2週間弱ほど出張になるので原作が手元になくなります。
なので2週間弱は原作の次話(2巻の始め、夏休み最終日)までの間の話を広げます、気合です。
結束バンドのライブから二日後、STARRYの店内で珍しく星歌の隣のカウンターにPAさんが腰掛け、話しかけた。
「店長、私やらかしましたね」
「何がだよ」
薄暗いSTARRYの店内でPAさんが店長に話しかける、やや落ち込み気味なのが珍しい姿だ。
「私、親しくなったら名前を教えるって言ってたのに、教える前にキスしちゃったじゃないですか、軽い女とか思われてませんかね?」
「
「それならいいんですけど、はぁ……」
「てかなに、何があってそんなガチなんだよ」
「あ、それ私も気になる!」
ひょこっと現れた虹夏も二人の事情を聞きたがるが、PAさんも話すに話せない内容だけに、ボカして伝える。
「私が別名義で活動してる方で関わりがあって……ずっと支えてもらってたんです。だから気づいてもらいたいような、気づいてもらいたくないような、でもとにかく他の人のものになるのは阻止したくて……」
「軽いどころか重いわ、重すぎる」
「PAさん、乙女の顔してる……」
STARRYで珍しく真っ当な恋バナが行われていると、入り口が開いた。こういった話が大好きそうな人筆頭、喜多郁代が来た。
「おはようございまーす!」
挨拶をするとテンションはまばらだが皆が返事を返してくれる。その中でPAさんの方へ向かう、昨日のことを報告しないといけない。
「PAさん、昨日咲良くんとクラスメイトのさっつーと夏休みの宿題をしてたんですけど」
「はい」
「「ほーほー」」
店長さんと虹夏先輩も興味深そうに聞いてる、反応が同じなのは姉妹らしいわね。
「最初はもう付き合ったと思い込んでた咲良くんが最後には付き合えてないし、名前を教えてもらってないから親しくもないって丸め込まれて半泣きで帰っていきました」
最初は心なしか嬉しそうにしていたPAさんをドヤ顔で店長さんが見ていたけど、後半になるにつれPAさんは心なしか元気を無くし、店長さんはなんだそれみたいな顔になった。
「何があってそうなったの……」
「それが……」
虹夏先輩も呆れた表情で聞いて来たから昨日の出来事を説明する事にする。
約束の12時から5分ほど余裕を持って待ち合わせ場所につくと、そこにはもうさっつーと咲良くんがいた。
二人ともロインの反応が無いと思ったら話すのに夢中だったみたい。
「遅いぞ喜多〜」
「勉強へのやる気はそんなものか?」
「約束の時間より早いし、この中で一番成績の悪い咲良くんには言われたくないわ」
さっつーと咲良くんは波長が合うというか、仲が良いのはいいことだけど、二人揃うと私が揶揄われるのはなんとかならないかしらと思ってると二人の手にスタバのカップが握られてるのに気づいた。
「もしかして約束の時間間違えた!?遅れてごめん!」
「いや、合ってるよ。早めに集合してスタバの新作買いに行ってた」
「誘ってよ!私も!」
「さっつーと二人で今日どの宿題片付けるか電話してる時に決まったから」
「だから誘ってよ!私も!その通話に!」
私が興奮したのを見て二人がいえーいとハイタッチする。疲れるわ。
「まあ普通に電話は嘘で俺たちが早めについたから買ってきたんだ、これ喜多さんの分」
代金を払おうとすると止められた。今日は確実に勉強を教えてもらう側だから受け取れないらしい。
「咲良と付き合ったらいっぱい奢ってくれそうでいいな、私と付き合う?」
「下心が見えすぎだよ、それに俺もう彼女いるから」
「え!?」
「もしかしてあの後PAさんに告白したの?されたの?」
さっつーが驚いて、私も告白してる姿を見ていなかったから咲良くんに聞いてみた。
「いや、PAさんの顔見ると思い出して照れちゃうから話せてないけど、キスしたってことはそうじゃないの?」
「審議に入ります、さっつー来て」
確かにディープなやつだったから咲良くんがそう思うのも無理はない、私もあれで何も関係が進展してないって言われたらそれはそれでモニョる。
事の次第を廣井さんにもらった写真付きでさっつーに説明して審議に入った。
結論はさっつーはそんな事ないんじゃね?派、私は五分五分だから慎重に会話を選んでPAさんの気持ちを確かめてみる派。
「ねえミナちゃん、そのPAさんはキスする時になんて言ってた?」
「廣井姐さんの代わりにご褒美って」
「それは恋愛感情だと思う?」
「ちが……う……でもキスしたし……」
「次に、親しくなったら名前教えて貰えるって前言ってたじゃん?なのにまだPAさんて呼んでるってことはさ……」
「俺、親しくなったと認められてないのか……」
さっきまで楽しそうに私を揶揄ってた咲良くんがどんどん萎んでいく、なんだか可哀想になってきた。
「え、てことは親しくない人にもPAさんてキスするの?やだ、俺以外にされてるのやだ……」
セルフ脳破壊までされてる、哀れ。流石に助け舟を出してあげないと。
「ほらPAさんもその話忘れてるだけだと思うわ、側から見ててもPAさんは咲良くんのこと好きよ、安心して、ね?」
これでなんとか持ち直してもらってお昼を食べてからカラオケに入って三人で宿題を片付け、そろそろお開きって時にさっつーがぶっ込んで来た。
「んじゃ、またそのPAさんと進展あったら教えてよ、名前聞けたとかさ」
「名前……俺……親しくない……ウッ!」
さっつーの言葉で咲良くんが謎の発作を起こして半泣きになってた。
ちなみにここも会計は咲良くんが持ってくれた。バンド活動でお金のかかる私を気遣ってくれたみたいで、差をつけちゃいけないとさっつーの分も。
ご機嫌になったさっつーがフラフラの咲良くんと腕を組んで支えながら駅へと向かう。
そういえばさっつーって男子の中で咲良くんにだけスキンシップするし、咲良くんといると機嫌がいい……のは奢ってもらえるからか、なんて思った。
「という事がありまして」
「いやもう、ほんとなんで名前隠したんだよ」
「気づいてもらいたくて……」
「じゃあそれ言えば?」
「自分から言うのは違うじゃないですか、それにミステリアスな雰囲気を崩したくないですし」
「そう言えば私もPAさんの名前知らないです」
「あ、私も」
「……くすんくすん」
「泣いちゃったじゃん、ミステリアスどこだよ」
「なんだか可愛いですね、PAさん」
「ね」
その後PAさんを慰めた。
咲良くんのことを好きなことだけはしっかり伝えたいって言ってたけど、今日はシフトも入ってないし練習を見にくる予定も無いと伝えるとシュン……としてた。
お礼ターイム!
⭐︎10に上げてくださった霧雨 祐介様
⭐︎9をくださった抹茶裏様、usernameあいうえお様、ssを読む程度の能力様、銀赫様、冬蘭様、かんぴょう様
感想をくださったヨーグルト=ソース様、田中読者様、R-01様、銀赫様
皆様ありがとうございます!
皆さんに幸あれ
平日なのに普段より起きるのが遅い日ができるくらいの幸あれ
私は明日普段より早いです……夜更かししてます、やばいっす