知らんうちに弟分がおねショタハーレム主人公になってて狂いそう   作:鐘楼

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一般的に暴露は良くないとあなたに教わったはずですが

 「……王国がそんな悪巧みを……僕は……王子として、智龍様になんと詫びたら良いのか……」

 「そこか? なぁ少年、そこなのか?」

 

 師であるレヴィンの人となりを話す。そんな触れ込みで始まった智龍フェンニバルの語りには、メインであるクルスの付き添いとしてサニーウインド、フレアルビー、クレイプレシャス、騎士アンリエッタ、帝国貴族ミストリアも共にフェンニバルの話を聞いていた。

 

 フェンニバルの語りはまだまだ序の口だったが、途中でクルスがかつての王国の蛮行について謝罪をし始めたものだから、すかさずフレアルビーがツッコミを入れる。事実、クルスを除く全員が王国がどうこうの話には注目していなかった。レヴィンの奇行で頭がいっぱいであった。

 

 「……お前が謝ることではない。人間に狙われることなどよくあることで慣れているし、そもそもお前が儂に償えることなど何もない」

 「そう、ですよね……すみません。聞いていた話とは違っていたから……」

 「クルスくん、聞いていた話って……? あの人……レヴィンさんから?」

 「あ、いえ……おとぎ話の方です。前に話した」

 

 『レヴィン騎士物語』。クルスがそのおとぎ話に憧れ、その延長でレヴィンを尊敬し始めたという話は妖精達も聞かされていた。

 

 「薄々察しておったが、やはりお前がレヴィンを美化しているのはアレの影響か」

 「び、美化しているつもりは……」

 「まぁ待て。その話は全て話し終えた後じゃ……『レヴィン騎士物語』は王国にレヴィンありと流布する為のプロパガンダの側面が強い。王国に都合の悪い描写がないのも当然じゃな」

 

 もっとも、それだけでは説明できないほど脚色が酷いが、とフェンニバルは内心で付け加える。当然ながらレヴィンの異常性は物語において全て省かれている。

 

 「なぁ、その物語ってのはそんなに事実と違うのか?」

 「……えぇ。あの物語では、レヴィン卿が魔族との和解の為の仲介としての助力を智龍様に嘆願しようと赴き、認められるという筋書きだったはずです」

 「相変わらずひっどいのう。レヴィンの頭の中に平和なぞ微塵も入っとらんぞ」

 

 フレアルビーの疑問に、アンリエッタが答えると、語られた物語のおかしさにフェンニバルは呆れきった声色で毒を吐く。

 

 「しかし、これで謎が一つ解けたヨ。あのお兄さんが一時でも人に仕える立場になったなんて信じられなかったケド、そういうことだったノカ」

 

 一人納得するクレイプレシャスだったが、他の面々にはまだ大きな疑問が残ったままだった。それは、さらりと語られたレヴィンの種族、“英霊”について。それをレヴィンから聞いていたのはクレイプレシャスだけだった。

 

 「それでその……レヴィンさんが英霊って、どういう……?」

 「……もちろん、純粋な人間ではないことは存じていましたが……」

 「死んだ英雄を魔力生命体として転生させた存在じゃ。通常は召喚者の魔力供給がなければ存在を保てないが……」

 「“吸収”(アブゾーブ)、ですネ?」

 「正解じゃ。詳しいな」

 「レヴィンお兄さんに直接話を聞く機会があったものでシテ」

 

 事前にレヴィンからその秘密を聞いていたクレイプレシャスが答えを口にするが、一同は別の部分で引っかかっていた。

 

 「英雄って……その物語っていうのは生き返ってからの話なんだよね? その前からあの人は英雄だったの?」

 

 生前のレヴィンの偉業。厄災との戦いの顛末。その件に関する部分をフェンニバルは伏せて話していたが、最後まで話をする上で避けられる事項ではない。故に、いずれ説明はしなければならないのだが。

 

 「落ち着け。それもしかるべきタイミングで話す。なるべく質問は最後にしてくれ」

 「じゃあこれだけ聞きたいわ! レヴィン卿のヘンテコな知識はどこから来たものなの?」

 

 ミストリアの質問は、何度か愛読書を自慢されたことで心当たりのあるクルス以外の全員が気になっていたことだったが、フェンニバルは露骨にイヤな顔をした。

 

 「ミストリア。それも後じゃ……というか、これぐらいの奇行で一々話を止めるのだけはやめてくれ! 本当に、終わらん!」

 

 そう釘を刺したフェンニバルは、再び過去を語り始めた。

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