酔っ払い拾ったらロックに出会った。   作:西ローランドゴリラ

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34話

 

 PAさんにピアス穴を開けてもらった翌日、後藤さんが死んで喜多さんが焦ってた。

 一通り喜多さんをからかって、周りにも喜多さんのやばさが伝わった後に追い討ちで『私は罪人です。』と書いた看板を喜多さんにつけていると……

 

「後藤さん起きて!!」

 

 喜多さんが急に叫んだ。

 

「おわっ!」

 

「あっはい!」

 

 叫びに驚いて体勢を崩したところへガバっと起き上がった後藤さんの顔がヒット、完全にバランスを崩して顔面から廊下へダイブした。

 これが報いか……。

 

「後藤さんって勉強はできるのかしら!」

 

「あっできません!」

 

「いい返事ね!!」

 

 顔面を強打した俺を心配するどころか、喜多さんは看板を俺に投げつけてテストの話をしてる。後藤さん前回のテスト3点なのに持ち歩いてんの?

 

 補習になればバンド活動もできないということで、虹夏さんとリョウに勉強を教えてもらうということで話がまとまり、放課後はSTARRYへ。

 二人も勉強中だけど、リョウも相当勉強ができなかった。

 

「いや〜〜〜〜!脳みそが小さすぎて頭の中で転がる音がするわ!!」

 

 リョウが頭を揺らすとカラカラと音が鳴り、次の曲に使えないかななんて話をしてる。

 

「みんな勉強できないと安心するなぁ……」

 

「湊くんも勉強苦手なの?」

 

「ナメないでください虹夏さん、自慢じゃないですけど、俺はほとんどの時間を音楽関係に使ってて勉強なんてほとんどしてないです」

 

「ほんとに自慢じゃないパターンあるんだ……」

 

 虹夏さんに呆れられてると勉強苦手仲間のリョウが肩に手を置いてきた。

 

「湊、勉強なんてしない方がいい。勉強すると音楽のことを忘れてしまう、スラップってどうするんだっけ……」

 

「今までどうやって生きてきたんですか!?」

 

 さすがの喜多さんもここまで来るとリョウを肯定できないらしい。

 

「リョウ!どんな頭の容量してるんだ、音楽で食ってくんだろ!戻ってこい!ベーシスト山田リョウ!」

 

「私一人で全員に教えるのはむりがあるな〜……お姉ちゃんも手伝ってくんない?ぼっちちゃんの分」

 

「はぁ?」

 

 騒ぐ俺たちに限界を感じたのか、虹夏さんが店長さんにヘルプ要請に向かった。

 リョウが相当に手がかかりそうだし、喜多さんは勉強時間が取れたらいいけど俺の面倒を夏休みから見てくれてるとなると、困るのは後藤さんをどうするかだし、後藤さんに優しい店長さんならなんとかしてくれそう。

 

「……なんだこれ、お前分かる?」

 

「私高校すぐ辞めたんで勉強できません……」

 

 ならなかった。店長さんもPAさんも勉強苦手らしい。廣井姐さんもやってきて問題を一緒に考えてるけど答えは出そうにない。てか廣井姐さんいる!なんで!?

 

「廣井姐さん!どうしてここに!?」

 

「外で飲んでると通報されんだよね。つーかカンニングすれば?中間テストくらいいいっしょ!それか教師脅して解答盗めよ」

 

「その手があったか!わかりました!」

 

「最悪だよこの人!やっちゃダメだよ湊くん!」

 

「わかってないなぁ、社会のしきたりに縛られないのがロックだろ」

 

 廣井姐さんがロックを説く、廣井姐さんが言うならその通りだ。

 

「カンニングってロックなんですか?」

 

「ロックに決まってる」

「ロックだ、お前はまだ浅い」

「ロックですねぇ……」

 

 虹夏さんから指摘があったけど、俺、店長さん、PAさんがロックだと言うとすごく微妙な顔で引き下がった。

 

「ていうかリョウ!英語は毎日勉強してるって言ってたじゃん!なんでこんな点数なの!?ほとんど白紙じゃん!」

 

 虹夏さんが持つリョウの回答用紙は3点、後藤さんといい、さすがにその点数はないだろ。

 

「自分でもわからない……毎日8時間も勉強してたのに」

 

 リョウも英語は頑張ってたんだ、その上でこの点数ならやり方がよくないはず。英語なら少し力になれるかもしれない。

 

「英語なら多少は教え……」

「寝ながら毎日洋楽聴いてたのに……」

 

 全然頑張ってねぇじゃんこいつ。

 

「もう留年しろ」

 

「伊地知先輩、後藤さんも結構やばいんですよ……!ちゃんと全問解いてるのに全部間違ってるんです……!」

 

 喜多さん曰く、なんと後藤さんはテスト前にちゃんと勉強して、ノートも綺麗にとってるのにできないし、何が苦手なのかも把握できてないらしい。勉強できないのレベルが違ったわ。

 

「そもそもバンドマンに学歴って必要なのかしら?必要ないわよね……?よし!私も先輩と後藤さんと一緒に学校辞めます!!」

 

「正気に戻って!」

 

 限界を超えて喜多さんが壊れてロックな部分が現れてくる。虹夏さんは止めるけど、この場ではたぶん肯定派が多いんだよね。

 

「そうだよぉ!ぜーんぜん必要ない。現に勉強できなくてもちゃんと生活できてるし」

 

「そうそう学校なんてやめましょ、毎日が夏休みですよ」

 

「だめな大人たちは黙ってて!!」

 

「廣井姐さんもPAさんもダメじゃない!素敵な人たちだ!」

 

「わかったから湊くんもちょっと黙ってて!」

 

 二人がバカにされてついカッとなったけど、勉強ができるのは良いことなので大人しく黙ってPAさんと廣井姐さんに慰められておく。

 

 向こうでは喜多さんがモールス信号覚えようとして、ずっとツッコミを入れてた虹夏さんがさすがにキレた。

 

 みんなも反省したのか、リョウは家の机で勉強しないと頭に入らないからと言って「じゃあなんでお前はいたんだ」と暴言を浴びながら帰り、喜多さんは後藤さんに勉強を教え、俺は職員室からデータを盗むための道具をネットで注文した。

 

 

 

数日後

 

 ほぼ満点に近い点数を取ったリョウは意識が高くなりすぎて東大受験を目指し、後藤さんはなんとか赤点を回避して、喜多さんは後藤さんに教えていた分点数が下がったらしい。

 

 俺もだいたいの科目で50点前後、英語だけは高得点といった形で無事に補習を受けずに済んだ。カンニングしようとしたのが廣井姐さん経由でヨヨコ先輩にバレて、みっちりシゴかれたから心は無事じゃないけど。

 





前回の反響がすごい……お礼でごわす。

☆10をくださったぐりーんまん様、さんごろう356356356356様

⭐︎9をくださった夜桜刹那様、クライゼン様、夜霧様、ラルフィー様、かんぴょう様、orange333様、赤い炊飯のジャー様、馬酔木鳳仙花様

感想くださった夜霧様、orange333様、なまこな様

皆様ありがとうございます!

前回は評価点を上げてくださった方も多く本当に嬉しかったです。PAさんの魅力のおかげですね、PAさん好き。

PAさんのコラボメガネをzoffで注文していたんですが、クレカを紛失したため引き落としに失敗してました。
今日店舗に連絡して支払いできたらいいな

というわけで今日ばかりは自分の幸をめちゃくちゃ祈ってます。
皆さんにも幸あれ!
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