なぁAFO……ラプラスの悪魔って知ってる? 作:YY:10-0-1-2
羅符素はわざと大通りに出る。
レディ・ナガンはそれを見て、目を見開く。
(諦めた? いや、あの決意めいた目⋯違う、誘ってるんだ)
そう。
羅符素はわざと撃たれることによって、相手の位置を特定しようとしているのだ。
ならば、撃たないべきか? それは、
羅符素を一発でK.Oさせればいいこと。
その考えに至ったレディ・ナガンは、髪の毛を少しだけ抜き取り、弾丸にして自身のライフルに入れ込む。
(羅符素なら、きっと避けるだろうな。まぁ、回避先を読めばいいわけだけどな)
一発目。
羅符素は横に転がり、弾丸を紙一重で躱す。
二発目が直ぐに装填され、発射される。
二発目は絶対に避けれないと見た羅符素は、脚を犠牲にする。
「っ!」
だが、位置は分かった。
羅符素はレディ・ナガンのいる場所を指さす。
「そこかっ!!」
(脚を犠牲にしてまで⋯。いや待て)
レディ・ナガンが違和感に気づく。
───なぜ、心操人使がいない? どこに行ったのだ?
「母さん!!!」
「っ!!?」
後ろからの声。
声は出さずに、振り向き、ライフルを構える。
心操は、それを見て、咄嗟に物陰に隠れる。
(畜生、心操が潜り込んだのは見たのに⋯! 洗脳をかけれなかったのか!)
羅符素は冷や汗を垂らす。
もしもここで心操が捕まったら色々と作戦も崩れてまずい。そう考えた羅符素は、近くに落ちている石を持って、ぶん投げる。
「っ!」
石が豪速球で投げられたことでガッシャーンと音を立ててガラスが割れる。
レディ・ナガンはガラスが割れたことで目を細める。
その間に別の窓から羅符素が飛び込んできて、心操を掴む。
心操は何が起きているのかが分からないため、目をぐるぐると回しながらなされるがまま、外に放り投げられた。
「うわぁっ!?」
外に放り投げられた心操は目を咄嗟に瞑ろうとするが⋯
「っ!」
目を瞑るのを抑え、ローリングをして着地の衝撃を殺す。
だが、目の前に壁があったことを忘れてのローリングの為、壁に大きな音を立てて激突する。
「っ〜! 羅符素!」
だが、すぐに立って、ビルを見る。
瞬間、大きな物音と共に、ビルの一部が粉々になって吹き飛ぶ。
流石の心操もこれには驚き、咄嗟にその場を離れる。
「なんだ!?」
「ドベッ!?」
そのゴロゴロと地面を転がっていくのは羅符素。
その傍に心操が駆け寄る。
「何があったんだ!?」
「壁に大きな穴を開けて逃げようとしたら⋯威力ミスったんだよ⋯⋯お陰様で、右手がジンジンするし⋯」
──あの壁を右手だけで!?
レディ・ナガンと心操はその言葉に驚いていた。
壁……それも、建物の壁である。鉄筋である。何を食べたらそうなるのか聞き出したいが、今はそれどころでは無いと心操はレディ・ナガンを睨む。
公安式格闘術を持っているレディ・ナガンVS洗脳できる個性を持つ心操、未来を見れる個性を持つ羅符素。
この文面だけ聞けば、明らかに後者の方が強いだろう。
だが、現実は違う。
「シッ!」
「ガッ!?」
レディ・ナガンの蹴りで、羅符素が吹き飛ばされていく。
さらに、心操にも、その蹴りは届く。
心操は後ろにゴロゴロと転がり、壁に激突する。
「痛っ……」
「遅いぞ」
羅符素が立ち上がった瞬間に、羅符素の鳩尾にレディ・ナガンの掌底が突き刺さる。
羅符素は口からゲホッと空気と共に唾を吐き出して、地面に激突する。
「ゲホッ、ゴホゴホッ」
「ったく、そんなものか?」
(強いなんてレベルじゃないだろ…っ!)
心操が心の中でそう悪態をつく。
実際、ヒロアカ本編でも魔王に認められ、緑谷を追い詰めるほどの実力者。
そんな相手が、全力で立ちはだかって来てるのだから、そう叫ぶのも無理はない。
だが、負けられない理由がある
「……っ!」
レディ・ナガンの腕を掴み、足をレディ・ナガンの首にかけ、勢いよく地面にはっ倒す。
そのまま強く締めて、意識を落とそうと力を込める羅符素。
「心操! 逃げて!!」
「……分かった!」
その意図を理解した心操は勢いよくビルから駆け下りていく。
「っ、いい加減……に……! 離れろっ!」
「!?」
足で勢いよく身体を蹴られ、さらに抜けた左腕で顔面を殴られる羅符素。
痛みが走るが、それでもまだ掴む。
「例え、僕が……ここで負けたとしても……っ!」
羅符素は目を思いっきり開けて、レディ・ナガンを睨みつけるように言う。
「僕は、心操に託してる!」
そう言うと、羅符素は掴んでいた腕を離して、自分で噛み、思いっきり上に拳を振る。
しまったと思った時には既に遅い。
爆風が靡き、上の階が爆発したかのように崩落する。
その時に声が届いた。
「レディ・ナガン!!」
上から降りてきたのは、心操だった。
レディ・ナガンが「はっ?!」と言い、口を抑えた時には既に。
「母さん、ありがと!」
羅符素がレディ・ナガンに向かって走っていく。
──だが、これで終わるはずがなかった。
無理やり感が否めない。