歓楽街の帝王の再転生   作:色々残念

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なんとか思いついたので更新します
ちょっと今回はポップが可哀想かもしれません


ダイの大冒険編その3 竜の血

最も安全な国と呼ばれるベンガーナは、軍備、商業ともに発達した王国であり、世界一と言われる経済力で用意した豊富な武器と物資によって、魔王軍の進攻を防いでいる国である。

 

そんなベンガーナにルーラで移動した俺は、デパートがある街までトベルーラで空を飛んで向かったが、街はドラゴンの軍団によって襲撃を受けていた。

 

多頭竜であるヒドラを中心に、ドラゴンが20体ほど町を襲っており、町の上空を飛ぶスカイドラゴンに乗った鳥人の魔物がドラゴンの軍団に指示を出しているようだ。

 

「クハハハハッ!この超竜将軍ガルダンディーの手柄になりやがれ!」

 

高笑いしながらドラゴンの軍団にベンガーナの街を破壊させて、人々を襲わせようとする超竜将軍。

 

トベルーラの速度を上げて高速でスカイドラゴンに接近した俺は、長剣でスカイドラゴンの首を斬り落とし、超竜将軍の首に蹴りを叩き込んでおくと、千切れ飛んだ超竜将軍の首。

 

生物であるなら首と身体の繋がりを断たれてしまえば生きてはいられない。

 

ドラゴンの軍団に指示を出していた頭目は倒したが、まだまだドラゴンの軍団は残っている。

 

ヒドラとドラゴンを倒しておこうかと思っていると、俺より先にヒドラと戦い始めた少年が居た。

 

少年が持っている剣は、俺がアバンに渡した「メタルスライムの剣」であり、あの剣なら鉄よりも硬い身体を持つドラゴンすら斬り裂くことが可能だ。

 

剣でヒドラの首を斬り落としていく少年は、危うげなく戦っているので、此方は他のドラゴンを倒しておくとしよう。

 

トベルーラで移動しながら街に散らばっていたドラゴン達を倒していき、全てのドラゴンを素早く倒したところで、ヒドラと戦っていた少年がどうなったかを確認しに戻ってみた。

 

剣をヒドラに突き刺してライデインを放つ少年によって、ヒドラが倒されたことで終わった戦い。

 

魔法使いらしき青年が少年のことをダイと呼んでいたので、ヒドラと戦っていた少年が勇者ダイであったようだ。

 

ようやく弟を見付けることができたが、いきなり「きみは俺の弟だ」と言っても信じてもらえないかもしれないな。

 

何かしら血の繋がりを証明する証拠になるものがあればいいが、そんな都合の良いものは流石に持っていない。

 

とりあえず俺が作成してアバンに渡した剣をダイが持っている理由も気になるので、それを先に聞いてから、ダイと俺が家族であることを証明する方法を探してみよう。

 

「その剣は、俺が作ってアバンに渡したものだが。何故それをきみが持っているんだ?」

 

青年と女性の2人と話していたダイに近付いて、ダイの腰の鞘に納まった剣を指差し、剣の作成者が俺であることを明かしながら、気になっていたことをダイに聞いてみた。

 

「アバン先生の剣を作ったのがあんただって証拠は有るのかよ」

 

突然話しかけた俺からダイを庇うかのように身を乗り出して、疑うような顔で言ってきた魔法使いの青年。

 

「俺は鍛治師のソルというものだが、俺がアバンと出会っている証拠に、これを見せよう」

 

アバンから貰ったアバンのしるしを青年に見せると「ほ、本物だ」と驚いていた青年は「あんたもアバン先生の弟子なのか」と聞いてくる。

 

確かにアバンに教えは受けたので、俺がアバンの弟子であると言われても間違ってはいない。

 

「アバンから教わったアバン流刀殺法と槍殺法は全てマスターしているぞ。その証拠も見せようか」

 

逆手に持った俺の長剣を鞘に納めたまま軽めに闘気を集中して、上空に向けてアバンストラッシュを放つ。

 

「ヒュンケルでさえ使えなかった完成形のアバンストラッシュじゃねぇか!」

 

「俺のアバンストラッシュよりも何倍も凄いアバンストラッシュだ!」

 

空に放たれた俺のアバンストラッシュを見た青年とダイは驚きながらも、俺がアバンの教えを受けた存在だと納得してくれたようだ。

 

「俺がアバンと知り合いなのは理解してくれたみたいだから、そろそろアバンの剣をきみが持っている理由を教えてほしい」

 

「これは、アバン先生の形見なんだ。アバン先生は俺達を守る為にハドラーにメガンテを」

 

真剣な顔で答えたダイの言っている言葉が正しければアバンは、もう死んでいるらしい。

 

「そうか、剣は使われてこそ剣だ。形見だとしてもアバンなら「是非とも私の代わりにバンバン使っちゃってくださいね」って言うだろうし、そのまま使っておけば良いさ」

 

「確かにアバン先生なら、そんなことを言いそうだけど、この剣には今まで助けられてきたよ」

 

鉄よりも硬いヒドラを斬ろうと細かな刃こぼれすらもなく、輝く剣身を持つ「メタルスライムの剣」を、ダイは鞘から抜いて見せてくる。

 

「ふむ、その剣で激戦を潜り抜けてきたようだな。剣に刃こぼれは無いが、少し手入れした方が良さそうだぞ」

 

剣の剣身を確認してみると使い込まれていることが良く分かったが、アバンに渡した時よりも斬れ味が落ちているので、元の斬れ味に戻すには少し研ぎ直す必要がありそうだった。

 

「手入れってどうすればいいのかな。この剣は硬くて研いだりできないってパプニカやベンガーナの武器屋さんにも言われたけど」

 

明らかに困った顔をしたダイが言うには、俺がメタルスライムを素材に作成した頑丈な剣は、パプニカやベンガーナの武器屋では研いだりできないほどに頑丈過ぎたみたいだ。

 

「それならアバン先生の剣を作った人に手入れしてもらえば良いじゃねぇかダイ」

 

軽い調子で言いながら此方を見た青年に、頷いた俺は口を開く。

 

「剣の手入れは俺に任せてくれれば大丈夫だぞ。ついでにヒドラの素材を使って防具も作ってやろう」

 

「そいつはありがてえ。アバン先生の剣みたいな業物を作れるあんたなら、良い防具を作ってくれそうだ」

 

仲間であるダイの装備が整うことを自分のことのように喜んでいる青年は、悪い人間ではない。

 

先ほどダイが倒したヒドラから防具の素材として、牙に角や爪と鱗に皮膚を剥ぎ取って場所を移動。

 

それから持ち歩いている鍛治道具を使って、ダイが持つ剣を先に研いでおくことにした。

 

俺が剣を研いでいる姿を見るダイと青年に女性の3人は、真剣な顔で此方を見ていたな。

 

ちなみに青年の名前はポップで、女性の名前はレオナというそうで、この2人は勇者ダイの仲間で間違いないようだ。

 

しばらくして研ぎ終わった剣が斬れ味を完全に取り戻したので、一先ず手入れはこれで完了だろう。

 

「終わったぞ、ダイ」

 

「ありがとうソルさん」

 

手入れが完了した剣を鞘に納めて差し出すと、感謝して受け取ったダイ。

 

「防具は拠点にしている場所にある工房で作るから、剣を研ぐよりも時間がかかるぞ」

 

防具が完成するまで、それなりに時間がかかることを正直に伝えておくと、悩んでいる様子のダイ達3人。

 

「そうなんだ。どうしよう、完成するまでパプニカに戻ろうかな」

 

「今すぐパプニカに戻るのは止めておきましょう」

 

「まあ、姫さんは怒られるだろうな」

 

パプニカの姫はパプニカで何をしたんだとは思ったが、根掘り葉掘り聞いたりはしない。

 

防具が完成したらどうするかを話し合っていると、此方に近付いてきた占い師らしき老婆と女性の2人。

 

「竜の騎士について、あんた達に教えた方が良いって占いの結果に出たんだけど、興味はあるかい」

 

そう言った老婆は、どうやら竜の騎士について知っているようだ。

 

竜の紋章について老婆が話すとポップとレオナが反応し、時おりダイの額に竜のような紋章が出ることを伝えると驚いた様子の老婆。

 

老婆の祖国に残る竜の騎士の伝承を知り、ダイ達3人は竜の騎士について詳しく知る為に、占い師である老婆と女性と共にテランに向かうつもりらしい。

 

しばらくテランに滞在すると決めたダイ達と占い師の2人。

 

防具が完成したらテランに運ぶことをダイ達に約束しておき、ルーラで拠点に戻った俺はダイ達の防具を作成していく。

 

数日後、ダイとポップにレオナの防具作成が完了し、動きを阻害しない軽量で頑丈な完全不壊の防具を持った俺はルーラでテランにまで向かった。

 

ダイ達の気配がする場所までトベルーラで飛ぶと激戦の跡が残る場所で、倒れているポップにすがり付いているダイが居たが、どうやらポップの心臓が止まってしまっているみたいだ。

 

「ポップ!目を開けてくれよ!死んじゃ駄目だ!」

 

涙を流すダイの近くで倒れているポップは動くことがない。

 

「どうして!デスカールに奪魂の呪法で奪われたポップくんの魂は取り戻したのに!」

 

倒れているポップを見て取り乱しているレオナは、完全に冷静さを失っている。

 

「恐らく、遅すぎたのだ」

 

ダイ達の仲間である傷だらけのリザードマンが、悔しげに身体を震わせながらそう言っていた。

 

「ポップ!クソォッ!」

 

同じくダイ達の仲間である白髪の戦士が、やりきれない怒りが込められた拳を地面に叩きつけていく。

 

流石にザオリクもザオラルも使えない俺では、ポップを生き返らせる為の呪文は使えない。

 

それでも父である竜の騎士から聞いた話によれば、竜の騎士が持つ竜の血には、死した相手を蘇らせる効果があるそうだ。

 

それが俺に出来るかは分からないが、やってみるしかないだろう。

 

倒れているポップに近付いた俺は、引き抜いた剣だけに闘気を纏わせて掌を浅く切って血を流す。

 

「俺の中の竜よ、力を貸してくれ」

 

そう言いながら竜の力を念じると、掌から流れる血が光輝き始めた。

 

輝きを放つ血液をポップの口に垂らして飲ませると、死んでいたポップの心臓が動き始めたようで、蘇ることができたポップ。

 

強い精神力を持つ者でなければ、竜の血でも蘇ることは出来ないと父は言っていたが、ポップは強い精神力を持ち合わせていたらしい。

 

それからリザードマンと白髪の戦士から名前を聞きながら魔法で治療していくと、クロコダインとヒュンケルは元魔王軍の軍団長であったようだ。

 

それでも今は一緒に戦う大事な仲間だとダイは言っていたので、俺から特に言うことはないだろう。

 

復活したポップの身体も治療しておいたので、ポップだけが1番元気そうにしていた。

 

竜の血の影響か、やたら元気なポップと様々なことを話して仲良くなったが、女性関係のことについてまで相談されることになってしまうとは、思ってもいなかったな。

 

一応元歓楽街の帝王としてアドバイスをしておき、ポップには時には強引さも必要であることと、女性を気持ち良くさせるキスのやり方も口頭で教えてみたりもした。

 

ダイ達に防具を渡し、テランの川に水を汲みに行ってから戻ってくると、ちょうどポップが見知らぬ女性と良い雰囲気になっていたが、相手は明らかにモシャスを使っているので本人ではない可能性が高い。

 

とりあえず油断しているポップを助けた方が良さそうだと思って近付こうとした瞬間、ポップがモシャスを使って女性に化けている相手に強引に熱烈なキスをする。

 

どうやらポップは、そっちの方面も才能が有ったようで、相手を完全に蕩けさせるキスが出来てしまっていた。

 

その結果、相手のモシャスが完全に解けて、メスの顔をする魔族の爺が現れたが、ポップは思わず「ザヴォエッ!!」とえずいて吐きそうになっていたな。

 

ファーストキスが女性にモシャスしてた魔族の爺になってしまったポップが物凄く可哀想だが、まだメスの顔をして蕩けている魔族の爺は敵で間違い無さそうだ。

 

さっさと殺しておこうと思った俺は、長剣で魔族の爺を脳天から幹竹割りにして倒しておく。

 

「ザボエラァァッ!この役立たずめがッ!」

 

吐き捨てるように言い放った長髪でオールバックの魔族が現れたが、ようやく吐き気が治まったポップが言うには、あの魔族こそがハドラーであるらしい。

 

「こうなれば俺1人で貴様らを焼き尽くしてくれるわッ!ベギラゴン!」

 

極大閃熱呪文であるベギラゴンを放つハドラーに対し、俺が放った海波斬はベギラゴンを斬り裂くだけではなく、ハドラーの両腕すらも斬り落とす。

 

しかし肝心のハドラーはキメラの翼で逃げ去っていたようだった。

 

「助かったぜ、ソルさん」

 

「ポップ、ザボエラとやらとのアレは、犬に噛まれたと思って忘れておけ」

 

「忘れようとしてたのに思い出させないでくれよッ!」

 

ファーストキスがとんでもないことになったポップの悲痛な叫びが、夜の空に響き渡る。

 

初めてのキスの相手がモシャスした魔族の爺とか、誰だって嫌だ。

 

まあ、無かったことにした方が良いことは世の中にはあるということだな。




ちなみにガルダンディーは原作だとバラン配下の竜騎衆の1人で、空戦騎となっています

奪魂の呪法を使うデスカールは、ダイの大冒険の映画に登場する6将軍の1体で、不死将軍ですが様々な技を使うことが可能でした

デスカールはフレイザードのフィンガーフレアボムズを両手で放つこともできます
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