歓楽街の帝王の再転生   作:色々残念

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なんとか書けたので更新します


ダイの大冒険編その2 家族

ドラゴンから入手した素材を使って、完全不壊は付与していないが高品質な武器や防具を作成し、立ち寄った商店に売り捌いて、それなりに高額なゴールドを入手。

 

入手したゴールドで数日分の食料や、薬草などの買い出しをする為に俺1人でカール王国に立ち寄ったが、どうやら魔王軍の魔の手はカール王国にも迫っていたみたいだ。

 

町にある商店で食料と薬草を購入したところで、カール王国の町に攻め込んでくる魔王軍の軍勢。

 

アバンの母国であるカール王国には最強と言われたカール騎士団が存在しているようで、魔王軍の奇襲に怯まずに戦い始めたカール騎士団。

 

魔王軍はカール騎士団を物量で押し潰すつもりらしく、獣系の魔物やさまようよろいなどが大量に押し寄せてくるカール王国の町は乱戦状態となった。

 

それでもカール騎士団は最強と言われるだけはあり、誰1人として脱落することなく魔王軍の軍勢に抗っていく。

 

此方は此方で襲いかかってくる魔物達を斬り伏せて道を斬り開きながら移動していたところだったが、魔王軍の軍勢を率いている将とも言うべき存在を2体ほど発見。

 

獣系の魔物を率いる1体は斧を持つミノタウロスのような魔物であり、さまようよろいなどを率いていたもう1体は両肩に盾を装着したリビングアーマーであるようだ。

 

片腕に食料や薬草が入った大袋を抱えた状態で、もう片方の腕に握った長剣を振るって魔物達を斬り裂いて進み、斧を持つミノタウロスの方に向かってみる。

 

前の世界のミノタウロスよりは強そうだが、間違いなく父やラーハルトよりも弱いのは間違いない。

 

荷物を片腕に持ったままでも勝てそうな相手だと判断して、そのままミノタウロスのような魔物と戦おうとすると、若干怒った様子の魔物が話しかけてきた。

 

「片腕でこの百獣将軍ザングレイを相手にするつもりか!貴様などザンバーアックスで叩き斬ってくれるわ!」

 

ミノタウロスのような魔物は、やはり魔王軍の将軍でザングレイという名前のようで、武器の作りからして手斧と槍に分離させることが可能なザンバーアックスとやらを振り下ろしてくる。

 

怒りのままに振り下ろされた戦斧を後方に跳躍して避けると、戦斧を分離させて手斧と槍を装備した百獣将軍が繰り出す槍による刺突。

 

此方の胸部を狙って放たれた槍による突きを、軽やかに槍の長柄に飛び乗ることで回避するだけではなく、長柄の上を疾走して接近し、片手に持つ長剣で斬撃を叩き込む。

 

斬れ味の鋭い長剣は、すんなりと百獣将軍の外皮と頭蓋骨を斬り裂いていき、頭頂部から身体を真っ二つに両断すると絶命した百獣将軍。

 

手斧と槍に分離する戦斧は、店売りの並みの武器よりかは良い武器であるが、欲しいと思うほどの武器ではないな。

 

戦斧を回収することなく放置して、戦場となっているカール王国の町で魔物を斬りながら移動し、もう1体の魔王軍の将らしきリビングアーマーが居る場所に向かう。

 

向かった先で既に始まっていたリビングアーマーとカール騎士団の戦い。

 

両肩の盾をブーメランのように扱ってカール騎士団を攻撃していたリビングアーマーは、カール騎士団から繰り出された攻撃が直撃しても、傷1つ付かない鎧の身体を持つ。

 

あのリビングアーマーが、単なるさまようよろいよりも頑丈なのは間違いないようだ。

 

カール騎士団の団長らしきホルキンスと呼ばれた男性が繰り出した「豪破一刀」という技すらも、リビングアーマーは鎧の身体を分離させて避ける。

 

分離させた身体を合体させて、再び両肩の盾で攻撃するリビングアーマーに翻弄されているカール騎士団。

 

カール騎士団がリビングアーマーを倒せるようなら手を出すつもりは無かったが、手こずっているみたいなので、手早く倒して立ち去っておくとしよう。

 

分離が追いつかない程の速度で動いて、リビングアーマーを長剣で斬り刻み、鎧の身体を完全にバラバラにすると、欠片になった鎧が動くことはない。

 

カール騎士団の面々に俺が何者か聞かれる前に、さっさとルーラで移動して離脱しておき、戻ってきた拠点で食料と薬草が入った大袋を母の近くに置く。

 

「とりあえず数日分の食料と念の為の薬草は買ってきたよ母さん」

 

「ありがとう、ソル。これで、しばらくは大丈夫そうね」

 

笑顔で袋を開けた母は俺が買ってきた食料を使って、さっそく料理を作るつもりのようだ。

 

母が作る料理は美味しいので、家族全員が母の料理の完成を楽しみに待ち、数十分後に出来上がった料理を家族全員で食べる。

 

母の料理を美味しそうに食べながら、美味しい料理を作ってくれた母を褒めていく父は、母を褒める時は饒舌になるらしい。

 

いまだに暇さえあれば新婚夫婦並みにイチャついている父と母の仲が悪くないのは、きっと良いことだろう。

 

家族全員の団欒に、いずれディーノも加わってもらいたいところだが、まずはこの世界の何処かに居るディーノを見付けなければいけないな。

 

家族全員で世界中にある様々な島を巡ってきたが、そういえばまだ行ったことがない島があった筈だ。

 

確かデルムリン島という名前の島だったが、どんな島であるかは行ってみなければわからない。

 

という訳で俺がラーハルトを背負い、父が母をお姫様抱っこした状態でトベルーラを使って、ロモス王国のあるラインリバー大陸から南に進んでデルムリン島にまで空を飛んで向かう。

 

家族全員で到着したデルムリン島には、島全体に破邪の呪文であるマホカトールが使われていると父が言っていたが、ここまで大規模のマホカトールを使える相手は限られているそうだ。

 

デルムリン島には魔物達が大勢居たが、邪を退けるマホカトールの呪文によって島の魔物達は正気を保っているようで、此方に襲いかかってくることもない。

 

この島は魔物達だけが居る島かと思っていると、騎士らしき人間達が2人ほど警戒した様子で近寄ってきた。

 

「デルムリン島へ何用ですかな?」

 

警戒しながらも2人の内1人が問いかけてきた言葉に「生き別れた家族を探していてな」と返答して、詳しい話を説明してみると「もしや」と言っていた2人には何かしら思い当たることがあったみたいだ。

 

その後、2人に連れられてきた魔物のブラスさんが持っているゆりかごには、頭文字のD以外が削れてしまった名札が付いていた。

 

「それは間違いなくディーノのゆりかご!」

 

「ディーノは、今何処に!」

 

凄まじい剣幕で父と母がブラスさんに詰め寄ろうとしたので、左右の手で父と母の肩を掴んで「とりあえず父さんと母さんは一旦落ち着こうか」と制止しておくと、なんとか落ち着きを取り戻した俺の両親。

 

それからブラスさんに詳しい話を聞いてみたが、ディーノは名札に残った頭文字のDからダイという名前を名付けられてブラスさんに育てられてきた。

 

成長したダイは今では勇者ダイと言われるようになっているらしく、そう呼ばれるまでの間に魔王軍によってブラスさんが狙われることもあったそうだ。

 

騎士らしき存在は実際にロモスの騎士であり、今後も魔王軍に狙われる可能性があるブラスさんを護衛する為にデルムリン島に常駐していたからこそ、島に訪れた此方を騎士達は警戒していたようである。

 

ロモスやパプニカで魔王軍の軍団長や将軍を倒した勇者ダイ一行は、現在は復興中のパプニカ王国に滞在中であるらしい。

 

とりあえず両親とラーハルトには先にルーラでパプニカに向かってもらい、俺はブラスさんと少し話すことにした。

 

本当は俺も今すぐルーラでパプニカに向かいたいところだったが、これまでディーノを育ててくれたブラスさんに、何かお礼をしておきたいと思ったからだ。

 

何か困っていることがないかブラスさんに聞いてみると、料理に使う包丁の斬れ味が悪くなっているようで、新しい包丁が欲しいと言っていたブラスさん。

 

「これでも鍛治師なんで、ちょっとルーラで拠点まで行ってから、新しい包丁を1本打って戻ってきますよブラスさん」

 

「おお、ありがたい。助かりますじゃ」

 

拠点までルーラで戻り、魔物の素材を使わずに頑丈で斬れ味の良い包丁を1本作成すると、デルムリン島にルーラで戻る。

 

「包丁が完成しましたよ、どうぞ受け取ってください」

 

完成した包丁を柄の方から差し出すと「わしの為に、こんな立派な包丁を」とブラスさんは驚いていた。

 

「ちょっと実際に使って試してみてください。リンゴも持ってきてますから」

 

そう言いながらリンゴもブラスさんに手渡してみると、新しい包丁でリンゴの皮剥きを始めたブラスさん。

 

「馴染む、実に馴染みますぞ。こんなにわしの手に馴染む包丁は初めてですじゃ」

 

見て計測したブラスさんの手に合わせて作成した包丁は、ブラスさんにとってとても扱い易い包丁であるようで、滑らかな動きで包丁を使うブラスさんは綺麗にリンゴの皮を剥いていた。

 

「気に入ってもらえたみたいで良かったですよ、それじゃ俺もそろそろ失礼しますね。これまで弟を育ててくれてありがとうございましたブラスさん」

 

デルムリン島を立ち去る前にブラスさんにしっかりと頭を下げて、兄としての感謝の言葉を伝えておく。

 

「ダイに、しっかりとした本来の名前があるなら今後は、わしもそちらで呼んだ方が良いですかな」

 

「いえ、今後も弟のことは貴方が考えてくれたダイという名前で呼んであげてください。いきなり本来の名前があると言われたら誰だって混乱しますからね」

 

「確かにダイなら混乱しそうですじゃ」

 

「それにブラスさんの優しい気持ちが込められたダイという名前は、とても良い名前だと思いますよ」

 

「ダイの本当のご家族の方にそう言ってもらえると、肩の荷が降りた気持ちになります」

 

「きっとダイにとっては、貴方も本当の家族だと思いますよブラスさん。血の繋がりだけが家族という訳ではないでしょう」

 

「しかし、わしは魔物で」

 

「育ての親という言葉があります。魔物だろうが何だろうが、これまでダイを育ててきた貴方は、ダイにとって大切な家族ですよ。それでは今度こそ失礼しますね」

 

伝えたいことは全てブラスさんに伝えたので、俺はルーラを用いてパプニカに向かうことにした。

 

到着した復興中のパプニカ王国で勇者ダイについて聞き込みをしてみると、どうやら勇者ダイと魔法使いポップにパプニカの姫は防具を整える為、ベンガーナのデパートに向かったらしい。

 

入れ違いになってしまったが、ベンガーナのデパートという目的地が分かっているなら弟を見つけるのは難しく無さそうだ。




ちなみに今回主人公にバラバラにされたリビングアーマーは、魔影将軍ダブルドーラというやたら頑丈な敵で、ヒュンケルのブラッディースクライドが直撃しても平気な強度を持つ、ダイの大冒険の映画に登場した6将軍の内1体になります
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