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前回までのあらすじ!
犯人は俺だ!
前世のじっちゃん(81)の名にかけて!
転生したら190の強面金髪ロン毛殺人犯だった件!
転生ガチャ大爆死です!
クソがっ!!!!
現在は、変な髪型の高校生探偵・工藤新一と、事件の真相を懸けて一騎討ちの真っ最中!
だが奴は、多分この俺が犯人だと気付いている...!
「うううう、うわああああああん!とんだクソ展開じゃねえかあああああ!!」
もう終わりだああ!俺の異世界人生はここで逮捕エンドを迎えるんだああ!!
『あ、兄貴.....?人前で号泣するなんて、こんなのいつもの兄貴じゃ...ああ、なるほど!そういうことですかい!』
ん?
俺との双子コーデみたいな格好をした、グラサン男が何かに気付いた?
『おうおう、ちょっといいか?探偵さんよお!!』
高校生男子にビビってオロオロしていた俺の前に、グラサンは颯爽と割りこんでくる。ま、まさか俺を庇ってくれるのか!?
彼は俺の肩に優しく手を添えると、工藤新一を睨みつけながら声を荒げる。
『こう見えて繊細な兄貴は、酷い死体を見てショックを受けてんだ!こ、このままじゃ、いつ兄貴の、し、心臓病の発作(適当)が起きてもおかしくない!!探偵ごっこに付き合ってる暇はねえんだ!』
「えええええ!?俺って心臓弱いの!?」
今明かされる衝撃の事実!
この身体にそんな持病があったとは!!
ソレが今回の事件の動機と関わってたりするんだろうか?いや、知らんけど。
『どーせこの件は事故だ、事故!!俺たちには関係ねえ!俺は兄貴を病院に連れていかせてもらうぜ!!』
グラサンは俺の手を引いて、工藤新一を押し退ける。なんか彼にグラサンの奥からウインクされた。
『こうして現場を離れるために、ヘタレのフリなんかを!さすがは兄貴、すげえ演技力でしたぜ!!』
「...フン。(愛想笑い)」
何か勘違いが起きてそうだが、とりあえず笑って誤魔化しておくとしよう。
まあともかく!このまま現場から離れることができれば、証拠隠滅もし放題!!
ガハハ、勝ったな!笑いが止まらねえぜ!!!
「クククッ、クックックックックク...」
『警察です。申し訳ありませんが、コースターに乗っていた方はこの場に残って頂きたい!!』
「あぎゃああああああああああ!!」」
『よろしいですね?』
けい、さつ、だと...!?
俺たちは、茶色のスーツを身に纏ったポッチャリ系の刑事さんに呼び止められていた。
『今回の件、他殺の可能性もあります。申し訳ありませんが、捜査へのご協力をお願いしたい。』
「いや、あーーー、でも、その...」
刑事さんの巨体を前にして、俺は冷や汗をダラダラ垂らしながら、必死に頭を回していた。
ここが踏ん張りどころだ!なんとか理屈を捏ねてこの場を離れなければ!!
頑張れ、俺!いっけーーーーっ!!
『何か調べられて不都合なことでも?まさかとは思いますが、この事件......』
「いいえ!何もやましいことはありませんっ!潔白潔白!真っ白です!身体は真っ黒ですけど!!......えっと、喜んで捜査に協力します!HAHAHAHAHAHAHA!!」
『あ、兄貴ぃ!!』
だってぇ、あの言い方はズルじゃん!!流石にあの空気で、この場から逃げ去るわけにもいくまい。
「け、警察の皆さん、お勤めご苦労様です〜。捜査の方、頑張ってくださいね〜!フフフフフ。」
俺は少しでも印象をよくしようと、汗だくの顔を緩めて刑事さんにニッコリと微笑んだ。
『.............』
『.............』
『.............』
そんな俺を刑事さん達は胡散臭げ見つめてくる。やべえ、早速目つけられたかもぉ!?
っていうか警察の到着早すぎない!?
近くでスタンばってました!?
くっそお。ボディーチェックでもされようものなら、一発でアウトだぞ。なんせこっちは拳銃持ってますからね!!
全くこの金髪ロン毛、遊園地になんてものを持ち込んでんだよ。そもそも、どうして遊園地なんかで事件を起こした?
『ったく、迷惑な話ですぜ。』
元の身体の持ち主に殺意を抱いていた俺に、グラサンが声を潜めて話しかけてくる。
『だってそうでしょう。このヤマは、俺たちには何の関係も無いってのに。』
んん〜?俺たちには何の関係もない?
あ、グラサンは俺が真犯人だと知らないのか!ならその反応にも納得だ。
現場から連れ出そうとしてくれたさっきの行動も、心臓が弱いという俺を純粋に慮ってのものだったんだろう。
きっとこの身体の元の持ち主は、そんな人のいいグラサンを体よく使って、自身の犯行を隠そうとしていたんだろうな。
最悪、このグラサンに罪を着せるつもりだったのかもしれない。人間のクズだな!この金髪ロン毛男め!!!
ごめんグラサン!
せめてグラサンだけには、本当のことを伝えよう!
「よく聞けよ。その、少し言い辛いんだが、あの男を殺したのは俺だ。」
『えええええええ!?あ、あれを、兄貴がやったんですかい!?ぜ、全然気付きやせんでした!!いつの間に!?どうやって!?』
「しっ、声が大きい!!」
『あっ、ああ...!すいやせん、つい!!』
グラサンはめっちゃめちゃビックリしてる。きっと俺の無実を心から信じてくれてたんだろうな。
すまない、お前の信頼を裏切ってしまって!いやまあ、実際に裏切ったのは俺じゃないんだけど!!
『一応、お聞きしても?ど、どうしてあの男を殺ったんですかい?』
わっかんないよぉぉぉ!
そんなの俺が教えて欲しいくらいだ!!
そういうのは元の俺に聞け!!
...とも言えないし、適当に誤魔化すか。
「さあな。俺の知ったことじゃない...』
『な、なるほど...“組織”の意向ってことですかい。』
「え?あー、うん。」
なんか知らんが、グラサンは納得してくれたらしい。それより、この先どうするかだ。
『つまり、これは明らかな殺人なんですよ!警部。』
おやおや?
向こうで、工藤新一と刑事さんが事件について話しているな。こっそり聞き耳を立てておこう。
『となると容疑者は、工藤くんと蘭くんを除外して、5人か。』
おい身内贔屓すんな警察!!
ワンチャン工藤新一が犯人かもだろ!!まあ、流石にそれはないだろうけどさ...
あーーーー、もうこうなったら本来の俺に賭けるしかない!ミステリー系の作品である以上、何らかの“トリック”があるはずだ。
頼む本来の俺!優秀な犯人であってくれ!!!
『警部!この女性のバッグから、こんな物が!!』
おおっ!?ギャル(被害者の恋人)のバッグから、血のついたナイフが発見された!!
『わ、私知らないわよ、こんな物!!』
ギャルは必死に身に覚えがないことをアピールしている。まさか、本来の俺が彼女に罪を着せるために!?
キターーーーーー!!本来の俺、優秀!!!!!
ばんざーい、ばんざーい!!!!
『なーんだ、あいつが犯人か。』
『俺も怪しいと思ってたんだ。』
『痴情のもつれか?女は怖いねぇ〜。』
モブも警察も、彼女が犯人だと信じ込んでいるようだった。いいぞいいぞ、この調子なら逃げ切れる!
その安心からなのか、自然と俺の口も軽くなった。
「オラオラ、犯人はそちらの女性で決まりだ!!早く俺たちを帰してくださいませんか、刑事さんよぉ!!!」
勝利宣言!
ついつい、すごく小物くさいことを言ってしまった。元の俺なら絶対こんなこと言わないんだろうな〜。
『よーし、その女性を容疑者として連れて行け!!』
ぽっちゃり刑事さんの一声で、無実を訴え続けるギャルが連行されていく。
おーし、勝った!!勝ったぞぉ!!!
あのギャルには申し訳ないが、安心して欲しい。
すぐに無実と分かって釈放されるはずだ。まあその頃には、俺は全ての証拠を消して逃亡しているだろうがなぁ!!
残念だったな名探偵。この勝負、俺の勝ちだ!
『待ってください、警部!!!』
工藤新一のイケボが響き渡り、その場は一気に静まりかえった。
おい、この流れって、まさか、嘘だろ...!?
『犯人は、その人じゃありません。』
あ、はい。これ、終わりましたね☆
この先の展開までクッキリ見えました。
『真犯人は、』
きっと今から推理ショーが始まって、トリックも、動機も、全てが白日の元に晒されるんだ。
はは、俺の異世界生活も今度こそ本当に終わりだな。時間にして15分くらいか?短い異世界人生だったな...
いや、まだ分かんない!!諦めるな!!
工藤新一が急にトチ狂って、
“目暮警部、真犯人はあなたです!!”
とかいうかもしれない!
頼む、工藤新一。
トチ狂え!トチ狂ってくれ!!
『真犯人は、あなたです!!』
工藤新一が指差したのは、俺。
ではなく、被害者たちの友人である金髪の女の子だった。
工藤新一、トチ狂ったあああああ!?