なぁAFO……ラプラスの悪魔って知ってる? 作:YY:10-0-1-2
No.15 そりゃ盛り上がるに決まってる!
一日の休校を終え、雄英高校は不安ながらも普通の生活へと元に戻る。
「「「相澤先生復帰はええ!?」」」
包帯グルグル巻きの相澤先生が教壇に立つ。
「先生! 無事だったのですね!?」
「あれ無事言うんかなぁ……?」
「婆さんが大袈裟に包帯巻いてるだけだ…」
そんなことより、と僕たち生徒の心配を、相澤先生はバッサリ切り捨てては雄英体育祭が近いことを伝える。
雄英体育祭。
かつて個性がなかった時代に賑わっていたスポーツの祭典オリンピック。蔓延る超常に呑まれて行ってしまい、規模も人口も縮小……今や古臭い伝統のひとつに数えられてしまっている。
それにとって変わったのが雄英体育祭なのだ。
日本中をお祭り騒ぎにさせるイベントであり、同時に
「プロヒーローの方々も視聴されますわ。スカウト目的で」
その理由を八百万さんが言ってくれた。
そう、プロヒーローのスカウト。これがチャンスなのだ。
雄英に限らず、ヒーロー科卒業後はすぐにプロ事務所のサイドキック入りが
……当然ながら名の知れたプロ事務所ほど経験値も話題性も高くなる。
年に一度の、高校生にたった3回だけ与えられた大チャンス。逃す手はない……!!
「そういえば、羅符素は未来見れるんだろ?」
「ん、まぁね」
上鳴君が僕の方を向いて来た。
「もしかして、雄英体育祭の優勝者とか分かったり……?」
「み、見る気は無いし、見れないし……僕が最大で見れるのは、1時間ぐらい先の未来だからさ」
「そっか……まぁ、見たくないよな!」
「うん。そんなもの見ちゃったら人生つまんないしね」
僕が言うと、そうだよな! と上鳴君が頷き、当たり前だろと言って切島君が肩を組んでくる。
「麗日さんは……全然麗らかじゃないね?!」
僕が麗日さんの方を見ると、顔が全然麗らかじゃない麗日さんの姿が。
キャラがふわふわしてる……。
■
「お金……?!」
僕と緑谷君、そして飯田君は麗日さんがヒーローを目指している理由を聞いて驚いていた。
曰く、親が建設会社をやっているらしく、仕事がなくスカンピンなのだと言う。
「私は絶対ヒーローになって、お金稼いで、父ちゃん母ちゃんに楽させたげるんだ」
そっか……。
みんながみんな、夢だけじゃなくて、現実も加味しているんだ。
「麗日さんならきっと、楽させてあげられるよ」
「うん!」
すると、廊下の角からオールマイトが来た。
なにやら、緑谷君に用事があるようで、ご飯一緒に食べよと乙女みたいなことを言い出した。
その顔で乙女なこと言うのヤメテ……ほら、麗日さんもツボっちゃってるから。
食堂につくと……。
「ん!!(こっち!!)」
「す、凄い食べてるね!?!?」
先に来ていたのであろう唯がめちゃくちゃご飯を食べていた。
僕は目の前の席に座り、唯の食べっぷりを見ていた。
「ん!(頑張らないと!)」
「あぁ、雄英体育祭……。そうだね、頑張らないと…!」
それよりもそんな食べて大丈夫なのかな……。
「あ、そういえば、訓練場借りられるみたいで、僕借りてこようと思ってるんだけどさ」
「ん!(私も行くよ!)」
「うん。誘おうと思ってたし」
訓練場で何をやるかは……言わなくてもいいかな。
「なら、そんな食べてたらヤバくない?」
「……あ」
唯は顔を真っ青にして、箸をポロッと落とす。
案の定じゃないか……。
■
「『
腕を噛み、リミッターを解除させる。
僕のやること。それは、
まずはこの状態で足が折れないように走ってみる。
「うおっ?!」
地面を蹴るように走ると、凄い勢いで前へ進んでしまった。
僕が走るのをやめ、足を止めると、キキーッとまるでブレーキのような音を出して止まった。
「痛っ……やっぱり難しいな…」
「ん!(練習あるのみ!)」
「だよねぇ……」
あとは、イメージ!
最近昔のアニメにハマって見ていたヴァンガードでも言ってた。
『イメージは自分の力になる』
なら僕のイメージは…。
少し普通の人間より動ける程度…。足も腕も折れない程度の力!
「いきなりやるのは難しいけれども、徐々に慣れればいいか!」
「ん!(私も手伝うよ!)」
「ありがとう! じゃあ、なにか…持てるようなものってある?」
唯は少し考え、思い出したかのように割り箸を取り出す。
なぜ持ってるかを聞くと、非常用に持っているんだそうだ。
割り箸って無料じゃ……。
「ん(出来たよ)」
「よし…」
リミッターを解除したまま持ち上げてみる。
そして、それを持ったまま……スクワットをする。
スクワットは、下半身の筋肉を鍛えるだけでなく、骨も強くする働きがあるとされている。
リミッターを解除したままで骨に衝撃を与えれば、骨も強くなってくれるのではないか?
と思い、やっている訳だが……。
「この割り箸、軽い…」
「ん…(まぁ、木だし…)」
だが、予想以上に効果はありそうだ。
「あっ! 毎日リミッター解除状態で重り付けたまま生活すればいいんじゃ?!」
「ん(多分それキッッツいよ?)」
「デスヨネー…」
「ん(ホントに鍛えバカだね)」
「酷くない!?!?」
唯とそんな会話をしながら特訓を始める僕であった。
それでも鍛えバカは酷いと思うよ……?