なぁAFO……ラプラスの悪魔って知ってる? 作:YY:10-0-1-2
【ステインの刀が筒美の体を切り裂く】
「っぶね!」
僕は身体を仰け反らせて刀を避ける。
緑谷君は、ステインの上へ飛び、拳を突き出す構えをする。
【緑谷の左腕を刀が掠める】
「させるっか!」
「!」
緑谷君が拳を振り抜こうとした時に刀が動く。それを見て、ステインの刀を白刃取りの形で手に取る。
緑谷君の拳は、再びステインの脳天を……突き刺すには至らず、顔面を動かして衝撃を少なくした。
クッソ! 一手一手が、複数の選択肢を瞬時に寄越してくる……! 強い……!
「はァ……口先だけの人間はいくらでもいるが、お前らは……生かす価値がある……」
「ふざけるな! 僕たちの友達にこれ以上傷は付けさせないぞ!」
まだ『
それに、因果律で何とか避けれてる……! まだ戦える!
【ステインが瞬時に動き顔を斬られる】
【緑谷にナイフが飛ばされる】
なんっ……!?
「緑谷君! 避けろ!!」
「仲間優先……! お前が一番良い!」
「がっ!」
ステインの攻撃は避けれずに、顔をズバッと致命傷にならないが、血を出してしまうほどの傷がつく。
緑谷君は、僕が言った通りにナイフを避けてくれた。
「っ!?」
僕の体にゾワッとした感覚が襲いかかり、僕はヘタっと地面に倒れ込んでしまった。
しまった…! ステインの【個性】か! クッソ、動けない…! 何をした!?
それに、あの感覚…! まさか、因果律の危機感知が2つ鳴るなんて……初めてだぞそんなこと!
「羅符素君!?」
「僕の事はいい! 前見ろ!!」
緑谷君が前を見ると、すでにステインは、ナイフを構えている。
緑谷君は、ステインの方を見てから、緑色の光をパチパチと弾けさせ、ステインの死角に飛び込む。
ステインが、ナイフを振るった時には空高くジャンプしていて、緑谷君の攻撃がステインの腕を捉える。
「さっすが…!」
確実に仕留めるための作戦…! だが、腕をかすっていたのか、緑谷君が倒れ込む。
だが、個性の発動条件がわかった…! 血……!
「血を舐めとることで、動けなくさせる……!」
「…やはりお前らは生かす価値がある。こいつらとは違う」
「やめろちくしょう!!」
緑谷君が叫び、飯田君に刀が差し掛かった時、炎が現れ、ステインがそれを避ける。
「次から次へと…今日はよく邪魔が入る……」
「緑谷、こういうのはもっと詳しく書くべきだ……遅くなっちまったろ」
轟君が、そこに立っていた。
「轟君まで……!」
「轟君…! 左! 炎!」
「数秒、意味を考えたよ。一括送信で位置情報だけ送ってきたから……」
右足ら辺からパキパキと氷が張る。
それを見て、ステインは咄嗟にジャンプして避ける。
「『ピンチだから応援呼べ』ってことだろ。大丈夫だ、数分もすりゃあ、プロも現着する」
炎を放ち、ステインをさらに奥の方へと遠ざけようとする。ステインは、空中にいながら、体をひねらせて炎を回避する。
「こいつらは殺させねぇぞヒーロー殺し」
氷を上手く使い、坂のようにして僕たちを轟君の後ろに運ぶ。
「轟君! そいつに血ィ見せちゃダメだ! 多分血の経口摂取で相手の自由を奪う! 皆やられた!」
「それで刃物か……俺なら距離を保ったまま……」
「投げナイフ! 舐められるぞ!!」
僕の言葉にクイッと顔を逸らす轟君。だが、ステインはすでに近づいている。
「いい友を持ったじゃないか……インゲニウム」
氷を出して、何とかナイフの攻撃を回避する轟君。だが、上にある刀に気を取られる。
その間に、足を動かすステイン。左側の炎を勢い良く放つ。
「っぶねぇ…」
「何故……」
轟君が、汗を拭くと飯田君が呟く。
「3人とも、やめてくれよ……兄さんの名を継いだんだ……! 僕がやらなきゃ…そいつは僕が……!」
「継いだのか。おかしいな…俺が見た事あるインゲニウムはそんな顔じゃなかったけどな」
轟君は、巨大な氷を前に出し、ステインをさらに遠ざける。
「ダメだ轟君! 悪手だ!!」
「そいつの言う通り、己より素早い相手に対し自ら視界を遮る……愚策だ……だが、お前も良い…!」
上に飛んでいるステイン。
だが、その赤いマフラーを掴み、壁にガガガと擦り付けるのは緑谷君であった。
「緑谷!」
「なんか普通に動けるようになった!」
時間制限…いや、だとしたら最初にやられたヒーローが動けないのは謎。
「つまり、考えられるのは3パターン……」
「うん。人数が多くなる程効果が薄くなるか、摂取量か……血液型によって効果に差異が生じるか……」
そこにいるプロヒーローさんの血液型はB型、飯田君はA…そして、緑谷君はO型。
「血液型…はァ……正解だ」
「分かったとこでどうにもなんないけど…」
轟君が撤退したい所だが……と呟く。炎も氷もの避けられるほどの反応速度……。
そんな隙は見せられない。
「僕が奴の気を引き付けるから後方支援を!」
「相当あぶねぇ橋だが……そうだな」
「おりゃぁ……! 僕も行けるぞ!」
根性で立ち上がり、ステインの方を見る。
「3人で守るぞ」
「……3対1か……甘くはないな」
すると、先程のステインよりも動きが速くなっていた。
きっと今まで本気ではなかったのだろう。だからこそ、個性をフル活用するしかない……!
【ステインが、緑谷の足を斬る】
「緑谷君ジャンプ! 轟君はステインに氷!」
緑谷君に攻撃が当たる前に、伝え、僕はステインを蹴りこもうとして、近づく。
ステインは、僕から離れ、轟君の氷を斬る。
「やめてくれ……もう、僕は……」
「やめて欲しけれりゃ立て!! なりてぇもんちゃんと見ろ!!」
轟君の方にステインが近づく。
僕は壁を蹴り、ステインの事を蹴る。
「氷に炎、言われたことは無いか? 【個性】にかまけ、挙動が大雑把だと」
轟君に、刀が迫る。
クソクソクソ!! 届かない! 緑谷君は?! 無理だ! 距離が離れすぎてる!
「轟──……」
「レシプロ……バースト!!」
轟君に刀が入る前に、飯田君が立ち上がり、刀の刃を折る。
そのまま飯田君は、ステインを蹴りこみ、後ろに飛ばす。
「飯田くん!」
「解けたか……意外と大したことねぇ【個性】だな」
「轟君も緑谷君も筒美君も関係ないことで……申し訳ない……だからもう、3人にこれ以上血を流させる訳には行かない」
飯田君……!
すると、ステインがその顔に血管を浮かべた。
私欲を優先させる
「誰かが正さねばならないんだ」
「時代錯誤の原理主義だ……飯田、人殺しの理屈だ。耳貸すな」
「いや、言う通りさ……僕にヒーローを名乗る資格など……ない。それでも、折れる訳には行かない……俺が折れればインゲニウムは死んでしまう」
「論外」
轟君の炎を避け、ナイフを飛ばすステイン。
そのナイフは、飯田君が手を突き出したことで、飯田君の腕に刺さり、もう一度放たれたナイフはさらに深く刺さる。
ユラッと立ち上がる緑谷君。
飯田君が、ステインに蹴りを入れこもうと立ち上がってジャンプし、ステインに近づき、緑谷君は、ステインの横から飛び出す。
「行けぇぇぇ!!!」
「行け!!」
緑谷君の拳と、飯田君の蹴りがステインに炸裂する。
ステインの意識は──
「まだだ!!!」
ナイフを構え、飯田君を確実に仕留めようと振る。だが、飯田君は止まらない。
「お前を倒そう!! 今度は犯罪者として……!! ヒーローとして!!!」
ステインの腹に再び蹴りを入れ込む飯田君。そして、顔面に炎を放つ轟君。
この瞬間、ステインは、完全に意識を手放した。
長くなってしまった……。