なぁAFO……ラプラスの悪魔って知ってる?   作:YY:10-0-1-2

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No.32 1つの武器

 

 警察に事情聴取され、職場体験頑張れよと言われてホテルに戻る。

 お互いに疲れたと言うことで、すぐに寝ることに。

 

 

 「……ん、もう朝か…」

 

 目を覚ますと、すぐに朝日が出迎えてくる。記憶が無いって言うか、夢も特に見ることもなかったので結構深い眠りについてたんだな……。

 すぐに服を着替えて、フロントに向かう。

 そこでは、既にチェックアウトを済ませていたミルコさんの姿が……ん?

 

 「チェックアウト? なぜ?」

 「あぁ、いつまでもホテルに泊まってるのはアレだろ? ここからなら私の家も近ぇし、そっちの方がいいと思ってな」

 「あー。なるほど……」

 

 

 つまり、僕は死ぬんだね分かります。

 

 ミルコはプロヒーローとして活躍している。だが、負けん気が強く、男勝りな性格とは言えど、女の子なのだ。

 

 つまり、僕は女の子の家に上るということで……。

 

 「ん? どうした止まって?」

 「……いや、家に上がるのは別に構いませんよ? ただ、()()()()()()()のはちょっと……」

 

 ミルコさんは何言ってんだこいつは?と言った顔を見せる。

 

 「体力づくりの一貫だろ!」

 「これでも肉体的には普通の人間なんですけどねぇ!?」

 

 

 さらばだ…僕の脚……。苦難(筋肉痛)を乗り越えた先で会おう。

 

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 

 

 すまん、脚だけじゃなかったわ。僕の理性も消し飛びそう。

 

 というのも、家の中は結構散らかっていて、まるで家の中に台風が通ったのか?と思うほどであった。

 いや、それまではいいのだ。だがなぁ……。

 

 「下着は流石に隠しません?」

 「…あ〜……すまん…」

 

 恐らく何かの拍子に脱ぎっぱなしにしてたであろう女性物の下着。

 サイズも大きいので余計に理性をツンツンと刺激されている。

 

 だが、後ろに刃物を持った唯の姿が浮かび上がり、僕の首に構えているので何とか理性を保っている。

 

 携帯でメッセージアプリを開き、唯に感謝の言葉を送る。

 『なにが?』と返ってきたのを気にせずに、ミルコさんの後を追って部屋の中に入る。

 

 「ここなら大丈夫だろ!」

 「……そうですね。部屋貸していただきありがとうございます」

 「いいんだよ。これぐらいなら私にも出来るからな!」

 

 褒めて褒めてと言わんばかりに耳を動かすミルコさん。可愛い。

 

 「よし。じゃあ今日は何を?」

 「そうだな。お前の本気見てみてぇから殴り合うぞ」

 「なんで????」

 

 理由は色々あるらしい。

 

 1つ、どんなことが出来るのかを見定めたいということ。これはまぁ、分かる。昨日は脳無のせいでゴチャゴチャしてたしね。

 

 2つ、今現状の問題点の解明等を解決するために。ミルコさん曰く、これが一番手っ取り早いらしいのだ。

 

 3つ、単純に殴り会いたいらしい。こっちが本音じゃないかな?

 

 脳無があるとはいえ、脳無ごと地面に罅を入れるような人だ。もしもそんな蹴りを入れられたら僕死ぬけど?

 

 「兎に角(とにかく)、外に出るぞ!」

 「あっ、はい!」

 

 ミルコさんはそう言って立ち上がり、外に出てしまった。

 僕はその後を追う。今のうちに勝ち方とか模索しておくかな……。

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 「オラァァ!」

 「グァアッ!?」

 

 ミルコさんの蹴りを思いっきり食らってしまい、ゴロゴロと後ろに転び、受身を取って立ち上がる。

 

 ミルコさんは止まっておらず、すぐにこっちに走ってくる。

 

 【ミルコの蹴りが顎に炸裂する】

 

 「っべぇ!?」

 「っ! 躱したな!」

 

 【ミルコの振り上げた蹴りが叩き落とされる】

 

 嘘だろ!?

 ゴロッと横に身体を捻らせて脚を避ける。

 

 振り落としてくるのかよ!? もしも僕が避けなかったら顔面潰れてたな……!

 

 「危ないですよ!?」

 「でもお前なら避けるだろ?」

 

 そりゃそうですけど……とたじろぐ。

 座り込み、息を整える。金髪の会社員の言葉を借りるなら、体力の無さを実感したよ。

 

 すると、ミルコさんは俺の額にデコピンを放つ。

 

 「何するんですか?!」

 「なぁ、お前なんで拳ばっかなんだ?」

 

 質問の意味が分からず、首を傾げる。

 すると、ミルコさんは分かれよなぁと言った顔でこちらを見てくる。

 

 「だから、なんで()を使わないんだ?」

 「いやだって、脚が壊れたら俺動けませんよ…」

 

 そう答えると、ミルコさんはさらになんでだよと言った顔をする。

 

 僕の必殺技は自分の体を破壊する可能性が高い。『因果集中本気律力強(アンリーシュドパワフルリメイク)』を使っても、酷使し続ければ痛みは酷くなっていく。

 

 それを説明すると、さらにミルコさんが聞いてくる。

 「じゃあ、身体は鍛えるとして……個性に関してはなんだ?常時付けっぱなしに出来ないのか?」

 「出来ませんね。出来てたら苦労しませんし…」

 

 何回も言うが、この個性(因果律)は、因果律を見る個性。

 見るということは、それ即ち『目を酷使』していると同じことなのだ。

 

 子供の頃はよく使っていたけど、容量限界(キャパオーバー)して、鼻から血を流した時は一時期どうなるかと思ったし。

 

 そこで身につけたのが自分の身に危険が迫るとき、もしくは意識した時に発動するという……言わば自動発動(オートスキル)にした。

 

 

 体育祭の時にも、今回のミルコさんとの戦いのも全て自動発動(オートスキル)で避けられている。

 これに関しては努力の賜物と言えるだろう。鍛えるの大変でした。

 

 

 「どうやってそれ身につけたんだよ?」

 「え、単純に危険な時とかに使うっていう練習したら勝手に……。癖にしたんですよ」

 

 ほら、たまにいるでしょ。圧倒的危機回避能力を持ってる人。あれを個性に染みつかせたような感じ。

 

 「うーん、となると……お前のやるべきことはまず、身体を壊さない程度で常時リミッター解除状態な」

 「はい」

 「で、その個性を長くでも使えるようにしろ。そうすれば、プロ(私達)にもっと近づけるぞ」

 「はい!!」

 

 僕が大声を出して言うと、ニカッと笑うミルコさん。

 

 「それじゃ、とりあえずお昼ご飯食べようぜ! その後、ヒーロー殺しぶっ倒しに行くぞ」

 「……え? 保須市に行くんですか!?」

 「あぁっ! 何か問題か?」

 「問題も何も、僕まだ学生ですけど!?」

 

 あぁダメだありゃ。話聞いてないや……。

 

 保須市……か。飯田くんも保須市のヒーローの…マニュアルさんだっけ? のところに行ってるよね……。

 …どう考えても目的は復讐だろうな…。もしかしたらまだステインがいるかもしれない、なんて考えているんだろうか?

 

 「明日の夕方には着くようにするから、準備しておけよ!」

 「……はい!」

 

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