今回も3000文字ですが、ついにトリコの原作の話に突入しますね
深海の珍味と呼ばれるフグ鯨の群れが、10年に1度の産卵の為に浅瀬にやって来るという情報が流れ、フグ鯨の捕獲に動く美食屋達。
美食鉄道に乗ってフグ鯨の産卵場である洞窟の砂浜に向かっていた俺は、列車内で次郎さんと会うことになり、次郎さんが高いところが苦手だということも知ることになった。
親切な人に譲ってもらったという酒を飲んでいた次郎さんも、フグ鯨のヒレ酒を飲む為に、洞窟の砂浜に向かうつもりのようだ。
列車から降りて、到着した洞窟に入り、遭遇したデビル大蛇を挽き肉に変えて運び、辿り着いた洞窟の砂浜。
ちょうど洞窟の砂浜では、先に辿り着いていた次郎さんが、オリジナルのノッキングガンを用いて、フグ鯨をノッキングして捕獲しているところだった。
気配を完全に消し去り、水中で泳いでいるフグ鯨からノッキングなしで直接毒袋を繊細な包丁捌きで抜き取った俺は、破れやすい毒袋が破れないように優しく手に取り、フグ鯨を捕獲。
手早く60匹程のフグ鯨から毒袋を抜き取って捕獲した俺は、水中から出ると、さっそくフグ鯨のヒレ酒の用意を始めていく。
60匹以上のフグ鯨を捕獲するのは簡単だったが、捕獲し過ぎてしまうとフグ鯨が絶滅してしまうかと考えて、60匹程度に抑えた捕獲の数。
フグ鯨を60匹も捕獲すれば、充分な家族への土産にはなるだろう。
辛口の熱燗でヒレ酒にすると絶品で、1杯で1週間はホロ酔いが続くというフグ鯨のヒレ酒。
日本酒を温めた熱燗に、さっと炙ったフグ鯨のヒレを入れておき、完成したヒレ酒を次郎さんに提供しておくと「やっぱりフグ鯨のヒレ酒はええのう」と笑っていた。
ついでに次郎さんの捕獲したフグ鯨からも毒袋だけを抜き取っておき、手間を省いておくと「セっちゃんに毒袋の抜き取りを頼む手間が省けたわい」と次郎さんは喜んでいたな。
「んじゃワシはヒレ酒飲みながら帰るが、千利くんはどうするんじゃ?」
「この食材達の声が、食べてほしい相手が居ると言ってるんで、それを待つことにします」
「へへ、食材の声か。セっちゃんには聴こえるようじゃが、ワシには聴こえんからなあ。洞窟の砂浜に近付いとる妙なもんが居るが、今の千利くんなら大丈夫じゃろ」
それだけ言うとヒレ酒を飲みながら去っていった次郎さん。
洞窟の砂浜に残った俺は、持ち込んでいた鍋に具材を入れて、鍋池の天然だし汁も流し込み、温めて煮込んでいく。
繁殖期になり狂暴化したネギヤギの旨味を増したネギ、霜降り肉のようにジューシーなジューシイタケ、千優の畑で収穫できた美味な白菜に大根と人参、デビル大蛇の挽き肉を丸めた肉団子、そしてフグ鯨の身を具材として入れた鍋。
フグ鯨のフグちりを作成して、食材達の声が求める存在を待っていると現れたのは美食四天王のトリコとココに、料理人の小松の3人。
「洞窟の砂浜に近付くにつれて、やたらと美味そうな匂いがすると思ったら、こんなところで料理してるやつが居るとはな」
そう言いながらも俺が用意した鍋に視線が集中していたトリコは、美味そうなものには目がないらしい。
「デビル大蛇が赤子に思える程に強い電磁波、貴方は」
トリコとは違って身を強張らせていたココは、警戒心を忘れてはいなかった。
「千利先生じゃないですか!お久しぶりです!」
元気一杯に笑顔で挨拶してきた小松は、まだ俺のことを先生だと思ってくれているみたいだ。
「何だ、知り合いか?小松」
「千利先生は、料理学校の生徒だった僕の恩師とも言える存在ですよトリコさん!料理人としての腕も僕なんかよりずっと凄いんですよ千利先生は!」
誇らしげに俺のことをトリコ達に紹介してくれた小松は、尊敬の眼差しを俺に送ってくるが、小松も料理人として成長しているのは間違いない。
「元気そうだな、小松。とりあえずフグ鯨のフグちりを用意してあるんで食べてくか?そっちの美食四天王の2人もな」
「いいのか!なら食べてく!」
真っ先に返事をしたのは美食四天王で1番食いしん坊なトリコ。
「いいんですか千利先生!僕も食べてきます!」
続いて返事をした小松も、美味しいものは大好きなところは変わっていない。
「疲れているから、食事を貰えるのはありがたいね」
警戒を解いたココも、フグちりを食べていくつもりのようだった。
アルコールは苦手だというココには別の飲み物を渡しておき、俺が用意したフグ鯨のヒレ酒をトリコと小松だけが飲みながら、フグちりを食べていった3人。
「美味えええ!噛むほどに旨味が出てくるフグ鯨の身が鍋のだし汁と合わさって絶妙な味わいになってやがる!身体の疲れが一気に吹っ飛んだぞ!」
「これスッゴく美味しいですよ千利先生!フグ鯨以外の具材もネギヤギのネギにジューシイタケや美味しい野菜達だけじゃなくて、デビル大蛇の肉団子まで入ってるなんて!どれも美味しくて食べる手が止まりません!」
「とても絶妙な味付けがされているフグちりだ。栄養がじんわりと身体に染み込んでくる感じがするね。うん、これは美味しい」
テンション高めなトリコと小松とは違って、静かにフグ鯨のフグちりを味わっていたココ。
三者三様の反応を見せた3人だったが、俺が作ったフグ鯨のフグちりを美味しいと思ってくれていたことには変わりはなかった。
食事をして元気になったトリコとココは、自分達もフグ鯨を捕獲しようと考えたようで、水中に入っていくと、しばらく戻ってはこない。
美食四天王の2人がフグ鯨の捕獲に挑んでいる間に、小松にフグ鯨の捌き方を教えていくと、短時間でフグ鯨の捌き方を習得した小松は、やはり料理人としての才能に溢れている。
その後、戻ってきた美食四天王の2人が捕獲していたのは、15匹のフグ鯨。
フグ鯨の毒袋の位置を把握できるココは、料理人ではなくてもフグ鯨を捌けるようだが、今回は料理人である小松に任せるつもりみたいだ。
小松はノッキングされたフグ鯨15匹全ての毒袋を綺麗に抜き取ることに成功し、毒袋が抜かれたことで黄金に輝くフグ鯨の身を薄造りにして食べていく3人。
「やっぱりお前を連れてきて良かったな小松」
そう言って笑顔で小松の肩に手を置いていたトリコ。
どうやら以前ガララワニの捕獲に向かった際に、トリコが仕留めたガララワニを小松が美味しく調理してくれて、そのまま焼くよりも美味いもんが食べれたことがトリコは嬉しかったらしい。
料理人としての小松が認められていることを知り、誇らしい気持ちになった俺は「立派になったな小松」と小松を褒めておく。
そんな俺の言葉に照れながらも喜んでいた小松。
穏やかな時間を過ごしていたところで、深海から近付いてきていた気配。
直観で、この場に残っていた方がいいと感じた俺は、小松と一緒にフグ鯨を調理しながら、気配の主を待つ。
現れたのはフグ鯨を捕獲していたGTロボであるが、美食會が使っているGTロボで間違いなさそうだ。
そのGTロボが放つ気配に、臨戦態勢になったトリコとココ。
とりあえず俺は、食欲のエネルギーを形にした先割れスプーンでGTロボを貫いておき、核アンテナを完全に破壊。
あっさりと破壊されたGTロボに驚愕を隠せていなかったトリコとココの2人に、相手が生物ではなくロボだと説明しておく。
とりあえず破壊したGTロボの残骸はグルメポリスに引き渡してから立ち去った俺は、土産のフグ鯨を家まで持ち帰った。
トリコや小松を見て、若い芽が順調に育っていると感じた俺は、彼等に負けないように修業しようと考えて、今日も修業に励んだ。
ガララワニを美味しく調理した小松の料理人としての腕を認めたトリコは、コンビにするなら小松がいいかもなと既に思っていたりします
GTロボが破壊されたことで、グルメポリスのトールが死亡することはなくなりました