ジン「コナン君。僕は怪しい者じゃないよ☆」   作:バケギツネ

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CASE2 雨が降ってきたな...

 

 

 前回までのあらすじ。

 

 金髪ロン毛の人殺しに、異世界転生しちゃった!

 てへぺろ☆

 

 はい、異世界人生詰みました!

 というわけで、let's自首!!

 

 

「...た、たたた探偵さんよぉ、一つ話したいことがある。」

 

『なんですか...?』

 

 俺はポケットに手を入れ、そこに入った拳銃のゴツゴツ触感を味わいながら工藤新一へと近付いていく。

 

 しかしその足取りは途中で緊急停止した。

 

「......」

 

 いや待って、ちょっとタンマ!!

 

 やっぱこれさ、俺悪くないよね!?だって、犯人俺だけど俺じゃないじゃん!!

 

 クッソ、俺ってば最低のクズだ!今になって捕まるのが怖くなってきちゃった。

 

 でもさぁ!よく考えたら殺人に加えて、銃器不法所持、さらには遊園地からの賠償請求...

 

 ちょっと罰が重すぎる!償いきれる気がしない!!

 

 一応、これは俺の第二の人生でもあるわけだ。そんな大事なものを無実の罪で棒に振るのは流石におかしい!!!

 

 よし、俺は覚悟を決めたぜ。絶対に逃げきってやる!主人公の高校生探偵・工藤新一、お前からもなぁ!!

 

「えーーっと、その...」

 

 決意を固めた俺はポケットから手を離し、怖いので目を合わせないようにしながら工藤新一と向かい合う。

 

『あの、話したいことというのは?』

 

 ヤッベ、メチャクチャ視線を感じる。多分だけど、工藤新一に超睨まれてる!

 

 前世でも今でも年下のはずの男の子に、全く勝てる気がしないんだけど!!

 

 これが主人公のプレッシャーってやつか。めちゃめちゃ怖い。危うく全ての罪を認めて、土下座で許しを請うところだった。

 

 マジで何してくれてんだ、この身体の元の持ち主は!!

 

 そもそもの話、殺人事件の犯人なんて豆腐メンタルの俺には無理だ!多分すぐに顔に出ちゃうし、迫真の演技とかもできない!!

 

『何か言いたい事があるなら、早く話してください!!』

 

 ひええええええ!!!

 

 いつまでも知らんぷりを決め込んでいた俺は、業を煮やした工藤新一から結構本気めに怒鳴られた。

 

「う、ううっ、うううっ、グスッ...」

 

 ヤッベ、怖すぎて泣いちゃった。

 

「もうやだ!!帰りたい!!もう帰りたいよぉ!!!うわああああああああああんん!!!」(CV 堀○紀)

 

 あまりの緊張感と恐怖に、俺の精神年齢は小1レベルまで退化する。見た目は大人、中身は子供だ。

 

 くっっっそ情けねえ。

 

『................................』

 

 急に号泣しだした190センチの金髪ロン毛男(俺)に周囲もドン引きしてやがる。工藤新一もまた、俺の様子に困惑していた。

 

『ど、どうしたんですか?急に泣き出して...泣く...そうか!』

 

 んんん?

 

 工藤新一の顔が突然自信に満ちる。

 

 間違いない!奴は俺が犯人だと確信してしまったんだろう。恐らく決定的な証拠も掴んでいる!

 

 もうお終いだぁぁ!!!

 

 

 

 

 

 

 彼は高校生探偵・工藤新一。

 

 同級生で幼馴染の空手少女・毛利蘭(この時点で電柱を陥没させるパワーあり)と遊園地に遊びに行って、不可解な殺人事件に遭遇した。

 

 容疑者は、被害者と同じコースターに乗っていた5人。

 

 

「あの、そこのお嬢さん!!鏡をお貸し願いたい!よろしいでしょうか!?って、これはっ!!!」

 

 その中でもブッチギリで妙な動きをしているのが、金髪ロン毛が特徴的な黒ずくめの男。ツレのサングラス男も含めて、彼らからは殺伐とした雰囲気が漂っていた。

 

 そもそもそんな奴らが仲良く男2人で遊園地に来てるというだけで不自然なのだが、原作ではソレをツッコむ者はいない。

 

 何はともあれ、工藤新一は順当にジンたちの事を疑っていた。

  

『貴方、何をしてるんですか?』

 

「あ、いや、えっと、その、あの...」

『あ、兄貴!』

 

 新一が声をかけると、黒ずくめの男達は汗をダラダラ流して狼狽していた(割と原作通り)。その態度で新一は、彼らへの疑いをさらに強める。

 

「...た、たたた探偵さんよぉ、一つ話したいことがある。」

 

 やがて金髪の男の方が、決意を固めた様子で口を開いた。彼の纏う異様な雰囲気やその冷たい眼に気圧されながらも、新一は問答を続ける。

 

『...なんですか?』

 

 因みに原作で、ジンの瞳を見た新一はすぐさま“平気で何人も殺してきたような眼”と称している。

 

 初対面の相手に対して普通に失礼なのでは?

 

 まあ、合ってたけど。

 

 これは一目で見抜いた新一がすごいのか、一目で見抜かれたジンがアレなのか。

 

「.................」

 

『何か言いたい事があるなら、早く話してください!』

 

「う、ううっ、うううっ、グスッ...」

 

 金髪の大男は肩を震わせ、その乾いた目を涙で潤ませていた。

 

「もうやだ!!帰りたい!!もう帰りたいよぉ!!!うわああああああああああんん!!!」」(CV 堀○紀)

 

 人目も憚らずに号泣し始める黒ずくめの男。その頬を伝う涙は彼の顔の真下へと流れ落ち、その足元を濡らしていた。

 

『ど、どうしたんですか?急に泣き出して...』

 

 自らの言葉によって新一は思い出す。事件が起きる前、ジェットコースターに乗っていた彼の顔にはしょっぱい液体がかかったのだ。

 

『泣く...そうか!』

 

 新一はソレが涙だったと気付く。

 

 事件の前に泣いてた人間が、被害者が死ぬ事を知っていた人間がいたのだと。

 

 彼は容疑者たちの目元を1人ずつ観察していく。その中に1人、真横に流れた涙跡のある人物を見つけた。

 

「うううう、うわああああああん!!!!」

『あ、兄貴?』

 

 黒ずくめの金髪は今も涙を流し続けている。何か怪しいこの男達だが、ひとまず今回の事件には関係ないと、新一は結論を出すのだった。

 

 何なら犯人を突き止められたのは、結果的に黒ずくめの男たちが不自然に泣き出したおかげ...

 

 そこで新一は、一つの可能性に気付く。

 

 もしも黒ずくめの男が、自分よりも先に真相に辿り着いていたとしたら。

 

 彼が座っていた席は被害者の後ろ。位置的に犯人の流した涙に気付いていてもおかしくはない。

 

 コンパクトミラーを借りたのは、自分の視線を隠しながら容疑者たちの目元を確認する為だとしたら。

 

 急に号泣したのも、犯人の残した最大の証拠を誰かに気付かせる為だとしたら。

 

 無論、実際はタダの買い被りであるのだが、不可解な事象を疑わずにはいられない探偵のサガが、今回ばかりは裏目に出る。

 

『奴は、一体何が目的なんだ...?』

 

 若き名探偵は、降って沸いた新たな謎に頭を悩ませていた。

 

 

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