【本編完結】仄かな焔は璃月を舞う   作:サツキタロオ

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はい。

不穏だそうです。


第12幕:不穏な幕開け

 

………………

 

「よーし、着いたぞ!」

翌日、玄鳥たちは船に乗って無事に璃月港へと辿り着いた。

「ふぅ〜……長旅だったな。伏龍が海に落っこちたときは、さすがに肝が冷えたぜ」

「そんなことより……とにかく早くみんなに謝らないと。胡桃たちには迷惑かけっぱなしだったし…」

船が岸に着くやいなや、玄鳥は荷物もそこそこに往生堂へと駆け出した。

 

〜玄鳥視点.

 

「…………」

「………」

帰って早々、俺は正座をさせられていた。

4人からの視線が痛い。心の奥まで突き刺さるような沈黙。

「……でも、無事だったから……ハグ1分で許してあげる」

「胡桃堂主ぉ〜!」

 

結局、俺は胡桃→藍硯→燕→蛍の順で、それぞれ1分間のハグをこなす羽目になった。

まあ……みんな嬉しそうだったから、文句は言わないでおこう。

 

「ねえ、玄鳥。稲妻ってどんなところだった?」

「んー、璃月とは雰囲気が全然違ったな。建物とか、文化も…それに……」

胡桃の問いかけに、俺は稲妻での出来事をかいつまんで話してやった。

「へぇ〜、十夜さんと宵宮さんって人と仲良くなったんだ」

「どんな人なんだろ〜。会ってみたいな」

と、タイミングを見計らったかのようにドアが開き、十夜と宵宮が現れた。

「よ。ここが往生堂か?」

「あっ、来たな二人とも」

「お前が玄鳥の言ってた胡桃か。俺は十夜、こっちは宵宮。ま、気軽によろしくな」

「よろしゅうな〜」

二人の自己紹介に、胡桃たちも笑顔で挨拶を返した。

「そういえば蛍、お前も稲妻に行ってたんだよな。進捗はどうだった?」

「うん……稲妻の後、スメールとフォンテーヌの問題も解決したんだけど……お兄ちゃんは、まだ……見つかってないの」

蛍の表情が曇る。それを見た俺は、軽く肩を叩いた。

「大丈夫だって。きっと見つかる。蛍がそんな顔してたら、兄貴に笑われるかもよ?」

「…玄鳥……うん。ありがと。ちょっと元気出た」

蛍が少し微笑んだ。よかった。女の子の泣き顔なんて、似合わねぇからな。

「そういえば、俺も玄鳥の話、もっと聞きたいな。胡桃だったよな、詳しく教えてくれ」

「うん!もちろん!……あっ、玄鳥。お醤油とお塩、切らしちゃってて。買ってきてくれない?」

そう言って、胡桃が小銭と買い物袋を手渡してきた。

……そんなに聞かれたくない話をするのかな。

「宵宮、お前は?一緒に聞く?」

「うちはええよ。それより璃月を見て回りたいな〜」

「じゃあ、一緒に行こうか。買い物のついでに、案内するよ」

というわけで、十夜が往生堂で皆と話す間、俺と宵宮は璃月の街をぶらつくことにした。

 

…………

 

「なあ、宵宮。十夜ってどんな奴なんだ?」

「十夜?うーん、ちょっと抜けてるとこあるけど……ウチにとっては、大事な人、かな」

「へぇ〜……もしかして、付き合ってる?」

その一言で、宵宮の顔が一気に真っ赤になった。

「つつつ、付き合ってへんわっ!あいつ、すーぐ突っ走るし!それに……そ、それとこれは別やし!それに…(以下略)」

「………」

 

なんか色々言ってたけど、赤くなったまま十夜のことを延々と語ってたあたり……

まあ、要するに、好きなんだろうなってことだけは分かった。

 

………………………………

 

〜玲瓏視点.

 

………

 

稲妻から戻って、俺はいつも通り、全力で仕事をサボっていた。

……だが、嫌な予感がする。

 

「玲瓏」

「ん?」

いつもの木陰でのんびりしていると、刻晴が書類を片手にやって来た。

「また仕事かよ」

「当然よ。この書類、スメールに届けて欲しいの」

「スメール?」

受け取った書類をざっと目を通す。よく分からんが、重要そうなのは確かだ。

「俺と伏龍だけで行っていいか?」

「ダメ。私と甘雨も同行するわ。あんたたちだけだと絶対にサボるでしょ?」

……くっ、見抜かれていたか。ズバイルシアターの踊り子のステージ、楽しみにしてたのに……

「……分かったよ。サクッと終わらせてくる。今日出るぞ」

そう言って木の上から飛び降りた、まさにその瞬間だった。

 

 

ゴオオォォォォォォン!!!!!

 

 

「!?」

突如響く地響きと振動。俺たちは即座に群玉閣の外へと飛び出した。

 

 

…………

 

「あの方角……スメールよ…!」

「………最悪だ…。」

 

どうやら、嫌な予感が的中したらしい。

 




次はスメールかな?
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