流しそうめんの後はホラー映画の時間だ。
俺は和製ホラーは平気で、びっくり系はまあ普通にびっくりする。
イライザさんは和製ホラーがダメで、びっくり系は普通にびっくりする。
てか急に出てきてびっくりしない方が少数派だと思うんだけど、どっちも平気な志麻さんはすげーよ、廣井姐さんも酔ってるから両方平気。
選択権を握ったのは志麻さん、みんなのためにいい感じのをチョイスするとのことだが、ヨヨコ先輩が始まる前からビビりまくってる。
両方ダメだもんね、先輩。
「よし、これにしよう」
そう言って志麻さんが選んだのはネトフリで話題になった台湾ホラー作品。
幽霊が出る系は露骨にダメな人がいるから日本系は避けて、話題になったやつを見てみようみたいな感じの選択をしてくれたのだが、かなり面白かった。
「いやー、最後のシーンの納得感、良かったですねー」
「そうだな、ホラー系って顔が出ると微妙なことが多いんだけど、これは最後までホラーでいてくれた感じがする」
「わかるー、幽霊の顔が美人とか作りが雑とかだと萎えるもんねー」
「ですよね、その点これは怪異としての尊厳を保ったというか、いい作品でした」
俺と志麻さん、廣井姐さんは終わり方までが綺麗だったのでかなり満足がいった。途中のホラーも突然出てきてびっくりするシーンはあれど、幽霊などの脅かし要素じゃなくて呪いといった意思のないものに追い詰められ、足掻くという描き方が独特でかなり良かった。
しかし一方で、イライザさんとヨヨコ先輩は完全に縮こまってそれぞれ志麻さんと俺にひっついていた。
「呪いの言葉、覚えちゃったヨ……」
「なんで、なんで忘れたいのに頭から離れないの……」
作中で出た呪いの言葉を覚えたみたいで絶望してる。
「俺もちゃんと覚えました!◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎◾︎」
「言うなバカ!呪われちゃうでしょ!」
さっきまでの可愛らしい姿はどこへやら、抱きしめる力は首を締める力に変わりヨヨコ先輩に息を止められてしまう。
「これが……呪い……か……」
「呪いのせいで二人が喧嘩!もうダメだヨ〜!」
「「いや、呪い関係ないだろ(でしょ)」」
イライザさんがパニックになって少し泣いたところで、俺が本格的に危なくなる前にヨヨコ先輩も手を離してくれる。
「まあしっかり怖がれたのはホラー映画をしっかり楽しめたってことで、花火するには早いんで気分転換になんかゲームでもしません?」
「それはいいけど、あんたがホラー平気なのムカつく」
「まあ、それは……ねぇ?」
俺ももともとはホラーが苦手だったけど、ある一件以来耐性がついたというか、対処法を身につけたというか。
「まあ、苦労したもんな……」
俺の視線を受けて志麻さんも遠い目をする。
「な、何があったのよぉ……」
「いろいろあったんだ、いろいろ。そんな事よりゲームするんだろう?」
俺の代わりに志麻さんがはぐらかしてくれた。志麻さんの言葉は自然と従いたくなるから、それ以上のツッコミもなくゲームに移行する事になった。
「と言っても五人でできるってなると、トランプとかですかね?」
「いいねぇ、せっかくだから何か賭けようよ〜」
「廣井は負けたら禁酒な」
「おいおい、何かを規制するより何を求めるかの方がロックってもんだろ〜」
ロック、その言葉でこの場の全員に火がついた。
「気を遣わせたら悪いですから、私から……欲しい服があります」
スッとヨヨコ先輩が出したスマホにはそこそこ高い値段の服。SIDEROSも稼げるバンドなため、この場の全員に収入がある。俺は賞金やオーチューブ収入、SICK HACKは言わずもがなSIDEROSよりも稼ぐバンド、ヨヨコ先輩が欲しいものを提示した事で願い事のラインが定まった。
「私も欲しいグッズがあるヨ!」
「私は調理器具だな」
「私はお酒〜!」
え、凄くない?値段帯出てそんなすぐ自分の欲しい物出る?俺も高校生になったから新しい服ほしいけどどんなの選べばいいかわからないし……そうだ。
「ヨヨコ先輩が選んでくれた服!」
これで今までより大人っぽい感じの私服ってお願いすればヨヨコ先輩ならいい感じにしてくれるはず。
「そこは自分のエゴ出そうよ、咲良ちゃん」
「エゴいですよ、大人っぽくてかっこいい私服欲しいんで」
コンクールとかはいつもスーツだし、さすがに私服となれば少し違うのがいい。
「ふん、勝てたらちゃんと選んであげるわ、勝てたらね」
「まあ選ぶヨヨコがいいならいいか」
ヨヨコ先輩と志麻さんからの許可も出たので決まりとなり、いろんなゲームで勝ち点を競った。
大富豪、ポーカー、スピード、神経衰弱、そして最後にババ抜き。
「こういうのって最後で逆転ができるようにするもんだよね〜」
「その意見、お前が最下位じゃなければ聞いてやったかもな」
「え〜、逆転できる方が楽しいヨ!」
現在一位は志麻さん、次いで俺、ヨヨコ先輩、イライザさん、廣井姐さんで、ババ抜きを三戦するなら、優勝が狙えるのはヨヨコ先輩まで。
「廣井姐さんとイライザさんが言うなら逆転ありがいいっすね、ポイント五倍でどうですか?」
「それだとこれまでのゲームはなんなのよ……」
「楽しかっタ!」
「そう、楽しかったんです、皆が本気で景品を目指して空気がヒリついてたから。最終戦も、その空気でやりたいじゃないですか」
「さっすが咲良ちゃん、ロックだね〜」
廣井姐さんの言葉で確実に一人釣れる。
「姐さん!私もロックです!やりましょう、五倍!」
「全員乗り気ならそうしようか」
最終戦、高レートババ抜き。
結局この後も廣井姐さんは勝てなかったし、優勝は変わらず志麻さんだった。
お礼だー!!
⭐︎9くださった新宿邪ンヌ様、蛾は柄様
感想くださった田中読者様
ありがとうございます!
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ゆるく書いてくんで、みんなも心の赴くままにしてね。
趣味だからね、義務感を発生させずにみんなでゆるく楽しんでいきたい。
でももらえたら精一杯のラブで返す。
皆さんに幸あれ
具体的には出張先が東京で休みに新宿のゴジラぼっちちゃんの写真取りに行けるみたいな!
俺今まさにそれ!やったー!
皆さんにも幸あれー!!