前作のボツ短編一部改変してます。
「……まずい。」
「どうした、マルク。」
漫画を読んでいたファングが顔を上げると、マルクがどこか憔悴した表情で戻ってきた。
「さっき玲瓏と伏龍に寝起きドッキリを仕掛けようと思ったんだ。」
「……まあ、いつものノリだな。」
「だが駄目だった。フリーナと一緒に実行しようとして、いざ部屋に入ったら――」
マルクはしかめ面になり、低い声で続けた。
「……天井に、玲瓏と伏龍が干されてた。」
「は?」
ファングは漫画を閉じ、目を瞬かせた。
「絶対やらかしてボコられた奴らだろ、それ。」
「間違いない……!僕、思わず正座して手を合わせたからな。」
マルクは顔を押さえて床に転がる。
「くそっ!虚しい気分だ!あんな男たちを失うなんて……!」
「いや、死んでねぇだろ。」
「僕からしたら死んだようなもんだ!」
マルクは妙に誇らしげに胸を張った。
ファングは呆れ果てて肩をすくめる。
「……どうせ刻晴さんと甘雨さんの仕業だろ。」
「何故そう思う?」
「このサボり魔とバカ仙人の面倒見てるの、あの二人しかいないからな。怒る理由にも事欠かねぇ。」
ファングはそう言って再び漫画を開いた。
マルクは天井を見上げながら、静かに呟いた。
「……南無。」
その頃……。
「……なんとか降りられたな。」
玲瓏は肩を回しながら、床に降り立った。未だに肩を痛そうに回している。
隣では伏龍が、ぼさぼさの髪を掻きむしっている。
「全く……なんで俺たちが天井に干される羽目になったんだ??」
「……お前が刻晴の昼寝の邪魔したからだろ。」
「違う!先に仕掛けてきたのは甘雨だ!」
「……その結果、二人まとめて天井送りか。見事な連携プレーだな。」
伏龍は腕を組み、どこか誇らしげに頷く。玲瓏は溜息を吐いた。
「まぁ、あの二人にしては情け容赦なかったな。甘雨の氷の鎖で固定されて、刻晴の雷で吊るされるとは。」
「芸術的なコンビネーションだな。少し感動した。」伏龍は誇らしげ言った。
「絶対嘘だ。」玲瓏は伏龍を睨んで言った。
「……で、どうする? 仕返しするか?」
「やめとけ。また干されたくない。
玲瓏が即答した。
その時、ふと部屋の外からひそひそ声が聞こえてきた。
「なぁ伏龍。あれ、噂話だ。」
「マルクの声か。」
「……そういえばフリーナと見てたな。」
伏龍は無表情のまま、玲瓏に目配せした。
「…どうする?」
「……腹減ったし、ラーメンでも食いに行こうぜ。」
そうして玲瓏と伏龍は塵歌壺から出て近くのラーメン屋に食べに向かった。
「「ラーメンうめー!」」
短過ぎた…
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