なぁAFO……ラプラスの悪魔って知ってる? 作:YY:10-0-1-2
轟達が室内に入る前。
硝子は自身の個性である【複製腕】で耳を作り、羅符素達の足音を聞いていた。
しばらくすると、耳の形から口の形へと変貌し、言葉を発した。
「4階北側の広間に一人、もう2人は同階のどこか…1人は素足だな」
「外出てろ。危ねぇから……向こうは防衛戦のつもりだろうが……俺には関係ない」
轟がビルが一瞬で凍りつかせる。
すると、障子の耳が、物音を捕える。
「いや、待て……
「? 凍りつかせたつもりだったが……」
障子の複製腕がさらに音を捕える為に耳を拡張するも、これ以上の物音は何も聞こえない。
「…何かあったら、大きい物音を立てる」
「それが聞こえたら、入ればいいんだな?」
障子がそう言うと、轟は頷く。
「っ?!」
僕と対峙していた轟君がドンドンドンっと足で大きく物音を立てる。なんだ?
なんでわざわざ足踏みを? 凍りつかせる為の…いや、だとしたらわざわざ物音は立てなくていいはず。
様々な考えが僕の中で唸った結果、脳内CPUが弾き出した結論は…。
「っ! 尾白君、障子君が多分来る!」
『! どうすればいい?』
「尾白君、何とか確保テープって巻けないかな?」
尾白君にそう伝えると、しばらく黙りこくった後、やってみるとの返しが来た。
「葉隠さんは、僕が攻撃を躱しつつ窓まで行くから、窓から外に出て、3階に行けるかな? 尾白君と合流して欲しいんだけれども」
「やってみる!」
流石に2人だったら障子君を翻弄出来るはずだが、さすがに厳しいはずだ。
僕がやるべきことはただ一つ…。
葉隠さん達と合流して、障子君を捕まえること
「しっ!」
氷の壁が僕に迫ってくるが、葉隠さんをしっかりと抱きしめてから、地面を蹴って、それを避ける。
何個も何個もポンポンポンポン出してくるから気が狂うな…!
窓の方についたので、葉隠さんの手を掴み、窓へと放り投げる形で葉隠さんを外に出す。
葉隠さんは窓を開けて、3階へと入った。それを確認してから僕は再び轟君を見る。
「チッ、透明のヤツを三階に降ろしたのか?」
「ブラフかもしれないよ? だって
僕がそう言うと、轟君はハァッとため息のようなものを吐く。その時、その息が白くなっていることを確認した。
確かに、氷をポンポン放ってたら周りの温度は下がるに決まってる。
僕の息も白い訳だし。
「動きが鈍ってきたよ?」
「チッ…」
僕が言うと、部屋全体を氷で埋め尽くす轟君。僕は窓から三階に降りて轟君から逃げる。
その後、すぐ上に昇ろうとも思ったが、インカムから聞こえてきた葉隠さんの声で、障子君がいる方へと走っていくのであった。
生憎だが、核は……!
■
「おりゃぁ!」
尾白が自身の個性である【尻尾】を巧みに使い攻撃するも、障子は複製腕の力で尾白の攻撃を全て受け流していた。
その障子のインカムから轟の声が聞こえてきた。
『やられた! 核がない!』
その声に障子が驚いていると、尾白が少しだけしてやったりという顔をする。
轟と羅符素が戦っている間、尾白はなんと、核を移動させていたのだ。
4階…ではなく、最上階に。
これは、羅符素にも知らなかったことである。
尾白は葉隠に先に伝え、羅符素にも伝えるようにしたのである。
尾白、これは天才。
「おまたっせ!!」
障子の脇腹に蹴りを入れ込む羅符素。
障子は為す術なく吹っ飛ばされ、その近くにいた葉隠に確保テープを巻かれるのであった。
「やった!」
「いいや、轟君がまだいるはず」
「じゃあどうすれば……」
尾白がそう言うと、羅符素は尾白のことを掴み、窓の方へと駆け寄る。
「尾白君、僕が全力でぶん投げるから、最上階に行ってくれない?」
「え?」
羅符素は因果律を見ながら、どこの位置に飛ばせば行けるかを模索する。
尾白は困惑しながらも、自分に出来ることはと考え込む。
「僕は核の位置がどこにあるか分からない! から、君が1番早く辿り着けるはず! 頼んだ!」
「わ、分かった…うぉっ?!」
勢いよく尾白を掴んだまま窓から飛び出た羅符素は、尾白を全力でぶん投げ、最上階へと飛ばす。
尾白は風を浴びながら、開けておいた最上階の窓に尻尾を使って入り込む。
幸いにも、轟はまだ来ておらず、核には触られていなさそうだ。
「よし!」
『尾白君! 周りに気をつけて! いきなり凍らされたら勝ち目がない!』
「分かってる! っ!」
尾白が答えた瞬間に、目の前に氷の壁が出来る。
轟は白い息を吐きながら、室内へと入っていく。
緊張した空気が辺りをつつみ……刹那、動いたのは轟であった。
轟の氷は尾白を捉えかけるが、尾白はそのしっぽを活かして、空中に飛ぶ。
「! しまっ?!」
尾白の腕は凍りつき、空中でブラ〜ンと浮いてしまう。
なんとか氷の拘束を解こうとするも、足すらも凍りついてしまう。
「尾白君!!」
羅符素が来た時には、遅く…。
「わりぃな…」
轟は既に、核に触っていた。
『ヒーローチームWIIIIIN!講評に行こうか!!』
こうして、第2試合は終わりを告げたのであった。