なぁAFO……ラプラスの悪魔って知ってる? 作:YY:10-0-1-2
思ったより長くなっちゃった……てか、まだ第1試合なのマジ……??
爆豪君は麗日さんに対して一切の油断もせず真正面から何度も、何度も叩き潰した。
だが、麗日さんは決して諦めず、果敢に何度も、何とか触れに行こうと走る。
周囲の観戦しているヒーロー達はブーイングを起こし始めた。
『一部からブーイングだぁ! しかし……正直俺もそう思ぶふぅぁあ!? 肘!? 何SOON!?』
『今遊んでるっつったのプロか? 何年目だ? 素面で言ってんならもう見る意味ねぇから帰れ。帰って転職サイトでも見てろ』
相澤先生の声は低く、厳しく言い放った。
『ここまで上がって来た相手の力を認めてるから警戒してんだろう。本気で勝とうとしてるから手加減も油断もできねぇんだろうが』
僕は口を開く。
「少なくとも、
麗日さんは爆豪君の攻撃をわざと受け続けていた。
低姿勢で突進することで会場の床を破壊させ、煙で見えなくなってる間に破壊された床を上に上げ続けていたんだ。
「勝ぁぁぁぁぁぁぁぁつ!!!!!!!!!!」
そうして、個性を解除する。
浮かんでいた全ての岩は……重力に逆らわずに落ちてくる!!! まさにその光景は……!
『流星群ー!!!!』
「そんな捨て身の作戦を!?」
緑谷君思わず立ち上がってそう叫ぶがこれは一種の賭けだったのだろう。
BOOON!!と大きな音が鳴り、上にあった全ての岩が粉々に打ち砕かれる。
「デクの野郎とつるんでっからなテメェ。何か企みはあるとは思ってたが…」
『会心の爆撃!! 麗日の秘策を堂々━━正面突破ァ!!!』
麗日さんの秘策は、虚しくも打ち砕かれてしまった。
だが、まだ諦めてはいない。まだ、まだと走り出そうとする麗日さん。
だが……。
カクッと地面に倒れ込んでしまう。
ミッドナイト先生が近寄り……。
「麗日さん行動不能!二回戦進出!爆豪君!」
ミッドナイト先生の宣言により、拍手が起きる。
緑谷君はいち早く控え室へと走っていった。
『1回戦第8試合……はぁ……麗日……うん、爆豪一回戦突破……』
『ちゃんとやれよやるなら……』
テンションを露骨に下げるプレゼントマイクに相澤先生が呆れていた。
『さァ気を取り直して! 1回戦が一通り終わった!! 小休憩を挟んだら早速次行くぞ〜!』
プレゼントマイクの声に僕は苦笑い。
しばらくして、爆豪君が観客席へと戻ってきた。
「おーう爆豪! 何か大変だったな、悪人面!」
「組み合わせの妙とはいえ、とんでもないヒールっぷりだったわ、爆豪ちゃん」
「うるっせんだよ! 黙れ!」
相変わらず口は悪いのである。
唯はグッと袖を引っ張ってくる。はい?
「ん(2人とも凄かったね)」
「うん。爆豪君も麗日さんの必策を油断せずに攻略したし、麗日さんもきっと、爆豪君に隙が出来ると踏んで走ったんだ……。2人とも、凄いよ」
「見通すなぶっ殺すぞ!」
「口は悪いけれどもね」
ほぼ慣れた……うん。慣れた……かな。多分。
「次の試合は……緑谷君と、轟君か…」
「ん(どっちも強い個性だね)」
僕が次の試合……飯田君に勝てたら、この2人のどちらかと戦うことになるんだろうね。
どっちも強い個性だ。
僕なんかで勝てるかな……じゃないか。
「勝つんだ…」
「おっ、いつもの優しい顔が気合十分の顔になったな」
「僕だっていつも優しい顔って訳じゃないけれども…」
僕がそう言うと、A組の皆がドッと吹き出した。
ぼ、僕冗談で言ったつもりじゃなかったんだけれどもな……。
■
小休憩が終わり、いよいよ第2回戦が始まろうとしていた。
「二人……まだ始まっとらん?」
「あぁ、うら……らかさん!?」
「目を潰されたのか!? 早くリカバリーガールのもとへ!?」
目が腫れぼったい麗日さんを見て、僕と飯田君は2人で心配する。
麗日さんは余程悔し泣きしたのだろうか。
「それはそうとさっきは悔しかったな…」
「今は悔恨よりこの戦いを己の糧とすべきだ…」
常闇君の言葉に、飯田君も麗日さんも頷く。
そうだ。その通りだ。
僕も、この試合を見て……どちらが勝つかを見るんだ。そして、対策を取るんだ。
『さぁ、今回の体育祭、両者トップクラスの成績!! まさしく両雄並び立ち……今!!』
『緑谷!
瞬間、轟君の氷と緑谷君の力がぶつかり合う。
自損覚悟の打消し……!
勢いよくぶつかり合った結果、氷の冷気が吹き飛び、観客席にまで届く。
自分への反動によるダメージを完全に無視して、例え指が粉砕骨折してでも個性による攻撃。
あれじゃあ、勝っても負けても後遺症が……!
「あれで攻略してんのか…」
「…爆豪も轟も強烈な範囲攻撃ポンポン出してくるからなー…」
「ポンポンじゃねぇよ舐めんな」
瀬呂君が首を傾げる。ついでに唯も首を傾げている。
僕はそれを見て笑いつつ、解説するために口を開く。
「筋肉を酷使すれば筋繊維が切れるし、走り続ければ息が切れる。個性だって身体機能なんだ。轟君にも、何かしらの限度はあるはず」
切島君がそりゃそっか……と呟く。
氷……そして、戦闘訓練を見る限り……多分、寒さに耐えれなくなっていくはずだ。
それはそうだ。あんな氷をポンポン出して無事でいられるわけが無い……。
『轟! 緑谷のパワーに怯むことなく近接へ!!』
轟君が緑谷君に走り出す。
緑谷君は左手を構えるが、氷を出されたのを見て、回避に専念する。
だが、逃がすわけが無い轟君。
結果、緑谷君は左腕犠牲のSMASHで氷をぶち破る。
「さっきより高威力だな……近づくなってか」
すると、観客の声が入ってくる。
『流石はNo.2の息子だな』とか、『そこらのプロ以上だよ…』だとか。
しかし、轟君の目線はエンデヴァーを見つめた。
瞬間、緑谷君の目付きが変わる。
「どこを見てるんだ…!」
氷を
「…皆……本気でやってる! 勝って目標に近づくために…っ! 1番になるために!
緑谷君は拳を握って叫ぶ。
「全力でかかってこい!!」
それを聞いて、轟君が走る……だが、動きが遅い!!
個性の制御が上手く行ったのか腕全体を犠牲にしない程度の反動に収まった拳を緑谷君が轟君に対して一撃入れてから一気に形勢が変わる!
「なんでそこまで…!」
轟君が問う。
だが、その答えは至極簡単。
「期待に応えたいんだ…! 笑って応えられるような…カッコイイ
全力も出さないで完全否定だなんてふざけるなって今は思ってると言う緑谷君。
どちらも……譲らないし、譲れない思いがあるんだ。
殴られた轟君はユラユラと立ち上がる。
「親父を━━━……」
「君の!! 力じゃないか!!」
瞬間。
ゴオッと轟君の
「勝ちてぇくせに……ちくしょう…。敵に塩を送るなんて、どっちがフザけてるって話だ…俺だって…ヒーローに……!!」
2人が、ニヤッと笑う。
轟君はどこか、何か囚われていたものを忘れ、ちゃんとした笑みを浮かばせていた。