特撮勢の恋愛相談は俺には荷が重い!   作:新帯睦己

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12話 2人はライバル、

焦野さんの凄まじい告白(正体暴露)の次の日、俺は機械のように学校に来ていた。

 

「準一、大丈夫?ゾンビみたいになっているけど・・・」

 

誰のせいだよ、とは思わなくもないが、親友の言葉に少し心が落ち着く。

取り敢えず、どうしてこうなったか一から思い出していく・・・。

 

最初は特撮ヒーローの正体が淡海さんだったところから始まったんだよな。

淡海さんの恋愛に協力しつつ怪人に襲われまくった。

逆に怪人に救われた事もあった。

だけど、その怪人の正体は焦野さんだった。

焦野さんからも恋愛に協力するよう頼まれて・・・。

で、今ここにいる。

はい!という訳で11話分位の回想終わり!

うだうだしてもしょうがないし、切り替えていこう!

 

「よしっ、大丈夫にしたっ!」

 

なるようになれだ!

 

「本当に大丈夫かしら?無理をしているように思うのだけど」

 

淡海さんもよく見ているなぁ。

とはいえ、これまで通りサポートするわけにはいかない。

 

「一応ね。ちょっと疲れただけだよ。このところ、ずっと走ったり働いたりしていただけだよ」

 

「・・・そうね。キミ、走り回るような事が多そうだものね」

 

この間、隠語か?

 

「この3日で2回、全力疾走したからなぁ。着ぐるみのバイトもそれなりに大変だし」

 

「2回もって私、聞いていないんだけど」

 

「別に大したことはないんじゃ・・・」

 

やっぱり隠語だったか。

こういうの憧れていたんだよなぁ。

小声で、放課後話すよと伝えておく。

 

そうこうする内に―――――、

 

「3人ともお待たせー!」

 

はい、焦野さんが来ましたー。

ここからが正面場だ。

さて、どうサポートしたものか。

理想は1人1人を立てつつも、お互いに気づかれないことだ。

俺の実力を見せるとしますか(内心、冷や汗)。

 

「こんにちは、焦野さん」

 

尚、当の2人は何か感じ取ったのか、既に火花が散っている。

 

「こんにちは、委員長。ところで3人で何の話をしていたの?」

 

「俺が全力疾走して着ぐるみのバイトをしているって話だよ」

 

「へー。基成っちって体、鍛えているの?」

 

「まあね」

 

あの商店街で俺達が出会った事は内緒にしておこう。

 

「準一は体を鍛えているよね。細マッチョって感じだよ。腹筋も割れているし」

 

「そーなの!?」

 

シックスパッドだぜ?

昔から鍛えられたからな(遠い目)。

爺ちゃんの扱きは昭和だったぜ。

 

「2人とも見てみるか?」

 

こうみても筋肉にはソコソコ自信があるんですよ・・・。

 

「遠慮しておくわ」「パスで」

 

むむむ。だったら・・・。

 

「ちなみに灯矢は・・・。特に特徴がなかったわ」

 

しまった。あいつ、贅肉があるわけでも引き締まっているわけでもなかったわ。

しいていうならやや、引き締まっているって感じか。

 

「2人とも触ってみたらどうだ?」

 

「ちょ!準一!?って2人とも、息が荒くない!?」

 

俺は灯矢を生贄に捧げるZE☆

これが俺の戦略その1。『2人とも楽しませればいいんじゃね?』

更にここからコンボをつなげるぜ。

 

「美人な2人に触ってもらえるなんて、男子としたらウラヤマ案件だぞ」

 

2人をより異性として認識するよう働きかける。

これで平等にサポートできるはず―――。

 

「ねぇ、どっちの指の方が感触が良い?」

 

「えぇ!」

 

焦野さん、ここで上下をはっきりさせようとするだと・・・!

それはギスギス度を上げるヤツ・・・!

そんな事を言われれば、遠慮気味に触っていた淡海さんもヒートアップするに決まっている。

もっと積極的にべたべたし始めた。見ている分にはおもしろい光景だが、胃が痛い・・・。

 

「基成君はハタから見てどう思うの?」

 

俺を味方につける作戦か。

今までだったら、淡海さんをそれとなくサポートしていたかもしれない。

だが、今は・・・。

 

「基成っちー?」

 

焦野さんの満面の笑顔が怖いでござる。

 

「基成君?」

 

こっちもかよ。前門の虎後門の狼かよ・・・。

2人ともほっそりした指で片や色白。片や健康的な小麦色。

甲乙つけがたい。

 

「2人ともカンストだわ!やはり、灯矢を絞める!、羨ましいすぎるわ!」

 

ヘッドロックを奴にキメる。

周囲の白い目が一斉に集まるが、今は気にしていられない。

この方法なら2人のヒートアップも収まるはずだ。

 

「こうなったら勝負だよっ、委員長!」

 

「望むところ!」

 

無効だと・・・!

だが、この流れはマズい。どうする・・・!

周りに助けを求めるしかない・・・。

1人目、財床!本から目を全く離していない!

2人目、真悟!目を逸らすな。秋林、お前もか!

こうなったら4人目鉢塚!

奴はキリッとした表情で頷き、サムズアップ。

期待していいのか・・・。

 

「2人とも譲れないモノがあるようだな。だったら1対1になってケガしないスポーツ、バスケの1 on 1で決着をつけるのはどうだ?」

 

火に油を注いでいるんじゃねぇよ!

 

「当事者同士は問題なさそうだな、他の女子的にも問題はなさそうか?」

 

鉢塚は近くにいた吹村さんに呼びかける。

 

「ええ、構わないけど・・・。私文化部だし、条件なんて・・・。小倉さんはどう思う?」

 

占い&アイドル好きの吹村さんじゃ、答えにくいか。

だからこそ、水泳部の小倉さんに聞いたんだろう。

このクラスには奇跡的にバスケ部の女子がいないからな。

 

 

「うーん。2人ともバスケ部じゃないし、背格好も同じくらいだからいいと思うよっ」

 

小柄な体格に似合わず、溌剌に話す姿はまるで天使だ。

実際、水泳部のアイドルだし。

 

「本当に大丈夫か」

 

流石に心配になるんだが。

 

「一緒にスポーツしたら、きっと仲良くなるから大丈夫だよー」

 

マジで期待しているぞ。

焦野さんは対決の場所と時間を決めると元のクラスに戻っていった。

そういや、鉢塚はなんでバスケって決めたんだ?

そんなことを考えていると、ヤツは首の後ろに手を回してきた。

 

「良いアイディアだったろ」

 

「俺としては対決してほしくなかったんだけどな」

 

「そんな事かよ、多少の喧嘩は友情には必須じゃねぇか。というかバスケの結果で楠がどちらか選ぶって事じゃないだろ?」

 

「確かに・・・」

 

俺は気を張り過ぎていたのか・・・?

 

「バスケを選んだのはもう1つ理由がある。女子に気づかれなくてよかったぜ」

 

「まさか・・・」

 

2人とも、かなり立派だったな・・・。

 

「これで誰も文句が言えないぜ」

 

「鉢塚、いや刹那。お前天才だわ・・・」

 

その発想はなかった。

 

という訳で勝負の時間になった。

 

「勝負だよ委員長!」

 

「望むところ」

 

焦野さんも淡海さんもやる気十分だ。

体操服から除く健康的な長い手足がまぶしいぜ。

というか、人が多くない!?

俺のクラスだけじゃない。他のクラスのヤツまでいるぞ。

 

「学校で1・2を争う美少女2人の勝負。気にならないクラスメイトなんていないでしょう」

 

そう扇子を優雅に持つのは山波(やまなみ)舞弥(まいや)。

山波神社の娘さんだ。年始には巫女服姿で目撃されることが多い。

一見、穏やかにに見える彼女だが腹黒でお金にがめつい。

 

「オッズは1.1:0.9。ほぼ互角。基成くんもやりますか」

 

堂々と賭け事の胴元になってやがる・・・。

 

「俺はいいわ。程々にしとけよ」

 

「ええ。引き時はわきまえていますから。それに先生の方も・・・」

 

マジ!?

 

「フフ、冗談ですよ」

 

似非巫女めー。

ここはガチお嬢様に聞いてみよう。

 

「宝丈さんはどっちが有利だと思う?」

 

前髪をきっちりと整えた彼女は宝丈(ほうじょう)響姫(ひびき)さん。

宝丈グループは日本でも有数の財閥の1つだ。

彼女のはんなりとした立ち振る舞いは正に完璧なお嬢様だ。

 

「そうですね。私(わたくし)、淡海さんは中学生の頃から存じ上げています。彼女は私からみても文武両道な完璧な特待生でした。実際にバスケットボールの授業では大活躍でした」

 

「なるほどな」

 

エキュアの戦闘を見る限り、確かに運動神経がよさそうだ。

そう喋っている間にもゲームは進行していく。

残り時間は後わずか。

 

「ボールは渡さないよ・・・!」

 

確かに淡海さんは普通にウマい。

軽やかなドライブにフェイントを駆使している。

だが、焦野さんはフェイントにひっかかりながらも食らいついている。

なんか、怪人―プレヴィクターの力が漏れていない?

淡海さんにバレないよな・・・。

 

「なんて身体能力・・・。でも、まだ私の方が有利よ!」

 

スコアは10対9。ほぼ下馬評通り。

そう話すのも納得できる。

だけど淡海さん、多分、死亡フラグだと思う。

 

「盗った!」

 

やっぱり。

焦野さんは身体能力にモノを言わせ、更にバックステップする。

そこからスリーポイントを決める。

 

10対12。

 

「流石ね。だけど負けないっ!」

 

残り3秒。残されたのはワンプレーのみ。

 

「絶対に守りきる!」

 

淡海さんは左右へフェイントを繰り返す。

どちらも反応されるが、焦野さんがガクリと膝をついた。

相手の重心を崩す高等プレイだ。

そのまま、シュートを決めた。

 

12対12

 

「同点だと・・・!」

 

いい勝負だった。

落としどころとしては完璧なんじゃないだろうか。

 

「やるね、瑠璃奈」

 

(かなえ)もね」

 

なんか、友情が結ばれているー!

 

 

12話 2人はライバル、そして友達

 

 

一先ず、何とかなったかな。

今後どうなるのだろか。

まぁ俺が何とかしないといけないんだが。

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