ナド・クライのギミック難しすぎる!訳分からん。
〜三人称視点.
「ナタに上陸したね!」
ニィロウがぱっと両手を広げ、まるで祭りの幕開けのように声を上げた。赤茶けた大地の向こうでは噴煙が上がり、熱風が頬を撫でる。まさしく灼熱の国――ナタ。
だが、その壮大な景色よりもまず目に入ったのは、びしょ濡れの玄鳥たち男子組だった。
「……泳いで行くとは思いませんでした。」甘雨が呆れ半分で言う。
「普通、船を使うわよね。」刻晴が冷ややかに追い打ちをかける。
「うるさいぞ刻晴!軟弱な!」
玲瓏がぶるぶる震えながらも声を張り上げ、くしゃみを一発。まるで自分の無茶を正当化しようと必死だ。
どうやら男子組は「男は黙って直行だ!」と言わんばかりに船を使わず泳ぎ切ったらしい。一方の胡桃たち女子組は涼しい顔で船旅を選び、結果的に男子組はずぶ濡れで敗北。
「船を使わない方が早いに決まってる!」と出発前にドヤっていたマルクは、今や地面にぺたんと座り込み、悔しそうに地面の砂を蹴っていた。
「チェ……」
「ほらほら、そう落ち込まないでよマルク〜。」フリーナが笑いながら肩を叩くと、男子組の顔には一斉に悔しさと疲労が浮かんだ。
「……くそ、次は絶対負けねえ……」
砂と汗と後悔にまみれた男子組の心に、ナタの熱風がさらに追い打ちをかけるのだった。
………………………………
「パンフレットによれば、この先には“こだまの子”っていう部族が住んでるみたいだな。」十夜が案内図を見ながら言う。
「可愛い子ちゃん居ないかな〜。」伏龍は完全に観光モード。キョロキョロと辺りを見回していると、視界の先に陽光を美しい獣人の美人を見つけた。
「おおっと、発見!俺のロマンスレーダーが反応してるぜ!」
そう叫んだ瞬間、伏龍は一直線に突撃した。
「そこのお嬢さん!コーヒーでもいかがですか?」
女性はクスリと笑みを浮かべる。目元には少ししたたかな輝き。
「もしかしてナンパ?残念だけど……ウチにはもう意中の相手が居るんだよね〜。」
彼女は左手を軽く掲げた。薬指には銀色の指輪が光っていた。
「き、既婚者ァァ!!」
伏龍はその場にガックリと膝をつき、魂が抜けたように倒れ込んだ。
「……南無。」
玄鳥が合掌し、十夜が肩を叩く。
そんな彼らに女性はくすくす笑いながら自己紹介した。
「ウチはシロネン。鍛冶職人してるんだ。よろしく〜。」
マルクが首をかしげる。
「鍛冶職人が、こんな谷で?何か訳あり?」
「んー、こだまの子の里はね、武器や装飾作りが盛んでさ。ウチもその一人ってわけ。」
胡桃が興味津々で話に割り込む。
「へえ〜!でさでさ、この先に用事があるんだけど、何か知ってる?」
玄鳥はそこで例の手紙を取り出し、シロネンに手渡した。彼女は目を細めてじっと読む。
「うーん、ウチには分かんないなぁ。」
軽く首をかしげたシロネンは、ふと笑顔を見せた。
「でもウラノスなら知ってるかも。物知りだし。案内してあげるよ。」
「助かる!」玄鳥が頭を下げ、一行はシロネンの後に続いて谷の奥へと向かった。
近くの遺跡。その中心で、石碑や古文書に夢中になっている青年がいた。
「ウラノス〜、アンタにお客さんだよ〜。」
シロネンが声をかけると、青年はビクリと肩を揺らし――
「むむッ、とうッ!」
跳躍と共にくるりと回転し、石柱の上から華麗に着地する。
「俺に客とは珍しいな。」
凛々しい顔で言ったかと思えば――
「俺はウラノス!ナタの古代文明を!日夜!調査する男だ!」
「……テンション高いな。」玄鳥が小声で漏らし、ファングは顔を引きつらせた。
ウラノスはすぐに肩をすくめ、落ち着いた口調で付け足した。
「あと、シロネンの旦那でもある。」
「うわぁ、急に生活感!」ファングがツッコミを入れる。
だが本題に戻ると、ウラノスの瞳が鋭さを増した。
「で、俺に何の用だ?」
玄鳥が例の手紙を差し出す。ウラノスは装飾をしげしげと眺め、そして無言で分厚い書物を持ってきた。
ページをめくり続け――彼の指がある一枚で止まった。
「……あった。これだ。」
その紙には、送られてきた手紙と同じ模様と文字が刻まれていた。
「これは……“サイバースペース”製の手紙だ。」
一同がざわめく。
「さいばーすぺーす……?なんだそりゃ?」玲瓏が眉をひそめる。
ウラノスはゆっくりと顔を上げて続けた。
「このテイワットとは別の層に存在すると言われる世界だ。伝承によれば、その文明レベルはここより何億倍も進んでいる。」
「何億倍って……桁がおかしいだろ。」十夜が呆れたように言う。
「だが事実だ。」ウラノスは手紙を見つめたまま、重い声で言い切った。
「この世界に残された手掛かりは少ない。だからこそ、多くの者が“存在しない”と切り捨てた。だが――この手紙が本物なら話は別だ。」
一同に緊張が走った。
「正直、サイバースペースの情報はほとんど無い。分かっているのは……この手紙が確かにそこから来たという事実だけだ。」
ウラノスは腕を組み、低く言い切った。
「敵か味方か、それすら分からない。」
「じゃあ、なんで敵だって思うんだ?」ファングが眉をひそめる。
ウラノスは拳を握りしめ、目をギラリと光らせた。
「決まってる!こういう異文明はな――絶対、人類を見下して滅ぼしに来るって相場が決まってるんだ!!」
場に沈黙が走った。
「……相場って……」刻晴が額を押さえた。
「だからもし、このサイバースペースとやらの使者がナタに来るなら……かなり厄介だ。」
ウラノスは重々しく言い、大きく息を吐いた。
宵宮が手を挙げる。
「え、ちょっと待って。今のナタってそんなヤバい状況なの?」
ウラノスは宵宮に視線を向け、真剣な顔で答える。
「ナタは常にアビスの軍勢に狙われている。何百年も前から、ずっとだ。もしそこにサイバースペースの敵が加わるなら……」
「終わりだな。」ウラノスが重く言い放つ。
「終わりだね。」シロネンが小さく呟く。
「終わりだな。」ファングも肩をすくめる。
「終わりですね。」甘雨まで便乗する。
「ちょ、みんな絶望的過ぎ!ちょっとは落ち着きましょうよ!」燕が慌てて声を上げた。
一同の表情にわずかに緊張が走る中、ウラノスは書物を閉じた。
「……どちらにせよ、動向を探る必要があるな。相手が敵なら、ナタはすぐにでも対応策を練らなきゃならん。」
シロネンが口を開いた。
「だね。マーヴィカや他のみんなにも伝えとかなきゃ――」
その時だった。
遠くから重低音が響き、地面が微かに震えた。
「嫌な予感しかしないな……!」玄鳥が顔を上げ、駆け出した。
一同が海辺に辿り着くと、そこには――
「……なんだ、あれは……」
空から、まるで巨大な隕石のように、光り輝く何かが落ちてくる。
それは地上に衝突する寸前で停止し、ゆっくりと回転しながら展開した。
ゲート――それは確かに“門”と呼ぶべき存在だった。
まばゆい光が門の奥から溢れ出し、次の瞬間――
「おい、なんか出てくるぞ!」ファングが叫ぶ。
ゲートの中から、黒い影がゆっくりと姿を現した。
「で、でけぇ……!船か!?」
それは船に似ていたが、海の上ではなく空中に浮かび、音もなく滑るように進む円盤だった。
「気球でも飛行船でもねぇ……」十夜が目を細める。
「……群玉閣とは全く別物ですね。」甘雨の声に緊張が走った。
次の瞬間、巨大船のハッチが展開される。
「おいおい、なんか落ちてきたぞ!」伏龍が叫ぶ。
ハッチ内から金属の兵士たちが次々と投下されていく。彼らは無機質な光を放ちながら地面に着地し、即座に陣形を組んだ。
「何体いるんだ……あんな円盤のどこにこれだけ隠してたんだよ……」玲瓏が顔をしかめる。
ウラノスが鋭く言い放った。
「俺たち他の奴らに共有してくる!お前らは……アイツらを足止めしてくれ!」
そう言い残し、ウラノスたちは駆け去っていった。
玄鳥は一同を見回し、息を吸い込む。
「……しょうがないな。みんな、行くぞ!!」
それぞれが武器を構えて、兵士たちに突撃していった。
遂にナタでの戦い。どうなっちゃうんだぁ。
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