なぁAFO……ラプラスの悪魔って知ってる? 作:YY:10-0-1-2
「とはいえ、だ。私達教師に勝つだけだとあまりに厳しい。私だけじゃない、他の皆さんも立派なプロだ!」
それぞれが試験場に辿り着き、試験のルールを説明される。
制限時間は30分。予め支給されるハンドカフスを教師にかける、もしくはペアのうちどちらか一人でもいいので試験場からの脱出⋯⋯そのどちらかが達成されれば合格となる。
「なにしろ戦闘訓練とは訳が違う! 相手はちょ───格上」
「格上⋯⋯?イメージないんスけど⋯⋯」
「ダミッ! ヘイガールウォッチャユアマウスハァン!?」
極めて実践に近い試験。そして、相手は本物の悪意や殺意を超えてきた強者だ。
とてもとても、舐めてはかかれない相手。
「会敵したと仮定し、そこで戦って勝てるならそれでよし。だが⋯⋯」
「実力差が大き過ぎる場合、逃げて応援を呼んだ方が賢明」
轟と飯田が職場体験での出来事を思い出す。
戦って勝つか、逃げて生き延びるか。二択を迫られる試験である。
「けど、こんなルール逃げの一択じゃね? って思っちゃいますよね」
おちゃらけた様子でオールマイトがいい、手に出すのは『超圧縮おもり』である。
とどのつまり
体重の約半分の重量を背負っているようなものである。
古典的なハンデではあるが動きを阻害し体力を削っていく仕組みだ。
「戦闘を視野に入れさせる為か。ナメてんな」
「HAHAHA! どうかな⋯⋯?」
軽んじられていると感じた爆豪が青筋を浮かべる⋯が、オールマイトは不敵に笑っていた。
■
「結構重いな⋯⋯」
目の前で母さんが超圧縮おもりを手と足につける。
確かに、見た目から見ても相当な重さがありそうだ。
そろそろ開始の時刻だ。僕は頬を叩いて、心操の方を見る。心操は、僕の視線に気づき、頷く。
先程の話した作戦をもう一度思い出す。
母さんは強敵だ。それも、オールマイトやエンデヴァーとは行かずとも、
そんな母さんにも弱点はある。
圧倒的近距離火力だ。
母さんの得意な戦い方は、遠くからの狙撃。そこから、相手を戦闘不能にする戦い方だ。
故に、近距離での戦いは結構な痛手だ。相手に場所がバレれば、移動する他ないし。
だが、USJの時にも言っていた相澤先生の『一芸だけじゃヒーローは務まらない』というもの。
母さんはその肘から狙撃銃を出し、そして仕舞う。とても簡単な動作なんだ。
母さんにやられたことがある、銃での刺突は鳩尾に当たればイッパツKOだ。
だからこそ、近づいてKOさせるぐらいの勢いの攻撃じゃないとほぼ通用しないと言ってもいいだろう。
ただ、今の僕たちにはそんな火力は無いし、そもそも近づけさせてくれるかどうかすら分からない。
『だから、君の力が必要だ』
心操の個性『洗脳』は、返事してしまえば終わってしまう、ある意味最強とも言える個性。
そして、母さんに一撃叩き込むために最適の個性。
軽い衝撃で解けてしまうらしいが、そんな簡単には解けないだろう。
一撃叩き込んでKOすれば僕らの勝ち。場所が分からずにKO出来なくても、逃げ切れば何とかなる。
『でも、俺の個性で勝てるのか?』
『自分を信じないでどうするのさ! 母さんに
僕が心操を守りつつ、心操は母さんに洗脳を仕掛ける。
完璧とは言わずとも、結構勝率のある作戦……だと思う。思いたい。
僕らは構える。
『それじゃあ今から雄英高1年』
『期末テストを始めるよ!』
『レディ──⋯⋯』
その掛け声と共に僕と心操は駆け出し……
『ゴォ!!!』