なぁAFO……ラプラスの悪魔って知ってる? 作:YY:10-0-1-2
「
地面にゴシャッと脳無が叩きつけられ、地面に大きなヒビが入る。
ミルコさんの後ろに迫った脳無を今度は、僕が蹴り飛ばす。
その脳無に追撃をするべく、勢いよく近づく。
「
脳無は吹き飛び、壁に激突する。
僕は、ふぅっ……と息を吐き、周りを見る。
「この前の敵ばっかだな!」
「はい……でも、ここまで数が多いとは……!」
僕とミルコさんが話していると、声が聞こえてくる。
「み、ミルコ!?」
「隣のは、雄英体育祭2位の……!」
「今時の学生って皆あんな感じなの? やっば……」
「皆さん下がってください!」
僕が言うと、警察の人達が避難誘導し出す。
しかし、この前見た威力を吸収するタイプの脳無じゃない……別の個体。
ってことは、他にもいるのか? っていうか、飯田君は大丈夫なのかな……?
「ミルコさん、遠くの方にもう一体いる気配がします」
「よっし! 速度で轢き殺すぞッ!」
「それってヒーローが言っていいセリフなんですかね?!」
僕のツッコミを他所に、ミルコさんは地面に亀裂を入れて飛んでいってしまう。
僕は、腕を噛んで、『
クッソ、威力ミスったかな? 30%ぐらいなら行けると思ったけど……仕方がない。
右脚がズキズキ痛むのを耐えて、ミルコさんの所に着く。
すでに脳無と対戦しているミルコさん……あっ、倒した。もうあの人1人で良くない?
「ミルコさん…速すぎでしょ…」
「言ったろ? 速度で轢き殺すってな!」
ミルコさんなりのやり方なのだろう……。
【緑谷からの一括送信のメッセージが届く】
「……? 緑谷君から? しかも」
すると、緑谷君から通知が来る未来を見る。
なんだろこんな時に……? ん? 位置情報……? しかも一括送信?
「おいどうした?」
「……まさか…! ミルコさん! 着いてきてください!」
「なんかあったんだな? っ!」
ミルコさんが僕について行こうとすると、脳無がそれを邪魔する。
クッソこんな時に……!
「先にいけ! 後で見つける!」
「っ! それじゃあ僕の携帯渡します!」
思いっきり上にぶん投げてから後ろを振り返らずに走る。
ミルコさんのことだ。きっと取ってくれる。
取れなかった時は……そん時だね。
■
「だまれ悪党……っ! 脊髄損傷で下半身麻痺だそうだ……っ! もうヒーロー活動はかなわないそうだっ! 兄さんは……多くの人を助け……導いてきた! 立派なヒーローなんだ!! お前が潰して良い理由なんて無いんだ!!」
インゲニウム───…飯田の声が、路地裏に響く。
涙を流しながら、ステインに向かって吐き捨てるように言う。
「僕のヒーローだ……っ! 僕に夢を抱かせてくれた立派なヒーローだったんだっ!! 許さない……殺してやるっ!!!」
「あいつをまず助けろよ……自らを顧みず他を救い出せ。己の為に力を振るうな……目先の憎しみに捕らわれ
ステインはヒーローの方を指さして述べる。
指さされた方を見て、飯田はハッとする。
「だから死ぬんだ」
刀を腕から抜き、レロッと飯田の血を舐める。
飯田は、ゾワッとした感覚に襲われ、体が動かなくなる。
「じゃあな、正しき社会への……供物」
「黙れ……黙れ!! 何を言ったってお前は……兄を傷付けた犯罪者だ!!!」
瞬間、ステインの横顔に、拳が突き刺さる。
「救けに来たよ飯田君!」
緑谷の姿を捉えた飯田は、惚けたような顔をする。
「緑谷君……何故……?」
「ワイドショーでやってた! ヒーロー殺しの被害者の6割が人気のない街の死角で発見されてる! だから騒ぎの中心からノーマルヒーロー事務所辺りの路地裏をしらみ潰しに探してきた!」
緑谷がここに辿り着けた理由を伝える。
「君の洞察力とか、考察力とか、いろいろ恐れ入るところはあるけれど!!」
ステインは、上からの声に反応する。
が、路地裏。しかも、影になっているのもあり、どこから来るのかが分からなかった。
それ故に当たる全力の殴り。
「
「ぐぅ?!」
ステインの脳天に突き刺さる拳。
黒いコートを翻し、手を突き出す青年の姿があった。
「詳しく情報は書くべきだと思うよ!」
「羅符素君……まで……!」
「羅符素君!? ミルコの所じゃ……?!」
「職場体験の実習で来たんだよ! 保須市まで!」
筒美はそういうと、プロヒーローを掴み、ステインから離れる。
飯田は、地面に這いつくばったまま動けず、プロヒーローもダラリとしていることを確認した筒美は汗を垂らす。
(くそ……プロヒーローと飯田君は動けなさそう…ステインの個性だな……? 発動条件が分からない……!)
「2人とも…手を出すな……君達には関係ないだろ!」
すると、飯田がとんでもないことを言い出し、筒美の思考を止めてしまった。
筒美と緑谷は共に振り返り、飯田を見る。
「……は?」
「何…言ってんだよ…」
すると、ステインはユラリと立ち上がる。
「仲間が『救けに来た』良い台詞じゃないか…だが、俺はこいつらを殺す義務がある。ぶつかり合えば当然……弱いものが淘汰される訳だが…さァ、どうする?」
緑谷にはゾワッとした恐怖の感覚が襲いかかり、筒美には更に危機感を知らせるアラートが脳内で鳴り響く。
鉛のような空気が、流れる……。
だが、どちらも引かない。
「やめろ! 逃げろ! 言ったろ! 君たちには関係ないんだから!」
「そんな事言ったら母さん……ヒーローは何も出来ないだろ!!」
「羅符素君の言う通りだ! い、言いたいことは色々ある……けど……後にする…! オールマイトが言ってたんだ……」
『
「余計なお世話は、ヒーローの本質なんだって」
「はァ……!」
ステインは笑みを浮かべ、緑谷と筒美は駆け始めた!