数日後、おじさんは飛行少年の金でうまい飯を食いながらガイコツマンことオールマイトをレストランで待っていた。
おじさんのテーブルに積み上げられる皿、皿、皿……。その数が100を超える頃になって店にオールマイトがスーツ姿で入店してくる。その後ろにはスーツのグラントリノも一緒だ。
「やあ、待たせてしまってすまない」
「っん、いいよ。こっちはメシ食ってるだけだし」
そう言いながら皿の上に乗った肉を一口で頬張って横に積まれた皿の上に重ねる。それと同時に新しい料理がテーブルに乗せられすぐにソレに手を付ける。
「凄まじい食欲だな……」
「アレの一件で大量に人を治したからな。エネルギー不足を解消するとなると食う量はどうしても増える」
「限度があるだろ」
「いや、低コストで異能使って吸収してるからほぼ無尽蔵に食えるし蓄えられる」
目の前のピラフをペロリと食べ終わってグラントリノに返事をする。次はパスタ。
二人に飲み物を出してもらってひたすらメシを掻き込む。飲み物で口を潤してからオールマイトが口を開いた。
「あの日の報告書を読んだよ。総勢5000人以上の命を救ってくれたと」
そう言ってテーブルに置かれた書類にはおじさんが助けた人の名前が連なった名簿。
っつーかそんなに人居たか? 後半からは面倒になって言われるまま治してたけど。
「おう、流石に自分の寿命迎える前提で活動してたから貯蓄が無くてな……自前のエネルギー残量がほぼ空になっちまったよ」
「その結果がその食欲かい?」
「食欲はあんまり関係ねぇ。殆ど無限に食えるし」
「無限……」
「お前の胃はどうなっとるんだ……」
二人があきれ顔をしてるがコッチからしたら死活問題なのだ。他人に【幸運脂肪】使うのは良いけど体内のストックも殆ど出し切った為、下手したらあのままポックリ逝ってた可能性もあった。
一旦食べる手を止めて二人の方を見る。
「んで、準備は?」
「何時でも」
「アイツはお前さんが引っ張ってくるんだろ?」
「引っ張るもなにも……」
オールマイトの後ろを指さす。二人が一斉に振り返ればオールマイトの1m程後方に立つオールフォーワン。
「予定通りだな、飛行少年」
「
「戻すじゃねーよ、潰すって言ったんだ。エネルギー不足だと加減する余裕とか一切無いからな」
「だからこそ、ココで食事を提供させた訳だけど……」
そう言って積まれた皿の山を見るオールフォーワン。
「随分とまあ、食べたね」
「ん-、まだ2割位だが……とりあえず良いか」
皿に残っていた料理を平らげて手を合わせる。
「ごちそうさま。あとは会見終わってからだな」
「まだ食べるつもりなのかい?」
「ぶっちゃけ全然足らん。これの3倍は食いたい」
「……手配はしておこう」
「サンキュー」
そう言ってオールフォーワンに並び共に店の外へ向かって歩くナイトメア。
今から向かうのは全世界へ向けての記者会見。AFO対オールマイトという因縁の対決を白日の下で行うという狂気の企画。
色々と手を打とうとしたが無理だった。そもそも日本という社会のある意味のど元に手をかけれる立ち位置に居たナイトメア。
こいつの複数の異能を使われた瞬間に積みだ。
ワープに強靭なフィジカル。そして負傷を即座に完治出来る他社の肉体操作。
おまけにコイツは昔からマイペースの癖に見てる視点が他と違う。視点が違えば考えが違う。
きっとコイツはこの企画の裏側で何かを企んでるがソイツが分からん……相変わらず厄介な奴だ。
「(グラントリノ、何か掴めそうですか?)」
「(さっぱりだ……お前のバックの公安は?)」
首を横に振るオールマイト。声から考えを読む個性が居ると聞いていたが……ソッチもダメか。
レストランを出ておじさんと飛行少年、オールマイトとグラントリノという組み分けで記者会見の会場へ車で移動する。思わず鼻歌を口ずさむ程度には気分がいい。
「それで?」
「うん?」
鼻歌歌いながら窓の外を見てると対面に座った飛行少年が声をかけてきた。
「何か仕掛けるんだろ?」
「んー、まぁそりゃね」
そういって肩をすくめて見せる。色々考えたが一々対応する位ならまとめて対処した方が楽だというのがおじさんの考え。
折角の一大イベント、仕掛けは大きければ大きいほどいいというものだ。
「掃除って色々一度に片付けたくない?」
「……なるほど」
しれっと座席の横に備え付けられていたワインを飲んでる飛行少年。匂いから割と良い奴ってのが分かるが……記者会見あるし我慢しとくか。
「ちゃんとおじさんも立場を発表してないと裏から接触する馬鹿が出るだろうからね。それなら同時に処理した方が楽だし……この結果に対して手を出さないってのも明文しとかないと」
「へぇ」
「何さ、その反応」
意外だと言わんばかりの顔をする飛行少年。手に持っていたワイングラスを置いておじさんに指を指してくる。
「てっきりどさくさで何か仕掛けるんだとばかり思ってたからね」
「しない、しない」
右手をけだるげに上げて否定して見せる。他人の因縁に首を突っ込むのなんざ本当なら面倒の極みなんだ、仕事じゃなけりゃ本来やらんっつーの。
「必要なら本来は叩き潰して終わらせるんだけどさぁ……それすると遺恨が残るじゃん。大多数が納得してる状態ならソレも良いけど、秘匿された中でやると延々といたちごっこやらされるしな」
過去の出来事を色々と思い出しながらつぶやく。秘匿された情報、秘匿されたやり取り、それらをひっくり返す実績を作っても良い様に情報を操作され事実を捻じ曲げる。
この手の輩は裏側に潜む者として非常に多く居る。あきれる程に。
「だったら白日の下、全部を巻き込んでやっちまった方がシンプルだ。そしてシンプルにルールを押し付ける」
上げた右手に宇宙創成のエネルギーを宿して見せる。
「交渉ってのは場を整える方がやりやすいもんだろ?」
「つくづくヒーローって奴とは遠いね、
「だっておじさんヒーローじゃないし」
「「ハハハハハ」」
一方その頃、もう一台の車では。
「おい、敏則……今すぐあの二人を殴ってこい」
「っグ、グラントリノ、落ち着いて」
「くそっ、怒りで血圧が上がりそうだぜ……!」
二人のリムジンに仕掛けられた盗聴器で会話を盗み聞きしてたグラントリノがキレちらかしていた。
ライブ感で書いていけ
一応終わりは見えたので時間があれば駆け抜けれそう