酔っ払い拾ったらロックに出会った。   作:西ローランドゴリラ

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初のサブタイちゃんとつけた回です。

SIDEROSの曲が無い中で、ヨヨコ先輩のキャラ付けとして頭の中でイメージしていた曲名をSIDEROSの曲として出すか出さないかで本当に悩みました。

ですが、話を考える上でも大事にしていた曲なので、出すことにしました。

曲が好きだから行ったことではあるのですが、元のアーティストに対して失礼に取られる行為でもあるので、合わない方はブラウザバックお願いします。


38話 果てに咲く花

 

 湊と幽々の二人と練習するようになってからは激動の日々だった。

 ドラムの練習をしないといけないからと、湊はほぼ毎日スタジオを借りて練習して、私たちもそれに合わせてほぼ毎日一緒に練習したんだから、ほぼ毎日三人で顔を合わせていた。

 

 仲間と本気で同じ目標のために走っていく毎日が楽しくて仕方がなかった。

 最初、幽々には湊への態度でムカついたし、怖い話をして私を怖がらせようとしてくるのは今だってされたらムカつく。怖いわけじゃないけど。

 

 でも、幽々の作る料理は家族や湊の好みを把握した優しい味付けで、ステージ衣装を買いに行って気にいるのが無かった時に、ざっくりとイメージに合うのを買って、追加の装飾を細部にこだわって仕立ててくれたり、良いところもたくさんあった。

 

 練習を頑張りすぎたから休もうってことになった日、三人でいった岩盤浴も、友達とあんなところに行くのが初めてだったから楽しかった。

 いや、楽しかったか?薄着で湊にひっつく幽々にも、それに鼻の下を伸ばしてる湊にもかなりイライラした。

 

 でも、演奏は上手いし、この短期間で本気で私たちにぶつかって仕上げて来てくれた。

 付き合いの短さや態度の短さでバカにできない……なんならバカにする奴がいたら私が許さないくらい、幽々は湊にも音楽にも本気な子だった。

 

 だから、幽々には正式にSIDEROSのベースになってほしいとお願いした。

 返事は「お願いなんて柄じゃないですね〜」から始まって断られるのかと思ったけど、続く言葉は「対等なんでお願いなんていらないです、これからも一緒にやりたいって思わされましたから〜」なんてクソ生意気で、でも嫌じゃなかった。

 ああ、このバンドで湊と一緒に演奏するのが楽しみでたまらない!

 

 

 

時は遡り、即席バンド結成が決まったカラオケルームにて

 

「ヨヨコ先輩!本当に俺が好きな曲でいいんですね?」

 

「いいわよ、完璧にサポートしてあげるわ」

 

「一曲目は『アベリアに代わる何かを』、二曲目は『The Other Side』」

 

 速攻で決めてきた上に一曲目はゴリゴリにギターメイン、二曲目に至っては完全に私にも歌わせる気満々。

 でも、どちらも湊が大好きな曲、つまり、当然私にとってこれまでたくさん練習してきた曲だ。

 

「任せなさい!最高の演奏であんたの学校の奴ら、泣き散らかさせてやるわよ!」

 

「やってやりましょう!で、三曲目は先輩にお任せしますね!何にします?」

 

「あんたと一曲やるならこれって決めてるの『Fire and Rose』よ!」

 

「曲が決まったら、次はバンド名ですね〜」

 

 選曲の間は真剣に譜を調べたり眺めたりしていた幽々が、選曲が終わったことでバンド名の話題を出してくれたのに申し訳ないけれど、湊とやる以上私としては希望がある。

 でも、さっき自分で言ったように湊の文化祭での主役は湊で、彼が決めた方がいいはず。かと言って私の文化祭にも出てもらうからやっぱり口出ししたい!

 

「俺は演奏で文化祭を掻っ攫えたらいいんで、メンバー募集もありますし先輩に任せますよ」

 

「まあ幽々もこだわりはないので〜」

 

 私のちょっとした葛藤が無駄すぎたくらいあっさりと二人が譲ってくれる。

 

「そ、そう?ありがとう、二人とも」

 

 あの日、私が湊を励ますためにしたライブの約束は、湊を一人にしないために掲げた海外ロックフェスのトリという奇跡を成し遂げた後。だから湊と肩を並べてのライブは本来、私の夢の終わり、夢の果て。

 だから湊と演奏するならばどうするかなんてずっと前に決めていた。ペンを取り、紙の上で走らせ、SIDEROSに夢の終わり(end)のEを足す。

 

「『SIDE ROSE』青薔薇のように奇跡を証明する側に立つのよ、私たちは」

 

「一文字足しただけで!クソカッケー!ヨヨコ先輩!めっちゃカッケェっすよ!それ!」

 

 湊がキラキラとした瞳で見つめてくる、一方で幽々は悪戯っぽく笑った。

 

「ヨヨコ先輩、湊さんと一緒にやる時はEを付け足すって前から決めてましたよね〜?Eってどんな意味なんですか〜?」

 

「あ、ほんとだ!Eってどこから来たんですか!?」

 

 もう!なんで変なところに気づくのよ!やばい、考えてなかった!どうしよう、何か無いか……あった!

 

「elseのEよSIDEROSとSIDEROS以外で完全なグルーヴを作れたらそれは奇跡でしょう?」

 

「ほんとですか〜?」

 

「うおおおお、ヨヨコ先輩やっぱかっけー!俺か、俺以外かとか言ってるホストみたい!」

 

「湊、それ褒めてるのよね?褒めてるのよね!?」

 

「褒めてますよ!ヨヨコ先輩の音楽にかける想いの強さも、練習量もすごいですから!一人になってもヨヨコ先輩がいる限りSIDEROSはSIDEROSなんだって感じでめちゃくちゃかっけぇっす!」

 

「思ったよりちゃんと褒めてたのね!」

 

 この子は本当に、私が言うのもなんだけど私のことが好きすぎる。おかげでちょっと簡単すぎるくらいにその場しのぎを信じてくれる。

 

「湊さんがはしゃいでるんで、そういうことにしといてあげますね〜」

 

 幽々は逆になんで付き合いが短いのにそんなに鋭いのよ……まあでも、薔薇に込めた思いは青だけなら知られてもいい。

 最近自覚した赤い薔薇、湊への愛は知られたくないけれど。

本来は『Fire and Rose/The QUEEN of PURPLE』ですが、今作中ではSIDEROSの曲として扱わせていただきます。





お礼です。

⭐︎9をくださったデストロイガンダムMrk-2様、不可視芋様

感想をくださったどぅな様

皆様ありがとうございます!

皆様に幸あれ!具体的には今回登場した曲の中に皆様の好みの曲があったくらいの幸あれ!
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