歓楽街の帝王の再転生   作:色々残念

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思い付いたので更新します
今回も3000文字なので短めになりました


トリコ編その3 畑の野菜

父が食義を教える食林寺の師範であるせいか、日々の生活の中で食義を学ぶこともあった千優は、食への感謝が強く、僅か数日で食義の奥義である食没を身に付けていた。

 

食へ感謝する才能があった千優は食義を身に付けるのも早かったが、食没すらも数日で身に付けられたのは、様々なものへの感謝をいつも忘れていなかったからだろうな。

 

農家として働く千優は命を育む職業にも凄まじく適性があったようで、大量に食事をして食没で蓄えたエネルギーを用いて土を操り、広大で肥沃な土地を作り出すことが可能な千優は、品質が良くて美味しい野菜を沢山作っている農家として有名になっているようだ。

 

かなりの栄養分を含む土で作られた千優の畑には、畑の小さな主と言われるミネラルミミズが何匹も生息していた。

 

ミネラルミミズは身体の99%が水分で構成されているミミズで、食事はせずに水だけを飲んで生活しているという変わった生物でもある。

 

飲んだ水がどんなに汚れていても体内で浄化することが可能なミネラルミミズが居る畑は、良質な水分が豊富となる為、汚染された水すらも浄化して土壌を再生してくれる有り難い存在であるミネラルミミズという生物。

 

栄養豊富な土地にしか生息しないミネラルミミズの捕獲レベルは1以下だが、土壌再生に役立つミネラルミミズは1匹6万円で取り引きされていたりもするらしい。

 

良質な水分と栄養豊富な土地によって育てられた千優の畑の野菜は、ベジタブルスカイの野菜すらも上回る美味さを持つようになっていた。

 

家族全員で千優の畑に行って野菜の収穫を手伝っていると、肥沃な土地で大きく育った通常のにんじんに混じっていたゴールドにんじんを発見。

 

しかもそれは特大の大きさであり、通常のゴールドにんじんは1本平均で200グラム程度だが、明らかにそれよりも重い特大ゴールドにんじん。

 

正確な重さを計ってみると1本で1キロもあって、およそ5倍の重さがあるようだ。

 

しかもその特大ゴールドにんじんは1本だけではなく何本もあり、数えてみると合計で30本もあった。

 

にんじんを育てているとごく稀にできる光輝くにんじんこそが、ゴールドにんじん。

 

ゴールドにんじんの身は柔らかくジューシーで、甘味が強く糖度も高い。

 

希少価値も高いゴールドにんじんの野菜ジュースは、高値で取り引きされているようである

 

1本200グラムで価格が7000円となるゴールドにんじんは、野菜としてはかなりの高額だ。

 

そんな希少なゴールドにんじんが特大サイズにまで育ったものは、どんな味がするのかが気になった俺は、千優から許可を取ってから貰った1本の特大ゴールドニンジンを包丁で切り、野菜スティックへと加工したものを食べてみた。

 

特大ゴールドにんじんも柔らかくジューシーなところは変わらないが、甘味が更に強くなっており、完熟した糖度の高いフルーツ並みの甘さを持っていた特大ゴールドにんじん。

 

これは生のまま野菜スティックとして食べても美味しいが、他の野菜も加えて丸ごと野菜ジュースにしても美味しくいただけるかもしれない。

 

俺が用意した特大ゴールドにんじんの野菜スティックを食べた母もそう思ったようで、千優から譲ってもらった3本の特大ゴールドにんじんは、全て野菜ジュースにするつもりのようだ。

 

残った特大ゴールドにんじんは、グルメ中央卸売市場で売り出してみるそうで、世界中からありとあらゆるグルメ食材が集まるワールドキッチンとも呼ばれる市場に生産者として参加している千優は、かなり名の知られた農家となっている。

 

千優がいつもワールドキッチンに卸している野菜は、即日に即完売する程に大人気であるらしい。

 

特大ゴールドにんじんも即座に完売したようで、後日、IGOからゴールドにんじんの新たな品種としての登録を頼まれたりもした特大ゴールドにんじん。

 

栄養満点な土が豊富な千優の畑であれば、特大ゴールドにんじんも安定して供給することが可能であるそうだ。

 

千優の畑では、にんじんだけを育てている訳ではなく、他にも様々な野菜を育てているが、トウモロコシも育てている千優。

 

ちなみに普通のトウモロコシ畑に10年に1度、1本だけ実るという骨つきコーンを千優の畑では年中数本見かけるので、10年分並みの養分が無ければ実らない骨つきコーンが頻繁に実る千優の畑は、栄養分が凄まじく豊富なのは間違いない。

 

骨つきコーンは生のまま食しても濃厚な旨味を充分に堪能することができるが、軽く火を通すことで香ばしさが増し、ジューシーな甘味が溢れ出して堪らない味わいとなるコーンだ。

 

骨つきコーンに醤油バッタの熟成醤油を使って作った特製タレを塗って焼いた焼き骨つきコーンは、家族全員が大好きな食べ物で、骨つきコーンが安定して収穫できるようになってからは、いつも千優に頼まれて俺が作っている。

 

ベジタブルスカイにも負けない千優の畑は、珍しい野菜が頻繁に収穫できる特別な畑となっていて、いつしか人々に「地上の楽園」とまで言われるようにまでなっていた。

 

かなり有名になった「地上の楽園」に、侵入して野菜を盗んでいこうと考える不届き者も現れるようになり、困っていた千優。

 

そんな千優の為に番犬ならぬ番獣として、俺が手懐けた変わり者な般若パンダに千優の畑を守らせることにすると、凄まじく減った畑への侵入者。

 

捕獲レベルが80もある般若パンダに勝てるようなら、普通に美食屋として働ける実力があるので、実力がある悪人以外には狙われることがなくなった千優の畑。

 

捕獲レベル80の般若パンダは、通常では肥沃な高原に住まう肉食のパンダである。

 

しかし俺が手懐けた変わり者の般若パンダの「ダン」は、捕獲レベルが通常の般若パンダよりも70程も高く、捕獲レベル150の実力があるが、何故か野菜だけしか食べることはない。

 

その分ダンは大量の野菜を食べるが、千優の広大な畑で収穫できる凄まじい数の野菜なら、旺盛な食欲があるダンの食事を賄っても何の問題もないようだ。

 

毎日美味い野菜を食べていた変わり者な般若パンダのダンは、更に細胞が進化して成長しており、捕獲レベルが150から250にまで上がっていたが、まだまだ強くなりそうではある。

 

人間界では勝てる存在が限られていそうなダンは、通常の般若パンダよりも遥かに強くなっていた。

 

グルメ細胞を宿した生物が美味い食材を食べれば強くなることは、人も獣も変わらないのかもしれない。

 

千優の畑の守りをダンに任せて、美食屋として働きながらも料理人の修行をしていた俺は、食林寺の師範である父からの紹介で、研ぎ師メルクという包丁職人と会うことになったが、声が物凄く小さい大柄な男性のメルク。

 

なんとか俺なら聞き取れるが、俺以外の人は声が聞こえないんじゃないかと考えた俺は、装着者の声を大きくする効果を付与したネックレスを手早く作成してメルクにプレゼントしておいた。

 

そんな俺の鍛冶仕事を見ていたメルクは、俺が自作した包丁にも興味を持ったようで「千利の自作したという包丁を見せてくれんか」と言ってくる。

 

見せる程度なら問題ないかと考えて、自作した包丁をメルクに見せてみると「これは、魂が宿ったとてもいい包丁じゃが、おぬしの為だけにある包丁じゃな。おぬし以外が使っても真の力は発揮できんじゃろう」とメルクは言ったが、確かに俺だけに合うようにした包丁であることは確かだ。

 

包丁を見ただけでそこまで把握できるメルクも、1流の職人であるということだろう。




ちなみにまだ初代メルクは、2代目メルクとなる赤ん坊を拾ってはいません
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