【本編完結】仄かな焔は璃月を舞う   作:サツキタロオ

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新キャラと新ボス。


第17幕:合体、デュアブロス

〜玄鳥視点.

「なにィ、支配者だとォ……?」

伏龍が目を見開いて呻くように呟いたかと思うと、反射的に弓を引き、矢を疾風のごとくボーマンへと放つ。

しかしその刹那、ボーマンの前にダトマスが立ちふさがり、鋼の盾のように矢を受け止めた。

 

「我に向けて矢を放つとは……恥を知れ、貴様ァァ!!」

 

怒号が轟く。まるで雷鳴が落ちたかのような凄みに、空気が震える。

ボーマンはそのまま癇癪を起こしたように激昂した。

「ええいッ、奴らを叩き潰せ!何としてもだッ!」

声を荒げながら、彼は両脇に控えていた風と雷へと命じる。

少し呆れたような顔で、風と雷は顔を見合わせ、そして頷いた。

「……我を侮辱した罪、万死に値する。二度と口を慎まぬことだな」

ボーマンは静かに言い残すと、その場から姿を消した。空間が歪み、残響だけが残る。

「……あー……退屈ですね…雷、あとは頼みますよ。」

風が片手をひらひらと振りながら言う。明らかに面倒くさそうな口調だった。

「……仕方ねぇな。邪眼、借りるぞ」

「どうぞ。」

風は邪魔くさそうに、懐から邪眼を取り出して雷に渡した。

それを最後に、彼は風のように姿を煙と化して消えた。

「へっ!一人なら余裕だぜ!」

雷が不敵に笑うと、伏龍と玲瓏も即座に構えを取る。

「よし……!」

雷は自らの邪眼と風から借りた邪眼を交互に装填し始めた。

「ん?」

その動きに気づいた玲瓏が目を細める。

 

「……重装!」

 

雷の身体を中心に重厚な装甲が組み上がっていく。

アクアブロスとフレアブロス──二つの異なるアーマーが同時に形成され、融合していった。

その異様な光景に、伏龍は唖然とした表情を浮かべる。

「合体……しちゃったよ……」

蒼と紅の光をまとった戦士が、その場に静かに降り立つ。

 

「――デュアブロス、参上」

 

「うっそぉ〜ん……」

玲瓏が掠れた声で呟いた。その口調には驚きと、諦念と、若干の絶望が滲んでいた。

 

………………

〜三人称視点.

 

「親分!行こうッ!ニーラーの仇を討たなきゃ……!」

叫びながら、ピーラーは躊躇なく邪眼を装着した。

光と共にアーマーが形成され、その身体を覆う。

怒りと使命感に突き動かされるように、彼はデュアブロスへと真っ直ぐに突撃していった。

「ほう……また来やがったか。よく懲りねぇなァ!」

 

デュアブロスが嘲るように唇を吊り上げたかと思うと、直後、凄まじい勢いで拳を繰り出す。

一発──そして次々に繰り返される連打。

「貧弱!」「貧弱!!」「貧弱!!!」

 

怒涛のラッシュがピーラーの身体を襲い、その防御を容赦なく打ち崩していく。

そして、止めとばかりに銃型デバイス『ブロスチームガン』を構え、弾丸を装填。

 

「さっさと沈めェッ!」

 

閃光と共に放たれた銃撃がピーラーの胸を撃ち抜き、爆風が彼の身体を吹き飛ばした。

「ぐわぁぁぁぁッ!!」

重力に逆らうこともできず、ピーラーの身体は宙を舞い、地面に叩きつけられた。そしてそのまま、ファングの足元へと倒れ込む。

 

「…お、親分…」

 

重力に逆らうこともできず、ピーラーの身体は宙を舞い、地面に叩きつけられた。そしてそのまま、ファングの足元へと倒れ込む。

ファングが駆け寄る。だが、ピーラーの体は既に粒子のように崩れかけていた。

彼の存在そのものが、今まさに失われようとしている。

「……お、おい、しっかりしろ……!」

かすれた声で呼びかけながら、ピーラーは震える手でドッグタグを差し出した。

ファングはそれを無言で受け取る。手が、微かに震えていた。

「ニーラーの……仇を討とうとしたのに……俺、ちょっと足りなかったな……」

「親分……俺、先に行ってますから……後は任せます……」

薄れゆく意識の中で、微かに笑ったようにも見えた。

次の瞬間、ピーラーの身体は光の粒となって、静かに消えていった。

 

沈黙が降りる。

ファングの手の中には、ピーラーが遺したドッグタグがただ一つ、冷たく残っていた。

 

「う、嘘……っ!デュアブロス……強すぎる……!」

蛍は顔をしかめ、血の気の引いた手で汗を拭う。

一歩踏み出すたびに、地鳴りのような衝撃が響く。仲間たちは次々に押し込まれ、各地でダトマスの部隊と交戦していた。

「……っ……このままじゃ全滅する……!逃げるしかない!」

蛍は瞬時に決断し、振り向いて叫んだ。

「燕!封剣を貸してっ!」

「えっ!? い、今!? わ、わかった……!」

戸惑いながらも、燕は封剣を取り出し、震える手で差し出す。

蛍はその封剣に手をかざし、瞬間、黄金の光が迸った。剣は吸収され、蛍の身体に融合する。

蛍の全身が淡い黄金の光を放ち、風元素が仲間たちを包み込む。

巻き起こる疾風と共に、彼女は全員をその場に引き寄せた。

「行くよッ!」

瞬間、雷が奔り、空間が弾けた。蛍は風と雷の力を組み合わせて転移術式を強制展開。仲間たちは閃光と共に、その場から一斉に消えた。

 

「……チッ……逃げやがったか」

デュアブロスは唇を歪め、イラついた様子で近くのダトマス兵を無造作に蹴り飛ばす。

「使えねぇ連中だ……」

苛立ちを隠すことなく呟き、辺りに殺気を滲ませながら、地を睨みつけた。

 

………………………………

 

フォンテーヌ廷にたどり着いた瞬間、蛍の身体から封剣が抜け落ちるように現れ、彼女はその場に膝をついて崩れ落ちた。

「……はぁ……っ、はぁ……っ、負担が……」

肩で息をしながら、蛍は顔を伏せる。額から汗が滴り、全身から力が抜けていくのが分かった。

「……全員満身創痍か……」

玲瓏が膝をつき、呟く。服には傷と焦げ跡、血の滲み。立っているのがやっとの状態だった。

「チッ……クソッ、最悪の展開だぜ!」

伏龍も壁にもたれかかるようにして座り込み、拳を固く握りしめる。その眼差しには悔しさが滲んでいた。

そんな疲弊した一行の元に、足音が近づいてくる。柔らかく、しかし確かな足取りだった。

「……あの、大丈夫かい……?」

静かにかけられたその声に、伏龍が顔を上げた。

視線の先には、一人の少女が立っていた。

水のように澄んだ瞳と、柔らかな気配をまとった存在。

「……誰だ、お前は?」

問いかけに、少女は微笑を浮かべて名乗った。

「僕はフリーナ。このフォンテーヌの……元水神だよ」





フリーナかわいい!

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