の事だ。」
「…玲瓏。話は済んだ?」
「………刻晴、最近黄金屋の辺りで光を見たって言ってたよな。」
玲瓏は考えた顔でそう言うと、刻晴は少しキョトンとした後に頷いて話し始める。
「え、ええ…"夜"の時、黄金屋から水色の光が登ってたの。何かあるんじゃないかと思って、護衛を近くに置いているのだけれど…」
刻晴が考え事をしている隙に、玲瓏は何処かに去ってしまった。
「……あれ、玲瓏…また逃げたのね…悪いわね、それじゃ!」
そう言って刻晴も去っていった。
「……黄金屋…か…」
燕と蛍を見て頷く。
「でも、今行っても多分護衛がいるだろうし…」
「私もこの後、公子に呼ばれてて…」
燕と蛍は暫く思い悩んでいたから、黄金屋に行くのは蛍の予定が済んでから向かう事にした。
………1週間後。
……………………………
「よし、ここだな。」
俺、蛍、燕の3人で黄金屋の近くに向かう。
「ここに…蛍の言う公子が居るって事か?」
「おそらく。」
「じゃあ、行くわよ。警戒して。」
燕が扉を蹴飛ばして黄金屋の中に入る。
「すっげぇ〜…モラがいっぱいだぜ。」
「ここでモラを製造してるみたいね。」
辺りを見回すと、千岩軍の兵士が倒れている。
「ねえ、あれ!」
蛍が指差した方を見ると、封剣が刺さっているのが見えた。
「…よっしゃ、これが最後の封剣か。」
「ふう…7本揃った…」
燕は封剣が7本揃った事にホッと息を吐く。しかし、すぐに殺気を気配して振り返る。
「おや、旅人以外にも二人客人が居るようだね。」
「…コイツが…執行官の…」
「おっと、俺の事を知ってるのか…俺はタルタリヤ。ファデュイ執行官第十一位。」
「……ここに来たのは何の為だ?」
俺がタルタリヤに聞いてみる。
「そこにある、仙祖の亡骸から「神の心」を貰おうと思ってね。」
「ファデュイのボスの命令なのか?」
「…女皇の欲する物は必ず手に入れる。誰かの許しはいらない、本気なら俺を止めてみろ。」
「……ああ、あんたが俺の仲間を困らせるって言うんなら、倒すだけだ!」
俺は千岩軍の槍を公子に投擲する。公子はそれを軽々と回避した…やはり只者では無いらしい。
「折角のチャンスだ、君たちの実力を見せてくれ。」
そう言って奴は弓を持った。
「行くぞ!」
そうして戦いが始まった。
武器を持って3人で攻めていくが、公子はそれを軽々と避けていく。
弓による射撃を弾き、至近距離に近づくが、それを察知したかのように、水元素で形成された双剣で対処される。
「やるな。俺が今まで戦った中で、かなり強い。」
「それは光栄だな。だが!」
激しい鍔迫り合いで、双剣を弾き飛ばし、腹部に蹴りをお見舞いした。
公子は柱を壊して壁に叩きつけられた。
「…やるな…だがまだまだここからだ!」
すると、奴は雷元素を纏い仮面を付けて服装が変わった。
(雰囲気が変わった…)
大剣に持ち替え、奴の攻撃をガードする。
「このっ!」
雷元素の双剣と大剣がぶつかり合い、激しい衝撃波が起こりあう。
「重い…!」
「……はあっ!」
双剣を連結して両剣にして切り掛かってきた。
頬を斬られるが、構わず攻撃する。
「蛍、頼む!」
「うん!」
蛍に頼んで岩石を地面から生やして攻撃する。
燕が空から炎を纏った剣で斬りかかる。
「くっ…!」
公子は双剣を形成して俺たちの攻撃をガードした。
「やるね…だが…」
「どうかな?」
俺がそう言うと、地面が赤く染まっていき、大きな爆発が起きた。
蛍と燕は爆風に吹き飛ばされるが、何とか体勢を立て直し、俺は壁に張り付いて回避した。
爆風が消えると、その場に公子は居なかった。
……!まさか…
俺が仙祖の亡骸の方を見ると、公子はその場に立ち尽くしていた。
「この劣勢を利用するなんて…!」
「…悪いね。神の心は…貰った!」
亡骸に腕を突っ込む公子。……しかし、その手には何も握られていなかった。
「……予想外だ…」
中央部に向かう公子。すると、水を纏いながら、その姿を変えていった。
体に鎧を纏っていき、最後に大きな仮面を装着すると、水を弾き飛ばしてその姿を現した。
「…魔王武装…さあ、第3ラウンドと行こうか!」
公子はそう言うと同時に地面を殴って地面を崩落させた。
「…何!?」
俺は柱に刺さった槍を回収して崩落する地面と共に奴を追う。
「「玄鳥!」」
「後は任せろ!」
心配そうにそう叫ぶ二人に俺はそう言って地面に着地する。
「……やるな…この俺に魔王武装を使わせるなんて……」
「君は…一体何者なんだ?」
「……………」
「……心の火…心火だ。」
「俺は…この言葉が好きなんだ。」
俺は炎を纏って公子に近寄っていく。
「…?」
「俺の名は
「……心火…か…面白い!さあ、相手になろう!玄鳥ッ!!」
お互い武器を構え、走り出した。
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