なぁAFO……ラプラスの悪魔って知ってる?   作:YY:10-0-1-2

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No.35 雄英生VSヒーロー殺し(ステイン)

 

 【ステインの刀が筒美の体を切り裂く】

 

 「っぶね!」

 

 僕は身体を仰け反らせて刀を避ける。

 緑谷君は、ステインの上へ飛び、拳を突き出す構えをする。

 

 【緑谷の左腕を刀が掠める】

 

 「させるっか!」

 「!」

 

 緑谷君が拳を振り抜こうとした時に刀が動く。それを見て、ステインの刀を白刃取りの形で手に取る。

 緑谷君の拳は、再びステインの脳天を……突き刺すには至らず、顔面を動かして衝撃を少なくした。

 

 クッソ! 一手一手が、複数の選択肢を瞬時に寄越してくる……! 強い……!

 

 「はァ……口先だけの人間はいくらでもいるが、お前らは……生かす価値がある……」

 「ふざけるな! 僕たちの友達にこれ以上傷は付けさせないぞ!」

 

 まだ『因果集中限界律突破(アンリーシュドオーバーリミット)』は発動してる。

 それに、因果律で何とか避けれてる……! まだ戦える!

 

 【ステインが瞬時に動き顔を斬られる】

 【緑谷にナイフが飛ばされる】

 

 なんっ……!?

 

 「緑谷君! 避けろ!!」

 「仲間優先……! お前が一番良い!」

 「がっ!」

 

 ステインの攻撃は避けれずに、顔をズバッと致命傷にならないが、血を出してしまうほどの傷がつく。

 緑谷君は、僕が言った通りにナイフを避けてくれた。

 

 「っ!?」

 

 僕の体にゾワッとした感覚が襲いかかり、僕はヘタっと地面に倒れ込んでしまった。

 しまった…! ステインの【個性】か! クッソ、動けない…! 何をした!?

 

 それに、あの感覚…! まさか、因果律の危機感知が2つ鳴るなんて……初めてだぞそんなこと!

 

 「羅符素君!?」

 「僕の事はいい! 前見ろ!!」

 

 緑谷君が前を見ると、すでにステインは、ナイフを構えている。

 緑谷君は、ステインの方を見てから、緑色の光をパチパチと弾けさせ、ステインの死角に飛び込む。

 

 ステインが、ナイフを振るった時には空高くジャンプしていて、緑谷君の攻撃がステインの腕を捉える。

 

 「さっすが…!」

 

 確実に仕留めるための作戦…! だが、腕をかすっていたのか、緑谷君が倒れ込む。

 だが、個性の発動条件がわかった…! 血……!

 

 「血を舐めとることで、動けなくさせる……!」

 「…やはりお前らは生かす価値がある。こいつらとは違う」

 「やめろちくしょう!!」

 

 緑谷君が叫び、飯田君に刀が差し掛かった時、炎が現れ、ステインがそれを避ける。

 

 「次から次へと…今日はよく邪魔が入る……」

 「緑谷、こういうのはもっと詳しく書くべきだ……遅くなっちまったろ」

 

 轟君が、そこに立っていた。

 

 「轟君まで……!」

 「轟君…! 左! 炎!」

 「数秒、意味を考えたよ。一括送信で位置情報だけ送ってきたから……」

 

 右足ら辺からパキパキと氷が張る。

 それを見て、ステインは咄嗟にジャンプして避ける。

 

 「『ピンチだから応援呼べ』ってことだろ。大丈夫だ、数分もすりゃあ、プロも現着する」

 

 炎を放ち、ステインをさらに奥の方へと遠ざけようとする。ステインは、空中にいながら、体をひねらせて炎を回避する。

 

 「こいつらは殺させねぇぞヒーロー殺し」

 

 氷を上手く使い、坂のようにして僕たちを轟君の後ろに運ぶ。

 

 「轟君! そいつに血ィ見せちゃダメだ! 多分血の経口摂取で相手の自由を奪う! 皆やられた!」

 「それで刃物か……俺なら距離を保ったまま……」

 「投げナイフ! 舐められるぞ!!」

 

 僕の言葉にクイッと顔を逸らす轟君。だが、ステインはすでに近づいている。

 

 「いい友を持ったじゃないか……インゲニウム」

 

 氷を出して、何とかナイフの攻撃を回避する轟君。だが、上にある刀に気を取られる。

 

 その間に、足を動かすステイン。左側の炎を勢い良く放つ。

 

 「っぶねぇ…」

 「何故……」

 

 轟君が、汗を拭くと飯田君が呟く。

 

 「3人とも、やめてくれよ……兄さんの名を継いだんだ……! 僕がやらなきゃ…そいつは僕が……!」

 「継いだのか。おかしいな…俺が見た事あるインゲニウムはそんな顔じゃなかったけどな」

 

 轟君は、巨大な氷を前に出し、ステインをさらに遠ざける。

 

 「ダメだ轟君! 悪手だ!!」

 「そいつの言う通り、己より素早い相手に対し自ら視界を遮る……愚策だ……だが、お前も良い…!」

 

 上に飛んでいるステイン。

 だが、その赤いマフラーを掴み、壁にガガガと擦り付けるのは緑谷君であった。

 

 「緑谷!」

 「なんか普通に動けるようになった!」

 

 時間制限…いや、だとしたら最初にやられたヒーローが動けないのは謎。

 

 「つまり、考えられるのは3パターン……」

 「うん。人数が多くなる程効果が薄くなるか、摂取量か……血液型によって効果に差異が生じるか……」

 

 そこにいるプロヒーローさんの血液型はB型、飯田君はA…そして、緑谷君はO型。

 

 「血液型…はァ……正解だ」

 「分かったとこでどうにもなんないけど…」

 

 轟君が撤退したい所だが……と呟く。炎も氷もの避けられるほどの反応速度……。

 そんな隙は見せられない。

 

 「僕が奴の気を引き付けるから後方支援を!」

 「相当あぶねぇ橋だが……そうだな」

 「おりゃぁ……! 僕も行けるぞ!」

 

 根性で立ち上がり、ステインの方を見る。

 

 「3人で守るぞ」

 「……3対1か……甘くはないな」

 

 すると、先程のステインよりも動きが速くなっていた。

 きっと今まで本気ではなかったのだろう。だからこそ、個性をフル活用するしかない……!

 

 【ステインが、緑谷の足を斬る】

 

 「緑谷君ジャンプ! 轟君はステインに氷!」

 

 緑谷君に攻撃が当たる前に、伝え、僕はステインを蹴りこもうとして、近づく。

 ステインは、僕から離れ、轟君の氷を斬る。

 

 「やめてくれ……もう、僕は……」

 「やめて欲しけれりゃ立て!! なりてぇもんちゃんと見ろ!!

 

 轟君の方にステインが近づく。

 僕は壁を蹴り、ステインの事を蹴る。

 

 「氷に炎、言われたことは無いか? 【個性】にかまけ、挙動が大雑把だと」

 

 轟君に、刀が迫る。

 クソクソクソ!! 届かない! 緑谷君は?! 無理だ! 距離が離れすぎてる!

 

 「轟──……」

 「レシプロ……バースト!!」

 

 轟君に刀が入る前に、飯田君が立ち上がり、刀の刃を折る。

 そのまま飯田君は、ステインを蹴りこみ、後ろに飛ばす。

 

 「飯田くん!」

 「解けたか……意外と大したことねぇ【個性】だな」

 「轟君も緑谷君も筒美君も関係ないことで……申し訳ない……だからもう、3人にこれ以上血を流させる訳には行かない」

 

 飯田君……!

 

 すると、ステインがその顔に血管を浮かべた。

 私欲を優先させる贋物(にせもの)にしかならない……英雄(ヒーロー)を歪ませる社会のガンと。

 

 「誰かが正さねばならないんだ

 「時代錯誤の原理主義だ……飯田、人殺しの理屈だ。耳貸すな」

 「いや、言う通りさ……僕にヒーローを名乗る資格など……ない。それでも、折れる訳には行かない……俺が折れればインゲニウムは死んでしまう

 

 論外

 

 轟君の炎を避け、ナイフを飛ばすステイン。

 そのナイフは、飯田君が手を突き出したことで、飯田君の腕に刺さり、もう一度放たれたナイフはさらに深く刺さる。

 

 ユラッと立ち上がる緑谷君。

 飯田君が、ステインに蹴りを入れこもうと立ち上がってジャンプし、ステインに近づき、緑谷君は、ステインの横から飛び出す。

 

 「行けぇぇぇ!!!」

 「行け!!」

 

 

 緑谷君の拳と、飯田君の蹴りがステインに炸裂する。

 

 ステインの意識は──

 

 「まだだ!!!」

 

 ナイフを構え、飯田君を確実に仕留めようと振る。だが、飯田君は止まらない。

 

 「お前を倒そう!! 今度は犯罪者として……!! ヒーローとして!!!」

 

 ステインの腹に再び蹴りを入れ込む飯田君。そして、顔面に炎を放つ轟君。

 

 この瞬間、ステインは、完全に意識を手放した。

 

 





 長くなってしまった……。
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