歓楽街の帝王の再転生   作:色々残念

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思い付いたので更新します
今回は4600文字になりましたが、一応この話で幽☆遊☆白書編は完結となりますね
次回から、また別の世界の話となっていきます


幽☆遊☆白書編その4、魔界で1番強いやつ

飯を食べたら雷禅や浦飯と戦って、また飯を食べてという生活を続けていたら、雷禅の国にまで現れた来客達。

 

どうやら来客達は雷禅の大昔のケンカ友達だったようで、全員今までは田舎で過ごしていたらしいが、雷禅の妖力が完全に復活したことに気付いて、また雷禅とケンカしたいと思って雷禅の国までやってきたみたいだ。

 

しばらく戦っていなくて錆び付いた身体とは言っていたが、雷禅のケンカ友達が試しに放出した妖力は、黄泉と同等かそれ以上はある。

 

そんな存在が一気に増えた雷禅の国は、トップである雷禅以外の戦力も充実していた。

 

雷禅や浦飯以外にも雷禅のケンカ友達という戦う相手が増えて、ほぼ毎日誰かと戦っていたが、お陰で俺が更に強くなれたことは確かだ。

 

戦いと鍛練を積み重ねて増大した霊力は、数値で言うなら黄泉の妖力の倍程度には到達したが、それでもまだ雷禅には届かない。

 

雷禅という高い壁に挑戦する日々を、何だかんだで俺も楽しんでいた。

 

トーナメント形式で雷禅達と戦ってみたりもしていると、何かを思い付いた顔をした浦飯が雷禅と内緒話をしていたが、大笑いした雷禅は「面白れえな、やってみるか」と言うと、魔界で1番強いやつを決めるトーナメントを開催することを決めたようだ。

 

「ただのケンカがしてえ」という浦飯の発想から、それを実現できる国力を持つ雷禅が開催するトーナメント。

 

参加したいなら誰でも自由なトーナメントには、雷禅の関係者以外は参加しないのではないかと考えていたが、どうやら思っていたよりも「ただのケンカがしたい」と思っていた相手は多かったようだ。

 

トーナメントに参加を希望するのは躯やその部下以外にも飛影に、黄泉と蔵馬だけではなく、暗黒武術会で浦飯達のチームと戦った面々の姿もある。

 

開催が決まっても実際にトーナメントが行われるのは、試合会場の準備もあって1ヶ月後となり、それまでの間に結構集まった参加希望者達。

 

1ヶ月の間、ひたすら雷禅と戦っていた俺は、更なる高みに辿り着くことができて、雷禅ともいい勝負ができるようにはなってきていたが、それでもまだ本気の雷禅には敵わない。

 

戦いの日々も過ぎ去り、ついに迎えたトーナメント開催当日。

 

トーナメントが開催される会場に集まった参加者達は、それぞれが会話したりもしていたが、やはり実力が段違いな雷禅が凄まじく注目されていたな。

 

圧倒的な妖力を持つ雷禅は、黄泉や躯と比べても格が違う。

 

そんな雷禅を見ても敵意ではなく戦意を向けていた子連れの黄泉は、憑き物が落ちたようなスッキリとした顔をしており、野心を抱いているとは思えないような姿を見せていたのは確かだ。

 

結構集まったトーナメントの参加者達は、予選を戦うことになり、勝ち抜いていった参加者達の中には雷禅やそのケンカ友達も含まれている。

 

雷禅や浦飯から誘われてトーナメントに参加していた俺は、他の妖怪達が襲いかかってくる前に腕を振るい、巻き起こした風圧で俺以外の全員を吹き飛ばして場外送りにしておき、手早く予選の戦いを終わらせた。

 

予選の戦いで、楽しそうに戦っていたのは浦飯と黄泉の息子である修羅であり、しばらく戦い続けていた浦飯と修羅。

 

互いに渾身の一撃で勝負を決めることにしたようで、浦飯の霊丸が修羅の特大魔円咬という技を貫いて、決着となった戦い。

 

予選での浦飯と修羅の戦いは、浦飯の勝利で終わったが、負けた修羅も悔いは無さそうだった。

 

それから予選を勝ち抜いた面々が行うトーナメントの本選が始まり、勝ち進んでいくのは実力がある者達だけという戦いが続く。

 

浦飯は黄泉と激しい肉弾戦を繰り広げており、60時間もの長時間戦い続けていたが、全く疲れる様子を見せない両者。

 

流石に長いんで休憩室で休憩していた俺に近寄ってきた雷禅が「林道、腹減った」と言ってきた。

 

雷禅の飯をいつも俺が作っていたせいか、腹が減ると俺に飯を用意させるようになった雷禅。

 

とりあえず雷禅には、手早く焼いたソーセージとハムエッグに白飯を渡しておき、それを雷禅が食べている間にハンバーグや豚肉のしょうが焼きに鶏の唐揚げなどを大量に作成。

 

スキル【自在金属】の金属操作で宙に浮かせた鉄製鍋やフライパンの温度すらも操り、焼いたり揚げたりの適性温度を保ちながら、作成していく料理の数々。

 

いつの間にか雷禅のケンカ友達まで料理の完成を待っていて、雷禅以外にも料理を作成しなくてはいけなくなったが、大量に料理を作るのには慣れているんで、問題なく全員分が用意できた。

 

酒まで持ち込んでいた雷禅のケンカ友達数名は、浦飯の戦いを観戦しながら雷禅と一緒に宴会を始めたりもしていたが、出した料理は残さず食べてくれるんで、俺としては文句はない。

 

90時間が経過してようやく決着となった浦飯と黄泉の戦いは、浦飯の粘り勝ちというものになる。

 

長時間の戦いの中で成長を続けていた浦飯が黄泉を上回ったことが、浦飯の勝因だったようだ。

 

次はようやく俺の出番が来たが、俺の相手は雷禅のケンカ友達である煙鬼となった。

 

浦飯の戦いに触発されたのか肉弾戦を誘ってきた煙鬼に対し、真正面から霊力を高めて突撃した俺に、楽しげな笑みを浮かべた煙鬼。

 

雷禅のケンカ友達だけあってケンカが大好きな煙鬼を相手に、小細工抜きで殴り合いを始めた俺は、霊力と打撃の力を合わせた霊撃を煙鬼へと叩き込み続けた。

 

霊力と妖力、それぞれ異なる力を込めた互いの拳を相手に打ち込み続ける俺と煙鬼は、拳を繰り出すことを止めることはない。

 

ボロボロになっていく煙鬼とは対照的に、ほぼ無傷である俺の霊力は雷禅との戦いで凄まじく強化されていたみたいだ。

 

右腕に渾身の全妖力を集めた煙鬼が放つ拳を、高めた霊力を集中した片手で受け止め、もう片方の手で繰り出した拳打が決着の一撃となる。

 

煙鬼に勝利した俺は順調に勝ち進んで決勝を戦うことになったが、決勝戦の相手は、やはり雷禅だった。

 

決勝の舞台となる闘技場で対峙している最中、雷禅が口を開く。

 

「オレは、お前に本気で殴られても、そう簡単には死なねえ。遠慮せずに全力で来いよ林道」

 

本気で殴られても死なないから全力で来いと俺に言ってくれた雷禅。

 

その言葉に、今回だけは甘えておくとしよう。

 

まずはスキル【竜紋章】の出番だ。

 

前前世の父バランと弟のダイから、受け継いでいた2つの竜の紋章。

 

家族から受け継いだ2つの竜の紋章は両手の甲、額に輝くのは俺自身の竜の紋章、合計3つの竜の紋章の力を高めていき、竜魔人へと姿を変えた俺の両手に輝くのは双竜紋。

 

竜魔人と双竜紋の両立が可能となったのは、バランとダイから受け継いだ竜の紋章があったからだろう。

 

次は霊光波動拳によって高めた霊力を、聖光気と共鳴させて、更に聖光気を強化していく。

 

そうして聖光気と竜闘気を組み合わせた闘気を高めて作り出した気鋼闘衣には、まるで竜鱗のような紋様が浮かび、物質化した闘気が竜頭を模したような籠手へと変貌して両腕を覆っていた。

 

「【星屑よ】【その輝きを示せ】【放つ光は星の息吹】【進むべき道を切り開く道標となれ】【覆す力を】【折れぬ心を】【立ち上がる強さを】【星屑の輝きは宿す】【最果てに至る時】【鮮烈な光と共に限界を越えよ】【我が全身全霊を持って輝きと成す】【星の光よ降り注げ】」

 

更に唱えるのは超絶強化魔法の詠唱。

 

「【スターダスト・オーバーリミット】」

 

発動した超絶強化魔法の強化対象は、当然俺だ。

 

竜魔人と双竜紋に竜闘気、霊光波動拳の霊力と聖光気、そして超絶強化魔法による強化、今出せる俺のありったけの力を集約し、全力で戦う準備を終えた俺は、ワクワクした楽しげな様子を隠せていない雷禅に言う。

 

「待たせたな雷禅」

 

「来いよ林道、楽しもうぜ!」

 

手招きする雷禅へと踏み込んだ俺は、竜頭のような闘気の籠手に覆われた拳を雷禅へと放ち、喰らわせた一撃。

 

雷禅の妖力のガードを貫いた俺の拳が雷禅の腹部へと叩き込まれると同時に、雷禅の拳も俺の頬に打ち込まれていた。

 

互いに両足で闘技場を削りながら、後退した俺と雷禅の身体。

 

打ち込んだ拳の威力も、互いが受けたダメージも互角。

 

真正面から堂々と、駆け引きも小細工も無く、間合いを詰める俺と雷禅。

 

肉弾戦を好んでいる雷禅は殴り合いをご所望であるらしい。

 

始まるのは真正面からの殴り合いであり、互いに全力の拳を相手に叩き込むことだけ考えて、拳を打ち放つ。

 

闘気と妖気、それぞれ違う気を纏う拳が連続して放たれていき、俺と雷禅の身体に互いの打撃が直撃していった。

 

加減することなく全力で殴り合える相手とケンカできていることが楽しいと思う気持ちは、俺にもあったようで、自然と顔には笑みが浮かんだ。

 

雷禅も楽しげに笑っていて、このケンカを楽しんでいるのは間違いない。

 

それでも楽しい時間には終わりが来るもので、互いにボロボロになっていた俺と雷禅は、最後の一撃を繰り出す。

 

正真正銘の全力で放った俺と雷禅の拳は互いの頬に叩き込まれる形となった。

 

相討ちのような状態となり、俺と雷禅は崩れ落ちるように倒れそうになったが、俺だけは1歩前に足を踏み出して倒れることを堪える。

 

雷禅だけが倒れたところで、拳を天に突き上げるように掲げた俺の勝利となった決勝戦。

 

魔界でケンカが1番強いやつを決めるトーナメントで、俺が優勝するという結果に終わり、ギリギリで雷禅に勝利した俺は、Lv13にランクアップ出来るようになっていた。

 

とりあえずランクアップして、雷禅と俺の身体を魔法で治療しておき、魔界で行われたトーナメントの閉会式を俺が行うことになる。

 

人間である俺が優勝したことに、凄まじく驚いていた魔界の面々。

 

ちなみに俺が実力を示したことで人間に手を出そうと考えていた魔界の住人は、人間に手を出すのを止めたらしい。

 

それから人肉からしか栄養を摂れないような魔族達の中でも希望した者は、俺のスキル【肉体変化】で普通の食物でも栄養を補給出来るようにしておいたが、躯や黄泉と修羅までもが肉体変化を希望してきたことには驚いた。

 

人間を食べなくても生きていけるような身体になることを選んだ訳は、これからの魔界の未来を考えた結果だそうだ。

 

そんなことがあった日も過ぎ、人間界に戻った俺と浦飯は、しばらく穏やかに過ごしていて、ラーメンの屋台を始めた浦飯を手伝ってみたりもしていたが、霊界の過激派が起こした問題を解決することになる。

 

とりあえず霊界の兵器である異次元砲とやらは俺が【道具袋】のスキルを用いて異空間に収納しておき、浦飯達と協力して騒動は素早く終わらせておいた。

 

海に遊びに行くという浦飯達を見送り、俺がラーメンの屋台で仕込みの準備をしていると現れた雷禅。

 

気軽に魔界の魔族が人間界に来れるようになった今の世界なら、雷禅も人間界を訪れることもあるようだ。

 

「ご注文は?」

 

「腹一杯になるまでラーメン喰わせてくれ」

 

雷禅の注文通りに、腹一杯になるまでひたすらラーメンを用意していくと「喰った喰った」と雷禅は満足気に笑う。

 

「美味かった。これが代金な」

 

そう言って日本の紙幣で代金を支払った雷禅は「いずれまた魔界に来いよ林道。今度のケンカは負けねえぜ」と言うと俺に背を向けた。

 

立ち去ろうとする雷禅の背に「ああ、またケンカしようぜ雷禅」と伝えた俺は再戦を約束しておく。

 

さて、雷禅と約束したからには、魔界に行く準備をしておかなければいけない。

 

食料品を追加で購入しておかないといけないな、と考えながらも、俺の顔は楽しげな笑みを浮かべていた。




雷禅が開催したトーナメントは魔界の統一ではなく、単純に魔界で1番ケンカが強いやつを決めるトーナメントとなりました
ちなみに本作の浦飯がラーメン屋の屋台を始めた理由は、本作主人公の料理を手伝ってみて、料理が楽しいと思うようになっていたからですね
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