なぁAFO……ラプラスの悪魔って知ってる?   作:YY:10-0-1-2

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No.34 ヒーローとヴィラン

 

 「月堕蹴(ルナフォール)ッ!」

 

 地面にゴシャッと脳無が叩きつけられ、地面に大きなヒビが入る。

 ミルコさんの後ろに迫った脳無を今度は、僕が蹴り飛ばす。

 

 その脳無に追撃をするべく、勢いよく近づく。

 

 「未来を見る超撃拳(ラプラス・インパクト)ッ!」

 

 脳無は吹き飛び、壁に激突する。

 僕は、ふぅっ……と息を吐き、周りを見る。

 

 「この前の敵ばっかだな!」

 「はい……でも、ここまで数が多いとは……!」

 

 僕とミルコさんが話していると、声が聞こえてくる。

 

 「み、ミルコ!?」

 「隣のは、雄英体育祭2位の……!」

 「今時の学生って皆あんな感じなの? やっば……」

 「皆さん下がってください!」

 

 僕が言うと、警察の人達が避難誘導し出す。

 しかし、この前見た威力を吸収するタイプの脳無じゃない……別の個体。

 

 ってことは、他にもいるのか? っていうか、飯田君は大丈夫なのかな……?

 

 

 「ミルコさん、遠くの方にもう一体いる気配がします」

 「よっし! 速度で轢き殺すぞッ!」

 「それってヒーローが言っていいセリフなんですかね?!」

 

 僕のツッコミを他所に、ミルコさんは地面に亀裂を入れて飛んでいってしまう。

 僕は、腕を噛んで、『因果集中本気律力強(アンリーシュドパワフルリメイク)』を発動させてからミルコの後を追う。

 

 クッソ、威力ミスったかな? 30%ぐらいなら行けると思ったけど……仕方がない。

 右脚がズキズキ痛むのを耐えて、ミルコさんの所に着く。

 

 すでに脳無と対戦しているミルコさん……あっ、倒した。もうあの人1人で良くない?

 

 「ミルコさん…速すぎでしょ…」

 「言ったろ? 速度で轢き殺すってな!」

 

 ミルコさんなりのやり方なのだろう……。

 

 【緑谷からの一括送信のメッセージが届く】

 

 「……? 緑谷君から? しかも」

 

 すると、緑谷君から通知が来る未来を見る。

 なんだろこんな時に……? ん? 位置情報……? しかも一括送信?

 

 「おいどうした?」

 「……まさか…! ミルコさん! 着いてきてください!」

 「なんかあったんだな? っ!」

 

 ミルコさんが僕について行こうとすると、脳無がそれを邪魔する。

 クッソこんな時に……!

 

 「先にいけ! 後で見つける!」

 「っ! それじゃあ僕の携帯渡します!」

 

 思いっきり上にぶん投げてから後ろを振り返らずに走る。

 ミルコさんのことだ。きっと取ってくれる。

 

 取れなかった時は……そん時だね。

 

 

 

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 

 

 

 「だまれ悪党……っ! 脊髄損傷で下半身麻痺だそうだ……っ! もうヒーロー活動はかなわないそうだっ! 兄さんは……多くの人を助け……導いてきた! 立派なヒーローなんだ!! お前が潰して良い理由なんて無いんだ!!」

 

 インゲニウム───…飯田の声が、路地裏に響く。

 涙を流しながら、ステインに向かって吐き捨てるように言う。

 

 「僕のヒーローだ……っ! 僕に夢を抱かせてくれた立派なヒーローだったんだっ!! 許さない……殺してやるっ!!!」

 「あいつをまず助けろよ……自らを顧みず他を救い出せ。己の為に力を振るうな……目先の憎しみに捕らわれ()()を満たそうなど……ヒーローから最も遠い行いだ……」

 

 ステインはヒーローの方を指さして述べる。

 指さされた方を見て、飯田はハッとする。

 

 「だから死ぬんだ」

 

 刀を腕から抜き、レロッと飯田の血を舐める。

 飯田は、ゾワッとした感覚に襲われ、体が動かなくなる。

 

 「じゃあな、正しき社会への……供物」

 「黙れ……黙れ!! 何を言ったってお前は……兄を傷付けた犯罪者だ!!!

 

 瞬間、ステインの横顔に、拳が突き刺さる。

 

 「救けに来たよ飯田君!」

 

 緑谷の姿を捉えた飯田は、惚けたような顔をする。

 

 「緑谷君……何故……?」

 「ワイドショーでやってた! ヒーロー殺しの被害者の6割が人気のない街の死角で発見されてる! だから騒ぎの中心からノーマルヒーロー事務所辺りの路地裏をしらみ潰しに探してきた!」

 

 緑谷がここに辿り着けた理由を伝える。

 

 「君の洞察力とか、考察力とか、いろいろ恐れ入るところはあるけれど!!」

 

 ステインは、上からの声に反応する。

 が、路地裏。しかも、影になっているのもあり、どこから来るのかが分からなかった。

 

 それ故に当たる全力の殴り。

 

 未来を見る超撃拳(ラプラス・インパクト)ッッッ!」

 「ぐぅ?!」

 

 ステインの脳天に突き刺さる拳。

 黒いコートを翻し、手を突き出す青年の姿があった。

 

 「詳しく情報は書くべきだと思うよ!」

 「羅符素君……まで……!」

 「羅符素君!? ミルコの所じゃ……?!」

 「職場体験の実習で来たんだよ! 保須市まで!」

 

 筒美はそういうと、プロヒーローを掴み、ステインから離れる。

 飯田は、地面に這いつくばったまま動けず、プロヒーローもダラリとしていることを確認した筒美は汗を垂らす。

 

 (くそ……プロヒーローと飯田君は動けなさそう…ステインの個性だな……? 発動条件が分からない……!)

 

 「2人とも…手を出すな……君達には関係ないだろ!」

 

 すると、飯田がとんでもないことを言い出し、筒美の思考を止めてしまった。

 筒美と緑谷は共に振り返り、飯田を見る。

 

 「……は?」

 「何…言ってんだよ…」

 

 すると、ステインはユラリと立ち上がる。

 

 「仲間が『救けに来た』良い台詞じゃないか…だが、俺はこいつらを殺す義務がある。ぶつかり合えば当然……弱いものが淘汰される訳だが…さァ、どうする?

 

 緑谷にはゾワッとした恐怖の感覚が襲いかかり、筒美には更に危機感を知らせるアラートが脳内で鳴り響く。

 鉛のような空気が、流れる……。

 

 だが、どちらも引かない。

 

 「やめろ! 逃げろ! 言ったろ! 君たちには関係ないんだから!」

 「そんな事言ったら母さん……ヒーローは何も出来ないだろ!!」

 「羅符素君の言う通りだ! い、言いたいことは色々ある……けど……後にする…! オールマイトが言ってたんだ……」

 

 『筒美羅符素(ラプラス)』と『緑谷出久(デク)』は、構える。

 

 「余計なお世話は、ヒーローの本質なんだって」

 「はァ……!」

 

 ステインは笑みを浮かべ、緑谷と筒美は駆け始めた!

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