〜玄鳥視点.
「せやっ!」
「ふっ!」
黄金屋の地下、剣が鍔迫り合い、火花を飛び散らせる。
魔王武装したタルタリヤの力は強大だった。
さっき戦った黒い形態よりも遥かにだ。
「捌ききれない!」
「まだまだこんなもんじゃないよ。」
タルタリヤが弓を引くと地面から大きな鯨が現れた。
「何ッ」
俺はそれを回避して、再びタルタリヤに攻撃を仕掛ける。
お互い激しい戦闘で、すぐに体力の限界が来た。
(やばいな…もう疲れてきた…)
俺がタルタリヤの方を見ると、あっちも疲れているのが見えた。
(決まるのは次の一撃か…)
剣を構えて、俺たちの間に静寂が訪れる。
奴の鎧は硬い。なんとかして奴の装甲を打ち破らければ…
「一か八かに賭けてみるか。」
俺は火球を形成して、持っていた剣にぶつける。
炎が一瞬消えたと同時に刀身から炎が燃え上がる。
「ほう…」
「これで終わりだ!」
お互い走り出して、タルタリヤが剣で俺を貫こうとした。
だが、俺は奴の腹部に剣を当てる。
「何!?」
奴は驚いていた。そのまま炎の勢いを増加させ、切り裂いた。
「……君の勝ちだ…」
奴はそう言って爆発して倒れた。
巨大な爆風が消えると共に、魔王武装を解除したタルタリヤが地面に伏してきた。
「…や、やるなぁ…」
「……そっさの判断で、こっちは焦ったけどな。」
「…どうする。まだ手が無いわけじゃなさそうだけど。」
「ははっ、予備プランを使うしか無いみたいだね。」
タルタリヤはフラフラと立ち上がって、自身の周りに札の陣を出した。
「そ、それは…!?」
「禁忌滅却の札…簡単に言ったら、仙人に安全に近づけるお守りみたいなものさ。」
奴がそう言うと、辺りが揺れ始めた。
外からだった。
「…こいつの力で、渦の魔神を呼び覚ます。」
「呼び覚ます?」
多分、奴は禁忌滅却の札ってやつを使って何か起こすつもりだ。
俺はタルタリヤに構わず外に向かった。
……………
「うわっ!土砂降り!」
外に出た俺の一言はそれだった。
何が何だか分からないが、大雨で雷も鳴っている。
「玄鳥ー!」
燕と蛍が後ろから歩いてきた。
「二人とも!」
3人で一緒に広いところに行く為走り出した。
すると、海の方を見ると、大きな蛇のような生物が存在していた。
「あれが渦の魔神…」
俺がそう言うと、群玉閣から渦の魔神に接近しているのが見えた。
「迎撃するのか…二人とも、群玉閣に行っててくれ!」
「え、玄鳥は?」
「走っていく!」
そう言って俺は走り出した。
璃月港には人影一つなく、雨で辺りがびしょ濡れだ。
「…くそっ、どうやって倒せば…」
俺は渦の魔神を見てそう呟いた。
「玄鳥〜!」
向こうから声がして振り向くと胡桃が走ってきた。
「胡桃!大丈夫か!?」
「玄鳥こそ…大丈夫?」
「ああ、にしてもなんでここに?」
「さっき、燕さんから…玄鳥にこれを渡してって…」
胡桃の手に握られていたのは6本の封剣だった。
「これは…」
「封剣が7本揃えると、すっごい力が得られるって。」
胡桃に封剣を手渡される。
「…本当は心配だけど…玄鳥…」
不安そうな顔で震える胡桃。俺は肩をポンっと叩く。
「大丈夫。俺は死にはしないし、必ず帰るよ。」
「玄鳥…」
俺は胡桃にそう言うと、胡桃は少し安心そうに笑う。
7本渡されると、封剣が俺の周りを回っていく。
「こ、これは!」
封剣は俺の中に吸収され次の瞬間、俺の体は光に包まれ、黄金に輝き始めた。
「行ってくるぜ!」
俺は胡桃にそう言って、飛び立っていった。
〜三人称視点.
封剣の力で強化された玄鳥は空を飛びながら渦の魔神に近づく。
「…奴を倒すにはどうすれば倒せる!?」
飛びながら考え込む玄鳥。暫く悩んだ末に、ある考えを思いついた。
「奴の中から直接攻撃すれば…いける気がする!」
玄鳥は海上に突撃し、渦の魔神の体を泳ぐように進んでゆく。
頭部に辿り着くと、コアにぶつかって破壊した。
咆哮を上げてダメージを受ける渦の魔神。
その様子を見ていた群玉閣の一員達は驚いていた。
「な、何!?」
「まさか…」
玲瓏が目を凝らしてよく見ると、玄鳥が再び渦の魔神を頭部を破壊していた。
「…お前ら!こっちのが優勢だ!帰終機を守り抜け!」
その様子を見た伏龍が千岩軍の兵士たちに叫び、千岩軍の指揮を高めた。
一方、玄鳥は3体目の頭部を破壊して海に沈める。
玄鳥は胸を抑えて深く呼吸をしていた。
「さっきのでダメージが……いや、まだ倒れるわけにはいかない…」
玄鳥はそう言って、再び渦の魔神に突撃する。
渦の魔神は残った二頭の頭部から水元素のビームを放つ。
しかし、玄鳥はそのビームをグラインドして攻撃を避けていく。
「そこだ!」
再度頭部を蹴り飛ばし、内部に侵入してコアを破壊する玄鳥。
渦の魔神は最期の抵抗なのか、玄鳥をそのまま飲み込もうとする。
「…くっ…限界が…」
玄鳥は体力の限界が来たのか、そのまま海に落下する。
その時、封剣が彼の体から現れ、璃月港の辺りに突き刺さってしまった。
玄鳥はそのまま海に落下してしまった…………
……………………………
玄鳥が沈んでいった後、帰終機による攻撃と、群玉閣の特攻で渦の魔神は無事に消滅した。
それから数週間後……
「………うーん…」
玄鳥は唸り声を上げて目を開ける。
「…ここは…」
「…渦の魔神と戦ってて…それで倒れたのか。」
立ち上がって辺りを確認する。
そこはどうやら和風の建物だった。
剣を持って辺りをキョロキョロしながら歩き始める。
「…目が覚めたようだな。」
「!?」
玄鳥が思わず振り返ると、そこには少し雰囲気のある青年が居た。
「……ここは何処なんだ?」
「ここは秋沙銭湯。稲妻にある温泉だよ。」
「………稲妻…?」
玄鳥は耳を疑う。そして、廊下を出て外に出た。
外に出た玄鳥の目に入ったのは、和風な建物。着物を着ている一般人。そして舞い散る桜だった。
「……い、い…」
「稲妻だぁぁぁぁ〜!!」
玄鳥の悲痛な叫びが、稲妻中に響き渡った……
稲妻です。
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