酔っ払い拾ったらロックに出会った。   作:西ローランドゴリラ

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転職関係で忙しいのに一回寝落ちでデータ飛んで、朝急いで書きました。ちょっと泣きました。


44話

 

 打ち上げの翌日、STARRYでバイトしていると、ひとりちゃんの様子がおかしかった。

 

「ぼっちちゃん、なんか今日ずっとキラキラしてる」

 

「目が会うたびにお辞儀してきますねー」

 

 奇行は止まることを知らず、スーパーでサイヤな気をシュインシュインと出し始める。

 男として負けられねぇ。

 

「はぁあああああ!だぁぁああありゃあ!」

 

「湊くんまでおかしくなっちゃった」

 

「金髪で瞳の色も緑になって……どうやってるんですか?それ」

 

「男のロマンです、男なら誰もが一度は憧れるんですよ、この姿は」

 

「やりたい理由は聞いてないんですけど」

 

 虹夏ちゃん、PAさんと様子を見守ってると、独特の足音を出しながらひとりちゃんは店長さんの方へ向かった。

 

「あの!バイトのことなんですけど!」

 

「あ?バイトがなんだって?」

 

「あっ……これからも誠心誠意、粉骨砕身で頑張ります……」

 

 なんか急に萎れた。ゴミ箱に入って行ったし、店長さんと勇気を出してコミュニケーション取ろうとしたのかも。

 バイトを早めに切り上げてギターを買いに行こうって話の時も店長さんの欲しい物聞いてたし、そうに違いない。

 

「ところでPAさん、もうすぐ誕生日ですけど何か欲しいものあります?」

 

 少し考えこんでから、PAさんは自分の胸と俺の胸、それぞれに手を置いた。

 

「身につけるものと、湊くんの時間がほしいです」

 

 了解です!任せてください!

「美人!可愛い!好き!頑張っていいの探してこよう!」

 

「湊、心と言葉が逆」

 

「それより早く御茶ノ水行きましょう?」

 

 珍しくキラキラしてるリョウと、その配下の喜多ちゃんによって余計なことを言わないように口を塞がれ、体を引き摺られる。

 

「昨日のライブであれだけ魅せられた後、よくあんなことできるなあいつら」

 

「二人は特に湊くんと仲良しさんですからね〜、それに気安さも湊くんの魅力ですよ」

 

「にしてももう少し丁寧に扱われていいと思うぞ」

 

 俺を気遣う店長さんと、褒めてくれるPAさんの優しさに感謝すると、階段にぶつかる体の痛みもどこかへ飛んで行った。

 

 

 

 というわけで御茶ノ水に来ると、たくさんの楽器店。テーマパークに来たみたいだぜ、テンション上がるな〜。

 

 テンション上がり過ぎてめちゃくちゃ早口で喜多ちゃんに説明してるリョウもいるな〜。

 

「こんなリョウ初めて見た」

 

「普段からもう少し元気出して付き合ってくれてもいいのにね」

 

「たしかに、今のリョウなんて一緒にいるだけでテンション上がってくるくらいだし」

 

 ひとりちゃんのギターを買いに来たのに一番興奮してるリョウの先導で店に入ると、たくさんのギターやベースが並ぶ壮観な店内に俺たちのテンションも爆上がりだ。

 ひとりちゃんなんか入る前にヘドバン始めてる。いいよねメタル、ヨヨコ先輩がメタラーだからよく一緒に聞くし、メタルの話を振ったら話しやすいかな。

 

「私もギター買おうかなー」

 

 リョウと喜多ちゃんがはしゃいでる姿を見て虹夏ちゃんがこぼした。

 二人には脳内イメージで遊ばれてたけど、実際他の楽器を経験するのはいいことだ。

 

「いろんな楽器を経験しとくと相手の気持ちがわかるから合わせやすかったりするし、リョウなんかはギターも弾けるのが作曲に役立ってるし、俺はいいと思うよ」

 

「たしかに……一人でバンドやってて、作曲や編曲までやってる人が言うと説得力が違う……」

 

 こっちで話してると相変わらず自由人のリョウはベースの試奏を始め出す。ひとりちゃんはどうしたひとりちゃんは。

 

 ……でも、いい音だ。

 体が自然とリョウの音に合わせて足踏みとクラップで音を作っていく。リョウのスラップもどんどんノッてきて二人で音を高めて、収束させた。

 

「おお〜お客様、上手ですね〜、そちらの方もすごい音感です」

 

「「まあ全然、これくらい軽いけど?」」

 

「試奏でイキる奴らだ……」

「それだけノッて、それは無理があるわ」

 

 虹夏ちゃんと喜多ちゃんの言葉が耳に痛いのでそっぽ向くと、リョウと目が合った。

 

「「こいつのせい、良い音出すから」」

 

「あはははは!お客様方、息ぴったりですね!皆さんの演奏聞いてみたいです」

 

 店員さん、大笑いしながら褒めてくれてるところ申し訳ないけど、俺はメンバーじゃないんだよなぁ。

 

「こっちの三人と向こうの子がバンド組んでるんで、今度ライブ行ってあげてください。俺の方はチャンネル登録からお願いします」

 

 俺の言葉に合わせて喜多ちゃんが自身の更新してるイソスタの画面を出して、俺もオーチューブチャンネルのページを表示する。

 

 【咲良 湊/美爛(びらん)ミュージック】

 

 みるみる店員さんの表情が変わっていく。

 

「店長!色紙!色紙出してください!サインもらいましょう!」

 

「やっぱり湊くんて凄いのねー、私も動画見たいわ……」

 

「俺、喜多ちゃんが普通に友達してくれんの好きなんだよね、動画見られて凄い人って思われたら困っちゃう」

 

「郁代、私が厳選して視聴者に振り回されてる湊の動画を送る。傑作は山籠りシリーズ、登山者を助けるためにサックスの大きな音でクマを追い払ったのは見応え抜群」

 

「想像してたのとだいぶベクトルが違う凄さが来たわ!」

 

 俺たちが騒いでたり、店員さんが色紙取りにいったりで、ひとりちゃんは気に入るギターを見つけたのにオロオロしてた。

 邪魔してごめんなさい。




お礼でござーい!

⭐︎10をくださった緑の竜の神主様

⭐︎9をくださったルーオーク様、Alan=Smitee様、Moodyメイビー様、愛良様、夢無き庭園の管理人様、ロック365様、rain@様、ライジングフリーダム様

感想をくださったなまこな様

皆様ありがとうございます!

皆様に幸あれ!具体的にはコンビニの増量キャンペーンでいいやつ買えるくらいの幸あれ!

ローソンのやつまだやってるんですかね?カツカレーめっちゃ美味かったっす
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