なぁAFO……ラプラスの悪魔って知ってる?   作:YY:10-0-1-2

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No.12 敵VS因果律 その2

 

 液晶画面の向こうでしか見なかった存在。敵。

 それがいま、目の前で現れたことに僕は息を飲む。

 

 リーダー格は…あの手を沢山つけたアイツか! その隣の…脳みそ剥き出しの異形型…!

 アレヤバい!! 明らかにおかしい雰囲気を出している!

 

「13号避難開始!学校に電話試せ!侵入者用センサーに対策してくる敵だ、電波系の個性持ちが妨害している可能性もある」 「…ッ、先生は!? 1人で戦うんですか!?」

「一芸だけじゃ、ヒーローは務まらん!!」

 

 そう言って、相澤先生……イレイザーヘッドは独り敵の群れへと突っ込んで行った。

 遠距離攻撃の個性持ちが荒っぽい歓迎を構える…が、イレイザーの目がそれを【抹消】する。

 

 ほんの数秒、無個性となった敵を捕縛布で縛り上げ、ぶつけ合い、すぐさま無力化させる。

 

 異形系個性が自信満々に前に出れば、容赦のない拳が顔面を叩いて吹っ飛ばし、背後からの不意打ちも最小限の動作で回避。

 さらに、流れるように殴り飛ばした敵を引き戻して不意打ち野郎へと叩きつける。

 

 さすが、プロ。

 普段の気だるげな態度は何だったのか、ゴーグルの奥で光る目がこれ以上無いほど頼もしくなっていた。

 

「肉弾戦は当たり前として……ゴーグルで目線隠し…誰が【抹消】されているかわからなければ連携に遅れが出る……なるほど? 有象無象じゃ歯が立たないか」

(考え無しのガキ敵かと思えば、冷静に分析してやがるな)

 

 

 クラスの皆は、イレイザーヘッドの戦いに感嘆していた。

 僕は、それに気がついて、思いっきり叫んだ。

 

「誰かヒーローを呼びに行って!! 速く!!!」

「させませんよ」

 

 しかし、時すでに遅し。

 

「初めまして、我々は敵(ヴィラン)連合。僭越ながらこの度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは……平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思っての事でして」

 

 狙いは…オールマイトか!?

 

 13号が指のカップを外してブラックホールを発動させようとするが…!

 

 

 爆豪君の爆発、そして、切島君の手刀が黒いモヤの体に叩き込まれる。

 だが、効いている様子がない……!

 

「あぶないあぶない……そう、生徒と言えど優秀な金の卵……」

 

 

 【黒いモヤが広がり、転送される】

 

「チッ!!」

「私の役目は……貴方達を散らしてなぶり殺す!!」

 

 走っていき、体に一撃入れたが、黒い霧に包まれる。

 

 次の瞬間には、僕は土砂崩れが起きたような場所、『土砂ゾーン』に飛ばされていた。

 

 

 それを見て、悪態をつく。

 

「畜生! 一撃入れたのに!」

 

 【横から奇襲される】

 

 因果律を見て、横から来る敵の攻撃を避け、顔面に裏拳を叩き込む。

 

「ウゲッ?!」

「邪魔っだぁ!!」

 

 周りの敵の攻撃を避けつつ、足の関節を狙って蹴りを入れ込んでいく。

 ナイフは簡単に避けていき……。

 

 【地面が一気に凍りついていく】

 

「ホッ!?」

 

 パキッと音が鳴り響いたかと思えば、地面と敵が凍りついていた。

 後ろを振り向くと、轟君が頭を掻きながらこっちに歩いてくるのが見えた。

 

「ありがとう」

「大丈夫そうだな。だが、オールマイトを殺す……か」

「生徒用のコマ……チンピラだね」

 

 この数。そして、この寄せ集めのような敵達。

 明らかに生徒を分断し、まるで、時(・)間(・)稼(・)ぎ(・)かのような……。

 

 まさか…?

 

「っ!! 僕広場に戻る!」

 

 僕が言うと、轟君はしばらく考え込んだ後、頷いて、頼むと言ってくれた。

 僕はそれを見て、頷き返し、一気に走っていく。

 

「このままじゃ、あんたらジワジワと体が壊死していく訳だが……俺もヒーロー志望。そんな酷ぇことはなるべく避けたい…。あのオールマイトをやれるっつう根拠…策ってなんだ?」

 

 

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 

 広場。

 そこで緑谷達が見たのは……。

 

「行動不能には出来たものの散らし損ねた生徒がおりまして一人逃げられました……恐らくここの状況を合流したヒーローに伝えられてしまうと思われます」

「お前がワープゲートじゃなかったら殺してたよ…」

「申し訳ありません……」

 

 

 手を沢山つけた敵は首元をガリガリと掻き、やめる。

 

「ゲームオーバーだ……あーあ、今回はゲームオーバーだ。帰ろっか……」

 

 すると、敵は、ふと思い出したかのように立ち止まる。

 

「あ、そうだ……帰る前に……平和の象徴としての矜持を……少しでも…へし折って帰ろう!!」

 

 蛙水梅雨の顔に敵の手が迫る。

 瞬間、敵の手は蹴られることとなる。

 

「邪魔……だァァアアア!!!!」

 

「チッ!!」

「死柄木弔!」

 

 そこには、魔法陣を目に宿していた少年、羅符素が立っていた。

 緑谷は彼の姿を見て、「羅符素君!」と叫ぶ。

 

「お前ら…! 何してくれてんだ……!! 僕はキレるときはキレるぞ!!」

「脳無!! 殺れ!!!」

 

 脳無と呼ばれた敵が羅符素に迫る。

 脳無はただ、目標を潰すためだけに拳を何度も何度も振るう。

 

 だが、既に羅符素はそこにはおらず、脳無の頭に衝撃が走る。

 

「オッラァ!!」

 

 再び脳無に衝撃が走る。

 普通の人間に出せる威力……それも、最大限の威力が脳無を襲う。

 

 だが、脳無はオ(・)ー(・)ル(・)マ(・)イ(・)ト(・)専(・)用(・)に作られた。

 

「ッ?!」

 

 脳無は羅符素の足を掴み、勢いよく地面に叩き付ける。

 その後にパッと足を離してから横フックを羅符素に喰らわせようと振りかぶる。

 

 が、脳無の腕に手を置き、羅符素は体勢を整え、脳無の顔面に蹴りを入れ込む。

 

「クソッ……ダメか…」

 

 羅符素がそう呟いた後に、口の前に腕を持っていく。

 

「やるしか…ないかな?!」

 

 そして、勢いよく、噛んだ。

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