【本編完結】仄かな焔は璃月を舞う   作:サツキタロオ

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ニィロウいつ見てもナイスデザインだと思うんです。
やっぱり原神のキャラデザ、神。


第14幕:狼の爪、水の踊り子

 

〜三人称視点.

 

少年とスメール三人衆が、疾風のように玄鳥たちのもとへ駆け寄った。四人は瞬時に体勢を整え、一斉に攻撃を開始する。

 

「お前の相手はお前だ。」

「へっ!ツノの生えた侵略者だからって、負けるわけないだろ!」

ラールが伏龍へ拳を振り下ろす。だが伏龍は軽やかにかわし、すかさず矢を放った。しかし、矢は硬い装甲に当たるとあっけなくへし折れてしまう。

「…ちぇ…硬いな…」

 

「向こうも苦戦しているようだな…」

玲瓏は冷静に状況を見てつぶやく。

「へっ、他人のことを気遣う余裕があるのかよ!?」

ニーラーとの激しい戦いの中、玲瓏は挑発的に応戦した。

 

「くっ…玄鳥を支援したいが…」

「君の相手は僕だよ!」

十夜もまたピーラーと拳を交えていた。

 

「なかなかやるな。」

「そっちこそ、強いな!」

徒手空拳の激しい打ち合いの中、炎と雷の元素が激しく飛び交う。二人はさらに踏み込んでいく。

「そらっ!」

少年が蹴りを放つと同時に、玄鳥も飛び上がって炎の鞭を振り下ろした。

「そういえば、名前を聞いてなかったな。俺は玄鳥。お前は?」

「…ファングだ。よく覚えておけ!」

蹴り一閃、ファングは玄鳥を大きく吹き飛ばす。

「親分!」

 

三人衆がファングの元へ戻ると、伏龍たちも玄鳥の周囲に集まった。

「行くぞ!」

「こちらも行くぞ!」

 

号令とともに、両者は再び激突した。その瞬間――

 

「ストーーップ!」

 

割って入るように、ひとりの少女が現れた。ファングたちは動きを止める。

「ニィロウ?どうしてここに…」

「ニィロウさん!ここは危ない、下がって…」

「違うよ、ファング!この人たちは悪い人じゃないんだ!」

 

少女の言葉に、ファングたちは一瞬戸惑った。

「…?」

 

その声をきっかけに、蛍たちが近づいてくる。

「…旅人!」

「…え、蛍のこと知ってるの!?」

「「え?」」

……………

 

「悪い、すまないことをしてしまったな。」

ファングは玄鳥たちに深く頭を下げ、三人衆も続いて礼を尽くした。

「…まさか、旅人たちの仲間で、しかも善意で来てくれたとはな。」

「いや、こちらもちゃんと説明していなかったから悪かったんだ。」

玄鳥とファングは固く握手を交わした。

「……ま、まずは俺の家で詳しく話そうか。」

そう言ってファングは歩き始めた。

「お前ら、近くに敵がいないか確認してきてくれねぇか?」

「任せてください!」

三人衆は元気よく返事をし、その場から離れていった。

 

「……さて、どこまで話そうか。まずは何があったかからだな。」

ファングは歩きながら語り始める。

 

「数時間前、『蒼漠の囿土』って場所にでっかい隕石が落ちてきたんだ。隕石が落ちた瞬間から変な怪物も現れて、みんなピリピリしてた。」

「その後のことはさっき話した通りだ。」

「そうだったのか…」

彼らはしばらく歩き、やがてグランドバザールに辿り着いた。

 

「そういえば、お前とあの三人組の関係ってなんなんだ?親分って呼ばれてるくらいだし。」

伏龍が尋ねると、ファングは少し照れくさそうに頭を掻いた。

「…まあな。あいつらはエルマイト旅団ってところにいたんだが、俺に勝負を挑んできてな。」

「それで、ファングが勝ったんだよね。」

ニィロウがすかさず言うと、ファングは「言うなよ…」と苦笑いで返した。

「アイツらを薙ぎ倒してからは、親分って呼ばれるようになったんだ。おまけにスメール三人衆なんて呼ばれてさ…もういい歳なのに。」

「そこまで慕われてるなら凄いね!ファング君って真面目でリーダーシップあるし!」

藍硯がそう褒めると、十夜たちがふざけて「いよっ、親分!」と言い、ファングは照れながらも怒ったように笑っていた。

 

………………………………

 

「………そういえば、みんなにちょっと便利なアイテムを見せてやろうか。」

ファングがそう言って懐から取り出したのは、薄くて四角い、板のような物体だった。

「…便利アイテム?」

「なんだこれ。」

伏龍が興味深そうに覗き込む。

 

「これはな、『ルミナフォン』っていう機械だ。連絡を取り合ったり、写真を撮ったりできるらしい。かなり万能なんだぜ。」

「へえ、そんなもんがあるのか…」

玄鳥が感心したように呟く。

「ちなみに、お値段は……8000モラだ。」

「……ぐっ。なかなかするな…」

「俺の小遣い、三ヶ月分ぐらい飛ぶ……」

伏龍と玲瓏が財布を覗き込みながら、顔をしかめた。

一方、十夜はすぐにファングのもとへ駆け寄り、

「よし、場所教えてくれ!」

とだけ言い残すと、宵宮の手を引いて駆け出していった。

「連絡が簡単にできるってのは便利ね。」

刻晴が感心したように呟く。

「はい。これで伏龍さんたちがサボってないか、すぐに確認できますね。」

甘雨が穏やかな笑顔で続けると、燕は「それなら私も買いに行こうっと」と言い残し、すでに姿を消していた。

「……」

胡桃がちらりと玄鳥を見やる。

「玄鳥は、買うの?」

「ん?ああ。みんなとちゃんと連絡が取れるのは嬉しいしな。」

そう答えた玄鳥は、売り場に向かうと、並んだルミナフォンの中から二つを手に取り、そのうちの一つを胡桃に手渡した。

「ほら、これ。お前の分。」

「ふふ、ありがと。」

 

………………

しばらくして、それぞれが買い物や休憩を楽しんでいると、ラールたちが血相を変えて戻ってきた。

「親分ーっ!大変です!」

「どうした、落ち着け。」

「この街に、変な奴らが攻めてきてます!」

「……なんだと?」

ファングの表情が一変する。手にしていた果物を一口で食べきると、すぐさま声を張り上げた。

「全員、外に出るぞ!」

その声に応じて、玄鳥たちもすぐに立ち上がり、武器を手に取りながらファングの後に続いて駆け出していった。





玲瓏さん給料低いんですね。
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