なぁAFO……ラプラスの悪魔って知ってる?   作:YY:10-0-1-2

53 / 57
No.53 行動を起こす時

 

 

 僕たちは薄暗い非常階段に居て、各々その顔を暗くさせていた。

 その理由は、ここ《I・アイランド》に敵が侵入し、爆弾を仕掛けて……ヒーロー全員が捕らわれている状態にあったからだ。

 さらに、ここI・アイランドは監獄である『タルタロス』と同じくらい脱出が困難とまで言われている。

 

 そんなこともあり、オールマイトは僕たちに逃げることを指示してきたのだ。

 無論、僕らもそのつもりだが……。

 

「俺は、雄英教師であるオールマイトの指示に従って、ここを脱出することを提案する」

「私も飯田さんに賛同しますわ……まだヒーロー免許を取っていないですのに、敵とは……」

 

 2人の言うことは正しい。

 だが……外にいるヒーローがここにたどり着けないのならば、中にいる()()が敵を制圧しないといけない。

 

 耳郎さんが立ち上がる。

 

「助けに行こうとか、思わないの?」

「……僕も、耳郎さんに賛成だ」

 

 僕も立ち上がる。

 

「ん……(羅符素……)」

「うん。分かってる」

 

 だからといって、立ち止まる訳には行かない。

 

「俺らはヒーローを目指してる……」

「で、ですから私たちはヒーロー免許を……」

 

 轟君が自身の左手を見た後に、僕達の方を向く。

 

「だからって、何もしないで事態が悪化するのを黙って見てろっていうのか?」

「それは……っ」

 

 轟君は僕の方に顔を向ける。

 僕は頷いて、目を見開く。

 

 個性の影響で、右目がキュルルルルと畝り、魔法陣ができ上がる。

 

 I・アイランドにいる敵達がどんな行動をするのか、因果律で予測して動くしかない。

 

 【最上階に敵達がおり、何かを操作している】

 

 ……最上階?

 

「メリッサさん、この上……最上階って!」

「えぇ、警備システムがあるわ……!」

 

 なるほど。そういう事か。

 

 警備システムを敵達に掌握されている……!

 だが、逆に言えばそれは、敵達がこの警備システムの認証パスワードなどを解除しているはず。

 つまり……

 

「私たちも、システムの再変更が出来る」

「警備システムを取り返せば、こっちのもの……オールマイトも復帰するはず。逆転出来る……!」

 

 

 それに、システムを取り返せば、戦わずに済む。

 それならば、たとえ僕達がヒーロー免許を持っていなくても、そのぐらいのことをした、だけで済む。

 

「行こう、デク君!」

 

 賛同の声を上げたのは、麗日さんだった。

 

「私たちに出来ることがあるのに、何もしないでいるのは嫌だ!」

「うん! 皆を助けよう!」

 

 よし。決まったっぽいね。

 僕は唯の方を向く。唯は、まだ不安そうな顔をしている。

 僕は、唯の手を掴んで個性を発動させたまま言う。

 

()()()

「……っ! ……ん、ん!(分かった、信じる!)」

 

 僕も唯も頷く。

 とはいえ、この中で警備システムを動かせるのは……メリッサさんしかいない。

 つまり、僕たちでメリッサさんを守り、隠れながら……最上階まで行かないといけないわけだ。

 

 ……だが、幸いにも僕達には、僕の因果律がある。

 

 このまま駆け上る!!

 

「行くよ、みんな!!」

 

 各々が頷く。

 僕たちは立ち上がり、階段を駆け始めた。

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 非常階段を駆け上がる、緑谷達雄英生徒とメリッサ。2階から非常階段で駆け上がりながら、数字を確認する。

 

「これで30階か……」

「メリッサさん、このタワー最上階は?」

「……200階よ」

 

 とりあえず登り始めて28階。飯田が階数を確認して羅符素が、そもそもこのタワーの最上階は何階かを尋ねた。

 

 だが、その返答は200階と、まだまだ先であった。

 そして、4分の1すら登って無いのかと上鳴が悲鳴じみた確認の声を上げた。

 

「そんなに登るのか!?」

 

 峰田も冗談だろと叫びを上げたが、八百万がそれを叱咤するようにすぐ声を上げた。

 

「ヴィランと出くわすよりはマシですわ!」

 

 羅符素もその八百万の言葉に頷く。

 この作戦は、あくまでも戦闘をしないことに重視している。

 

「唯、大丈夫?」

「……ん!(……まだまだ平気!)」

 

 息を所々切らしながらも、小大はそう言う。

 そんな小大を見て、羅符素は少し考え込むが、頷いて更に上を見る。

 

 彼らはまだまだ登って行っていた。

 35、40、45…………途中、メリッサが息を切らす部分も会ったが、なんとか登っていく。

 

 

 

 だが、非常階段80階にして、その歩みを止める……否、止めてしまった。

 

 そこには、大きなシャッターで、先の道が閉ざされてあったからだ。

 

「こんな所に……っ!」

「っ……!!」

「どうする、壊すか?」

 

 息を上げて強行突破をすべきかと確認を取る轟に、メリッサが言う。

 

「そんな事をしたら、警備システムが反応してヴィランに気付かれるわ」

 

 確かにそうか。

 ならばどうすれば……ここで詰み……? そんな訳……!

 

 

 【扉から警報音が鳴り響く】

 

 ……何??

 後ろを振り返れば、そんな強硬策は気付かれてしまうとメリッサが止めている。

 だが、峰田はふと、背後にあるドアを見つけて、ふらついた足取りで向かっていた。

 

 ……まさか!!

 

「なら、こっちから行けばいいんじゃ……」

「やめろ!! 峰田くん!!」

 

 僕の制止も虚しく、レバーを回した瞬間、警報のようなものか大きな音で鳴り響く。

 

「走れ!!!」

 

 僕の掛け声と共に、全員がその場からフロアに出て走り出す。

 

 【奥のシャッターが閉じられていく】

 

「っ!! 轟君、奥のシャッターが閉じられる! 氷で閉じないように……!!」

「ああ!!」

 

 轟君は即座に僕の意図を理解して足元から氷塊を作り上げ、シャッターを阻んだ。

 

 僕たちは走り出し、どんどんと奥に進む。

 窮地から脱出するために。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。