【本編完結】仄かな焔は璃月を舞う   作:サツキタロオ

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実はこの作品もうすぐ1周年なんです。


第9幕:決戦!渦の魔神

 

〜玄鳥視点.

「せやっ!」

「ふっ!」

黄金屋の地下、剣が鍔迫り合い、火花を飛び散らせる。

魔王武装したタルタリヤの力は強大だった。

さっき戦った黒い形態よりも遥かにだ。

「捌ききれない!」

「まだまだこんなもんじゃないよ。」

タルタリヤが弓を引くと地面から大きな鯨が現れた。

「何ッ」

俺はそれを回避して、再びタルタリヤに攻撃を仕掛ける。

お互い激しい戦闘で、すぐに体力の限界が来た。

 

(やばいな…もう疲れてきた…)

俺がタルタリヤの方を見ると、あっちも疲れているのが見えた。

(決まるのは次の一撃か…)

剣を構えて、俺たちの間に静寂が訪れる。

 

奴の鎧は硬い。なんとかして奴の装甲を打ち破らければ…

 

「一か八かに賭けてみるか。」

俺は火球を形成して、持っていた剣にぶつける。

炎が一瞬消えたと同時に刀身から炎が燃え上がる。

 

「ほう…」

「これで終わりだ!」

お互い走り出して、タルタリヤが剣で俺を貫こうとした。

だが、俺は奴の腹部に剣を当てる。

「何!?」

奴は驚いていた。そのまま炎の勢いを増加させ、切り裂いた。

「……君の勝ちだ…」

 

奴はそう言って爆発して倒れた。

巨大な爆風が消えると共に、魔王武装を解除したタルタリヤが地面に伏してきた。

「…や、やるなぁ…」

「……そっさの判断で、こっちは焦ったけどな。」

「…どうする。まだ手が無いわけじゃなさそうだけど。」

「ははっ、予備プランを使うしか無いみたいだね。」

タルタリヤはフラフラと立ち上がって、自身の周りに札の陣を出した。

「そ、それは…!?」

「禁忌滅却の札…簡単に言ったら、仙人に安全に近づけるお守りみたいなものさ。」

奴がそう言うと、辺りが揺れ始めた。

外からだった。

「…こいつの力で、渦の魔神を呼び覚ます。」

「呼び覚ます?」

多分、奴は禁忌滅却の札ってやつを使って何か起こすつもりだ。

俺はタルタリヤに構わず外に向かった。

 

……………

 

「うわっ!土砂降り!」

外に出た俺の一言はそれだった。

何が何だか分からないが、大雨で雷も鳴っている。

「玄鳥ー!」

燕と蛍が後ろから歩いてきた。

「二人とも!」

3人で一緒に広いところに行く為走り出した。

 

すると、海の方を見ると、大きな蛇のような生物が存在していた。

「あれが渦の魔神…」

俺がそう言うと、群玉閣から渦の魔神に接近しているのが見えた。

「迎撃するのか…二人とも、群玉閣に行っててくれ!」

「え、玄鳥は?」

「走っていく!」

 

そう言って俺は走り出した。

璃月港には人影一つなく、雨で辺りがびしょ濡れだ。

「…くそっ、どうやって倒せば…」

俺は渦の魔神を見てそう呟いた。

「玄鳥〜!」

向こうから声がして振り向くと胡桃が走ってきた。

「胡桃!大丈夫か!?」

「玄鳥こそ…大丈夫?」

「ああ、にしてもなんでここに?」

「さっき、燕さんから…玄鳥にこれを渡してって…」

胡桃の手に握られていたのは6本の封剣だった。

「これは…」

「封剣が7本揃えると、すっごい力が得られるって。」

胡桃に封剣を手渡される。

「…本当は心配だけど…玄鳥…」

不安そうな顔で震える胡桃。俺は肩をポンっと叩く。

「大丈夫。俺は死にはしないし、必ず帰るよ。」

「玄鳥…」

俺は胡桃にそう言うと、胡桃は少し安心そうに笑う。

7本渡されると、封剣が俺の周りを回っていく。

「こ、これは!」

封剣は俺の中に吸収され次の瞬間、俺の体は光に包まれ、黄金に輝き始めた。

「行ってくるぜ!」

俺は胡桃にそう言って、飛び立っていった。

 

〜三人称視点.

封剣の力で強化された玄鳥は空を飛びながら渦の魔神に近づく。

「…奴を倒すにはどうすれば倒せる!?」

飛びながら考え込む玄鳥。暫く悩んだ末に、ある考えを思いついた。

「奴の中から直接攻撃すれば…いける気がする!」

玄鳥は海上に突撃し、渦の魔神の体を泳ぐように進んでゆく。

頭部に辿り着くと、コアにぶつかって破壊した。

 

咆哮を上げてダメージを受ける渦の魔神。

その様子を見ていた群玉閣の一員達は驚いていた。

「な、何!?」

「まさか…」

玲瓏が目を凝らしてよく見ると、玄鳥が再び渦の魔神を頭部を破壊していた。

「…お前ら!こっちのが優勢だ!帰終機を守り抜け!」

その様子を見た伏龍が千岩軍の兵士たちに叫び、千岩軍の指揮を高めた。

 

一方、玄鳥は3体目の頭部を破壊して海に沈める。

玄鳥は胸を抑えて深く呼吸をしていた。

「さっきのでダメージが……いや、まだ倒れるわけにはいかない…」

玄鳥はそう言って、再び渦の魔神に突撃する。

 

渦の魔神は残った二頭の頭部から水元素のビームを放つ。

しかし、玄鳥はそのビームをグラインドして攻撃を避けていく。

「そこだ!」

再度頭部を蹴り飛ばし、内部に侵入してコアを破壊する玄鳥。

渦の魔神は最期の抵抗なのか、玄鳥をそのまま飲み込もうとする。

 

「…くっ…限界が…」

玄鳥は体力の限界が来たのか、そのまま海に落下する。

その時、封剣が彼の体から現れ、璃月港の辺りに突き刺さってしまった。

玄鳥はそのまま海に落下してしまった…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………………

 

玄鳥が沈んでいった後、帰終機による攻撃と、群玉閣の特攻で渦の魔神は無事に消滅した。

 

それから数週間後……

 

 

 

「………うーん…」

玄鳥は唸り声を上げて目を開ける。

「…ここは…」

「…渦の魔神と戦ってて…それで倒れたのか。」

立ち上がって辺りを確認する。

そこはどうやら和風の建物だった。

剣を持って辺りをキョロキョロしながら歩き始める。

「…目が覚めたようだな。」

「!?」

玄鳥が思わず振り返ると、そこには少し雰囲気のある青年が居た。

「……ここは何処なんだ?」

「ここは秋沙銭湯。稲妻にある温泉だよ。」

「………稲妻…?」

玄鳥は耳を疑う。そして、廊下を出て外に出た。

 

外に出た玄鳥の目に入ったのは、和風な建物。着物を着ている一般人。そして舞い散る桜だった。

 

 

「……い、い…」

 

「稲妻だぁぁぁぁ〜!!」

 

 

玄鳥の悲痛な叫びが、稲妻中に響き渡った……





稲妻です。

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