無職転生オリキャラ妄想 ~異世界少女は頑張ります!~   作:af

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青年期 クリフ編 ~ 組織編

【クリフ編】

 

私専用の魔導鎧も完成間近というころ、ミリスから手紙が来た。ラトレイア家に母ゼニスを見せに行くらしい。

ついでに私とアイシャも付いていくことになった。クレアさんか……嫌いではないが、正直かなり苦手な人だ。

あの人怖いし……礼儀作法とか言葉遣いとかうるさいし……。

まぁ、兄が言うのであれば、付いて行こう。気は進まないが、あれで結構心配をかけたらしいし。元気な姿を見せるくらいはした方が良いかもしれない。

 

それに、久しぶりにルー兄との旅だ!今回はアイシャも一緒。クリフさんもついてくる、というよりクリフさんについていくらしい。ふふ、立派な教皇になれよ!魔道具も作れよ!

と肩をつついていたらクリフさんには苦笑され、アイシャには呆れられてルー兄には嫉妬の目で見られた。何となく居心地が悪かったのでゼニスの元に逃げ込んだら、やさしく受け止めてくれた。ママ大好き。

最近はアイシャもすっかりメリハリのある体つきになったなぁと、道中抱き着いて昼寝しながらぼんやりと思った。アイシャには「私はゼニス様の世話で忙しいから、ラズリィ姉はお兄ちゃんに面倒見てもらって」と言われて放り出されたが。しくしく、お姉ちゃん悲しい。ルー兄、久しぶりに一緒にお風呂入ろ。え、ダメなの?

 

道中特にトラブルもなく、ミリスに到着。相変わらず美しい街並みだ。ラトレイア家に行くまで少し観光して回ってもいいのでは……ダメですか。そうですか。

あ、お母さんが急に立った。え、ギースさん?久しぶりー、催眠魔術教えてくれてありがとうね。へー、ギャンブルでお金なくなったんだ。この魔石要る…? いらないの?お金に困ったら売ってもいいよ。うん、どういたしまして。 ……そう、えっと、あんまり無茶しちゃだめだよ。え、なんでみんな私のこと見るの?

ギースとはすぐに別れて、クリフさんの家で一泊することに。アイシャの指示に従ってちまちま魔術で掃除してたらあっという間に綺麗になった。私はアイシャの掃除用具だったらしい。

夜はルー兄を真ん中に川の字になって寝た。ルー兄とアイシャがぼそぼそと会話していたが、私は眠気に負けてあっけなく意識を手放した。

 

翌日、身支度を整えてラトレイア家にむけて出発。

見覚えのある道を抜けて目的地に近づくにつれて、私とアイシャはどんどんテンションが下がっていった。

着いたら応接室に通され、私とアイシャは兄の言葉でソファーに座りしばらく待つと、記憶よりいくらか皺の増えたクレアお祖母ちゃんが現れた。ルー兄が挨拶するも無視。あれ、この人こんなに失礼な人だったっけ…?

しかもお母さんに直行するなり、ぶっきらぼうに従者みたいな人に何か言い放ってすたすた歩いて行っちゃうし。ちょっとルー兄に対して失礼過ぎないかと睨もうとしたら、それ以上に険しい目線に射抜かれて体が固まってしまった。怖い…。

かと思えば隣のアイシャに向かっていきなり怒鳴った。びっくりして心臓吐き出すかと思った……吐き出しても治せるけど。

ドキドキそわそわ戦々恐々としていたら、ルー兄がすっと会話に入って何やら話し始めた。流石ルー兄……怖かった……。思わず兄の服のすそをつかんだまま手が離せない。ルー兄とクレアはなにやら大人の会話をした後、仕切り直しとばかりに揃って座った。

で、母の治療についての話をぼんやり聞いてたらいきなりノルンと私の話になった。私はほら……一応は帝級魔術師だし……と心の中で自己弁護してたら、ルー兄が私の事すごいよいしょして伝えてくれた。ほへー、私そんなに凄い人だったんだ。お祖母ちゃんも難しい顔して黙り込んでるし、セーフなのだろうか。

結局話題がノルンの事に切り替わるまで何も言われなかったのでセーフっぽい。そんでいきなりノルンの婿を見繕うとか言い出した。その席はルイジェルドさんが内定してんだからしゃしゃり出てこないで欲しい。

なんとももやもやする話し合いは、お母さんの診察をしていた医者が戻ってきたことで中断。母の普段の様子についての確認をとっていると、いきなり話が飛んで母を再婚させるという爆弾がぶっこまれた。

しかもクリフさんと縁を切れだの、母を置いてここから出てけだの、母の事を「こんなの」呼ばわりだの……ルー兄が思わず大声で怒鳴ったが、私も同じかそれ以上に怒っていた。ガチギレだ。

気づけば、屋敷の中全て凍らせていた。そして、唯一凍っていない兄とアイシャと母の手を引いて、さっさとここから出ようと歩き出す。安心してルー兄、ちょっと氷の中に閉じ込められただけで、五分くらいで全部溶けるから。

一拍置いて冷静になった兄の顔がだんだんと青ざめていくが、気にせず屋敷を後にした。敷地を出た瞬間屋敷を解凍した代わりに敷地全体を高密度の氷の檻で囲んだから、しばらく追ってこないでしょ。

 

結局、昨晩同様にクリフさんの家に泊まることになった。道中、ルー兄から流石にアレはやりすぎだと注意され、アイシャからはスカっとした!と褒められ、母からは軽い拳骨をくらった。でも後悔はしていない。

そして最後に、ルー兄が私とアイシャの事を抱きしめてくれた時、心の中のドロドロが一気に霧散した。

しかし、今までの人生で一番怒った気がする。でも、大好きな家族全員に対して悪し様に言われたのだ。怒って当然だ。むしろよくセーブしたわたし。超本気になったら多分この街を吹っ飛ばせるからな、今の私なら。

にしてもなんでクリフさんってばそんなにクレアさんの肩を持つんだ……もしかして知り合いなのかな?

 

翌日、兄はクリフさんと出かけていき、私は一気にこの街が嫌いになりふて寝を決め込むことにした。アイシャはウェンディちゃんというお手伝いさんに指示を出しつつ、ぱたぱたと家事のため走り回っている。私は母を抱きかかえて見物。それも飽きて、ちょうどいい昼下がりなのもあり、母と一緒に布団で昼寝をかますことにした。

 

アイシャの怒鳴り声で目が覚めると、隣に母はいなくなっていた。え?と思いアイシャの方に向かうと、珍しく慌てた様子の妹から母が居ないことをギースに連れ出された事を聞かされてびっくりする。そして、なんで私を起こさなかったのかとウェンディに聞くと、ギースに私が起こしても起きないのを伝えたらそのまま寝かせておいてやれと言われたとか。えぇ…もっと強く起こしてよ。

怒り心頭なアイシャを宥めつつこれからどうしようかと相談して、とりあえずルー兄が帰るまで様子を見ようかという事になったその時に、そういえばギースはラトレイア家と私たちの確執を知らないのではと気づいて、やっぱり二人で探しに行こうかと玄関を開けたところで、ルー兄がいた。

 

話を聞くなり私とアイシャを担いで空中散歩を断行した兄に抗議しながらアイシャと目を回していると、酒場にてギースを発見。案の定、ラトレイア家が母を確保してしまっていて、急いでそちらに向かうも話が通じず門前払い。いっそのことこんな屋敷丸ごと壊しちゃおうかなと思い始めた所でギースに止められ、そんな私を見て少し冷静になった兄が私とアイシャの手を引いて撤退した。残念……。

結局母の居場所は不明であり、アイシャは傭兵団支部の確保を命じられ、私は緊急用脱出用の転移魔方陣や社長とやり取りするための石板などを設置する任務を命じられた。それが終われば、ギースと一緒に母の居場所を捜索だ!

 

翌日兄が教皇の元へと出かけていき、私たちは忙しなく準備を整えながら情報収集。

しかし昨日から私はあまり体調がすぐれず、アイシャが確保した建物に魔方陣と石板を設置した段階でノックダウンしてしまった。流石に魔族のギースが意識のない私を背負ってると問答無用で斬られかねず、かといってアイシャには私を背負って動けるだけの体力はないため、私は結界を張って支部でお留守番。

なんか数回ほど外が騒がしくなったものの、結界が破られそうな気配はなかったため気にせず体を休めてたら、ルー兄とアイシャが来てくれた。どうやら無事母を取り戻したらしい。安心したと同時に緊張の糸が切れて、寝てしまった。

 

次に目が覚めたら――目の前には、見知った猿顔の魔族。

「悪いな、ラズリィ」といわれて目の前に突き出されたのは、思い出したくもない忌まわしい記憶の象徴……転移直後の私の身体に散々突き刺された、血にまみれた短剣だった。

口から勝手に漏れる引き攣った悲鳴を遠く感じながら、「あぁ、私は今日死ぬんだな……」と悟った。

 

…………。

 

ルーデウスはアイシャとゼニスと共にクリフの家まで帰ってきた。

先ほど神子から聞いた話を早く妹にも伝えてあげたいという思いでいっぱいで、すっかり浮かれ調子である。

最初に違和感を覚えたのはアイシャだった。家が静かすぎる。

ルーデウスはそれにラズリィはまだ寝てるんだろうと軽く返して部屋に行くと、ベッドはもぬけの殻。

唐突に感じた胸騒ぎは、アイシャが焦った声で手渡してきた置手紙を見て決壊した。

 

”それからラズリィの嬢ちゃんは借りてくぜ、センパイ”

 

”嬢ちゃんには、恩を返してもらわなきゃいけねえからな”

 

”俺のジンクスだ。 ギース・ヌーカディアより”

 

ルーデウスの怒号が、ミリスの街並みにこだました。

置手紙に添えられた、再会当初ラズリィがギースへと贈った花型の魔石は、すべての花弁が砕かれていた。

 

 

 

【組織編】

 

ルーデウスは荒れに荒れた。

当然だ、最愛の妹の一人、ラズリィがヒトガミの手に堕ちたのだから。

思えば、転移事件の時もそうだった。ゼニスは心神喪失し、パウロはゼニス救出時に命を落としたものの、家族は皆あの災害によって直接酷い目に合う事はなかった。たった一人、ラズリィを除いて。

何故あの子ばかり……いや違う、己が目を離してしまったからだ。自分の失態だ。

アイシャとノルンは、それぞれ「自分がついていれば」と思い詰めているが、それは違う。仮にもS級冒険者であるギースの相手はどちらにしろ不可能だっただろう。

あの場でラズリィを守れるのは自分だけだったというのに、なまじ自分より魔術の腕がすぐれているからと、多少は目を離しても自力でどうにかできる力があると考えて油断してしまった。

確かにラズリィは魔術においては天才であり、短いとはいえ紛争地帯での戦闘経験もある。

しかしそれでも彼女は、未だ男にトラウマを持つ傷ついた小さな少女なのだ。やりようはいくらでもある。

ギースがラズリィをどう扱うかはわからない。奴個人ならまだしも、バックにいるのはヒトガミだ。生きているかも怪しいし、あの日記を読む限りむしろ死ぬよりも酷い目にあっているかもしれない。

悪い妄想が際限なく膨らみ、頭がどうにかなりそうだ。

そんな時は、あの未来から送られてきた日記を読んだ。そうすると未来の自分に叱咤されている気がして、幾分か冷静になれた。

 

オルステッドはルーデウスと会うたびに「すまない。必ず見つける」と苦し気に言った。必ず助ける、とは言わなかった。

アイシャとノルンは、誰を責めるでもなく、粛々と自分のやるべきことをこなした。ただ、2人とも元気がないのは明らかだ。

ザノバはせっかく完成したラズリィ用の魔導鎧を、無言でルーデウスに差し出した。無言の気づかいが、今はありがたかった。

ジュリは最近、ラズリィを象った人形ばかりつくっているらしい。

ナナホシには、泣いて頬を叩かれた。それ以来、研究は最終段階にもかかわらず遅々として進んでいないらしい。ペルギウスに苦言を呈されたが、知ったことではない。

エリスは、空いた時間はずっと素振りを続けている。素振り中は殺気立っていて、誰も声をかけられない。

シルフィは努めて明るく振舞い、リーリャと共に子育てに奔走している。でも時々、無意識にラズリィの居た部屋へと視線を向けているのはみんな気づいていた。

ロキシーは、ラズリィのための魔道具の改良をしながら「きっと帰ってきます」と言い続けている。自分に言い聞かせるように。

ゼニスは変わらずぼーっとしているが、姿が見えない時は大抵ラズリィの部屋にいる。

ルーシーはあまり現状を理解しておらず、時折「らずりーいつ帰ってくるの?」と度々疑問を投げかけている。

一見して普段と変わらぬルーデウス邸は、しかし以前とは決定的にどこかがズレてしまっていた。

 

ギースとラズリィを捜索する傍ら、王龍王国への根回しや魔王へのあいさつ回りなども行った。

少しでも、ラズリィ捜索の手を広げたかったし、それに妹が見つからないからと仕事をボイコットするわけにもいくまい。守るべき家族は、ラズリィただ一人ではないのだから。

粛々と任務をこなす中、ついに待ち望んだ知らせが届いた。魔界大帝を見つけた、と。

 

すぐさま魔大陸に飛んで行ったルーデウスがキシリカに詰め寄り、ドーナツ片手に尋問することでラズリィの居場所を特定。右目にずぶしゅーされたりと色々あったものの、ヒトガミの罠を警戒しつつもフル装備でエリスと共に現場へ急行。

忌まわしい紛争地帯の片隅、人気のないログハウスの中でラズリィは静かに眠っていた。傍らには置手紙。

 

”何を想像してたかは知らねえが、安心しろよセンパイ。別に酷い事はしてねぇ”

 

”ただ少しばかり、魔石づくりやら諸々の労働をしてもらっただけだ”

 

”ただし、最後に一つ置き土産を残しておいた。センパイにはちと辛いかもなぁ”

 

言いようのない不安。手紙の内容と今目の前で無傷で寝ているラズリィを見るに、想像してたような酷い惨状ではないらしい。

しかし、ヒトガミを相手に後手に回ると碌なことにならないのは身をもって知っている。

……いや、とりあえずラズリィの安全確保が先だ。今はそのことに集中しよう。

そう思ってラズリィを抱えると、うっすらと開く瞼。

良かった、目を覚ました……と安堵したのもつかの間、ラズリィはまっすぐルーデウスの顔を見て、恐怖に顔をゆがめた。

 

……え?

 

次の瞬間腕の中で猛烈に暴れ出すラズリィ。必死に呼びかけるも錯乱はひどくなる一方で、無詠唱魔術によってそこらじゅうが大惨事になり始めた段階でエリスが苦渋の顔でラズリィを締め落とし、事態は沈静化。

エリスと顔を見合わせて、何が起こったのか分からず立ちすくむ。

結局、二人がラズリィを抱えて走り出すまで、数分の刻が必要だった。

 

流石に家の中で暴れられてはシャリーアが更地になりかねないので、郊外に魔力を阻害する王級結界魔方陣を敷いて、その上でラズリィを起こすことに。

結果、何度となく暴れながらもラズリィが零した言葉を総合し、ギースが残した置き土産の正体が判明した。

 

ギースは、催眠魔術を使いラズリィにある暗示をかけた。

一つは、男が恐ろしくてたまらなくなる暗示。元々あるトラウマを増幅させた分、その効果は強力無比であり、ルーデウス相手でさえも泣き叫んで話にならないほど取り乱してしまう。

そしてもう一つは、家族に対する恐怖と忌避の刷り込み。ご丁寧に、家族一人ひとりに対して刷り込みを行った結果、アイシャもノルンもリーリャもシルフィもロキシーもエリスも、誰一人としてまともに会話が成立しなかった。

しかし幸いなことに、リニアとプルセナが相手の時は比較的会話が成り立ち、ジュリが相手の時はそこまで酷く取り乱すこともなく会話をすることができた。このことから、おそらくギースと面識のあるラズリィにとって大切な人々を核として催眠をかけたのだろうと判明し、中でも一番平気だったのがナナホシだったこともあって、ラズリィは空中要塞にてナナホシが保護することになった。

 

基本的にはナナホシに抱き着いて普通に過ごしているらしいが、うっかり家族の事を想起させることを言うとひきつけを起こして泣き叫ぶらしい。

おそらくは、家族と奴隷時代の記憶を結びつけているのだろうと思われる。

誘拐後から催眠をかけられ昏倒させられるまでの間は、ひたすら魔石やスクロール、魔道具作りをさせられただけで、待遇は悪くなかったらしい。

また、寝言ではずっと家族に対してごめんなさいと言い続けていることから、家族に対する愛情まではいじられていないだろうと思われる。

 

そうルーデウスが報告し終えると、家の中は重ぐるしい空気が支配した。

あれほど心配して無事を祈ったラズリィに再び会えた感動と、その後のラズリィから今まで見たこともないような恐怖と悲痛の表情を向けられたことに対する絶望の落差は、家族全員に少なくない衝撃を与えた。

とてもではないが、ラズリィの無事を喜べる雰囲気ではなかった。

 

オルステッドも一応は催眠魔術を扱えるものの、熟練度は低くせいぜい相手を眠らせる程度。ルーデウスもラズリィと一緒にギースに習ったが、昨日の晩御飯を思い出せなくするくらいが関の山だった。おまけに嫌悪の対象からだと催眠の効果も半減することから、オルステッドからもすぐには元に戻せないだろうと言われた。

ラズリィにかけられた強力な催眠魔術を解くためには、ギース本人を捕まえる以外、現状では打てる手がない。

 

家族の幸せを人質に取り、身を守るための保険とする。非常に悔しいが、実に効果的な作戦だ。

しかしオルステッドはヒトガミらしくない手だとうなっていたことから、もしかしたらギースの独断なのかもしれない。

たしかにヒトガミなら、ラズリィの惨殺死体と一緒にこちらをあざ笑うような置手紙でも残していきそうだ。

 

取り合えずラズリィにはナナホシ経由でオルステッド謹製の守護魔獣召喚をさせた上、ペルギウスが支配する空中要塞にて身柄を確保されていることからひとまず安全は担保されたと思っていいだろう。

なんでも、氷を身にまとった真っ白な子猫が召喚されたらしい。名前はクロと名付けたそうだ。ネーミングセンスまでダメダメじゃん…とアイシャが泣きながら笑っていた。

 

 

 

【各キャラの現状】

 

・ルーデウス

一応はラズリィが無事に生きていてくれて本当に良かった。

もしラズリィが惨殺死体だったり以前のように性奴隷にされていたら、多分半年は使い物にならなくなっていたと思う。あるいは闇落ちしてギース絶対殺すマンになっていたことでしょう。

家族の中でも過保護なくらい大切にしていて、自分を慕ってくれてもいたラズリィから恐怖の目で見られてかなりのダメージを食らった。サラ以上、エリス未満くらい。自業自得な分余計につらい。

強がってるけど隠れて泣いている。

 

・シルフィ

ルディほどのショックは受けていないし、死んでるかもしれないと覚悟はしていた分、家族の中ではかなり耐えている方。泣き叫ぶラズリィに一番長く呼びかけていた。

ルーデウスから話には聞いていたものの、改めてラズリィが負った心の傷の深さを垣間見て、もし催眠が解けたら今まで以上に甘やかしてあげようと心に誓う。

あと、そんなラズリィに夜這い紛いなことをしていたアリエルに今更ながらに少しだけ怒りが湧いた。完全にとばっちりである。

ラズリィの好物だったお菓子をせっせと買い込んでは死蔵している。

 

・ロキシー

家族の中では最も多く別れを経験しているので、その分家族の中では一番覚悟を決めている。……と自分では思っていたものの実はそうでもない。何なら一番引きずっている。

ラズリィの部屋に置いてあった抱き枕を持ち出して、一人で寝るときは大体それを抱きしめて寝ている。

ラズリィの抱き着き癖は今に始まったことではないが、寝るときは特にロキシーの所によく通っていたので、落差もあって一番寂しい。

(シルフィーは子供の世話で忙しく、エリスは抱きしめ返されたが最後抜け出せないし、ゼニスのところにはリーリャがいるため。ロキシーの日は、アイシャの所に行ってお姉ちゃん型クーラーになってた)

自分の娘も同然に愛情を注いでいたので、近づくだけで怖がられたときは絶望で涙があふれた。

パックスの事を思い出し、自分はちゃんと彼女の心の傷に寄り添ってあげられていたのだろうかと毎晩のように自問自答している。

 

・エリス

一度ルーデウスの前で取り乱すラズリィを見ていたため、王級結界に囲った後は野生動物を相手にするような動きで何とか怯えさせずに近づこうとしたが無理だった。

ナナホシとルディの考察を聞いて、それじゃあ仕方ないわね!と割り切っている。

時間をかければルーデウスが何とかしてくれると思っているので、家族内では一番楽観的。

ギレーヌからの助言もありラズリィの敵討ちする気まんまんだったため、少し消化不良気味である。

現在のルーデウス一家の中では実は一番のムードメーカー。

 

・ノルン

パウロ率いるフィットア捜索団で元性奴隷の被害者たちを何人も見てきたこともあり、ラズリィの心の傷を分かったような気持ちになっていたことを深く後悔した。

ラズリィ姉もそろそろ男性恐怖症を克服した方が良いと無駄におせっかいを焼いていた過去の自分を殴りたい。

結局自分は、皆に守られてぬくぬく生きてきただけなんだなと痛感した。

ラズリィが贈った魔石細工のペンダントを肌身離さず持ち歩いている。

 

・アイシャ

ノルンと同様、ラズリィの心の傷の深さをどこか舐めていたことを深く反省した。

家事の時抱き着いてきたラズリィ姉を邪険にして悪かったな……とか、なんでミリスに居た時にラズリィの隣にいてあげなかったんだろうとか、一番身近にいた自分がちゃんと心のケアをしてあげてれば今こんなにラズリィ姉が苦しむこともなかったのかなとか、色々とつらつら考えながらも家事はきちんとこなしている。

地味に今までの人生で一番無力感を感じている。天才の挫折。立ち直れるかはアルス君次第だろうか。

 

・リーリャ

アイシャ以上に、自分がラズリィお嬢様のメンタルケアをしっかりできていなかったことを悔やんでいる。後悔する事山のごとし。

ミリスに行くときアイシャに任せる判断を下したことは間違いではないとは思っているが、それでも死ぬほど悔やんでいる。

皆の目がないところで、ゼニスに「お嬢様を守れなかったことをお許しください…」と謝罪している。

 

・ナナホシ

ルーデウスを除けばこの世界で最も大切な友人である少女が、自分の罪の象徴のような形で苦しんでいるのを見て脳が焼かれている。

もう仮に帰還魔方陣が完成したとしてもラズリィを置いて帰れないんじゃないだろうか。

また家族を頼れなくなったラズリィが最後に頼れる先が自分であるという事にほの暗い欲求が満たされてちょっと喜んでおり、そんな自分に自己嫌悪している。

ラズリィは現在家族の事を考えるだけでトラウマが刺激される重症であるため、頭の中をナナホシでいっぱいにすることでかろうじて正気を保っている。情緒が未発達なラズリィにとっては半ば刷り込みに近いかたちでナナホシへの愛情が形成されており、それを四六時中受け止めているナナホシは性癖が歪んでしまった。

クール美少女JKをロリ百合堕ちさせるの最高ンゴねぇ……。

ペルギウスとしてもうかつに手が出せないため見て見ぬふりをしている。正直せっかくの弟子の素晴らし研究を邪魔ばかりしているラズリィの事を忌々しく思っているが、ラズリィの悲惨な過去に対する同情心で相殺している。

 

・ザノバ

あまりいう事はない。普通に悲しんでいる。

元々自分は割と怖がられていたため、ショックはそんなにない。

もちろんラズリィの為なら何でもする所存ではあるが、現状自分にできることはないため黙々と魔導鎧の改良などに努めている。

どちらかといえばジュリのメンタルケアに苦心している。

 

・ジュリ

固い絆で結ばれていた親友から、酷い扱いの末に出戻ってきた奴隷のような眼を向けられてしまい子供心に相当ショックを受けている。最近は夢見も悪い。

毎日何時間もラズリィがザノバやジュリのために作ってくれた魔石彫像を眺めてはため息をついている。

たまにザノバがペルギウスとお茶をしに空中要塞を訪れるときは必ずついて行って、遠目にラズリィを見てそわそわしている。

ラズリィが深い眠りについているときはナナホシがこっちおいでと合図してくれるので、そのときだけラズリィに抱き着いてラズリィ成分を補給している。

ナナホシは内心ジュリがライバルになるのではないかと少し警戒している。流石にジュリはザノバ一筋よ。

 

・リニプル

姉御に怖がられて辛いニャ。でもボスたちも怖がられてるからしょうがないの。

でもきっとボスがなんとかしてくれるニャ! お肉をたくさん用意しておくの!

 

・オルステッド

今回の件で最も責任を感じている。

ギースというヒトガミの虎の子を暴いたことは喜ばしいが、それを引き換えにまがいなりにも自分を呪いによる影響をほとんど受けずに慕ってくれた少女の現状に奥歯を噛みしめている。

時間と魔力を消費してでも必ずラズリィを元に戻してやろうと誓っているが、まずはギースを始末するのが先決と頭を切り替えて行動している。

度々ラズリィの恐怖に歪んだ瞳とルーデウスの何か言いたげな瞳がフラッシュバックしており、もし仮に次のループに行くことがあれば絶対に紛争地帯で待機しようとか考えている。

寿命もどこまであるかは怪しいものの、うまくいけばループ終わりどころかその後の長い人生まで付き合ってくれうる人材でもあるため、こんなところで見捨てるような真似は絶対にしたくない。

今後は家族一人につき守護魔獣一体は必須か…?とか割と真剣に考えている。

きっとこの先、ラズリィに対してはルーデウス並みに過保護になる事でしょう。

 

 




キサラギSQ様のR18ナナホシ×ルーディアはまだかなぁ…。
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