なぁAFO……ラプラスの悪魔って知ってる? 作:YY:10-0-1-2
ヒーロー名決めの後は、職場体験の行き先を決める事になった。
しかし、職場体験とは言っても、千五百を超えてる指名を決めろだなんて……。
この中から行けるのは一箇所しかないから、まずどの、どんな事務所から指名が来たのかを見なきゃいけないし。
「えぇ。難しい……」
今週末に提出と言われた……というか、2日しかないんですけど…。
唯はどこに行くのかな……って、いやいや。唯にばっか気にかけてないで、僕は僕のやるべき事をやるんだ。
まず、僕の弱点を補うためには……。
「『ホークス』……は、僕は空を飛ぶことなんて出来ないしなぁ…『エンデヴァー』…サイドキックが多いみたいだし、指示を出すのが迅速なのを見れるかもしれない。判断力とかそういうのを身につけたいわけじゃないし……」
「うお、羅符素が緑谷みたいになってる……」
えぇ……?
あれはもはや芸でしょ…?
ふと、1つの事務所が目に止まった。
「……『ミルコ』」
ラビットヒーロー、ミルコ。
男勝りな性格で、その戦闘スタイルは跳ぶ蹴るの破壊力抜群な攻撃をするヒーローだ。
確かに、体術はすごく興味がある。それに、彼女の移動は『跳ぶ』とも言われてるから速く移動する方法も分かるかもなぁ…。
そうだな……それがいいかもしれない。
……
■
職場体験当日、僕達は静岡駅に全員集合して相澤先生からの点呼が終わって出発前の確認をしていた。
遠い人は九州まで行ったりもするそうだから大変だな。
残念ながら、僕はミルコさんの地元の広島に行く。他人事じゃないんだよねぇ…。
「全員コスチューム持ったな? 本来なら公共の場じゃ着用禁止の身だ。落としたりするなよ」
「はーい!」
「伸ばすな『はい』だ芦戸」
「はい!」
すると、緑谷君と麗日さんが飯田君の方へ向かっているのを見て、僕もふと言いたいことを思い出して近づく。
「飯田君……本当にどうしようもなくなったら言ってね? 友達だろ?」
「僕からも。気をつけてね…。特に、
飯田君は僕の言葉に目を閉じてから、しばらく経って開けて、その瞳を僕たちに見せる。
「ああ」
この時、もっと強く引き止めよう……そう思えばよかったのだろうか?
■
広島。その最寄りの駅に僕は立っていた。
ミルコさんが来るまでしばらく時間はありそうだが、見たこともない街なので休める場所とか知らないし……。
そうだ! 唯にメッセージでも飛ばしてみるか? あ、いや……邪魔になるとあれかな?
うーん…。
「おう、ここにいたか!」
「あっ」
小麦色の肌に白い髪、赤い瞳を持つ女性が僕の近くに来た。
鍛えられて引き締まったしなやかな体躯を持ち、スタイルも抜群のその女性こそ、ミルコだ。
「これから1週間よろしくお願いします!!」
「元気があっていいな!」
笑いながら僕の背中をドンドンと叩く。うーん。距離感…。
「さて、とりあえず荷物を置きに行くか。着いてこいよ!」
「……へ?」
ミルコさんは地面を蹴って本当に跳んで行くかのように走っていってしまった。
……。まずい、置いていかれる!?
「
すぐさま『
……追いつけない!? なんならどんどん離されていくぞ!?
「クソっ、【個性】か……!?」
ウサギっぽいことをウサギ以上に出来る個性だって?! 本当に!? ウサギ以上っていうか、ウサギ超えじゃないか?!
程なくして、ホテルに着き、ミルコさんは既にホテルインを済ませていた。
ゼェ、ゼェと僕は息切れを起こして、必死に酸素を吸い込んでいた。
「遅いな。ま、そんな物持ってたら当たり前か?」
「貴方が、はや…すぎるん……ですよ!」
ホテルの部屋に入り、息を整えて、ミルコの方を見る。
「それじゃあ、改めて……雄英高校ヒーロー科1年の筒美羅符素です。よろしくお願いします!」
「お、おう……改めてか。すげぇ丁寧だな…」
昔っからこんな感じなので……癖? になってるのかもしれない。
「ま、とりあえず今日は私の後についてこい。明日から本格的に指導するから。んじゃ、着替えとけよ」
そう言って、ミルコさんは出ていってしまった。
僕は直ぐにヒーローコスチュームに着替えて外に出る。
内側が赤黒いコートに、ゴツゴツしたグローブ。厚めのブーツに、肘当て膝当てがついていて、腰に小刀がついている。
新しいコスチューム、言うなれば『サタン』だろうか。
自分でコスチュームに名前付けるのはどうかな? と思ったが、カッコイイし良しとしよう!
「お待たせしました」
「じゃ、行くか」
僕は気を引き締めてミルコさんの背中を見て、その背中を追った!
『サタン』
内側が赤黒いコートに、ゴツゴツしたグローブ。ブーツは隠し刃を取り外して、さらに厚めにしたものを履いている。
肘あて、膝あては変わらずに付いていて、腰に小刀を付けている。
また、コートの中のポケットには、ナイフ等々も入っている。