2年Z組銀時先生!~変人生徒でクロスオーバーだ コンチキショー~ 作:雄大
どうぞ、楽しんで!
2年Z組の教室では六時間目のHRを使いテスト緊急対策会議が開かれていた。
「よーし、お前らなんか案だ出せよー」
教卓の上で肘をつきだるそうに言う銀時の無茶ぶりに生徒達は文句一つ言わず次々に案を出す。
「我が邪王心眼の力を今こそ解放するのだ!」
勿論マトモな案などは出ない。今のは六花だ。
「そんな力あったとしてどう役にたつんだよ」
六花は返す言葉もなく黙りこむ。
すると六花以上にアホ毛の目立つ金髪ロリ巨乳娘、ショコラが立ち上がる。
「まず、試験官が男性だった場合、奏さんのスボンを脱がし気をひかせましょう!」
「ショコラぁ! この小説でくらいホモネタはやめよう!」
甘草が血相を変えて立ち上がる。
「先生! 僕はいつでも準備OKです!」
と言いながら横寺はムチと蝋燭を両手に持ちながら言った。
「いや、何の準備だよ。そういうのは風○店にでも行ってやれ」
銀時の冷たいツッコミが放たれる。
すると今度は鍵が立ち上がる。
「先生! 脱ぐと胸はなんか似てますよね! 凄くムラムラします!」
「お前は眼科と精神科両方に行ってこい」
「先生!」
今度は明久だ。
「何だか凄く胸がズキズキします!」
「お前は本当に病院に行ってこい」
「先生! 胸を大きくしたいです!」
と、小さく纏めたツインテールを揺らしながら春咲千和が立ち上がる。
「お前は形成外科にでも行ってこい、ついでに島田もーー」
銀時は言い終える前に口を閉じた。
美波が両手をバギボキと鳴らし始めたからだ。
「銀時っち! 夢は大きく持つ事が大事だと思うよ! そう、私の胸のように!」
天使爛漫な美少女、遊王子謳歌は自身の胸を強調しながら言った。
「お前はもう少し脳みそをデカクしろ」
こうして大体のボケ合戦が続くと小鷹が慌てて立ち上がった。
「ちょ、落ち着けつよ、皆!」
「なんだよ羽瀬川、言いたい事がありそうだな」
「ありまくりですよ! なんすか、このやりとりは! なんでボケ合戦に発展してるんですか!」
「うるせーな、お前らが変な方向に突っ走るのがいけねーんだろ」
確かに、銀時の言う通りZ組生徒達は二言目にはボケを発するのだ。
話が進むはずがない。
「どうすんだ銀時。このままじゃ、本当にどうしようもねえぞ」
流石の宴もこれはまずいと眉間に眉を寄せながら言った。
「いや、一応方法ならあるぞ」
しかし自信ありげな顔で銀時はニヤリと笑いながら言った。
その表情に小鷹は期待よりも不安が募る。
銀時がこんな風に笑う時は大体ろくな事がないからだ。
しかし微かな希望にもすがりたい生徒達は率先的に聞こうとする。
「先生! 方法ってなんですか!」
横寺がムチを振り回しながら言った。
「いや、お前まだ持ってんの? 危ないから捨ててくんない?」
一応教師として一度注意し、説明を続ける。
「要はどんな手を使ってでも八十点以上取ればいいんだ」
「あのー、先生…… それって……?」
小鷹は恐る恐るきくと銀時は邪悪に笑い、
「決まってんだろ…… カンニングだ」
カンニング!? カンニング! タイピング!? カンセンレットウ!?
約二名ほど間違えている奴がいたが、生徒全員が驚きの声を上げた。
銀時はさらに邪悪なオーラを膨らませる。
「おうともよ。カンニングすりゃ八十点なんざ、赤子の手をひねるようなもんだ」
「先生! 幼児虐待ですよ!」
鍵が手を上げて言う。
「ていうかお前をひねるぞ、キュッと」
「いや、でも先生、カンニングは流石に……やめた方がいいと思うんですけど……」
小鷹はZ組の良心としてやんわり抗議する。
しかし銀時は呆れたように言う。
「バカヤロー、おめーよぉ、テスト対策会議イコール・カンニング会議じゃねーか」
「いや、おかしいだろ! そのイコールは!」
小鷹が抗議する中、夜空が声をかける。
「小鷹……」
「な、なんだよ夜空」
いつになく真剣な表情の夜空に小鷹は一瞬たじろく。
「小鷹…… お前も男だろう? だったらカンニングの一つもできないでどうする」
「そんな、喧嘩の一つでも、みたいな言い方されても困るっつーの!」
小鷹がツッコムと制服を改造しまくりフリフリのスカートをはいた金髪ツインテールの美少女、理子が笑いながら、
「大丈夫だよ小鷹~、手のひらに『バレ』って書いて三回飲み込んだら絶対にバレないから!」
とグーサインを向けて言った。
「いや、初耳だよ、そんなおまじない! てか、ねーよ、そんなおまじない!」
すると今度は横寺が立ち上がり、
「だったら左手に『ムラ』、右手に『ムラ』と書くんだ! そうするとあーら不思議!」
横寺は両手のひらをこちらに向け、
「ムラムラとなります!」
「当たり前だろ! 何がしたいんだよ、お前は!」
「おい、羽瀬川ぁ」
突然下の方から声がすると思ったら宴が鋭い目で睨む宴が立っていた。
あまりにも小さく小鷹は直ぐには気づけなかったが、いたんですか、などと口には出さない。
ボコボコにされること間違いないからだ。
「羽瀬川、腹くくったらどうだ? 補習嫌だろ、お前も。あたしも給料カットされたくねーし」
宴は両目を閉じ腕を組ながら言う。
真面目な事を言っているように見えて教育者として失格な発言だ。
しかし宴の言葉に同調しクラス中から声がかかる。
小鷹! 小鷹君! 鷹君! やろうよ! 羽瀬川! ハッセー! そうだぜ小鷹! 鷹ちん!
「いやいや、おかしいだろ! カンニングだぞ! しかも担任が率先してやろうなんてさぁ」
小鷹は言いつのったが、クラス中の鷹君コールが鳴りやむ気配は全く見られない。
なんだよこのクラスは……
小鷹が思わず唖然としていると、白髪美少女、椎名ましろが、勢いよく音をたてながら立ち上がった。
「小鷹!」
「し、椎名?」
「小鷹…… やろうよ、カンニング!」
「え…… うぇぇ!?」
小鷹は、ましろの発言に声を張り上げらほどに驚いた。
当然だろう。椎名ましろは純真無垢であり、悪意という言葉が全く不釣り合いな少女なのだ。
このZ組においては珍しい、そんな彼女がカンニングしようなどと言うのには流石に驚きを隠せない。
いったいどういうことだ! なんで椎名まで!
あ、そうか。椎名はこういう一つになろう的な雰囲気に騙されてしまったんだ。あれ? でも本当にそうか? なんかわからなくなってきた!
頭を抱え混乱する小鷹に、
「いいじゃんよ、カンニングしようぜ、鷹ちん~!」
と銀時が業を煮やし怒鳴った。
「いや、さっきもいましたけど鷹ちんって、なんすか!」
「んなことりよも、どうすんだ?」
銀時は相変わらずカンニングを率先してくる。
どうするかと悩んでいると小鷹は仲間からも期待の眼差しを受けているのに気づいた。
な、なんだろう…… この妙にキラキラと輝かせた連中は。
戸惑う小鷹だったが、この場の空気に逆らう事が出来ず大きく溜め息をつくと、
「だー、もう! わかりましたよ! やりますよ、カンニング!」
とついに折れてしまった。
その様子を見て満足した銀時は一度、よし! と頷くと生徒全員に顔を向ける。
「お前ら…… カンニング作戦開始だ!」
「「「「「「うおぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」」
決戦を向かう兵士の様な雄叫びがZ組に響く中、小鷹は涙を流していた。
「もう…… やだ!」
★
「つーわけで、カンニングだ。なんか案だせよ」
担任の問いかけにクラス中がウームとシンキングタイムに入った。
カンニングという行為じたいは簡単なのだが、これが中々いい案がでない。
個人で行うならば消しゴムに答えを書いたり筆箱に隠したりと手口は様々だが、今回の場合はクラス全員が良い点を取らなければならないのだ。
ならば全員が情報を共有できる方法を探さなければならない。
十分ほどたつと横寺が挙手した。
「先生、こういうのはどうでしょう」
「言ってみろ」
「ローションを使うんです。ローションで黒板に答えを書いておく。で、それをテストが始まる前に拭き取っておく。すると、こう、なんか光の加減でテラテラ光って、いい感じに見えると思います」
「ほかねーか? ほか」
銀時は一瞬で目をそらした。
「もう却下ですか! 少しは検討してくれてもいいんじゃないですか!」
横寺が不服そうに黙ると、今度は理子が立ち上がる。
「ギー君! ギー君! だったら試験開始直後に試験管の体に爆弾を取り付けて答えを言わなければ爆発するとーー」
「ほかねーか、ほか」
「銀時っち! じゃあこれはどう?」
ど今度は謳歌だ。
「UOG特性の薬、一度飲んだら永遠に本音を言わせ続ける、ショウジキンを試験管に飲ませて答えをーー」
「ほかねーか、ほか」
「先生!」
の勢いよく立ち上がる千和。
「全員が手話教室で手話をマスターするっていうのはどう? それで答えを教えあえばーー」
「ほかねーか、ほか」
「先生! 私、いい案がありますよ!」
「ショコラか。なんかやけに自信満々だな、言ってみろ」
「まずですね! チョコレートを教室の外に仕掛けておきます! それに試験管がつられている間にカンニングを行うんです!」
「そうかー、チョコレートを餌にするのかー、うんうん。誰かほかない?」
銀時はやはり目をそらした。
しかしその後もマトモな意見が出る様子もない。
銀時は深く溜め息をつき、
「お前らよー、もっとマシな案はねえのか。このままじゃカンニングなんてできねーぞ」
銀時に言われ小鷹は、ふとあることに気づいた。
カンニングの方法を考えるものいいが、何か重要な事を忘れているのではないかと。
「あの、先生。ちょっといいですか?」
「なんだよ、羽瀬川。いい案でも思いついたか?」
「いや、そうじゃなくて思ったんですけど、カンニングってテストの答えがあらかじめわかっててやるじゃないですか、例えばですけど数学の公式とか英語の構文とか何処かに書いて隠してそれを見るじゃないですか。でも俺達は八十点以上取らなければいけない。ですが取るためだったらそんな二、三問解けるような答えじゃ無理なわけですよ。でもその答えを何処で手に入れるんですか? ていうか俺達はなんの教科をカンニングするんですか? それを考えないと意味がない気がするんですけど」
小鷹の長セリフにZ組の主にババロア脳ミソのメンバーはポカンと口を開ける。
「俺の言っている事わかる?」
小鷹が不安そうに周囲を見ていると銀時が口を開いた。
「や、あのさ小鷹君さ。要するにカンニングするのら、まずテストの答えを手に入れろと」
「そうです」
小鷹は当然と頷く。
「んで、どの科目にするか決めろと」
「当然です」
「や、でもさ、テストの答えなんて入手できねーぞ」
「え? 銀時先生や道楽先生は問題作らないんですか? 先生が国語のテストを作るのなら全て解決なんですど」
「いや、そういうのは、ツッコミやボケと縁のないノーマルな先生のやることだから」
「先生、それ自分達の事をアブノーマルですって言ってる事と同じですよ」
しばらく黙ってしまった銀時が再び口を開いた。
「えーと、つーことは俺達、カンニングてまきねーの?」
「あー、そういうことになりますね」
顎に手をあてながら小鷹は言った。
「そーか、そーか、できねーのか。…… ってふざけんじゃねえぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
銀時の叫びを筆頭に、カンニングが出来ないという事実を突きつけられた生徒達はにわかに騒ぎだし小鷹を吊るし上げにかかった。
ぶざけんなよ、ツリ目! 俺らの夢を壊しやがって! うるせーよ! てか何で俺が責められてんだ! 黙れプリン頭! ププププププププリン頭ぁ!? 誰だ! 今言ったの誰だぁ!
といった具合にもめ始めたZ組。
その様子を映像越しに見ていた校長、ハタは、黒幕顔で笑っていた。
「ホッホッホッ、ま、こうなるとは思っていたぞ」
「もう完全に悪役じゃん、お前」
教頭はタメ口で言った。
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