超次元サッカーやってて更新遅れてました。
全員が武器を構え、二体の強化個体――レプリフェイザーとレプリプライガへと散開した。
戦場の空気が一瞬にして張り詰める。
フリーナ、ファング、伏龍、刻晴の四人が正面から立ち向かった。
巨大なフェイザーの翼が風を裂き、刃のような気流が地面を切り刻む。
「あいつには電撃が効くはずだ。フリーナ、ファング、刻晴――連携だ!」
伏龍が叫ぶ。
「任せて!」
フリーナが杖を振り抜くと、水の刃が幾重にも重なって飛び出し、レプリフェイザーの翼膜を削る。
同時に、刻晴が姿を消すような速度で踏み込む。
「せいッ…!」
雷を纏った斬撃がフェイザーの足元へ走り、ファングの雷爪がその隙を裂いた。
電撃が絡みつき、レプリフェイザーの身体が一瞬痙攣する。
「よし……効いて――」
「ない!?」
伏龍が目を見張る。
確かに感電は発生している。
だがレプリフェイザーは苦痛の声すら上げず、ただ冷徹に翼を広げ、暴風を叩きつけてきた。
「前とは比べ物にならない耐久だ……!」
刻晴が足を踏ん張りながら呟く。
一方、十夜、ニィロウ、藍硯、水元素の蛍の四人は、咆哮を轟かせるレプリプライガに挑んでいた。
「ニィロウ、藍硯、蛍。俺が前で受ける。援護頼む!」
十夜が草の刃を飛ばしつつ突撃する。
だが、草の刃はプライガの装甲に弾かれ、軽い火花を散らしただけだった。
「……硬すぎる!」
十夜が歯噛みする。
藍硯と蛍が後方から攻撃を重ねるが、プライガは一切怯まず尾を振り抜いた。
「くっ――!?」
二人は壁まで吹き飛ばされ、砂煙を上げて転がった。
「以前より……明らかに強い……!」
倒れながらも蛍が呟く。
蛍はすぐにカードをスラッシュし、炎元素の輝きを纏う。
火球が連続して撃ち出され、炎がプライガを包む――が。
「効かない……!?」
炎すら無効化するように、プライガの身体は微動だにしなかった。
二体の怪物は、同時に咆哮を上げた。
そして――空気が歪んだかと思うと、どちらも影のように掻き消える。
「逃げたか……?」
十夜が周囲を確認する。
「待って!あっちに向かってる!」
藍硯が指差す。
その先はナト・クライ方面――ファデュイの拠点があるはずの区域だ。
「……確かにあそこだね。元凶がいるのも、きっと。」
フリーナが表情を引き締める。
玄鳥は武器を構え直し、全員を見回した。
「追うぞ。ここで取り逃がしたらもっと厄介になる。」
風が巻き起こり、龍気と元素の足跡が空へ伸びる。
仲間たちは頷き、玄鳥の背を追ってナト・クライへ飛び立った。
………………………
その頃――
レプリプライガとレプリフェイザーは迷いなく同じ方向へ歩を進めていた。
辿り着いた先には、彼らの創造主であるドットーレが静かに佇んでいる。
「ほう……やはり来たか。」
月光に照らされたその顔は、満足げな狂気で歪んでいた。
「月神の力……そしてサイバースペースから抽出したサンプル。この二つを融合させた結果――レプリプライガとフェイザーは遂に究極へ到達した。もはや、この世界は私の掌中にあると言っても過言ではないだろう。」
その独白に、薄い笑みが混じる。
だが――その支配者めいた余裕は、すぐに打ち砕かれた。
「……それも今日で終わりにする!」
突如として、鋭い声が戦場を裂いた。
ドットーレが振り返ると、そこには無数のライトが闇を貫いていた。
稼働音を響かせながら迫る新型機動兵器《デュミナス》、そして重装戦車部隊。
完全包囲の陣形が、瞬く間にドットーレたちを取り囲む。
その中心に立つのは――
サンドローネ、コロンビーナ、そしてファデュイ特務隊の隊長であるツカサ。
ツカサがメガホンを構え、声を張り上げる。
『ファデュイ執行官第二位・ドットーレ!貴様を、“道化”の命令により――排除する!』
凛と響く声は、戦車砲の轟音よりも重く戦場を支配した。
「ほぅ……道化も、私を切り捨てるつもりか。面白い……実に面白いぞ。」
ドットーレは唇の端だけで笑う。
その異様な余裕が、却って不気味さを強調した。
「行け。プライガ、フェイザー。」
その一言で、二体は獣のような咆哮を上げ、一斉に特務隊へと突撃する。
「来るぞ!撃ち方始め!」
ツカサの号令とともに、デュミナスと戦車が一斉に火を噴いた。
砲撃、徹甲弾、榴弾、収束レーザーが雨のように降り注ぎ、二体の巨体を容赦なく削っていく。
爆炎の中でレプリプライガがよろめき、フェイザーの翼膜が破れ焦げ落ちた。
「よし……デュミナスの性能は確かね。」
ツカサは腕を組み、満足げに頷く。
「当然でしょ?私の傑作なんだから。」
サンドローネの声音には、創造者としての自負が滲んでいた。
「わぁ……すごい。派手で、とっても綺麗。」
コロンビーナは小さく拍手しながら微笑んだ。
まるで花火を眺めるかのように、戦場の光景を楽しんでいる。
だが――その呑気さとは裏腹に、戦況は確実に動き始めていた。
「撃ち方やめ!」
短く鋭いツカサの号令が響き、戦場を覆っていた爆煙がゆっくりと薄れていった。
視界が開けると――
レプリプライガとレプリフェイザーは、全身を砕かれたかのように地面に横たわっていた。
かつての脅威はもうなく、青白い火花だけが虚しく散っている。
「……終わったな。」
ツカサが静かに呟き、デュミナスの銃口がゆっくりと降ろされた。
………………………
その光景を、玄鳥たちは空から見下ろしていた。
「凄い……」
燕が息を呑む。
「あのレプリプライガを……一瞬で……」
胡桃も驚愕を隠せず、思わず声を漏らす。
だが、その緩みを切り裂くように――
玄鳥の背筋に殺気が走った。
「……ッ!」
玄鳥が右を見ると、漆黒の影が突撃してくる。
「玄鳥!」
「危ない!」
翼を裂くような轟音と共に、ネオブラックドラゴンの拳撃が迫った。
「ここで決着をつけよう、玄鳥!」
「私とお前……どちらが強いのか!」
「こんな時に……っ!」
玄鳥は咄嗟に腕で受け、衝撃と共に蹴り返す。
互いの体勢が崩れ、そのまま二人は地面へ真っ逆さまに落ちていく。
「みんな、ここは任せろ!!」
玄鳥は叫び、ネオブラックドラゴンの胸部へ拳を叩き込み、そのまま地面に叩きつけた。
地表が大きく陥没し、砂煙が爆ぜる。
玄鳥もその背後へ降り立ち、拳を構え直す。
「……行くぞ。あいつに任せよう。」
マルクは冷静に判断し、全員を引き連れてドットーレの方角へ飛んでいく。
残された戦場には――
玄鳥とネオブラックドラゴン、二つの影だけ。
「ネオブラックドラゴン!」
「フッ、決着だ……光栄に思え!玄鳥!」
挑発を吐き捨て、ネオブラックドラゴンが翼を広げ雷のように突進する。
玄鳥も炎の翼を広げ、正面から拳をぶつけた。
衝撃波が奔り、周囲の岩が粉々に砕け散る。
「ぐっ……まだまだだ!!」
玄鳥は歯を食いしばり、倒れかけた勢いを逆に利用して回し蹴りを放つ。
赤い残光が弧を描き、ネオブラックドラゴンの頬を斬った。
「ほう……良い拳だ!」
「こっちも本気を出させてもらう!」
二人は再び翼を広げ、空へと跳び上がった。
………………………
その頃――ドットーレは怒りに震えていた。
「ええい……私の最高傑作を……よくも、よくもォ!」
抑えきれない憤怒を露わに叫ぶ。その背後で、倒れていたはずのレプリフェイザーが、軋む金属音を響かせながら立ち上がった。
表面は焼け焦げ、装甲は砕け、火花を散らしながらよろめいている。
「……ふっ……ふふふ……レプリフェイザー。喰らえ。」
フェイザーの中央コアが妖しく光り、指示を受けた機体がゆっくりと振り向く。
「何をする気だ……?」
ツカサは眉をひそめる。
その直後――
レプリフェイザーが、隣で倒れていたレプリプライガへと飛びついた。
「……ま、まさか……!」
「と、共食い……?」
胡桃、燕、ファデュイ特務隊の兵達までが声を失う。
金属が裂け、骨のようなフレームが砕け、プライガの部品が次々とフェイザーへ吸収されていく。
その凄惨な光景は、もはや“合体”ではなく“捕食”だった。
やがて喰い尽くしたレプリフェイザーの体表に、プライガの装甲が融合し始める。
白かった外装が黄緑色へと変色し、全身のパーツが不気味な生体機械のように脈動する。
咆哮一つ。
空気が震え、大気に電流が走った。
「あーはっはっはっはっ!素晴らしいッ!さあ、その力を存分に発揮してみせろぉ!!」
歓喜の絶叫を上げた次の瞬間――
ドットーレの体が黒い渦に呑まれ、レプリフェイザーへと吸い込まれていった。
『さあ……! この力を得た今……もはやファデュイなど必要は無い!』
レプリフェイザーとレプリプライガを統合した怪物――
《ファライガー》の内部から、ドットーレの声が響く。
「え!?なんで……なんでドットーレの声があれからするんだい!?」
フリーナが目を見開き叫ぶ。
「……最強の体を得た今、自分の体すら“不要”という事か。」
玲瓏が声を低くし、武器を構えた。
次の瞬間――
ファライガーが大気を吸い込み始めた。
周囲の砂塵が舞い上がり、空が歪み、地面がきしむ。
「……あれ、危ないよ。」
コロンビーナが淡々と指差した。
「総員退避!! 物陰に身を隠せ!!」
ツカサが怒鳴り、ファデュイも仲間たちも一斉に散って遮蔽物へ飛び込む。
白光が走った。
大地を焼き、大気を引き裂くような一条のビームが放たれ――
狙いはツカサ達ではなく、遥か後方。
クーヴァキ実験設計局。
次の瞬間、世界が白く染まった。
――轟音。
――爆風。
――巨大な火柱。
建造物も研究施設も、蓄積された機密も成果も何もかも。
一瞬で蒸発し、跡形もなく消えた。
「……馬鹿な……!」
「なんて破壊力だ……あれ、本当にドットーレなのか!?」
「……とっても危険……うん。あれは……危ないね。」
コロンビーナが珍しく表情を険しくする。
ファライガーはゆっくりと頭部をこちらへ向けた。
一つの赤いコアが妖しく光っていた…………。
vsファライガー
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