なぁAFO……ラプラスの悪魔って知ってる? 作:YY:10-0-1-2
No.56 土鍋で炊いたご飯は美味い(確信)
「やーーーっと来たにゃん。とりあえずお昼は抜くまでもなかったねぇ」
「何が3時間ですか……」
「腹減った……死ぬ」
「悪いね。私たちならって意味、アレ」
僕らは3時間どころじゃないほどの時間をかけてようやっと、マンダレイさんの所へとたどり着いたのだった。
砂藤くんの言葉にそう返すピクシーボブさん。えげつないと思う。
「いいよ、君ら……特にそこ5人! 躊躇のなさは
そう言って、僕ら……僕、緑谷くん、轟くん、爆豪くん、飯田くんを指さす。
ま、まぁ……色々あったしね。ほんとに色々と。USJに、ステイン、I・アイランド……。ほんとに。
「3年後が楽しみ! ツバつけとこー!」
うわっ、やめてください!?
僕らに唾をかけてこようとするピクシーボブから離れながらも、緑谷くんが、唾に棘? のような帽子をかぶっている少年を見る。
確かに、気にはなっていたけど……。
「ああ違う。この子は私の従甥だよ。洸汰! ホラ挨拶しな。一週間一緒に過ごすんだから……」
「あ、えと僕雄英高校ヒーロー科の緑谷。よろしくね」
緑谷くんがそこまで言って、洸太と呼ばれた少年に近づくと……思いっきり拳を握って、緑谷くんの股間にクリーンヒットさせた。
飯田くんがすぐさま駆け付けて、大切な場所を抑えながら真っ白になっている緑谷くんを支えた。
ひ、酷いっ! まだ成長途中の青年の股間を……っ!?
「茶番はいい。バスから荷物を下ろして部屋に運べ。それを終えたら食堂にて夕食。その後入浴で就寝。本格的なスタートは明日からだ。早くしろ」
相澤先生はそうやって言って、親指で建物を指す。
僕らは、バスの中に預けていた自分たちの荷物を出して、早々に部屋に向かった。
◇◆◇
ガツガツ、ムシャムシャ。
そんな食事音が鳴る食堂にて、僕らは飯を食べていた。
土鍋にて炊かれた米っ! やはり、土鍋で炊かれる米は格別なのだ!
「おいしい……おいしい……」
「羅符素、お前ってそんな食うやつだったっけ?」
失礼な、僕だって美味いものぐらい沢山食べるよ!?
バクバクと米を食べ、たくあんを口の中に掻き込み、お茶で喉を潤す。
最高の食事であった。
そんな食事の後は、風呂である。
どうやら、露天風呂のようになっているらしく、男女に分かれていた。
僕らはシャワーを浴びて泥を落として、湯船に浸かる。
極楽、とはこのことを言うのだろう。凄く身に染みて温まる。
すると、峰田くんがまたブツブツ言い出して、壁を見ている。
壁のすぐ向こうには……女湯がある。
「峰田君やめたまえ! 君のしている事は、己も女性陣も貶める恥ずべき行為だ!」
飯田くんの言葉に、峰田くんは返した。
「やかましいんスよ。壁とは越える為にある! Plus Ultra!」
ひっどい教訓の使い方を見た。
僕らは壁を昇っていく峰田くんを眺める。可哀想に、どんな過酷な試練が待ってるかも分からないのに。
峰田くんがようやっと壁を昇り切りそうになった瞬間、そこからひょこっと現れたのは……洸太くんであった。
「ヒーロー以前に人のあれこれから学び直せ」
「くそガキィイイ!!?」
あっ、落とされた。
僕は落ちてくる峰田くんを苦笑いで眺めながら、湯船にゆっくりと浸かる。
やっぱり峰田くんってサイテーだし、アホなんだろうな……。
……B組にいないとは思いたいけど、やはり出っ張りとかは必要なのかもしれない。全国の露天風呂には付けるべきだ。うんうん。
洸太くんが女子風呂を見て戸惑ったのか、足を滑らして落ちてしまったものの、緑谷くんが助けていた。
そのまま、気絶している洸太くんを緑谷くんはマンダレイの所に連れていったようだ。
僕らも風呂に浸かったあと、すぐに風呂場を出て寝巻きに着替える。
部屋に戻る時に、唯とあったので、風呂は凄かったよとだけ伝えておいた。
唯、目をキラキラさせてたけどそんなに風呂好きだったのかな?
緑谷くんが戻ってきたあたりで、上鳴くん峰田くん主催女子の中で誰と付き合いたいか選手権が開催されようとしていたが、枕を投げられたことにより、それは開催されることなく終わった。
ありがとう、爆豪くん。言葉が悪かったけど。
次の日の朝。午前5時30分。
「おはよう諸君」
「「「……」」」
まだ朝日昇りきってない時間なんですけど相澤先生。
寝起きだから眠たそうに目を擦っているものがいる中、相澤先生が説明を続ける。
「本日から本格的に強化合宿を始める。今合宿の目的は全員の強化。それによる『仮免』の取得。具体的になりつつある敵意に、立ち向かうための準備だ。心して臨むように」
その後、爆豪くんにボールを投げさせる相澤先生。あれってたしか、体力テストの時に使ったボールだっけ?
爆豪くんがボールを暴言と共に投げ放つと……記録は『709.6m』……あれっ?
そう、意外と伸びていなかったのだ。前回が、確か『705.6m』……4mなど、誤差に過ぎない。
「約3ヶ月間、様々な経験を経て確かに君らは最長している。だがそれはあくまでも精神面や技術面。あとは多少の体力的な成長がメインで、『個性』そのものは今見た通りでそこまで成長していない」
相澤先生がそう言い放つ。
そうか、確かに……これ以上個性を伸ばすためには、個性重視にしないといけないのか。
「だから、今日から君らの"個性"を伸ばす。死ぬ程キツいがせいぜい死なないようにな」
相澤先生が悪っそうな笑みを浮かべて忠告し、それを見て僕たちは思わず息を飲んでしまった。