拾われた元トリニティ生は自称超人の防衛室長を守る騎士となる   作:トクメイン

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今回、ちょっと短いですが話の根幹に関わってくる部分があるのでそれで許してください。


空崎ヒナと第2フェーズ

『……あれは…ゲヘナの風紀委員長…?』

 

『!……白水鳥クイナ…』

 

 

 あれは、いつの事だっただろう。

 

 その日はいつも通り忙しく、ゲヘナの生徒が破壊行動を起こしているとの報告が入って出動した時だった。

 

「クソっ! あの風紀委員長がいなけりゃと思ったのに、お前みたいなやつがいるなんて!」

 

 狭い路地裏。そこで問題を起こしていた生徒3人は倒されており、残り1人のゲヘナ生とその生徒が戦っていた。そしてその生徒こそ、白水鳥クイナなのだ。

 

「貴方、その制服はトリニティ? 名前は?」

「……。言う必要ありません」

「隙ありっ! ありがとよ風紀委員長!!」

 

 私が彼女に話しかけた瞬間を逃さず、白水鳥クイナを倒そうとして立ち上がるゲヘナの生徒。

 

 ―――ダダダダ。そんな銃声のあと、立っていたのは白水鳥クイナだった。

 

「私はゲヘナの風紀委員長、空崎ヒナ。始末書に貴方のことも書かなきゃいけないし、名前を教えて」

「…白水鳥クイナ。トリニティの1年生です」

 

 1年生、そう聞いて正直驚いた。そしてそれと同時に、とある人を彼女に重ねた。――それはアビドス高等学校の小鳥遊ホシノ。彼女の1年生の時に少し似ている。

 

 彼女はきっと、強くなる。根拠もない私の勘だけど、確実に。

 

 その後結局、白水鳥クイナは始末書に私がやったことにしておいて欲しいと言ってきた。そして私は彼女の言う通りにし、始末書を書いた。

 

 

 

▽ ▽ ▽

 

 

 

「空崎風紀委員長。私は防衛室直下の部隊、Chevalier(シュバリエ)としてD.U.地区に逃げ込んだゲヘナ生の討伐の助力を依頼します」

 

 クイナは咄嗟にそう言う。D.U.地区の管轄はヴァルキューレだ。そのため、無許可で戦闘をするのは学校間の関係を悪化させることになる。それを回避するための手段として、クイナはその選択をした。

 

「! …わかった。早速だけど、私はこっち側に逃げた奴を追うから貴方は向こうの方をお願い。終わったらまたここで落ち合いましょう」

 

 そしてクイナとヒナは別れ、それぞれが生徒を倒した。どちらも手こずることはなく、正に圧倒的だと言える戦いだった。

 

「ありがとう、白水鳥クイナ。貴方のおかげで何事もなく対処できた」

「いえ、こちらこそご協力感謝します」

 

 そう話していると、ヒナは仕事モードを解いて少し優しい表情をした。

 

「それにしても、貴方強くなったんじゃない?」

「そうでしょうか? 自分ではあまり実感がありませんが…」

「戦うところをはっきりと見たわけじゃないけど、雰囲気でわかるわ。何か守りたいものができた、とか?」

 

 ヒナのそんな発言を聞き、カヤを思い浮かべるクイナ。

 

「…守りたい、もの……。そうですね、守りたいものができました」

「そう、ならよかった。これからも頑張って――――」

 

 その瞬間、凄まじい轟音とともに周囲が吹き飛ぶ。

 

「キキキッ! 見たかイロハ! あの忌々しきヒナを吹き飛ばしたぞ!」

 

 飛空艇の上で、そんなことを叫ぶ女。その女はゲヘナ学園の生徒会である、万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)…その生徒会長、つまりはゲヘナ学園のトップであった。

 

 え、これが? と思うかもしれないが、これが生徒会長なのだ。

 

「あの、マコト先輩。その横に人がいましたけど…あの位置なら巻き込まれてるんじゃ…」

「キキッ! ヒナの横にいるならどうせ風紀委員関係のやつだろ!」

 

 そう楽観視するマコト。だが実際巻き込まれたクイナは防衛室、いわば連邦生徒会関係の者であり、最悪の相手を巻き込んでしまったことをまだ誰も知らない。

 

 

 

「…ッ! 周りがボロボロ…一体誰が…」

 

 ゲヘナ学園には思い当たる生徒が多すぎるせいで、犯人の見当がつかないヒナ。だがその身体に傷は少なく、多少出血している程度だ。

 

「!…白水鳥クイナはどこ!?」

 

 そしてハッとした後にクイナを探す。辺りは約半径20mほど吹き飛んでおり、街に対しての被害こそ少ないが一般的なキヴォトス人を倒すには十分すぎる威力だ。

 

「…居た…! しっかりして!」

 

 瓦礫を退かし、下敷きになっていたクイナを揺らして起こす。出血はしているものの、ヘイローが破壊されるほどのものではないためヒナは一安心する。

 

「……ッ、すみません。気を失ってました…あと少しの間動けそうにないです…」

 

 意識を取り戻すも、頭を強く打っているようでふらふらとしている。そしてそんな状況に追撃をするように、ゲヘナの生徒がこちらに向かってくる。

 

「行けー! 今なら風紀委員長を倒せるかもしれないぞー!」

「突撃ー! 情報通り弱ってるぞ!」

 

 こんな都合のいいタイミングでゲヘナ生徒が来たのには、もちろん理由がある。それは単純明快で、マコトが情報を流したのだ。この時間、ここに行けばヒナ委員長が弱っている、と。

 

 後ろにはまともに戦えないクイナ。そして何者かが仕向けたこの状況。そんな状態のヒナがストレスを感じるのはごくごく当たり前のことだ。

 

「めんどくさい…さっさと片付けないと」

 

 そしてヒナは自身の武器である終幕:デストロイヤーを構え、射撃する。

 ゲヘナ生はその弾丸の雨を受け、倒れている者もしばしば。

 

「反撃しろ、撃てー!」

 

 そんな掛け声の後、一斉に射撃を喰らうヒナ。だがそんな攻撃は風紀委員全体の戦力の半分とも言われているヒナの前には無力であり、ゲヘナ生はその様子を見て悔しがっている。

 

「悪いけど、後ろには絶対通さないから」

 

 

 

♰   ♰   ♰

 

 

 

 いつからだろうか。自身が力不足だと感じたのは。

 

 いや、ずっとだ。カヤ様に助けられたあの日から、ずっと。

 

 FOX小隊に負け、自身が勝ったのは大したことのない不良大勢。そして今も、立つことが精一杯で空崎さんに守られている。

 

 自分には、これが限界なのだろうか?

 

 ヒナのように強くはなれないのだろうか?

 

 

 もし、ヒナのように強くなれたのなら。その時はカヤ様を…カヤ様を取り巻くすべての障害物を取り除くことができるのだろうか?

 

 羨ましい。

 

 その時、身体の奥底が熱く、灼けるような痛みに襲われる。その痛みに私は耐えられず、地面へと伏せてしまう。

 

『クックックッ、やっとですか。長かったですね…貴方の神秘は、これより第2フェーズへと移行します』

 

 意識を失う前、そんな声が聞こえた気がした。

 




キキキ、だとかククク、だとか変な笑い方の人ばっかり出てきますねー。ゼハハハハ。

日常回で挟んでほしい学校とのやりとり

  • ゲヘナ
  • トリニティ
  • アビドス
  • ミレニアム
  • 百鬼夜行
  • 山海経
  • レッドウィンター
  • ヴァルキューレ(これはそのうちやる)
  • アリウス
  • うわぁぁぁぁん!!全部みたいですぅ!!
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