なぁAFO……ラプラスの悪魔って知ってる?   作:YY:10-0-1-2

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No.47 ド ン デ ン 返 し ! !

 

 「今回の期末テストだが……残念ながら、赤点が出た」

 

 相澤の口から改めて赤点が出たと告げられ、林間合宿は行けずに補習になることへの悲壮感に、上鳴、切島、砂藤、芦戸の4人の顔が曇る。

 

 「したがって……────林間合宿は、全員行きます!

 「「「「どんでん返しだ!!!?」」」」

 

 うーん、こんな速いタイトル回収は初めてだ。*1

 

 「筆記の方はゼロ。実技で切島、上鳴、芦戸、砂藤、あと瀬呂が赤点だ」

 「行っていいんスか俺らぁ!!」

 「……確かに、クリアしたら合格とは言ってなかったもんな……」

 

 切島がうなり、瀬呂が顔を覆う。

 

 「今回の試験、我々敵側は、生徒に勝ち筋を残しつつどう課題と向き合うかを見るよう動いた。でなければ、課題云々の前に詰む奴ばかりだったろうからな」

 

 追い込む為。合理的虚偽。

 そんな言葉が相澤から飛ぶのを聞いて羅符素は内心ホッと一息ついていた。

 

 (良かったぁ…赤点じゃなくて)

 

 羅符素は自身があんまり活躍してないのでは? と思っていたため赤点者の中に入ってないことに安堵していた。

 もちろん、合宿は自身の個性や体を追い込むために行くもの。

 安堵している場合じゃないことは羅符素もわかっていた。

 

 だが、まだ身や心が大人になりつつある学生なのだ。

 

 合宿なんて聞いたらそりゃ、テンションもぶち上がるに決まってる。

 

 ただし、補習地獄は嘘ではなかった事に対し、騒いでいた赤点5人の喜びの舞はまたたく間に沈静化。

 回されたしおりを読みつつ、一週間の合宿についての説明を相澤がするの静かに聞く。

 

 ───何事もなければいいなぁ…。

 

 

 そんなことを思い浮かべつつ、頬杖をする羅符素であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 

 

 

 学校が終わっても皆はそのまま教室に残ってワイワイと合宿について話していた。

 

 「まぁ何はともあれ、全員で行けて良かったね」

 「一週間の強化合宿か……」

 「結構な大荷物になるね」

 「暗視ゴーグル」

 「水着とか持ってねーや。色々買わねぇとなあ」

 

 峰田君は相変わらず…と言ったところか。

 そっか。一週間も合宿するのか……寝間着とか色々買っておかなきゃだよな〜。

 

 大きめのキャリーバッグは確か家にあったはず……。

 

 「あ、じゃあさ! 明日休みだし、テスト明けだし……ってことで! A組みんなで買い物行かない!?」

 「いいね。それ」

 

 葉隠さんの提案にみんなが賛同して行く。

 轟君と爆豪君は行かないみたいだけどね。

 

 まぁ、それぞれの用事が重なるなら仕方が無いね。

 

 「それじゃあ、僕早めに帰るからさ! また明日!」

 

 僕は先にクラスの皆にそう言ってからクラスから出る。

 そして、しばらく走った後に帰り道に母さんがいるのを見て微笑みながら近づく。

 

 「何? 待ってたの?」

 「……いや、今から帰るところだった」

 

 にしては帰りが遅い気がするけどね。

 母さんの隣に立ち、一緒に歩く。

 

 母さんと帰るのも久々な気がする。

 

 「まだそれつけてるのか」

 「……まぁ、お守りみたいな感じ?」

 

 僕はネックレスのように首につけている小さな瓶のようなものを少しだけ握る。

 

 母さんはやれやれ、と言った感じで首を横に振る。

 

 そうしていると、目の前の地面に影が出来て誰かが降り立った。

 

 目の前の人はとても大きな翼を持っていた。

 輝度の高い黄土色の髪、それに合わせたジャケット。特徴的な翼の色は紅色。

 

 僕も知っている、世間から『速すぎる男』と呼ばれているプロヒーロー。

 

 「ホークスさん」

 「や、羅符素君」

 

 現在のビルボードチャートトップ10入りを果たしたホークスさんがそこに立っていた。

 

 母さんはため息をついた後にホークスに近づく。

 

 「何の用だ?」

 「いやいや、たまたま通りかかっただけっす。ついでに羅符素君も見にね」

 

 僕?

 ホークスさんは僕の顔を見てふむふむと頷く。

 

 「やっぱ、イケメンですね。ナガンさん、この子と一緒にいて惚れないですか?」

 「……撃つぞ?」

 「母さんやめなよ……」

 

 イケメンの自覚はないが、ホークスさんに褒められると照れるものもある。

 とはいえ、母さんの機嫌を損ねる様なことは言わないでおいて欲しいとは思う。

 

 「羅符素君、遅くなったけど雄英入学おめでとね。もうヒーローとして活躍してそうじゃない?」

 「ありがとうございます! 全然ですよ。まだまだ学ぶことは多いですし、母さんにコテンパンにされましたし」

 「あれはお前が弱いだけだぞ」

 

 母さん、言わなくていいんだよそういうこと。

 ホークスさんは笑いながらその翼を大きく広げる。

 

 「ま、頑張りなね。ヒーローは多ければ多いほど暇が出来るからね」

 「ははっ。ホークスさんも頑張ってくださいね!」

 

 僕は手を振って、飛んでいくホークスさんを見送る。

 

 「じゃ、帰ろうか」

 「そうだな」

 

 僕はニコニコと笑いながら母さんと帰る。

 

 母さんは強い。

 母さんに勝ちたいから、もっともっと強くなりたい。

 だから、この合宿で手を抜くのは馬鹿のやることだ。

 

 この合宿で、もっともっと強くなってみせるぞ…!

*1
メメタァ

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