なぁAFO……ラプラスの悪魔って知ってる? 作:YY:10-0-1-2
僕たちは薄暗い非常階段に居て、各々その顔を暗くさせていた。
その理由は、ここ《I・アイランド》に敵が侵入し、爆弾を仕掛けて……ヒーロー全員が捕らわれている状態にあったからだ。
さらに、ここI・アイランドは監獄である『タルタロス』と同じくらい脱出が困難とまで言われている。
そんなこともあり、オールマイトは僕たちに逃げることを指示してきたのだ。
無論、僕らもそのつもりだが……。
「俺は、雄英教師であるオールマイトの指示に従って、ここを脱出することを提案する」
「私も飯田さんに賛同しますわ……まだヒーロー免許を取っていないですのに、敵とは……」
2人の言うことは正しい。
だが……外にいるヒーローがここにたどり着けないのならば、中にいる
耳郎さんが立ち上がる。
「助けに行こうとか、思わないの?」
「……僕も、耳郎さんに賛成だ」
僕も立ち上がる。
「ん……(羅符素……)」
「うん。分かってる」
だからといって、立ち止まる訳には行かない。
「俺らはヒーローを目指してる……」
「で、ですから私たちはヒーロー免許を……」
轟君が自身の左手を見た後に、僕達の方を向く。
「だからって、何もしないで事態が悪化するのを黙って見てろっていうのか?」
「それは……っ」
轟君は僕の方に顔を向ける。
僕は頷いて、目を見開く。
個性の影響で、右目がキュルルルルと畝り、魔法陣ができ上がる。
I・アイランドにいる敵達がどんな行動をするのか、因果律で予測して動くしかない。
【最上階に敵達がおり、何かを操作している】
……最上階?
「メリッサさん、この上……最上階って!」
「えぇ、警備システムがあるわ……!」
なるほど。そういう事か。
警備システムを敵達に掌握されている……!
だが、逆に言えばそれは、敵達がこの警備システムの認証パスワードなどを解除しているはず。
つまり……
「私たちも、システムの再変更が出来る」
「警備システムを取り返せば、こっちのもの……オールマイトも復帰するはず。逆転出来る……!」
それに、システムを取り返せば、戦わずに済む。
それならば、たとえ僕達がヒーロー免許を持っていなくても、そのぐらいのことをした、だけで済む。
「行こう、デク君!」
賛同の声を上げたのは、麗日さんだった。
「私たちに出来ることがあるのに、何もしないでいるのは嫌だ!」
「うん! 皆を助けよう!」
よし。決まったっぽいね。
僕は唯の方を向く。唯は、まだ不安そうな顔をしている。
僕は、唯の手を掴んで個性を発動させたまま言う。
「
「……っ! ……ん、ん!(分かった、信じる!)」
僕も唯も頷く。
とはいえ、この中で警備システムを動かせるのは……メリッサさんしかいない。
つまり、僕たちでメリッサさんを守り、隠れながら……最上階まで行かないといけないわけだ。
……だが、幸いにも僕達には、僕の因果律がある。
このまま駆け上る!!
「行くよ、みんな!!」
各々が頷く。
僕たちは立ち上がり、階段を駆け始めた。
◇◆◇
非常階段を駆け上がる、緑谷達雄英生徒とメリッサ。2階から非常階段で駆け上がりながら、数字を確認する。
「これで30階か……」
「メリッサさん、このタワー最上階は?」
「……200階よ」
とりあえず登り始めて28階。飯田が階数を確認して羅符素が、そもそもこのタワーの最上階は何階かを尋ねた。
だが、その返答は200階と、まだまだ先であった。
そして、4分の1すら登って無いのかと上鳴が悲鳴じみた確認の声を上げた。
「そんなに登るのか!?」
峰田も冗談だろと叫びを上げたが、八百万がそれを叱咤するようにすぐ声を上げた。
「ヴィランと出くわすよりはマシですわ!」
羅符素もその八百万の言葉に頷く。
この作戦は、あくまでも戦闘をしないことに重視している。
「唯、大丈夫?」
「……ん!(……まだまだ平気!)」
息を所々切らしながらも、小大はそう言う。
そんな小大を見て、羅符素は少し考え込むが、頷いて更に上を見る。
彼らはまだまだ登って行っていた。
35、40、45…………途中、メリッサが息を切らす部分も会ったが、なんとか登っていく。
だが、非常階段80階にして、その歩みを止める……否、止めてしまった。
そこには、大きなシャッターで、先の道が閉ざされてあったからだ。
「こんな所に……っ!」
「っ……!!」
「どうする、壊すか?」
息を上げて強行突破をすべきかと確認を取る轟に、メリッサが言う。
「そんな事をしたら、警備システムが反応してヴィランに気付かれるわ」
確かにそうか。
ならばどうすれば……ここで詰み……? そんな訳……!
【扉から警報音が鳴り響く】
……何??
後ろを振り返れば、そんな強硬策は気付かれてしまうとメリッサが止めている。
だが、峰田はふと、背後にあるドアを見つけて、ふらついた足取りで向かっていた。
……まさか!!
「なら、こっちから行けばいいんじゃ……」
「やめろ!! 峰田くん!!」
僕の制止も虚しく、レバーを回した瞬間、警報のようなものか大きな音で鳴り響く。
「走れ!!!」
僕の掛け声と共に、全員がその場からフロアに出て走り出す。
【奥のシャッターが閉じられていく】
「っ!! 轟君、奥のシャッターが閉じられる! 氷で閉じないように……!!」
「ああ!!」
轟君は即座に僕の意図を理解して足元から氷塊を作り上げ、シャッターを阻んだ。
僕たちは走り出し、どんどんと奥に進む。
窮地から脱出するために。